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ヒトラー最後の戦い Berlin '45: The Nightmare Ends
このゲームは1945年4月16日から5月4日までのベルリン戦を扱っています。史実を再現する「歴史シナリオ」の他、「もしもあの時……」という仮想設定に基づく「仮想シナリオ」も用意されています。 ゲームは、ソ連軍プレイヤーと、ドイツ軍または西側連合軍プレイヤーの2人によって競われます。 これは国際通信社が発売した「コマンドマガジン誌」3号の付録ゲームです。ルールブックは本誌巻末に綴じ込みでした。本誌中ヒストリカルノートが15ページ、その他「仮想シナリオ」に関連する記事が4ページほどあります。 元々はアメリカのXTR社が1992年に発売した単品ゲームで、マップとコマはオリジナル版をそのまま使用しています。 このゲームでは両軍が移動と戦闘を交互に行う単純なシーケンスを使用しています。機動戦闘や各種の特殊な地形のルールもありますが、ルールの難易度は極めて低いです。ただ、ユニット戦力のインフレが激しく、攻撃力や防御力が「2」や「3」のユニットもある一方で「18」「19」などというユニットもあり、同じく移動力も「16」以上のものがあるなどプレイの難易度は低いとは言い難いです。 「歴史シナリオ」はソ連軍がベルリンへと突進してドイツ軍と戦うもので、「ドイツ軍が首都防衛を強化していたら」という仮定のバリアントもあります。 「仮想シナリオ」は西側連合軍がベルリン攻略に固執する設定で、西側連合軍プレイヤーとソ連軍プレイヤーがベルリン攻略への競争をするものです。ここではドイツ軍は東西両戦線の相手側プレイヤーが操作します。 更にもう一つの「仮想シナリオ」ではドイツの降服後にソ連軍と西側連合軍が戦います(チャーチルの「Unthinkable作戦」設定とは違います)。 #ベルリンの戦い #独ソ戦 ターンスケール: 1ターン=2日 マップスケール: 1ヘクス=5マイル(8㎞) ユニットスケール: 1コマ=師団~軍団
上田信 作戦級 コマンドマガジン誌付録 WWⅡ欧州東部戦線Sin Oga
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大日本帝国の終焉 SAMURAI SUNSET
『大日本帝国の終焉』は、原爆の開発失敗により、連合軍が日本本土上陸を敢行したら?というIFを扱ったシミュレーションゲームです。基本的に2人用ゲームで、1人が日本軍を、もう1人が米軍を主力とする連合軍を担当します。日本軍は連合軍にできる限りの出血を強い、有利な条件で講和することを目的としています。連合軍は逆に、できる限り少ない損害で制圧することを目的としています。 これは国際通信社が発売した「コマンドマガジン誌」2号の付録ゲームです。ルールブックは本誌巻末に綴じ込みでした。本誌中ヒストリカルノートとその他の関連記事で24ページほどあります。 元々はアメリカのXTR社の本家「COMMAND MAGAZINE誌」3号(1990年)の付録ゲームで、コマはオリジナル版をそのまま使用してマップは日本版に改めています。また第二次世界大戦に勝利したドイツが1948年11月に日本本土へ奇襲攻撃をかける仮想戦バリアントも付属しています。 オリンピック作戦(12ターン)とコロネット作戦(24ターン)のシナリオと、48ターンのキャンペーンゲームがあります。上陸作戦の連続なのでプレイ自体も難しいのですが、神風特攻隊を始めとして蛟龍、挺身突撃隊、国民義勇戦闘隊、集団自決など、不穏なワードが目白押しでとてもプレイする気になりません。 #オリンピック作戦 #コロネット作戦 ターンスケール: 1ターン=1週間 マップスケール: 1ヘクス=25マイル(40㎞) ユニットスケール: 1コマ=連隊~師団
上田信 戦役級 コマンドマガジン誌付録 WWⅡ太平洋北中部戦線Sin Oga
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アジアの戦争1944 WHEN TIGERS FIGHT
日本にとって「アジアの戦争」は、太平洋戦争の入り口だった。そして1944年、今度は出口を見出そうとしたのだが…… これは国際通信社が発売した「コマンドマガジン誌」1号の付録ゲームです。ルールブックは本誌巻末に綴じ込みでした。本誌中ヒストリカルノート10ページ、その他の関連記事が16ページあります。 元々はアメリカのXTR社の本家「COMMAND MAGAZINE誌」(1994年)の付録ゲームで、マップとコマはオリジナル版をそのまま使用しています。また第二次世界大戦に勝利した日本とドイツが1952年3月から中国大陸で戦う仮想戦バリアントも付属しています。当時はまだ日中戦争のゲームはほとんどお目にかからないレアテーマでした。 シミュレーションウォーゲームのブームはとうに去り、TRPGも最初の山を過ぎてカードゲームが主流になった頃、付録ゲーム付きのシミュレーションウォーゲーム誌が刊行された事を知り喜んで買ったものです。なにせ情報もない時代のことなので、実際に気が付いて買ったのは発売から1年半も経ってからでしたが。 2011年9月に「コマンドマガジン特別復刻版第1号」として表紙やマップ、コマを一新した上で、タイトルを『両虎相闘』として本誌と共に復刻再販されました。 #一号作戦 #日中戦争 ターンスケール: 1ターン=1ヶ月 マップスケール: 1ヘクス=60㎞ ユニットスケール: 1コマ=旅団~師団
上田信 戦役級 コマンドマガジン誌付録 WWⅡ太平洋大陸戦線Sin Oga
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壬申の乱 Civil War 672
このゲームは、西暦672年に起きた日本古代史上最大の戦い、壬申の乱を再現したものです。二人のプレイヤーがそれぞれ大友皇子側と大海人皇子側とに分かれ、最終的に大王の位をかけて勝利を競い合います。 アド・テクノスが製作し、朝日出版社が発売した「シミュレーションゲーム・ブックス」の一作です。巻頭に26ページほどのヒストリカルノート(歴史解説)があります。このシリーズは書籍形態のゲームとして試行錯誤の途上にあり、厚紙のコマやマップが本誌と同じに綴じられているため、コマやマップの切り離しに苦労し、また本誌も読みづらいという欠点があります。 名称だけは有名で、戦いの記録も日本史としては比較的詳細に残っている壬申の乱ですが、ウォーゲームのテーマとしてはいかにもマイナーです。システムもエキサイティングですが、プレイの自由度が高いこともあって何をすればいいのか悩ましいゲームでした。研究しがいのあるゲームだと言えます。 戦役上のイベントの発生具合に違いを持たせたシナリオが4本入っています。 2004年に「ゲームジャーナル誌」12号の付録ゲームとして再発売され、こちらではコンポーネント上の問題はクリアされています。 #大海人皇子 #壬申の乱 ターンスケール: 1ターン=1日 マップスケール: 1ヘクス=4㎞ ユニットスケール: 1戦力=騎兵100騎、専門兵300人、徴募兵1000人
鴇田幹 戦役級 Simulation Game Books 壬申の乱Sin Oga
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異聞関ヶ原 家康最大の敗北
このゲームは慶長五年九月十五日に、関ヶ原を戦場として戦われた、家康対三成の天下分け目の決戦を再演しようとしたものです。史実の裏側に潜む偶然性、必然性を見つけだして、できるだけ忠実にゲームの形で再現しようとしているので、必ずしも常に東軍が勝つとは言えませんが、あの日、家康がどんな決断をくださなければならなかったのか、その時、三成は何をすべきだったのか、その立場に立たされた男の苦悩のいくらかは味わえることでしょう。 アド・テクノスが製作し、朝日出版社が発売した「シミュレーションゲーム・ブックス」の一作です。巻末に20ページほどのヒストリカルノート(歴史解説)があります。このシリーズは書籍形態のゲームとして試行錯誤の途上にあり、厚紙のコマやマップが本誌と同じに綴じられているため、コマやマップの切り離しに苦労し、また本誌も読みづらいという欠点があります。 国産のシミュレーションウォーゲームでは最も出版点数の多い「関ヶ原」の合戦ゲームの中で、たぶん唯一いわゆる参謀本部式初期配置を採用しないゲームです。小早川がとんでもない場所にいて、他の部隊の位置も相当に変わっています(異聞なので)。この「異聞」シナリオの他、参謀本部式初期配置の「史実」シナリオ、どちらに配置するのかランダムに決める「ランダム」シナリオもあります。 「シミュレーションゲーム・ブックス」の多くは「ゲームジャーナル誌」の付録ゲームとなっていますが、本作は2024年現在まだ再発売には至っておらず、再販が待たれます。 #関ヶ原 #どうした秀秋 ターンスケール: 1ターン=1時間 マップスケール: 1ヘクス=500メートル ユニットスケール: 1コマ=1000人前後
鴇田幹 合戦級 Simulation Game Books 日本戦国時代の合戦Sin Oga
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アレクサンドロスの遺産 A divided uncompleted Empire
アレクサンドロス大王の死後、その広大な帝国は、彼の部下であった将軍たちの手によって分割されてしまいました。このゲームは未完成のままに終わったアレクサンドロス帝国の崩壊過程―いわゆる「後継者戦争」―をテーマとしたヒストリカル・シミュレーションゲームです。後継者戦争はその本質から言って多人数ゲームとなるわけですが、シナリオは2人でプレイすることも可能です。 アド・テクノスが製作し、朝日出版社が発売した「シミュレーションゲーム・ブックス」の一作です。巻頭に20ページほどのヒストリカルノート(歴史解説)があります。このシリーズは書籍形態のゲームとして試行錯誤の途上にあり、厚紙のコマやマップが本誌と同じに綴じられているため、コマやマップの切り離しに苦労し、また本誌も読みづらいという欠点があります。 1勢力の持つ軍の数は多くないし、年中戦争しているわけでもないですが、作戦級ゲームに近い移動・戦闘のシステムで、1年6作戦ターンを16年(しかも5人で)プレイするのはいかにも無理がありました。そのため序盤の5年、終盤の7年だけを扱った対戦型シナリオも入っています。 2015年に「ゲームジャーナル誌」54号の付録ゲームとして再発売され、こちらではコンポーネント上の問題だけはクリアされています。 #ディアドコイ #後継者戦争 ターンスケール: 2作戦ターン=3ヶ月(冬季はなし) マップスケール: 不明 ユニットスケール: 戦力制
鴇田幹 マルチP戦略級 Simulation Game Books ディアドコイ戦争Sin Oga
