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白雲母 (muscovite) 桜川市真壁町山尾 #0032
白雲母は、ケイ酸塩鉱物の一種(フィロケイ酸塩鉱物)で、ペグマタイト鉱床等に広く見られる鉱物です。他の雲母と同様劈開が著しく、薄く剥がれる性質を持ちます。(1枚目と3枚目は背景をソフトウエア処理しています。) 筑波山北方に位置する山ノ尾は花崗岩ペグマタイトの鉱物産地として有名で、鉄礬石榴石や緑柱石の良結晶を産出したことで知られています。
フィロケイ酸塩鉱物 ミニチュアサイズ 茨城県桜川市真壁町山尾石泉亭
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マンガン白雲母 (Mn-muscovite) 戸根鉱山 #0123
マンガン成分でピンク色に発色した白雲母です。(背景はソフトウエア処理しています。) 戸根鉱山は後期白亜紀から暁新世 (およそ9,000~6,000万年前)の高圧変成でできた紅簾石片岩中の層状マンガン鉱床です。
フィロケイ酸塩鉱物 長崎県長崎市琴海戸根町 ミニチュアサイズ石泉亭
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白雲母 (muscovite) 佐嘉鉱山(杉山鉱山) #0218A/B
大型の白雲母の鷹の羽状結晶、写真1枚目と2枚目は表裏ではなく別々の標本です。ペグマタイトではしばしば本標本のような白雲母の大きな結晶が産出します。(背景はソフトウエア処理しています。) 佐嘉(さが)鉱山(杉山鉱山)の鉱床はペグマタイト鉱床と石英脈鉱床とからなり、前者が石英およびカリ長石を対象として大規模に採掘され、後者の石英脈鉱床は一部にカリ長石を伴うペグマタイト質石英脈が珪石鉱山として稼行されました。
フィロケイ酸塩鉱物 佐賀県佐賀市富士町杉山 スモールキャビネットサイズ石泉亭
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珪孔雀石・孔雀石 (chrysocolla/malachite) 山上鉱山 #0539B
青緑色の珪孔雀石と、緑色の孔雀石が美しいコントラストをなしています。いずれも銅の二次鉱物です。(1、2、5枚目は背景をソフトウエア処理しています。) 山上鉱山(さんじょうこうざん)はスカルン鉱床で、1888年(明治21)年から銅・タングステンが採掘されました。大和鉱山(株)が経営していましたが、1955年(昭和30年)には既に閉山していたとのことです。灰重石、輝銅鉱、赤銅鉱のほか、様々な銅の二次鉱物を産出しました。
フィロケイ酸塩鉱物 山口県美祢市於福町下 ミニチュアサイズ石泉亭
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珪孔雀石・孔雀石 (chrysocolla/malachite) 山上鉱山 #0539A
青緑色の珪孔雀石と、緑色の孔雀石が美しいコントラストをなしています。いずれも銅の二次鉱物です。(1~2枚目は背景をソフトウエア処理しています。) 山上鉱山(さんじょうこうざん)はスカルン鉱床で、1888年(明治21)年から銅・タングステンが採掘されました。大和鉱山(株)が経営していましたが、1955年(昭和30年)には既に閉山していたとのことです。灰重石、輝銅鉱、赤銅鉱のほか、様々な銅の二次鉱物を産出しました。
フィロケイ酸塩鉱物 山口県美祢市於福町下 ミニチュアサイズ石泉亭
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珪孔雀石 (chrysocolla) 仏性寺鉱山 #0591
珪孔雀石はケイ酸鉱物の一種で、孔雀石の炭酸がフィロケイ酸に置き換わった化学組成となっており、孔雀石と一緒に産することも少なくありません。本標本でも青緑色の光沢のある部分が珪孔雀石で、緑青色の部分は孔雀石と思われます。(1~2枚目背景をソフトウエア処理しています。) 仏性寺鉱山の銅鉱床は輝水鉛鉱鉱床の上方150m付近の粘板岩と蛇紋岩との接触部に存在しており、鉱脈付近では蛇紋岩が変質して粘土鉱物の滑石や絹雲母などを生じ、粘板岩は珪化作用が進んでいます。銅鉱脈は酸化が進んでおり、輝銅鉱、赤銅鉱、孔雀石、珪孔雀石など二次的生成にかかる鉱物が大半を占めています。
フィロケイ酸塩鉱物 京都府福知山市大江町仏性寺 ミニチュアサイズ石泉亭
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珪ニッケル鉱 (garnierite) 平谷石材採石場 #0152
暗赤色のチャートの表面を濃緑色の珪ニッケル鉱が覆っています。珪ニッケル鉱は独立した鉱物種ではなく、多くの場合はラテライト化(硬化)した蛇紋岩に付着して脈状になっており、熱水作用によって蛇紋岩中のニッケルが沈殿し二次生成されたもので、非晶質で柔らかく砕けやすい性質を持っています。緑色でニッケル成分の多いものほど鮮やかな色になるといわれています。(1枚目は背景をソフトウエア処理しています。) 本標本は四万十塁帯の中生層に胚胎するマンガン鉄鉱の鉱化体(赤鉄鉱~含マンガン赤鉄鉱鉱層)に伴って産出したものとのことです。
フィロケイ酸塩鉱物 三重県度会郡南伊勢町河内 スモールキャビネットサイズ石泉亭
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魚眼石 (apophyllite) 神岡鉱山 #0302
魚眼石は柱状、錐状、あるいは板状の結晶をなし、多くは無色か白色でガラス光沢を持ちます。底面に完全な劈開があり、魚の眼のような輝きがあるのでこの名があります。背景はソフトウエア処理しています。 神岡鉱山は、約2億5千万年前にできたとされる飛騨片麻岩の中に含まれる結晶質石灰岩を火成岩起源の熱水が交代したスカルン鉱床で、亜鉛、鉛、銀、石灰を産しました。神岡鉱山の採掘は奈良時代養老年間(720年頃)には既に始まっており、1589年(天正17年)、豊臣秀吉により飛騨に封じられた金森長近の家臣糸屋彦次郎(後の茂住(もずみ)宗貞)が鉱脈を発見、金山奉行として茂住鉱山、和佐保銀銅山を経営しました。江戸時代には飛騨地方は天領(幕府領)となり、明治維新後の1874年(明治7年)に三井組が栃洞(とちぼら)坑を買収、1889年(明治22年)には茂住坑を取得して神岡鉱山全体の経営を握りました。三井組とその後身である三井鉱山、三井金属鉱業は神岡鉱山の近代化を進め、1968年(昭和43年)には栃洞坑に国内初のトラックレスマイニング法(トロッコなどの軌道を使用せず、坑道を全て斜坑でつなげる採掘方法)を導入するなどして大規模採掘を続け、神岡鉱山は東洋一の鉱山とも呼ばれました。2001年(平成13年)に閉山するまでの総採掘量は、約130年間で7,500万トンに達したとされています。その一方で、閃亜鉛鉱に含まれるカドミウムを原因とし、富山県神通川流域で大規模な公害病被害(イタイイタイ病)が発生し、多くの人々が長年にわたり苦しみました。なお、茂住坑跡地に東京大学宇宙線研究所により、ニュートリノ観測装置であるスーパーカミオカンデが設けられています。
フィロケイ酸塩鉱物 岐阜県飛騨市 キャビネットサイズ石泉亭
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珪孔雀石 (chrysocolla) 大張鉱山 #0160
変質岩の割れ目に鮮やかな水色の珪孔雀石が脈状に生成しています。 大張(おおばり)鉱山は金・銅・ビスマスの鉱染状の鉱脈鉱床で、1935年(昭和10年)に露頭が発見され、1936年(昭和11年)に井上浜五郎らにより試掘が行われ、1938年(昭和13年)には田中鉱業の経営に移りました。更に1943年(昭和18年)に北辰鉱業の経営となり、戦時中は一時銅山として稼行、戦後は金鉱の探鉱が続けられましたが、1971年(昭和46年)に休山しました。
フィロケイ酸塩鉱物 山形県鶴岡市大針 ミニチュアサイズ石泉亭
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珪孔雀石 (chrysocolla) 赤金鉱山 栄鉱床 #0554
銅鉱石上に二次鉱物である青白色の珪孔雀石が皮膜状に生成されています。(1枚目と2枚目の全体写真のみ背景をソフト処理しています。) 赤金鉱山は北上山地中西部に位置していた銅 ・鉄鉱山で、銅のほか金、銀、磁鉄鉱、タングステンが採掘されました。赤金鉱山は奥州藤原氏三代による金の採掘場所と言われており、1861年(文久元年)から鉄鉱石の開発と製鉄が行われました。栄鉱床は斑れい岩と石灰岩の境界部に沿って発達した高熱交代型含銅磁硫鉄鉱鉱床で、江刺興業(株)により1972年(昭和47年)まで金、銀、銅鉱と鉄鉱を採鉱していました。
フィロケイ酸塩鉱物 岩手県奥州市江差伊手 スモールキャビネットサイズ石泉亭
