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★ かるホッチPOWER
10号針を使う小型ホッチキスは、軽くとじられる機構や、フラットクリンチ機構を搭載することで、これまで最大20枚までしか綴じられなかった10号ホッチキスは、現在最大32枚まで綴じられるようになりました。 しかし、10号ホッチキスとともに長い歴史がある3号針を使うホッチキスは、フラットクリンチ機構を搭載するものも登場してきたものの、綴じ能力に関しては大きく変わることはありませんでした。 特に、手に持って使うこともできる3号針を使う中型ホッチキスは、最大とじ能力30枚というのは長らく変わりありませんでした。 2015年2月、軽とじ機構とフラットクリンチ機構を搭載して、最大45枚まで綴じることができる3号針を使うハンディタイプホッチキス『かるホッチPOWER』がライオン事務器から登場しました。 外 寸 / H80×W34×D120(㎜) 質 量 / 222g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 35㎜(最大) 使 用 針 / №3 通常のコピー用紙程度の用紙を最大45枚まで綴じることが可能。 国内メーカーの3号針を使うホッチキスは、卓上タイプのホッチキス、または、卓上とハンディ兼用タイプのホッチキスのいずれかの方式を採用しています。しかし、『かるホッチPOWER』はハンディタイプの3号ホッチキスです。 10号サイズの軽とじホッチキスを2回りほど大きくしたような見た目で、マックスのVaimo11FLAT(外寸:H68×W30×D107(㎜)、質量:165g)と比べてもひと回り大きなサイズです。 卓上とハンディ兼用タイプのホッチキスの中には、質量がもっと重いものもあるので格段重いホッチキスではありません。しかし、手の小さな女性が扱うには少々大きなホッチキスともいえなくもありません。 とはいえ『かるホッチPOWER』は、少し大き目で場所を取ることが多い3号ホッチキスの中にあっては、質量も決して重くなく、携帯性も悪い方ではありません。31枚以上を綴じることができる3号ホッチキスの中では圧倒的に省スペースでの作業が可能で、作業中に本体を立てて置くことができる点も非常にメリットがあります。 3号針といえば針が太いため、針が紙を貫く際の抵抗が大きいという点がありますが、10号針の軽とじホッチキスと比べるとさすがに抵抗を感じる具合は大きいものの、軽とじ機構を搭載していますから、通常の3号ホッチキスと比べれば軽やかに作業をすることができます。 また、太い3号針だからこそのメリットもあります。それは10号針や11号針が貫通しにくい厚紙や、ラミネートなど表面を加工されている用紙などが表紙として用いた冊子を綴じようとした際、10号針や11号針では針の断面積が狭い分、紙表面に対して十分なグリップを得ることができず、針が滑ってしまい、針の貫通力が落ちてしまうことがあります。しかし、3号針では針の断面積が広い分、光沢があり針が滑りやすくなっているような用紙でも針は高いグリップ力維持したまま用紙を貫くことができます。 ハンディタイプの3号ホッチキスとしては、31枚以上を綴じることができる唯一のホッチキスです。省スペースで、厚い書類を綴じることができるホッチキスとして、3号ホッチキスの新しい歴史を築いたホッチキスです。 #文房具 #ホッチキス #ライオン事務器
フラットクリンチ ホッチキス かるホッチPOWER 株式会社ライオン事務器栗下 智
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MAX・10JA
マックス株式会社初の100本の針を装てんすることができる小型ホッチキス『MAX・10JA』です。 懐かしいデザインの小型ホッチキス『MAX・10』に似たホッチキスですが、『Max・10』は50本のホッチキスの針が装てんできるのに対して、『MAX・10JA』は最大100本の針を装てんすることができ、作業中の再装てんの手間を格段に減らし、作業効率をUPさせたモデルです。 通常のコピー用紙程度であれば最大20枚まで綴じることが可能。 外 寸 / H46×W20×D102(㎜) 質 量 / 84g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 62㎜(最大) 使 用 針 / №10 昭和36年(1961年) 「作業用A型ホッチキス」の名称にて登場 昭和42年(1967年) 「マックスホッチキス 10JA」の商品名でカタログ掲載 カラーリングは橙・青・緑の3色 見た目は『MAX・10』と変わりないように見えますが、プラスチック製の「ハンドルヘッド」(写真では緑色のもの)は大型のものを装着して操作性を向上させています。 今は大概のホッチキスに装着されているリムーバーですが、このモデルには装着されていません。普段ホッチキスを使っているときにはその存在をあまり意識していませんが、いざ着いていないモデルを使うと、標準で備わっているリムーバーの存在がありがたく思えてきます。 この頃の針曲げ台(クリンチャ)は台座と別々に成形されていたようです。 お陰で、下側の台座はシンプルな造形となっていますが、案外自然と手にフィットし、個人的には結構お気に入りのデザインです。 マガジンの内部は、のちに登場する『HD-10D』に共通するものがありますが、マガジンの上部にある「マガジンカバー」の形は異なっています。 経年変化を経たものを見ると、マガジンカバーを支えるバネの部分にやや難があるのか、針を連続して打ち出せなくなってしまっておりました。 この原因は、針を打ち出した後のドライバーが元の上方の位置に戻ろうとする際、後続の針をそのまま引き吊り上げてきてしまう(本来であれば、この引き吊り上げる力をマガジンカバーが押さえ込み、針は定位置にあるのです)ためでした。結果、針を正常に送り出せずに後続の針を打ち出せないという状態でした。のちに登場した『HD-10D』で耐久性が大きく向上した要因には、マガジンカバーの形状の変更にあるのだと思われます。 操作性の向上を果たしつつも、その後に続く高い耐久性と高い信頼性を勝ち取るまでの進化を伺い知ることができるモデルです。 ちなみに、この『MAX・10JA』は昭和46年(1971年)ごろまで作り続けられ、その後、2代目モデルにバトンが引き継がれています。 #文房具 #ホッチキス #マックス
ノーマルクリンチ ホッチキス マックス株式会社栗下 智
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★ 【ダイソー】 軽くとじられるホッチキス(大)
ダイソーで見かけたちょっと大きめのホッチキス『軽くとじられるホッチキス(大)』 普段使われている「№10」と呼ばれるホッチキス針を用いて 通常のコピー用紙程度の用紙を最大20枚まで綴じることが可能。 外 寸 / H70×W29×D103(㎜) 質 量 / 165g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 47㎜(最大) 使 用 針 / №10 売り場で見かけたとき、目を引かれるほどの大きさにも驚いたのですが、何よりも驚いたのが『フラットクリンチ』であることと、10号針を用いるホッチキスであったということ。実は、このホッチキスに出会う前日に「何でもそろう100円ショップとなってきたことだから、フラットクリンチのホッチキスが登場するのも時間の問題かもしれない」などと思っていた矢先での遭遇だったからだ。 何気なく立ち寄ってみたダイソーで、ひときわ大きなホッチキスが目に飛び込んできた。 「なぜここにマックスのバイモ11が置いてある??」 ……バイモ11のようなメーカー品が置いてあるわけがない。 バイモ11フラットは外寸:H68×W30×D107(㎜)、質量:165gとほぼほぼ同じ大きさ。デザインもどことなく似通っている。 そんなバイモ11もどきのホッチキスがあったら素通りなんかできるわけがない。 フラットクリンチにも驚いたものの、これに関しては本体下側の『クリンチャテーブル』と呼ばれる個所が、フラットクリンチならではの形状をしているので手に取るまでもなく直ぐに気が付いた。むしろ、手に取るまで気付けず驚いたのが10号針を使うということだった。本体の大きさからして、てっきり3号針を使うものだと思っていたら見た目に騙されてしまった形だ。 針を装てんする際は、上部のハンドルを開けばマガジン内にあるプッシャを金属製のプッシャアームがハンドルの動きに合わせて引き上げてくれる。ハンドル部分もしっかり固定されるので楽々針の装てんができます。 装てんされた針の残量はマガジン側面にある窓から確認することができる。 ハンドルを開いて本体をよくよく見ると、内部は金属パーツがいくつも組み合わさっていて、値段から想像する以上にしっかりした作りとなっている。しかも、力が加わる上部のハンドルフレームは堅牢そうな厚いフレームが備わっており、さらにはハンドルカバー内部のフレームに至っては焼き入れまで施されている。ここだけでも、値段を再確認したくなるほどだ。 本体の後部には綴じた針を外すことができる「リムーバ―」も備わっており、至れり尽せり。文句を言うとするならば、「重い」ということだろうか。しかし、大きさもあり、内部にしっかりしたフレームが入っているので、これで軽くしろという方が無理な話。 しかし、これだけしっかりした作りで「最大20枚とじ」というのが解せない。 ひょっとしたら、30枚くらいは綴じられるのではないだろうか? ……万が一壊れてしまっても400円+税だ。 ということでやってみた。 結果、32枚まで綴じることができた。 もっとも、20枚を超えた時点でハンドルを押す力は多少必要とするのですが、両手を使って力の限り……なんてことはありません。片手で打つことができます。 ただ、残念ながらというべきか。 調子に乗って32枚とじの試し打ちを1500回ほど続けたところ、それまで平らに折れ曲がっていたはずの綴じ裏の針が、キチンと折り曲げられず針の先端が紙から浮くようになってきてしまいました。 最大20枚綴じという限度を超えることなく、正しく使っていたならば5000回以上は使えるかもしれません。現に、32枚綴じを1500回繰り返したホッチキスも、15枚程度までであれば、普通のフラットクリンチホッチキスとして遜色なく使えるのです。 また、フラットクリンチホッチキスとしては「とじ奥行」が深いことも特徴のひとつ。 他社のフラットクリンチホッチキスでは、フラットクリンチ機構を働かせるための部品が比較的浅いところに備わっていることが多い。因みに、バイモ11フラットのとじ奥行は最大28㎜。 書類ならば奥まで入れて針を打つことは無いかもしれませんが、何か工作などしている際に奥にホッチキス止めしたい。なんていう際には、とじ奥行が深い方が有利になります。 メーカー品の32枚綴じフラットクリンチホッチキスは、定価でも850円ほどで入手することはできますが、32枚綴じとフル性能をどこまで使うのか。また、多くの一般家庭においては1台のホッチキスを2000回、3000回と使うことがあるのだろうか。そんなことを考えると、このダイソーの『軽くとじられるホッチキス(大)』は400円+税という価格で、高パフォーマンスを発揮してくれるお値段以上の品物なのであります。 バイモ11シリーズを使うことができた方ならば問題はないかと思いますが、大きさ・重さに抵抗がない方であればオススメ致します。 できれば、綴じ枚数は20枚くらいにしておいてあげてください。それが長持ちの秘訣です。 #文房具 #ホッチキス #ダイソー
フラットクリンチ ホッチキス 軽くとじられるホッチキス(大) HAUSER栗下 智
