全日空商事 【1/200】【DH28028】ANA DHC-8-300 "さようなら。Q300" 羽田空港82番スポット

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ANA DHC-8-300
"さようなら。Q300"
羽田空港82番スポット
レジ JA804K

        『花のベール』

2014年3月31日、ANAのBOEING747-400が引退しましたが、実は同日、羽田空港において同じ時間帯にもう一機、引退する飛行機がありました。それこそがボンバルディアDHC-8-300、通称Q3(サン)と呼ばれたANAグループ最小のプロペラ機でした。
2001年7月1日、YS-11の後継機として花柄の飛行機が羽田-大島線にデビューしました。就航当初は当時のエアーニッポン(ANK)の運航で、胴体前部には機首にANKのロゴが入り、後部、垂直尾翼には伊豆大島を代表する花・椿がくっきりと画かれていました。定員こそYS-11の座席数64席から8席減った56席となりましたが、その性能、装備は最新で素晴らしいものでした。
2002年7月1日にエアーニッポンネットワーク(AKX)に機材、路線(羽田~伊豆大島、火山活動で運航中止中の三宅島)が移管されるとともに、北海道内路線(札幌丘珠~釧路、函館、稚内、女満別、中標津、紋別、新千歳~稚内、利尻、女満別)も順に移管を受け、羽田に1機、札幌丘珠に4機を有する花柄飛行機のネットワークが完成しました。ファンの方々の間で「FLOWER PROP」と親しまれた機体は、1号機から順に「つばき」「ひまわり」「すずらん」「こすもす」「はまなす」のそれぞれの花が体、垂直尾翼に描かれており、とても親しみやすい飛行機となりました。
あるパイロットはそれらの花の持つ「花言葉」を「花柄飛行機言葉」と受け止め、その日のフライトのエッセンスとしていたようです。
一度FLOWER PROPが札幌丘珠空港に勢揃いし、照明の中に五つの大輪が咲き揃ったことがありますが、それは見事な花園でした。
やがて経年による塗装の塗り替えで順々にトリトンブルーに変更されるとともに、北海道から大阪・伊丹へ引っ越すこととなりました。社名もANA WINGSに変わり、それまでは道内で独壇場だった彼女達も、とてもパワフルな弟のDHC-8-400、通称Q4(ヨン)に棲家を任せ、順番に国外へと嫁いで行くことになりました。
そして、最後に東京・羽田の棲家を守っていた四女「すもす」のJA804Kも北欧に行くことになり、最後には就航地である伊豆大島、三宅島関連の特別デカールを頬紅の様にまとい健気に飛んでいましたが、2014年3月31日、羽田格納庫でANKロゴが入ったJA801K「つばき」のお披露目から13年でANA路線から退役しました。
渡航前「こすもす」の塗装はトリトンブルーとなっていましたが、最後の試験飛行を終え、伊豆大島、三宅島関連特別デカールはそのままに、北欧に向かいました。おそらく関係した全ての人々には、翔びたって行く姿を見て、あるいは遠くその姿を思い浮かべた時、彼女の背にしっかりと花のベールが見えたことでしょう。最後に五人の花娘達、お疲れ様でした。そして、花言葉を有り難うございました。
〜Q3運航に関わった者より(現 BOEING737NG機長市野 文啓)〜

羽田空港82番スポットプレート付属。
※機体変色、ラストフライトアクセサリー欠品

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