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- Rudolf Eb.er “Sulphuric Sonics (Schwefelhaltige Schallwellen)"
Rudolf Eb.er “Sulphuric Sonics (Schwefelhaltige Schallwellen)"
スイス出身のアクショニストにして、初来日以来大阪在住のRudolf Eb.erの超問題作が、このアルバム”Sulphuric Sonics”です!来日当初は、同時の「ジャパノイズ」のテーブルトップ・スタイルをチャカしたかのようなパフォーマンスを披露、その後、相方のDave Philipsは帰国するも、彼だけは日本に残り、以来、大阪を拠点として、人間の持つ「嫌悪感」を刺激するような音響作品を出し続けています。彼のコンセプトと言うのは、アクショニズムと音による儀式と精神活性音響を組み合わせて、音響環境を生成し、グロテスクなサイコ・マジックの儀式とタントラのエクササイズを加味し、より高い意識へと導くことと定義できるかもしれません。私自身も、Rudolfとは来日前からコンタクトを取って、コラボ7インチを作ったり、2024年には大阪の火影で久しぶりに対バンしたりと付き合いは長いのですが、この作品は如何にもRudolf Eb.erらしいコンセプトだと思いました。タイトルは、“Sulphuric Sonics (Schwefelhaltige Schallwellen)"、即ち、「硫黄含有音波」であり、やはり彼独自のコンセプトに基づくものだと分かります。しかも、東京郊外のある神社の境内で、馮衣されたかのような12〜15歳の少女の声をフィールド録音で、それを密かに録音していたRudolfのデジタル録音機も故障してしまったとのこと。その怖さの余り、10年以上、その音源を使うのを封印していたと言ういわく付きの作品です。Rudolfは、故障した録音機に残された音源やノイズ、そして無音部分を復元して、この作品を仕上げています(因みに、その前後で、特に霊的な支障は起きなかったとのことです)。
まぁ、そんな前置きはともかく、内容の方も、如何にも昨今のRudolf Eb.erらしい、リチュアルと言うか、オカルティックな意味でのリチュアルで、不気味な音響作品となっています。A面は、恨めしやぁと言わんばかりのヒョロヒョロした電子音らしき音から始まり、神社でのフィールド録音と思われる少女の声や物音とオルガンや弄られたテープ音、シンセらしき音等が継接ぎされた、正に「日本らしいリチュアル(Japanese Ritual)」な音楽が封じ込められています。全体的には割と静かめで、如何にも儀式的な雰囲気なのですが、時にラウドにノイズの壁が聞こえてきたり、また、各パーツは断続的であったりします。
B面は、不安定な音程のシンセらしき音と蝿の飛び交う音から始まり、やはり物音やテープ音、壊れたフィールド録音(本物なのかRudolfが真似していのかは不明)、オルガンの不協和音、渋い音色のヴァイオリンのループ、正体不明の打楽器等が、やはり継接ぎされて配置されています。
正直に言って、それ程、「心地良い」音楽ではありません。その音楽のバックボーンを知っていなくても、何だか不安感を煽るような気味悪い音が延々と続きます。逆に、その音響作品こそが、Rudolfらしいと言えばRudolfらしいのですが、音圧ではなく、人の深層心理に直接訴えかけるような音を選んで、コラージュと言うよりも、ただそこに配置したような曲構成も、彼らしいです。そのコラージュでもない音の、ぶっきらぼうな継接ぎが余計に「不気味さ」を助長し、聴く者の「不安感」を煽ります。そして、そう感じてしまった時点で、まんまとRudolfの策略にハマってしまう訳です!!彼は、人間のネガティブ(?)な側面に焦点を当て、その隠していた感情を、敢えてこの作品で炙り出しているのです!! なので、その策略にまんまと引っかかって下さい!!そして、人間の抱く「恐れ」とか「恐怖」を再度、認識してみて下さい。正しく、Psychological Musicです!
A “Untitled I” (19:53)
B “Untitled II” (19:50)
[BandcampのURLを貼っておきます]
https://rudolfeber.bandcamp.com/album/sulphuric-sonics-schwefelhaltige-schallwellen
[YouTubeには上がっていないので、参考までに彼のライブ動画を貼っておきます。Ende Tymes 4/6/2016]
https://youtu.be/zjS4J1r0GbU?si=k8Aq5RHddIpWZrma
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