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Mythen In Tüten “Die Neue Kollektion”
これは、何処かで見たジャケだが、ついでに買っておくかと思って購入したレコードなんですが、後で、小柳カヲル氏著書「クラウトロック大全」を見たらちゃんと載ってました(流石です!)! Mythen In Tüten (ミューテン・イン・テューテン)はハノーファーのバンドで、メンバーは、Emilio Winschetti (Vo;エミリオ・ヴィンシェッティ), Ingo Erlhoff (Sax; インゴ・エルホフ), Lutz Worat (Kbd;ルッツ・ヴォラット), Rüdiger Klose (Drs; リュディガー・クローゼ)によって1979年に結成され、後にFelix Helge Wolter (B; フェリックス・ヘルゲ・ヴァルター)も加入します。No Fun Recordsから本作品であるファースト・アルバムは、Foyer des Arts, Die Zimmermänner, Saal 2と同様に、ニューウェイヴ、ポップ、シュラーガー(日本で言う所の歌謡曲?)の要素をミックスしており、彼等は「メタヒット」という用語を使って活動しました。その為か、Mythen In Tüten は「商業 NDW 」の先駆者の 1 つとなっています。彼等は、1981年に、デビューシングル“Lady Di“をNo Fun Recordsから出しますが、これはジャケ写からダイアナ妃のことを歌っています。一方で、このシングルは、ジャーナリストで、No Fun Recordsの共同運営者であるHollow Skai氏に捧げられています。Hollow Skai氏は、大学で独逸語と哲学を学び、パンクに関する論文を出版し、後に、ハノーバー市の雑誌Schädelspalter (シェデルスパルター)の編集長を務めることになる人物です。このシングルの直ぐ後に、本作品であるファースト・アルバムが同年8月21日にリリースされ、その中には、DAFの名曲をパロった曲も収録されています。因みに、このアルバムは、Mythen In TütenとThomas Rugelがプロデュースしています。その後、1981年にリリースしたセカンド・シングル” Liebe Im Funkhaus”がヒットします。そして、1983年にセカンド・アルバム”Jedes Mal ist anders”が、No Fun Recordsよりリリースされていますが、ここでは、ファースト・アルバムのNDW的なヒットと殆ど関係の無い、より実験的な音楽が収録されており、しかも、Boots-Vertrieb社が破産申請した為、僅か数週間でプレスした数枚のレコードがバーゲンセールで投げ売りされてしまったこともあり、音楽誌等に取り上げられることもなく、現在では、コレクターの間で高値で取引される「失われたアルバム」となっています。このアルバムのリリース後、バンドは解散しています。Ingo Erlhoffは、ミュンヘンで、プロのミュージシャンとなり、Veterinary Street Jazz BandとサルサのビッグバンドWawancóで活躍しています。Rüdiger Kloseは、Exit Out, The Cocoon, Kastrierte Philosophen(Matthias ArfmannとKatrin Achingerによって結成されたインディーズ・バンドで結構有名らしい), Dakotaと言ったバンドに遍歴・参加しています。Emilio Winschettiは、1984年に、Rüdiger KloseとMintと言うバンドを結成し、後に、Mint Addictsと改名しますが、Winschetti自身は、WDRのラジオ番組Graffiti やラジオ・ブレーメンのEmilios RohmixのDJとなり、また、Tom Redeckerとのコラボ番組The Perc Meets the Hidden Gentlemanで有名になり、2005年12月には、新バンドBPWW (Beate Bartel, Martin Peter, Thomas Wydler, Emilio Winschetti)でストックホルムでコンサートを行っていますが、ギターのMartin Peterが急逝した為、このメンバーでのライブは最後になっています。また、一方、Lutz Woratは、フリーのジャーナリストとして働き、1999年に、コンセプトとコミュニケーションを専門とする広告代理店signo · Kontorを設立しています。また、ファースト・アルバムに参加したFelix Helge Wolterは、後に独のダブ・シーンでThe Visionとして有名になり、レゲエとエレクトロの間を結ぶレーベルMoonray Recordsを運営しています。また、1980年代のNDW華やか也し頃には、Der Moderne Manで、ライブ・アルバム辺りからセカンド・アルバム等でドラムを担当していたりもします。
以上が、Mythen In Tütenのバイオグラフィーとなりますが、解散後もメンバーが其々活動していることも特徴ですね。本作品では、Emilio Winschetti (Vo), Ingo Erlhoff (Sax), Lutz Worat (Kbd), Rüdiger Klose (Drs), Felix Helge Wolter (B)と言うラインナップで、ゲストに、Conny Brait (Choir; A2), Maike Klatte (Choir; A2), Tiny Trash (チェス盤; A5), Angelika Maiworm (Vo; A6), Christine Heise (Accordion; B1)も参加しています。それで、本アルバムの内容ですが、Saxがフィーチャーされているからか、パンクレーベルのイメージのあるNo Fun Recordsとはちょっと違う感じのムーディーなロックが全体的に感じられます。ただ、NDWらしいユーモアのセンスはたっぷりありますね。確かに、A面出だしのA1はキーボードの効いたニューウェーブっぽくてカッコ良いのですが、A2ではスラップ奏法なBと少女コーラスが特徴的な曲、そしてA3では言葉遊びもあるふざけたような童謡調に、A4ではムード・ミュージックへ、そしてA5ではスペーシーな小気味良い曲に、A6でのAngelika嬢の舌足らずのVoとマリンバが効いたノリの良い曲となり、A7では、似非インド音楽のようなちょっと滑稽な曲調になってしまいます。一転、B1は何となくシャレ乙な雰囲気の曲で、B2では、DAFの”Der Mussolini”をパロって、「トルティッーニ(パスタの一種)で踊れ!」と激しく歌っており、結構、笑えます。その後のB3やB5は、(オルガンと言うより)エレクトーンが効いた、デパートで掛かっているような曲、B4はTrioっぽいドラムですが、やはり皮肉っているように聴こえます。B6も曲も歌詞もユーモアたっぷりですが、B7では唐突にフリーで激しいビートレスなセッション的な曲になります。そして、最後のB8は生ピアノをバックにしっとりしたジャズ風な曲で締めています。多分、Emilio Winschettiのヴォーカル・スタイルや言葉遊びとかキーボードのエレクトーン的な音色とかジャジーなSaxとかが相まって、Mythen In Tütenの本作品はユーモラスな雰囲気を醸し出しいるのだと思います。これは、この時代にしか生まれ得なかった音楽ですね!隠れた名盤(迷盤)です!!NDWの面白さを知りたければ、是非とも聴いて欲しい1枚ですね!
A1 “Die Neue Kollektion” (2:02)
A2 “Hochkant” (4:39)
A3 “Südstadt-Spatz” (2:17)
A4 “Fotoapparat” (2:39)
A5 “Schöne Schuhe” (3:17)
A6 “Mäzen” (3:11)
A7 “Sansibar” (2:17)
B1 “Herbst” (3:43)
B2 “Tortellini” (3:10)
B3 “Geruchssinn” (1:50)
B4 “12 Finger” (2:08)
B5 “Doppelgänger” (2:46)
B6 “Digital” (1:11)
B7 “Zeitsprung” (3:05)
B8 “Ich Glaub' Dir Alles” (1:49)
B2 “Tortellini” (3:10)
https://youtu.be/lByudOb2OQs?si=RNxIHt21zCiJPQ2e
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLsw_aEcdbuyg79KBM3dcy4SKhVbOxILk4&si=IigZa377C2kMEz0l
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