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Conrad Schnitzler & Pharmakustik “Extrudee”
遂に、Conrad Schnitzler先生とPharmakustikことSiegmar Fricke氏のコラボ3連作の第2弾”Extruder (押出機)”を紹介します。これで2人の3連作の紹介は終わります。これも元々は、1986年11月に、BerlinのSchnitzler先生のスタジオで、2人が録音した音源を元にして、1976-2017年の間に、Fricke氏がリフレッシュ後、再構築したトラックからなります。2人が使った機材は、EMS Synthi A, Korg MS-20, Dynachord Echocord, Automatic Rhythm-Player, Digital Delay, Ibanez MultiEffector, Radio, Yamaha CS-5で、以前、紹介した第3弾”Schubkraft”と同じです。なお、2人のバイオグラフィーは既に書いてありますので、それぞれ以前の文章をご参照ください。内容的には、A面3曲、B面2曲が収録されています。では、各曲について紹介していきたいと思います。 A1 “Kontaktmechanik”は、タイトル通り、マシンリズムが強調された曲で、そこにウニョウニョとしたシンセ音が絡みついていきますが、その内、シンセ音のみになります。このような傾向の曲は、この3連作で共通する傾向がありますので、ひょっとしたら、Fricke氏の好みかも知れませんね。A2 “Extruder”では、いきなり、独逸語のナレーションから始まり、ホワイトノイズによるビートと、これまたウニョウニョしたシンセ音がのたうち回っています。その背景には、初期M.B.のような、ディレイの効いた電子音を聴くことが可能です。A3 “Abrasion Métallique”は、ディレイ/エコーを効かせた電子音が宇宙に広がっていく様を描いたような曲です。リズムボックスの音も使われていますが、ビート感は無いです。 それではB面にいきます。B1 ”Umspulung”では、生物と機械のハイブリッドが演奏しているようで、「脈拍(=パルス)」はあるのですが、明瞭なビートはありません。また、音自体にはほのかなユーモアを感じます。B2 “Doppelwelle”もウニョウニョしたシンセ音から始まり、エフェクトを掛けたマシンリズムに置換されていきます。この曲にも何故かユーモラスな要素を感じます。 纏めますと、少しユーモアのある電子音がのたうち回る傾向が目立ち、初期M.B.との共通性もあるようで、ここら辺のミックスはFricke氏の好みなのかなあ?と思います。その「ユーモア」の成分は多分Schnitzler先生によるものだと思います。なので、このユーモアとシリアスの混合物がこのアルバムの特徴だと思います。 [trailer] https://youtu.be/fgTqnOg69uo #ConradSchnitzler #Pharmakustik #SigmarFricke #Extruder #Rotorelief #CollaborationAlbum #第2弾 #ElectronicMusic #Experimental #1986年録音 #2016-2017年再構築 #LimitedEditions #400部
Electronic Music / Experimental Rotorelief 不明Dr K2
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Conrad Schnitzler & Pharmakustik “Kontraktion”
買っちゃいました!Conrad Schnitzler先生とPharmakustikことSiegmar Fricke氏のコラボ作品3連作の第1弾”Kontraktion (収縮)”です(因みに前回、紹介した”Schubkraft”は第3弾です)。このお2人のバイオグラフィーについては、前回やそれ以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。それで、この3連作は、第1弾”Kontraktion”が2016年に出て、第2弾”Extruder”が2018年、そして第3弾”Schubkraft”が2012年に出ています。因みに、このシリーズは通常盤が限定400枚で、クリア盤が100枚限定となっています。まあ、これらの音源は、1986年11月〜1987年7月に、BerlinのLeberstrasseにあったConrad Schnitzler Studioで録音されており、その際、使用した楽器は、EMS Synthi A, Korg MS-20, Dynachord Echocord, Automatic Rhythm Player. Digital Delay, Emax Sampler, Farfisa Organ, Magnetophoneと記載されています。この時の音源を、Fricke氏が、2014年12月(2011年にSchnitzler先生は亡くなっています)に、自身のスタジオPharmakustik Studioで、リフレッシュして再構築した曲から成っているのが、本作品です。それで、A面2曲、B面3曲が収められています。それでは、各曲について詳細を紹介していきます。 A1 “Kontraktion (Phase 1)”は、ホワイトノイズによるリズムで導かれて、何か機械の中にいるような不思議な電子音(機械内の環境音)で出来ています。A2 “Kontraktion (Phase 2)”では、ディレイを効かせたシンセ音がやがて、のたうち回るように暴れ始めるユニークな曲になっています。 では、B面にいきます。B1 “Electric Transmission”では駆動力のあるリズムマシンを中心に、飛び道具的にシンセ音やラジオ音(?)が挿入されます。B2 “Chromit”は、ホワイトノイズを伴う強迫的低音シンセのドローン・パルスによって構成される曲で、アンビエント風ではありますが、アンビエントではないです。B3 “Werkstoff”では、変態的なシーケンスを中心に、ドローンが聴こえてきますが、やがて、ゲーセンのような環境音になってしまいます。 とまあ、今回も中々、面白い音楽になっていますが、マシンリズムは控えめで、全体的に掴みどころの無い抽象的な音楽に仕上がっています。プリミティブと言うと聞こえは良いですが、本当に個性的な音楽は、「言葉」に出来ない位、抽象的になるんだろうなと確信しました。これは、Fricke氏のミックスによるところもあるとは思いますが、元々の音源がそもそも掴みどころの無い抽象性を持っていたのではないかとも思います。そんな2人の時空を越えたコラボ作品を一度は体験してみてはどうでしょうか❓通常盤でも400枚限定ですので、見つけたら、即ゲットですよ! [trailer] https://youtu.be/_9zQpGMVwGk #ConradSchnitzler #Pharmakustik #SigmarFricke #Kontraktion #Rotorelief #CollaborationAlbum #第1弾 #ElectronicMusic #Experimental #1986-1987年録音 #2014年再構築 #LimitedEditions #400部
Electronic Music / Experimental Rotorelief 不明Dr K2
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Asmus Tietchens “Litia” we
今回も、Asmus Tietchens氏の「色違い」シリーズ第四弾にして最終章”Litia”を紹介します。Tietchens氏のこのシリーズは、これにて一旦終わりますが、彼のバイオグラフィーについては、以前のをご参照下さい。なお、参加メンバーは、Asmus Tietchens (Synth, 作曲)の他、Das Zeitzeichenorchester として、Hans Tim Cessteu (Rhythm Programs), Tussi Schemante (Effects), Sam 'The Cute' Sins (Peripheral Equipments), Achim Stutessen (Digital Synth)となっていますが、これらは全てTietchens氏の名前のアナグラムで、1人でやっている訳です。なお、プロデュースもいつものRokko EkbekことOkko Bellerです。また、これまで統一感のある独特のカバーを作ってきたTina TuschemessもTietchens氏自身ですね。それでは各曲をそれぞれ紹介していきます。 A1 “Zeebrügge”はテクノを先取りしたかのような四つ打ちのキックで始まりますが、単純にして変態的なメロディがそれを否定します。寧ろThe Residentsっぽい。A2 “Abhuster Nebulizer”では、ややアップテンポなリズムに、シンセによるクリック音やポリフォニック・シンセのメロディが乗っかっています。A3 “Unterhaltsmusik”のリズムは、馬が馳けるように軽快なのですが、分厚いシンセのメロディも聴取できます。A4 “Vorsaison”には、ちょっとだけ中近東風のシンセのメロディを感じますが、軽快なリズムセクションがポップネスを体現しています。A5 “Pollys Square Dance”は、かなりビート感の強い複雑なリズムパタンと分厚いシンセ音から成る曲で、このような曲は、私も初期の頃、作ったことがあります。 では、B面に行きます。B1 “Torpedo Ahoi”も、疾走感のあるリズムボックスのパタンとポリフォニック・シンセに特徴のある曲で、このテンポでのポップネスは素晴らしい。B2 “Energie-Dossier”。これまた、不思議な雰囲気の曲で、メロディもアレンジもThe Residentsのような変態性のあるポップさを感じます。B3 “Ritual Der Kranken Freude”は、ホワイトノイズから成るインダストリアルなリズムが中心になっており、「明確な」メロディに欠けると言う、このシリーズでは一風変わった曲です。しかも、段々と盛り上がっていきます。途中で、シーケンスが出てくるのですが、そこはカッコ良いです。B4 “Litia”も変なアレンジの曲で、一聴するとVoの無い初期のThe Residentsのようです。B5 “Auf Elf”は最早、明瞭なリズムもメロディも無い実験色の強い小曲で、これで本作品/本シリーズを締めています。 全体を通して聴くと、前作”Spät-Europa”から始まったThe Residents風味はまだそこここに残っていますが、それこそが本作品を数多のシンセ・ウェーブとの差別化に成功してします。また、今回は、KorgのシンセPolysixを使用していることもあって、分厚いシンセの音が特徴的かな?と思いました。それにしても、何故、彼がこの「色違い」シリーズを始めたのかが気になりますね。謎、、、そう言う意味で「謎」です。その後、Tietchens氏は インダストリアルな電子音楽や実験音楽へと急変していきます。と言う訳で、似非シンセウェーブな4連作はここで終了しますので、前回までの作品に興味を持った方は、本作品も是非体験して下さい‼️ B1 “Torpedo Ahoi” https://youtu.be/CpoJfClx7YQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kSlCmwmdFt3iMpe5OyxqAL5G0ed-PRfHQ #AsmusTietchens #Litia #SkyRecirds #BureauB #Reissue #Remastering #KrautRock #Electronics #Pseudo-Pop #Experimental #SoloAlbum #Synthesizers #Rhythmbox #Anagrams #AudiplexStudios #KorgPolysix
Electronic Music / Experimental Bureau B (Sky Records) 2584円Dr K2
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Asmus Tietchens “Spät-Europa”
次に行きますよー。Asmus Tiechens「色違い」シリーズ第三弾は、”Spät-Europa (「末期の欧州」の意?)”です。纏めて買ってしまいましたからね。やっぱり纏めて紹介していきたいと思います。バイオグラフィーは以前のをご参照下さい。今回は、何と!両面10曲ずつと言う無茶振りです。まあいつも通りのメンバーなのですが、Asmus Tietchens (Synth, 作曲)の他に、Sam „The Cute" Sins (Electronics), Tussi Schemante (Rhythmbox, Programming), Hans Tim Cessteu (Synth), Achim Stutessen (Vocoder)となっており、Tietchens以外全員がオケの指揮とのことですが、全部Asmus Tietchensのアナグラムです、つまりソロです。なお、今回もまたプロデュースはRokko EkbekことOkko Bekkerで、録音・ミックスも独Humbug のAudiplex Studiosで行われています。では、内容を紹介していきます。と言う前に、この作品を聴いて、直ぐに思い浮かんだのは、The Residentsの”The Commercial Album”です。The Residentsの方は1分の曲を40曲収録していますが、こちらは2分の曲を20曲収録しています。The Residentsのが、1980年作なので、こちらの方はその後と言うことになりますが、盗用と言うよりもオマージュと言うか、The Residentsに対する独逸からの返答と捉えたい作品になっています。だって、普通に考えて、2分の曲を20曲も作れますか? それだけの技量を持っているのが、Tietchens氏の実力だと思います。あと付け加えるなら、Morgan Fisher氏編集のコンピ”Miniatures”ですね。こちらも、The Residentsと同じく1分以内の曲を集めた作品ですし、The Residents自身も参加しています。1980年代初頭はこう言った「挑戦的」な作品が流行ってましたね。あとちょっと違うかも知れませんが、”Three Minutes Symphony”とかも3分以内の曲を集めた国際的コンピでしたね。収録時間を短く切って、一枚のLPに収めることで、片面全体を1曲とみなすこともそれぞれを1曲ずつとみなすことも出来ると言う二重の意味を持たせようとたんじゃないかな? なので、今回は各曲の紹介はしませんが、これをTietchens氏が似非ポップとして一人で作られたと言うのが凄いところだと思います。皆さんも興味があれば、是非是非聴いてみて下さい‼️そしてできれば、The Residentsの”The Commercial Album”と聴き比べてみて下さい! A1 “Spät-Europa” A2 “Frautod Grafitto” A3 “Mythos Und Gummibärchen” A4 “Lourdes Extra” A5 “Poanpo” A6 “Nervenfalle” A7 “Grössenwarnung” A8 “Bescheidenes Vergnügen” A9 “Schöne Dritte Welt” A10 “Herrmannstrohm” B1 “Erloschene Herzen” B2 “Endspannung” B3 “Betablocker” B4 “Tretboot Zum Schafott” B5 “Ausverkauf” B6 “Bockwurst À La Maîtresse” B7 “Passaukontrolle” B8 “Wein Aus Wien” B9 “Stille Häfen” B10 “Epitaph” B8 “Wein Aus Wien”” https://youtu.be/aICYH_aP2Rw” [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mCwN4Nxgm6Kc9WhT2FsH4HemWd7fl5N_s #AsmusTietchens #Spät-Europa #SkyRecirds #BureauB #Reissue #Remastering #KrautRock #Electronics #Pseudo-Pop #Experimental #SoloAlbum #Synthesizers #Rhythmbox #Anagrams #AudiplexStudios #2分全20曲#TheCommercialAlbum #Miniatures
Electronic Music / Experimental Bureau B (Sky Records) 2584円Dr K2
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Asmus Tietchens “In Die Nacht”
やっと手に入れました。Asmus Tietchens氏の「色違い」シリーズの残りをどどっと紹介していきます。これはTietchens氏の初期の連作みたいなもので、既に第一弾”Biotop”は紹介してありますので、興味のある方はそちらを観て/聴いてもらっても良いですよ。今回は第二弾”In Die Nacht”です。オリジナルは1982年に名門Sky Recordsから出ていますが、私は後追いなので、リマスタリングしてあるBureau Bからの再発盤です。Tietchens氏のバイオグラフィーは既に書いてありますので、前回のをご参照下さい。因みに、参加メンバーは、Asmus Tietchens (Synth, 作曲)で、後はオーケストレーションの指揮も兼ねて、Tussi Schemante (Effects, Vo), Mischa Suttense (Rhythmbox), Stu 'Snatch' Seemi (Digital Synth), Hans Tim Cessteu (Synth)が参加したとなっていますが、これらの「ヘンテコ」な名前は、全てAsmus Tietchensのアナグラムですので、ソロアルバムと言う訳です。あと、彼が使っているシンセはPolymoogとMinimoogらしいです。なお、プロデュースはRokko EkbekことOkko Bekkerですね。それで、内容なのですが、両面とも4曲ずつ収められています。各曲を紹介していきます。 A1 “Mit Zebras Rennen”はいきなり、ノリの良いビートの効いたマシンリズムで始まり、度肝を抜かれました。Tietchens氏、こんなことも出来るのか!と。A2 “In Die Nacht (In the Nightと意)”はタイトル曲で、金属質なマシンリズムと柔らかいシンセのメロディの対比が興味深いです。またメロディも良いんだなあ。A3 “Höhepunkt Kleiner Mann”もややユーモラスな跳ねるリズムにシンセのメロディが乗って、なんだか、遊園地のコーヒーカップで遊んでいるか、サーカスでも観ているような感じですが、後半は何故かダウナーに。A4 “Kopfüber In Den Gulli”はやや怪しい雰囲気の曲で、またまた金属質なシンセの不穏なメロディが耳に残ります。 ではB面にいきます。B1 “Spanische Fliege”は直進するリズムボックスに、切羽詰まったようなメロディが乗っかり、中々の緊張感を生み出しています。しかも、多重的なメロディで、表情が複雑ですが、ポップネスは健在です。B2 “Unter Fliegenden Tassen”も忙しそうなテンポのリズムに、強い意志を持ったシンセのメロディから成る曲で、ベースラインはミニマルです。B3 “Regenwald”は可愛らしいリズム(エレクトーンに付いているようなリズムボックス)と背景の電子音に、ほんのちょっとしたシンセのリフと言うかメロディが入ってきます。B4 “Park Und Guter Morgen”気持ち良い朝のような静かな曲ですが、時々、テープのスクラッチ音みたいな音が入ったり、メロディも不安定であったりと、やはり一筋縄では行かない小曲で、この作品は締められています。もう「夜」は終わって朝が来たと言うことでしょうか? それで、解説を書いているKai U. Jürgensの言葉を借りると、この頃のTietchens氏の「色違い」シリーズは”Pseudo Pop (似非ポップ)”であるとのこと。でも、私はこう言うポップネスを持ったTietchens氏の音楽も好きですよ。因みに、私が一番最初に買ったTietchens氏の作品は、全曲、テープ・スクラッチから成る実験色の強いもので、その後も、PGRとMerzbowとのトリプル・コラボ作品”Grav”で、その時は知らずに「嗚呼、実験音楽のグループ(初めは人の名前とも思ってなかったw)か」と思っていました。しかしながら、Tietchens氏のこの頃の音楽が、似非ポップであろうとも、宅録ポップ(厳密にはHumburgのAudiplex Studioで録音・ミックスされている)との親和性も含めて、潜在的ポップさを持っていると思いますので、全力で支持しますよ‼️私は❗️皆さんもそう言う視点で聴いてみてはどうでしようか? B2 “Unter Fliegenden Tassen” https://youtu.be/Yx0jRTGjnjs [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kUlpC9iSvLVM4QQsF4nayjeyz876eCEAo #AsmusTietchens #InDieNacht #SkyRecirds #BureauB #Reissue #Remastering #KrautRock #Electronics #Pseudo-Pop #Experimental #SoloAlbum #Synthesizers #Rhythmbox #Anagrams #AudiplexStudios #MoogSynthesizers
Electronic Music / Experimental Bureau B (Sky Records) 2584円Dr K2
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Conrad Schnitzler “Silver”
Conrad Schnitzler先生の色シリーズ、いよいよ「銀色」となりました。元々は、伊レーベルQbicoが2009年にリリースしていた作品なのですが、その音源自体は、1974年-1975年に既に録音されていたもので、今回の再発に当たって、オリジナルには入れられていなかった曲3曲が追加され、完全版として再発されています。Schnitzler先生のバイオグラフィーはもう何度も書いていますので、省略します。また、解説はいつもの通りAsmus Tietchens氏が担当しています。彼によると、録音の時期を考えると、Yamaha DX-7やFairlight CMIは発売/使用されておらず、恐らく西独で開発されたPalm Products Germany (PPG)のWave Synthだろうとのことです。噂では、Schnitzler先生の友達であるTangerine Dreamのメンバーが、その開発に関わっていたらしいです。まあ、そんな最新のシンセを「オモチャ」の如く使いこなす感性とテクは、流石、Schnitzler先生❗️と思ってしまいます。あと、この時期だとEMS Synthi Aも使っていたのでは?と思います。それで、内容なのですが、両面とも4曲ずつ収録されていますが、どうも曲の切れ目がよく分からないので、各面1曲と言う感じになってしまいます。またいつものように曲のタイトルもありませんので、解説するのはちょっと難しいですね。全体の印象としては、今まで以上に抽象的な音、電子音楽だと思います。リズムもあるのですが、それ程、明瞭では無いし、それに乗っかるメロディも余りカッチリしている感じでもないですね。まあ、そんなところがSchnitzler先生の魅力でもあるのですが。今回、リズムはリズムマシンではなく、シンセとシーケンサーでパーカッシヴな音を作り出しています。不明瞭なメイン・メロディとか効果音的電子音もあり、楽しめますねえ。掴みどころの無い抽象的な曲が切れ目なく続いていますので、本当に気持ち良いです(単なるファンの戯言かもしれません!)。ちょっと不思議に思ったことですが、この曲って、カッチリ作曲したものなのか?それとも感性の赴くまま録音したものなのか?が気になりますね。多分、後者なんだろうなぁとは想像しますが。そんな訳で、今回もSchnitzler先生の電子音楽にヤられてしまいました。彼の初期作品の中でも、特に「抽象性」の高い作品なので、シンセの音自体が好きな方にはお勧めします‼️きっとハマると思いますよー❗️ B1 “untitled 5” https://youtu.be/kQpSq_zLF6g [full album + bonus track] https://youtube.com/playlist?list=PL22Aa1wSmDcVgO4IvjCk8KfdJ0GJQhwPA #ConradSchnitzler #Silver #BureauB #Qbico #Reissue #ElectronicMusic #Abstract #Experimental #Synthesizers #WaveSynthesizers #PalmProductsGermany #Instrumental #1974-1975 #CompleteVersion
Electronic Music / Experimental Bureau B (Qbico) 不明Dr K2
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Conrad Schnitzler & Pyrolator “Con-Struct”
この組み合わせ、最高ー‼️(私にとってですがw)。絶倫電子音楽魔Conrad Schnitzler先生とDer Planの音楽的頭脳PyrolatorことKrut Dahlke氏の世代を越えたコラボ作品で、なおかつ、Conrad氏の”Con-Struct”シリーズの第3段です。もうConrad SchnitzlerとPyrolatorのバイオグラフィーは散々書いてきましたので、ここでは省略させて頂きます。どちらもシンセ音を中心とした作曲・演奏に携わっているベテラン電子音楽家(まあ、歳は一回りくらい違いますが)ですし、その音楽に独特のユーモアを感じさせる点でも共通点があります。それで、この”Con-Struct”シリーズは、ベルリンのレーベルm=musicが2010年にConradのアルバムを2枚リリースした時に、そのレーベルのJens Struverが彼に、膨大な電子音の素材があるのであれば、リミックスするのでは無く、それを使って誰がとコラボしてはどうかと提案したことに端を発っしたようです。それで今回は、NDWの中心に位置するシンセ奏者Pyrolatorに白羽の矢が立ったと言う訳です。それで内容ですが、結構、デジタル・シンセを多用しているのか、結構クリアーでややクールなトーンの電子音から成っており、また、多くの曲で四つ打ちのキックが用いられており、結構、モダンでダンサブルな印象を受けます。時にはアンビエント風の曲やウネウネとした音からなる変態的電子楽曲も収録されていますが、どちらかと言うと、そのような曲は例外的ですね。それにしても、しかも、2人とも自由にやっているようで、師弟関係故なのか、裏ジャケの写真も微笑ましいです。この作品を聴いて、強く思ったことは、「電子音楽の抽象性」ですね。だから、電子音楽を聴いた時は、初めて聴くような新鮮さがいつもありますし、聴く度に違う印象を受けますね。そんな電子音楽のコラボ作品、聴いてみてはどうでしょう。きっと良いヴァイブレーションを感じることができますよ。 https://youtu.be/adOGsFSCXOc #ConradSchnitzler #Pyrolator #KurtDahlke #Con-Struct #BubeauB #Electronic #Synthesizer #Collaboration #GermanRock #Krautrock #NeueDeuitscheWelle
Electronic Music / Experimental Bureau B 7821円Dr K2
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Asmus Tietchens “4K7”より”Musik Unter Tage” LP4 & “Musik Hinter Glas” 7inch EP
Asmus Tietchensボックス、最後のアルバムは”Musik Unter Tage”です。この作品は1983年に米国Aeonからカセットではリリースされたものです。この時期に、Asmusは丁度、Sky Records(一応、独プログレとしてはメジャー)から自身のソロアルバムを出してした頃なので、その習作的な作品とも捉えられます。本作品では再びアブストラクト路線に戻り、更にはG1では電子音の寄るドローンをやっていたり、H1では重低音から成るループを使っていたり、中々侮れない引き出しを持っているんだなあと感心しました。「たかが電子音、されど電子音」と言う感じですね。誰でも出来そうで、誰も追いつけない、そんな音楽を奏でています。特にH1は19分弱の大作なんですが、逆回転ヴォイスが挿入されるところは、私のツボですね。最後のH2はビキビキした電子音のインプロみたいな小曲で締めます。 ついでに、ボーナス7”シングル”Musik Hinter Glas”についても。これはこの時期にAsmusが作っていた曲の中でも未発表曲らしいです。とは言ってもクオリティが低い訳ではないです。I面”Sonde Im Herzen”は軽いパルス的リズムのある落ち着いた小曲。J面”PR 622, 61-65”はドローンにドラマティックなストリングス・シンセが乗る伸びやかな小曲で、Asmusの作品にしては楽曲的ですね。 と言う訳で、Sky Recordsがら出していた時期の私的音楽をコンパイルした、このボックスは是非ともプログレ・ファンには聴いて欲しいですね! ◼️LP4: Musik Unter Tage G1 “Strenge Klänge” (6:52) G2 “Dämmerattacke” (8:58) G3 “Gelber Himmel” (7:06) H1 “Maschine 6B” (18:33) H2 “Einer 5” (4:22) ◼️Musik Hinter Glas 7" I “Sonde Im Herzen” (5:19) J “PR 622, 61-65” (5:42) G1 “Strenge Klänge” (6:52) https://youtu.be/F9WFXpO_YCs?si=GMah46GGl5xSZST- G2 “Dämmerattacke” (8:58) https://youtu.be/VP1hoLwhMDU?si=wd_xf8Gv7eOQh8NA H1 “Maschine 6B” (18:33) https://youtu.be/qw7WPIh0wmY?si=a_92XS1BfZKHhQfY 7” Single “Musik Hinter Glas” I “Sonde Im Herzen” (5:19) / J “PR 622, 61-65” (5:42) https://youtu.be/rg3xzfwf8XA?si=QZc8j2pruKmErldw #AsmusTietchens #MusikUnterTage #LP4 #4K7 #BoxSet #LimitedEditions #600部 #VinlyOnDemand #Reissue #2007年 #Aeon #1983年 #SelfCompilation #7-inchSingle #MusikHinterGlas #PreviouslyUnreleased #Drone #ElectronicMusic #Loop #Heaviness #MinimalMusic
Electronic Music / Experimental Vinyl on Demand (Aeon) €85.00Dr K2
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Asmus Tietchens “4K7”より”Musik An Der Grenze” LP3
Asmus Tietchensボックスの3枚目”Musik An Der Grenze”は1982年にYHR Tapesからリリースされたカセット作品のリイシューです。1987年にAuricleよりカセット作品として再発されています。ここに来て、Asmusらしからぬシーケンサーを用いたリズミックかつヒプノティックなミニマル電子音楽をE面では演っています。何層にも重なり合うレイヤーが心地良いです。代わってF-1のマントラの様な声明をループにした曲は異色中の異色。ヘビーでディープな音像が堪能出来ます(個人的にはCabsの”Three Mantras”を想起させられました)。リズミックな作品とは言え、彼の手に掛かると、非常にエキセントリックな音楽に変容しますね。F-2は反復ではなく、序破急なる展開を持った電子音楽です。やはりこの時代(1982年)の音楽なのでしょうか? 個人的には最も親和性を感じます。なので、皆さん、1980年初期の実験電子音楽を聴きたいと思えば、この作品を聴いて下さい!! 損はしないと確約します。 ◼️LP3: Musik An Der Grenze E1 “Konstrukt 2” (12:26) E2 “Elektrauma 2” (8:40) F1 “Kultmusik Für Ein Altes Land” (10:52); Loop De Vega (Loops, Tape), Okko Bekker (Synth, Perc) F2 “Titanic” (8:11) E1 “Konstrukt 2” (12:26) https://youtu.be/xYZJH48pAeo?si=Ka9j2M8Cn24ySaLP E2 “Elektrauma 2” (8:40) https://youtu.be/LXVur9SaWGo?si=A4RI6b_IdhvlBE2Q F1 “Kultmusik Für Ein Altes Land” (10:52) https://youtu.be/DLq5xtSPXog?si=B73w4tH94v9P3RnJ F2 “Titanic” (8:11) https://youtu.be/e4s3Zcb9hZA?si=HqaYQf_DvgEvQawx #AsmusTietchens #MusikAnDerGrenze #LP3 #4K7 #BoxSet #LimitedEditions #600部 #VinlyOnDemand #Reissue #2007年 #YHRTapes #1982年 #SelfCompilation #Experimental #MinimalMusic #Rhythmic #Chant #ElectronicMusic
Electronic Music / Experimental Vinyl on Demand (YHR Tapes) €85.00Dr K2
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Conrad Schnitzler “Con”
Conは”Con”rad Schnitzlerの代名詞❗️と言う訳で、またまた、Conrad Schnitzlerのアルバムで、その名も”Con”です。セルフ・リリースを除くと2枚目のアルバムであり、しかも、レーベルは仏の名門EGGです。バイオグラフィーは以前に書きましたので、ここでは省略しますが、彼の名前が知られたのは、Tangerine Dreamの創設者にして、Klusterの創設者と言う、電子音楽系ジャーマン・ロックの始祖とも言える存在だからだと思います。 それで本作品についてですが、日本語ライナーには「インプロビゼーションを多用した現代音楽的」と評されていますが、私は、寧ろ、現代音楽(何を持ってそう言うかは別として)よりも、寧ろある種のポップネスを持った(ロック)ミュージックと思えます。この差異は時代によるのかもしれませんね。本作は5曲入りですが、B面2曲目の”Metal 1”と3曲目”Black Nails”はメドレーになっています。またライナーでは「ポピュラー・ミュージックではあるが、ロックではない」と言う文言が記載されていますが、今や、これらのシンセサウンドや電子音楽はロックかどうかは別として、既に市民権を得ており、今では、これもまたロック(ロックの定義によりますが)とも言えるのではないでしょうか? そうは言っても、全編に流れるシンセによる電子音の煌めきは、如何にもConrad節とも言える曲調で、独特のユーモアもあり、私には一種のポップ・ミュージックのように聴取することも可能では?と思います。リズムボックスやシーケンスの使い方も単にベーシック・トラックと言う訳ではなく、ディレイ処理により不思議な浮遊感も待って提示されています。複雑に交差する電子が織りなす音空間が彼らしくて、興味深いです。何とも抽象的な音像で、それこそが、電子音楽のキモだと思い、彼は早くからそのことに気付いていたのではないでしょうか。まあ、堅苦しく考えずに、気楽に聴いてみても楽しめると思いますよ。 A1 “Electric Garden” (11:39) A2 “Ballet Statique” (4:58) B1 “Zug” (5:26) B2 “Metall I” (4:57) B3 “Black Nails” (6:13) https://youtu.be/EWVCgpzstLk?si=vQG9rvsa5eNXhG3w #ConradSchnitzler #Con #EGG #SecondAlbum #Electro #Synthesizers #Experimental #GermanRock #Krautrock
Electronic Music / Experimental EGG 1900円Dr K2
