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珪化帯の鉱脈標本 明延鉱山 2020-10-07 No.2
この標本は、珪化帯の左側に石英脈が貫入したもの。不思議なのは、石英脈が左右対称でないこと。石英脈の左側は、赤銅鉱帯です。その亀裂、または弱線に貫入したために、左右対称にならなかったものと考えられます。 前の、珪化帯の鉱脈標本 明延鉱山 2020-10-07 の説明に石英脈の中心部が弱いので、そこで割れると書いてますが、この標本は、まさにその通りの標本です。
熱水鉱脈・珪化帯標本 明延鉱山 2020年9月SilicifiedZone
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珪化帯の鉱脈標本 明延鉱山 2020-10-07
だいたい、鉱脈と言うのは、中心より半分に割れる事が多いのです。鉱脈の中心には空洞が有ったり、亀裂が入って居たりして、一番弱い場所なのです。 この石も、やはり、鉱脈の中心部より割れたのでしょう。1枚目と2枚目写真は、一つの石を半分に切断した物です。そこで、この切断片を並べておくと、鉱脈の様子が分かる様になります。鉱脈の走行方向に垂直な縦断面、もしくは、鉱脈の傾斜方向に垂直な横断面の構造が見えてきます。 そこで、この石を写真のように並べて置くと、鉱脈の元々有った様子が分かる様になってきます。つまり、珪化帯と珪化帯に貫入した鉱脈の様子が見えてきます。この様な鉱脈部分は、あまり高品位な物は有りません。よって、ズリ等に残っている事が多いのでしょう。 この石は、珪化帯は主に閃亜鉛鉱と方鉛鉱、石英脈部分には、黄銅鉱と斑銅鉱体が有ります。
熱水鉱脈・珪化帯標本 明延鉱山 金木谷 2020年9月SilicifiedZone
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発破の穿孔 宮垣銅山 2020-09-25
宮垣銅山は明治時代に掘られた鉱山。発破孔は、まだ削岩機が無く、手掘りで穿孔していた。だいたい、爆破で穿孔は吹っ飛ぶので、あまり残らない。 この鉱山は、鉱石に白鉄鉱を含んでいる。坑夫は、その白鉄鉱の粉塵を吸う。それが肺に入る。肺に入った白鉄鉱は分解して硫酸を発生、硫酸は肺胞を溶かす。そして呼吸困難になって、30歳そこそこで死んで行く。多分、珪肺よりも、直ぐに症状は出る。 明延鉱山でも、そんな白鉄鉱を含む南谷鉱床が高い山の上にある。若い者は元気なので、その山の上の鉱床を掘らさせられる。しばらくすると肺をやられる。すると、楽な、山の下の坑道に回される。 生野鉱山では、「採鉱8年、溶工15年、かかあばかりが50迄」と言う。つまり坑夫は30歳位迄、製錬工は35歳位の寿命で、奥さんは50歳まで生きられたと言う話。 この石は、そんな悲しい歴史を刻まれた石なのです。、
鉱山の仕事 京都府福知山市 宮垣銅山 2020年9月SilicifiedZone
