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V.A. “Krautrock Eruption (An Introduction To German Electronic Music 1970-1980
ジャーマン・ロック発掘の総本山Bureau Bがまたまた、やってくれました。ジャーマン・ロックで最も特徴的な「エレクトロニックなロック」を集めたコンピレーション・アルバム”Krautrock Eruption (An Introduction To German Electronic Music 1970-1980)”を今回は、ご紹介します。個別のアーティスト/グループについては、既に紹介してあるのも多いので、ここでは割愛させて頂きます。なお、本アルバムに関連した書籍も同時に発刊されています。 それで、内容の方ですが、コンピレーションの為、途中で編集されている曲もあり、そこがちょっと残念ではありますが、まあサンプラーとしてはありかなと思います。 ◉A1 Conrad Schnitzler “Con" (1978年作)(EGG 90 184) より。ミニマルなシーケンスを中心に簡素な電子音が続く心地良い、Schnitzler先生らしい1曲となっています。 ◉A2 Faust “The Faust Tapes" (1973年作)(Virgin VC 501)より。ジャングル大帝のようなトランペットやホーンとミニマルなBにの後にミニマルな変拍子Drsが続き、更に激しくなる、捻った2曲分です。 ◉A3 Brian Eno, Dieter Moebius, Hans-Joachim Roedelius “After The Heat" (1978年作)(SKY 021) より。ピアノとシンセのよるミニマルかつ何処か冷やっとした感触の1曲で、その音感触が如何にもEno関連の音源らしい。 ◉A4 Harald Grosskopf “Synthesist" (1980年作)(SKY 043)より。ミニマルなシーケンスとDrsに、多層的なシンセが絡む1曲で、シンセのメロディは煌めくように響いています。 ◉A5 Cluster “Cluster" (1971年作)(Philips 6305 074)より。蠢く電子音の海から、次第にダブなリズムが不安定に立ち上がってくる混沌とした初期Clusterの代表曲のダイジェストです。 ◉A6 Dieter Moebius & Conny Plank “Rastakraut Pasta" (1980年作) (SKY 039)より。強靭なリズムを持ちながらも、何処か牧歌的な雰囲気もあるMoebiusらしさとPlankらしさの融合した1曲です。 ◉B1 Hans-Joachim Roedelius “Durch Die Wüste" (1978年作)(SKY 014) より。エレピとクラヴィーアの合奏から成る独浪漫派的な美に溢れた曲で、次第にシンセの旋律がテンポダウンしていきます。 ◉B2 Pyrolator “Inland" (1979年作)(Warning Records WR02)より。これは個人的には嬉しい!正にコロコロしたミニマル極まりない多層的なシーケンスから成る曲です。多分、Korg MS-20を使っていると思います。 ◉B3 Wolfgang Riechmann “Wunderbar" (1978年作)(SKY 017)より。流れるようなシンセとシーケンスに、Neu!のようなハンマービートが乗る心地良い曲のダイジェストです。 ◉B4 Kluster “Klopfzeichen" (1970年作)(Schwann AMS Studio AM511)より。ディレイを掛けたBやGやらフルートやらを即興的に演奏している、この時代としては画期的な曲のダイジェストで、本アルバムの中ではやや異質です。 ◉B5 Günter Schickert “Überfällig" (1979年作)(SKY 032)より。様々な奏法で演奏されたGと簡素なDrsを多重録音したSchickertらしいミニマルな曲のダイジェストですが、Voと共に、次第に盛り上がるのが特徴的です。 ◉B6 Asmus Tietchens “Nachtstücke (Expressions Et Perspectives Sonores Intemporelles)"(1980年作) (EGG 91 040)より。上昇するシーケンスに多層的に重ねられたシンセが、数学的とも言える程、美しい初期の名曲です。 この際、これがロックなのかどうかは置いておいて、正しくジャーマン・ロックと言うがエレクトロな音楽の好サンプラーとなっていると思います。特に、殆どの曲が各アーティスト/グループのファースト・アルバムから取られている点は興味深いです。要するに、彼等は最初から、電子音に魅了されていた証であり、また、ミニマルな展開が多いことも、ジャーマン・ロックの特徴と言われていますが、これも当時のシーケンサーとかと相性が良かったのではないかと想像します。多分、私自身は、そこら辺の「ミニマルな電子音による音楽」と言う点が元々大好きだし、そこから、私自身の興味もNDWへと移ってきたのだと思います。なので、久しぶりに、ジャーマン・ロックを並列に聴けたのは、逆に新鮮でした。この当たりのジャーマンロックに興味のある若いリスナーさんにはもってこいのサンプラーだと思います(ヘビーリスナーさんには食べ足りないかも?)!! A1 Conrad Schnitzler “Ballet Statique” (5:03) A2 Faust “I've Heard That One Before / Watch Your Step” (2:50) A3 Eno, Moebius, Roedelius “Foreign Affairs” (3:30) A4 Harald Grosskopf “Emphasis” (4:59) A5 Cluster “21:32 (Bureau B Edit)” (4:36) A6 Moebius & Plank “Rastakraut Pasta” (6:18) B1 Roedelius “Glaubersalz” (3:29) B2 Pyrolator “Minimal Tape 3/7.2” (4:22) B3 Riechmann “Himmelblau (Bureau B Edit)” (6:08) B4 Kluster “Kluster 2 (Electric Music) (Bureau B Edit)” (2:46) B5 Günter Schickert “Apricot Brandy II (Bureau B Edit)” (5:14) B6 Asmus Tietchens “Falter-Lamento” (6:18) B6 Asmus Tietchens “Falter-Lamento” (6:18) https://youtu.be/gQPknhpji_8?si=WnEx1WvgGALO0xQW [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lkloIY4BvOzYdQPAymnLNTQypwW0NpEg4&si=HQuZ8gNjXuGsGn7X [BandcampのURLを貼っておきます] https://bureaub.bandcamp.com/album/krautrock-eruption-an-introduction-to-german-electronic-music-1970-1980 #VariousArtists #KrautrockEruption #AnIntroductionToGermanElectronicMusic1970-1980 #BureauB #VentilVerlag #CompilationAlbum #Krautrock #Electronic #ConradSchnitzler #Faust #Eno,Moebius&Roedelius #HaroldGrosskopf #Cluster #Moebius&Plank #Roedelius #Pyrolator #Riechmann #Kluster #GünterSchickert #AsmusTietchens
Krautrock / Electronic Bureau B / Ventil Verlag 4840円Dr K2
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Peter Baumann “Trans Harmonic Nights”
元Tangerine Dream (1971年〜1977年間在籍)のシンセ奏者で、プロデュースや作曲も手掛けるPeter Baumannのソロアルバム第二弾”Trans Harmonic Nights”を今回はご紹介します。彼のバイオグラフィーは前回、書きましたので、今回は省略させて頂きます。今回のソロアルバムでは、Peter Baumann以外に、Wolfgang Thierfeldt (Drs)とBernhard Jobski (Horn)がゲスト参加しています。録音・制作は、Berlinにある彼自身のスタジオParagon Studioで行われていますが、ここは、Conrad Schnitzler先生も良く利用していますね。Baumannのセカンドは、両面4曲ずつ収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “This Day” (5:10)では、徐々に立ち上がるシーケンスとキックに柔らかなGとシンセが次第に絡んで、更にはVocoder-Voまで挿入され、またGも!何とも落ち着いた雰囲気の曲になっています。 ★A2 “White Bench And Black Beach” (5:30)も、落ち着いたリズム隊(ドラムマシン?)に、簡素なシンセによるメロディと思っていたら、劇的に生Drsとピアノとシンセによって躍動感ある曲へと変化します。 ★A3 “Chasing The Dream” (4:34)も、可愛らしいシーケンスに合わせて、笛のようなシンセがメロディを取っていき、やがて説得力のある強い電子音の合奏になります。Gもメロディを奏でています。 ★A4 “Biking Up The Strand” (2:26)は、3拍子の電子ワルツで、Vocoder-Voもシンセと共に歌っています。何とも優雅で落ち着いた曲調です。 ★B1 “Phaseday” (5:50)は、簡素なシーケンスとキックとシンプルなメロディで始まるドリーミーな曲ですが、途中のDrsとVocoder-Voが良いスパイスになっています。電子音の優しさに溢れています。 ★B2 “Meridian Moorland” (4:34)は、跳ねるような軽めのマシンリズムとシーケンスと簡素なシンセで始まります。途中の生Drsで一旦雰囲気は変わりますが、やがて元に戻ります。 ★B3 “The Third Site” (5:10)では、元気一杯のリズム隊とシーケンスに、勇ましささえ感じるシンセのメロディが乗ってきます。途中ピコる部分やDrsとかVoをパンする場面もありますが、最終的には、中々勇壮な曲に仕上がっています。 ★B4 “Dance At Dawn” (4:02)は、Drsとホーンによるイントロ後、細かいシーケンスや波状のシンセ、コーラスなんかで静かに盛り上がります。特にマーチングDrsが効いています。インスト曲故に、次々とメロディやリフが出てきて、バラエティーに飛んだ曲となっています。 セカンド・ソロアルバムは、前作B面とは変わり、再び、電子音楽系クラウトロックに戻って、生楽器(特にDrs)も効果的に使っているようで、Tangerine Dream以来のファンとしては嬉しい限りです。相対的に柔らかな曲が多いですが、シーケンスやドラムマシンも多用しており、個人的には、大いに楽しめました。Peter Baumannは、やっぱり、この路線で行って欲しいです。前回はNew Age云々と言っていましたが、本作品ではまだそこまでの抽象性はなく、程良いメロディラインが堪能できることもプラス10点ですね。そんな彼のソロアルバムは本当に心地良い音楽に満ち満ちていますので、聴かない手はないですよ! A3 “Chasing The Dream” (4:34) https://youtu.be/C6LuKLwMkN4?si=CTxkKZalG22bbro- [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLUxYysXweZEzXqWInwg2yTYS4HBq1EYFv&si=GZq-jtwKbVG5gJ9a #PeterBaumann #TransHarmonicNights #VirginRecords #2ndAlbum #SoloAlbum #TangerineDream #Krautrock #Electronic #Synthesizers #Sequencer #Horn #Drums #Guests #WolfgangThierfeldt #BernhardJobski
Krautrock / Electronic Virgin Records 880円Dr K2
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Klaus Schulze “Moondawn”
いつも、独モノが多くてすいません。でも買っちゃうんですよね。プログレでも、こう言うエレクトロ物は。と言う訳で、今回は、Klaus Schulzeのソロ名義としては6枚目のアルバム”Moondawn”を紹介します。この作品で、初めて、Schulzeは巨大なMoogシンセ (いわゆるタンスでしょうか?)を使って制作したと言われており、噂ではPopol VuhのFlorian Frickeから譲り受けたとのことです。まあ、インナーのジャケ写で、多量のシンセに囲まれているSchulzeは、正直、カッコ良いっす!彼のバイオグラフィーは以前にも書いてありますので、そこら辺をご参照下さい。今回は、1976年1月に、FrankfurtのStudio Panne-Paulsenで、制作されています。先ずは、参加者ですが、Klaus Schulze (Synth, Organ, Kbd, Sequencer)だけで、ゲストにHarald Großkopf (Drs)を迎えての制作となっていますが、Schulzeの機材について、もう少し詳しく書きますと、シンセはBig Moog, ARP 2000, ARP Odyssey, EMS Synthi A, Farfisa Synthorchestraで、オルガンはFarfisa Professionalで、キーボードはCrumarで、シーケンサーはSynthanorma 3-12を使っています。これだけ見たら、ご飯3杯はいけますね。まぁ、冗談はさておき、両面1曲ずつと言う長尺の曲をそれぞれ紹介していきたいと思います。 ★A “Floating” (27:15)は、微かな電子音から始まり、Drsのキックとシーケンスへと移行、EMSシンセらしきSE音も加わり、次第に盛り上がっていきます。とにかく反復するシーケンスと滑り込んでくるストリングス風のシンセ音が心地良い。Drsによるビートと言うよりシーケンスによるビート。更に入れ替わり立ち替わり、シンセ音のメロディが挿入され、やがてリズム隊が前面に出て、盛り上がってきます。Drsも手数が増えてきます。ここら辺は確かに「浮遊感」がありますね。そして、フェイドアウトしていきます。 ★B “Mindphaser” (25:22)は、這うような電子音とホワイトノイズで始まり、ゆったりとしたメロディも、SE的な雷鳴音と共に、明瞭化してきます。ストリングスらしきアナログ・シンセの音が耳に優しく、ジリジリと大きくなっていき、一気に、Drsとオルガンのパートに切り替わり、EMSやMoogシンセ音が飛び交い、頭の中を擽ぐられるようです。ほぼ単一コードで進行していますが、多彩なシンセ音が次々に立ち現れ、またDrsも叩きまくられ、シーケンスも挿入されます。電子音は重層化し、小宇宙の大セッションへと。そうしてカオスとなって曲は締められます。 いやー、聴き応えのある作品ですねー。2曲とも一代電子音絵巻の如く、じっくりと聴くことができます。シーケンスも手弾きシンセもDrsも、非常に上手く絡み合っており、また、ミックスも秀逸です。Suezan Studioの小柳カヲルさんによると、本作は、”Picture Music”からのロマン主義的作風の頂点とのことで、なるほど!と納得してしまいます。各曲に物語性があり、そのピークの前後のミックスが見事です。電子音は決して無機質ではないとの証明が、本作品には溢れていますので、そんな音楽を体験するにはもってこいです!さあ、聴いてみましょう! https://youtu.be/BfZr-mUxOlU?si=rFgfOzJVQnQreY9M #KlausSchulze #Moondawn #BrainRecords #Repress #1976年作 #6ThSoloAlbum #Krautrock #Electronic #Romanticism #Synthesizers #Moog #Arp #EMSSynthiA #Sequencer #Organ #Drums #HaraldGroßkopf
Krautrock / Electronic Brain Records 1780円Dr K2
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Harmonia “Live 1974”
またまた、来ましたよー!独のHarmoniaの1974年のライブ音源”Live 1974”です。本当は購入するつもりはなかったのですが、送料の関係で、一緒に注文してしまいました。Harmoniaのバイオグラフィーについては、以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。簡単に言ってしまえば、Cluster+1/2Neu!って感じでしょうか?これじゃあ、ザックリし過ぎですかね。まぁ、メンバーは、Michael Rother (G, E-Perc, Piano, Organ), Hans-Joachim Roedelius (Organ, Piano), Dieter Moebius (Synth, E-Perc)の3人です。今回は、1974年3月23日に、独逸GriessemのPenny Stationでのライブ音源から、A面2曲/B面3曲と言う内容になっています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Schaumburg” (10:45)は、淡々とE-Percのリズムが刻まれる中、Rotherが伸びやかにGを弾きまくり、それに絡むようにエレピやシンセも入ってくる心地よい極楽浄土な曲です。ミックスがまた「変」なところもあって、それぞれの音量が微妙です。 ★A2 “Veteranissimo” (17:25)も、可愛らしいE-Percのフェイドインから始まり、オルガン?シンセ?の音が微かに聴こえてくると同時に、低音リズムが強調されたり、Gやエレピが入ってきたりしますが、基本のリフは一定ですので、心地よいです。しかしミックスが変! ★B1 “Arabesque” (5:20)では、手弾きシーケンスにGが絡んでいきますが、微かにE-Percの音も聴取できます。どちらかと言うとG主体の曲ですね。 ★B2 “Holta-Polta” (15:00)は、一転、強力なE-Percのリズムに、ヴァイオリンのようなヒュルヒュルしたシンセやGが入ってくる曲で、何か催眠的な雰囲気になります。 ★B3 “Ueber Ottenstein” (9:30)は、ちょっとエスノなリズムとGとシンセの混合物のような曲で、どの音も自由に放射されています。この曲でもRotherのGが効いてますね。 このアルバムで面白いと思ったのは、ミックスですね。E-Percなのに、全然「機械的」な感じではなく、それぞれの楽器の音量を上げたり下げたりして、意図的に音同士の距離感を錯覚するように操作され、それにより、曲としては、何か「生き物」のような(有機的)音楽として成立しています。このミックスを実際のライブで行っていたのか?後でミックス・ダウンしたのか?は分かりませんが、面白い効果だと思いました。目から鱗!それと、全体的にはRotherの演奏が目立つようにも思いましたが、そこら辺は好き好きかと。スタジオ盤とはまた違う印象なので、気になる方には、一聴をお勧めします❗️ https://youtu.be/1Tl5fvP7LBM?si=IqBDtvFp2AZPfoXO #Harmonia #Live1974 #GrönlandRecords #Reissue #LiveAlbum #Krautrock #Electronic #Mixing #ElectronicPercussions #Guitar #Piano #Organ #Synthesizers #PennyStation #Germany #MichaelRother #Hans-JoachimRoedelius #DieterMoebius
Krautrock / Electronic Grönland Records €18.00Dr K2
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Moebius & Plank “Material”
またまた、出ました!独逸を代表するエレクトロニクス・デュオClusterのMoebiusことDieter Möbiusと独逸が産んだ最高のエンジニア/プロデューサーConny Plankのコラボ作品第2弾”Material”を、やっと入手しましたので、紹介していきたいと思います。前回は、ファースト・アルバム”Rastakraut Pasta”を紹介しましたので、彼等2人のバイオグラフィーはそちらを読んでみて下さい。ここでは、このデュオのバイオグラフィーは省略しますね(省略しなくても皆んな、知ってますよ!)。本作品の内容はA面2曲/B面3曲となっていますので、各曲についてご紹介していきます。 ★A1 “Conditionierer” (8:49)は、いきなりノリの良いGとDrsのビートに、Bも加わってきて、更にはSlide-Gも、と言う意外過ぎるミニマルな曲です。一体、誰が弾いているの?と思ったら、Saxまで入ってきます。 ★A2 “Infiltration” (7:41)では、スローなリズムマシンとミニマルなリフを引き続けるシンセBで始まりますが、お気楽な電子音やラジオ音等が塗されて、テク無視のGやSaxや変調Vo(?)なんかも混ざってきで、最後は盛り上がります。 ★B1 “Tollkühn” (6:12)は、ちょこまかしたシーケンスとシンセBから成る曲で、時にシンバルやGっぽい音やSE風電子音も入ってきます。頭の中で鼠が走り回るような曲? ★B2 “Osmo-Fantor” (4:27)は、チープなリズムマシンとBとGらしき音から成る曲で、所々で、好き放題のSE電子音やGが混入してきます。 ★B3 “Nordöstliches Gefühl” (7:21)も、割とスローなリズムマシンとシンセBとエレピから成るミニマルな曲ですが、笛の音のようなシンセ音が「通奏高音」になっており、それに絡まるようにシンセのメロディが爪弾かれます。エレピが良い仕事してます。 ジャケ写のイメージから、環境問題とかのもっと重めの音楽を想像していたのですが、やはりMoebiusが関わっているので、そんなシリアスな音楽ではありませんでした(敢えて言うならB3が一番シリアスかな?)。そこら辺は裏切ってくれませんねぇ。A2なんかは、Plankの手腕が遺憾無く発揮されていると思います。そう言った意味で、エンジニアのPlankの名前も冠したのは、やはりエンジニア以上の何かをしたからでしようね。確かにコミカルとも言える曲調はMoebius的ですが、それをPlankが上手くコントロールしているのではないでしょうか?でも、そんな2人ももう他界しているんですよね。合掌!そしてLet’s Listen!l❗️ [full album on 2010 reissue/remastered version] https://youtu.be/76Pj-tijsWA?si=WR9bSRLmRJnmpPN1 #DieterMoebius #ConnyPlank #Material #SkyRecords #SecondAlbum #Collaboration #Krautrock #Experimental #Electronic #Synthesizers #HammerBeat #RhythmMachine #Guitar #Bass
Krautrock / Electronic Sky Records 5750円Dr K2
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Harmonia “Deluxe”
久々ですねー。今回は、Harmoniaのセカンド・アルバム”Deluxe”を紹介します。元々、Neu!に居たMichael Rotherがもっとライブをしたいと思っていて、Clusterの2人(Hans-Joachim RoedeliusとDieter Möbius)に話を持ちかけて出来たのが、Harmoniaです。そして、今回は、Guru Guruのドラム魔人Mani Neumeierもゲスト参加しています。Harmoniaのバイオグラフィーは、以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回の参加者は、Michael Rother (G, Kbd, Vo), Hans-Joachim Roedelius (Kbd, Vo), Dieter Möbius (Synth, Nagoja Harp, Vo)で、ゲストとして、Mani Neumeier (Drs)も参加しています。エンジニアとして、今回もConny Plankが起用され、プロデュースは、PlankとHarmoniaで行っています。また、今回は、1975年6月に、Forst村のCluster/Harmoniaのスタジオに、Conny Plankが移動用機材(と言っても16トラックのレコーダー)を持ち込んで、同年7月にケルンにある自身のスタジオでミックスをしており、ファーストよりも格段に音は良くなっています。と言う訳で、本作品(A面2曲/B面4曲)の各曲をご紹介していきますね。 ★A1 “Deluxe (Immer Wieder)” (9:45)は、チープなリズムマシンに、シーケンスと多幸感のある柔らかいシンセのメロディが乗って、更に反復呪文のようなコーラスで昇天しそうになる曲です。時に入るGやシュワシュワした電子音も絶妙。 ★A2 “Walky-Talky” (10:35)では、生Drsにシーケンスと伸長したGが骨格を作り、そこにメロディアスなシンセやエレピも絡んできます。様々なメロディが立ち上がっては消えてを繰り返す反復が、聴く人の心に染み渡りますね。また、Gと他の楽器とのミックス具合が最高ですね(流石、Conny!)。 ★B1 “Monza (Rauf Und Runter)” (7:07)は、イントロは伸長したGで始まり、ゆったりと進行しますが、いきなりDrsのハンマービートで、急展開になります。La Düsseldorfような感じに近いです。なので、この曲はめちゃカッコ良いです! ★B2 “Notre Dame” (4:15)は、ポリシンセのアルペジオとリズムマシンのキックから成りますが、やがて、非常にゆったりとしたシンセの海の中に居る自分を感じることができる曲です。 ★B3 “Gollum” (4:35)は、不思議なシーケンスと生Drsに加えて、柔和なシンセ音が反復し、多層化する電子音がとても心地良い曲です。 ★B4 “Kekse” (5:35)では、シンセとエレピの合奏で始まり、やがて微かなキックと優しいシンセのメロディと会話らしき音がフェイドインして、そして会話らしき音だけになって本作品を締めます。 いゃ〜これは名作ですね!特にHarmoniaの3人の出す音とゲストのNeumeierのDrsがバッチリ合っていて、良い具合にスパイスになっています。多分、リハをそのまま録音したファーストと比べると、やはりConny Plankの手腕が存分に活かされていると思います。私はもっとアンビエントなのかなぁと想像していたのですが、内容は全然違いました。Clusterを更に進化させたような趣きです❗️なので、ジャーマン・ロックに興味のある方は必聴ですよ!マスト! https://youtu.be/bhI9b5vGfUs?si=UJQht24R2-SyXbv7 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lG3xMyEO10IoO9ULhMD6lJnH_jXxLwxbw&si=23isqjhdiR6saNzl #Harmonia #Deluxe #BrainRecords #GrönlandRecords #Reissue #Remastering #1975年 #2015年 #Krautrock #Electro #Synthesizers #Guitar #Drums #16TrackRecorder #Engineer #ConnyPlank #Neu! #Cluster #GuruGuru #MichaelRother #Hans-JoachimRoedelius #DieterMöbius #Guest #ManiNeumeier
Krautrock / Electronic Brain Records / Grönland Records 3630円Dr K2
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Edgar Froese “Ages”
今回は、独電子音楽界の巨匠でもあるEdgar Froeseの4枚目のアルバム”Ages”のRecord Store Day用の特別盤を紹介しようと思います。内容が大きく変わっている訳ではないですが、まあ特別盤と言うことで、装丁はえらく豪華になっています。今回のリリースは、仏のレーベルCulture Factoryからとなっています。Edgar Froeseのバイオグラフィーについては、以前にも書きましたので、ここでは省略させて頂きます。 本作品は、元々は、1978年にVirgin Recordsより2枚組LPとしてリリースされていた作品で、彼にとって、ソロアルバムとしたは4枚目に当たります。皆さん、ご存知の通り、彼は、Tangerine Dreamを率いていた訳ですが、ソロでも音楽制作を行っていました。本作品では、Klaus Krügerがパーカッションでゲスト参加していますが、それ以外は全てFroeseが演奏しています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ◼️LP1 ★A1 “Metropolis (Inspired By Fritz Lang's Movie)” (5:41)は、淡々としたシーケンスに様々な音色の上物シンセが波状に被さっていくドラマチックな展開の曲で、シンセの音作りが素晴らしい。そしてDrs(又はPerc)が加わり、躍動する音が曲を生き生きさせています。 ★A2 “Era Of The Slaves” (8:11)は、怪しい雰囲気のミニマルなシーケンスと、それに攻めぎ合うフルートっぽい/横笛っぽいシンセのメロとサブ・メロのシンセが秀逸な曲です。やがて、僅かながらリズムマシンや生Percも入ってきて盛り上がります。 ★B1 “Tropic Of Capricorn” (20:47)は、いきなりドラマチックなシンセとベース・シンセのコンビに、オペラのようなサブ・ シンセから成るイントロから一気に流れ込んでくる一大電子絵巻物です。 ◼️LP2 ★C1 “Nights Of Automatic Women” (10:06)は、交響楽のような分厚い電子音の壁で、やがて、リズミックなシーケンスと生Drsが曲を引き締めます。それらが複合して、遠くまで飛んで行きそうな躍動感を感じますね。 ★C2 “Ikarus” (9:14)では、ダークなシーケンスから始まり、天女の歌声のようなシンセ音が絡み、その反復によるトランスが心地良く、叩きまくる生Drsと弾きまくるGが、Froeseはロック側の人間であることを如実に証明しています。 ★D1 “Ode To Granny A” (4:43)は、やや牧歌っぽいハーモニーを奏でるシンセとシーケンスから成る曲で、タンバリンの鈴の音が心に響きます。 ★D2 “Pizarro And Atahuallpa” (8:15)では、土俗的Percで始まり、伸びやかなシンセの電子音が重層化して響き渡ります。そうして、シンカッションも加わり、次第にノリも良くなってきます。 ★D3 “Golgatha And The Circle Closes” (9:36)になると、ポツポツとしたシーケンスの上に、すっかり落ち着いた雰囲気のシンセの音色とフレージングが乗ってきて、少しのばかりの高揚感と共に、弾きまくるGも印象的で、最後のDrsも含めて! 今まで、Edgar Froeseのことを、確かにKrautrockだが、そんなに「ロック・ミュージシャン」とは思ってはいなくて、アンビエント作家の印象で見ていましたが、本作品を聴いてみて、Froeseの根っこにはロックの血が流れていることに気づかされました。そう言う意味で、彼の本性を理解していなかったと考え直すキッカケになったアルバムでした。そこら辺も含めて、目から鱗の作品ですので、Edgar Froeseの本質を知りたい方は、このアルバムは必聴でしょう❗️ [original full album] https://youtu.be/ro0QMknW7Ak?si=mG-cbOhsRHgslfbE #EdgarFroese #Ages #CultureFactory #VirginRecords #Reissue #Remastering #RecordStoreDayDexuleVersion #4ThAlbum #ColorVinyls #Krautrock #Electronic #Synthesizers #Sequencer #Guitar #SoloAlbum #Percussions #KlausKrüger #Founder #TangerineDream
Krautrock / Electronic Culture Factory (Virgin Records) 3608円Dr K2
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Conrad Schnitzler “Con ‘72”
ついつい買ってしまうんですよ、Conrad Schnitzler先生のレコード。本作品”Con ‘72”は、英国の独逸会館でのライブ音源のようです。しかも、まだカセット・コンサートではなく、EMSのSynthi Aでの実機でのライブのようです。取り敢えず、曲名は無く、両面共1曲ずつ収録されていますが、恐らくは一連の曲を無理に2つに分けたのだと思います。Schnitzler先生のバイオグラフィーは今まで散々書いてきましたので、そちらをご参照下さい。それでは、内容のご紹介をしたいと思います。 ★A “Untitled” (20:52)は、驚異の「変態シンセ」こと、EMS Synthi Aを使い倒して、変な電子音を次々と放出しています。メロディもリズムもハーモニーも無いです。ひたすら、純培養された電子音そのものです。時に、無音になっても構わず、演奏し続ける気迫が素晴らしい。 ★B “Untitled” (22:29)も、A面の続きみたいですが、途中で無音になって、「えっ、もう終わり?」と思っていたら、見事に復活。Schnitzler先生と言うと、カセット・コンサートが有名ですが、初期では、このように生演奏もやっていたんですね。そう言う意味では、貴重な記録だと思います。 とにかく、シンセ、触って、気持ちの良い音を探して、ノブやスイッチをこねくり回している姿は、まるで、子供が何かスイッチとかで動くおもちゃを最初に買ってもらった時の衝動そのもののようで、Schnitzler先生の満面の笑顔が直ぐに頭に浮かびます。そんな、貴重な記録が残っていたことに感謝ですね。Space Machineとか好きなリスナーさんはきっと気にいると思いますので、是非❗️ A “Untitled” (20:52) B “Untitled” (22:29) う [本作品はYouTubeには上がってなかったので、参考までに同じレーベルの他の動画を貼っておきます] https://youtu.be/A1pMhAKvmBQ?si=4MoAFG3-vTRszsEg #ConradSchnitzler #Con72 #Qbico #Krautrock #Electronic #LiveAlbum #London #1972年 #EMSSynthiA #Synthesizers #SynthSoloPlay
Krautrock / Electronic Qbico 2280円Dr K2
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Edgar Froese “Aqua”
“Aqua”は、Tangerine DreamのメンバーのEdgar Froeseのファースト・ソロ・アルバムですが、今回、購入したのは、それのRecord Store Day用の最新ヴァージョンで、2005年にViennaで録音し直した曲をリマスタリングしての「再発」盤となります。また、今回のリリースの際には、ボートラとして、B2”Upland”に対するアンサーソングらしきB3 “Upland Down”が追加されています。Edgar Froeseに関しては、以前にも紹介していますので、彼のバイオグラフィーについては、そちらをご参照下さい。 それで、本作品ですが、先述のように、A面2曲/B面3曲となっています(勿論、B3はボートラです)。それだは各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “Aqua”は、タイトル通り、実際の水音から始まり、ゆったりとしたテンポで、シンセによる「水音」も含めて、ミニマルな電子音が続いていきます。リズムマシンの打ち込みパターンにはプレイクビーツと思われるものも混在しており、アップデートされていますね。そうしていると、いつの間にか、シーケンスも聞こえてきて、ゆったりとしたシンセ音に包まれます。 ★A2 “Panorphelia”でも、シーケンサーは使われていますが、リズミックと言うよりも音の背景のような使い方で、柔らかいシンセのメロディと通奏低音的ベースラインが曲の主軸となっています。ここら辺のセンスが、如何にもFroeseらしいですね。 ★B1 “NGC 891”は、「飛行機」の音から始まり、緩やかなれど、多彩な電子音の輪舞を思わせるような曲で、ここでもミニマルなシーケンスが使用されています。個人的には、この位のシーケンサーの使い方が気持ち良いです。また、ミックスが絶妙で、その為か、全然飽きませんね。 ★B2 “Upland”も、泡を思わせる電子効果音とオルガンらしきポリシンセの荘厳な導入から始まり、やがて、LFOを効かせた電子効果音に取って替わられるかと思いきや、冴えたミックス操作で乗り切っています。最後には逆回転が!それから、この曲では、バイノーラル録音の為に、dummy head (別名artificial headとかKunstkopfまたはHead & Torso Simulator)を使っての録音が行われています。 ★B3 “Upland Down (bonus track)”でも、オルガンらしき音と泡のようなSEに加えて、何と!ドラム(生Drsか?ドラムマシンかは不明)によるディスコ調のリズムとオルガンのリフがミニマルに鳴り響きますが、ボーナストラックなので、短い曲になっています。 私は、原曲と聴き比べてはいませんので、はっきりとは言えませんが、多分、初盤リリース当時の機材よりも、格段に、テクノロジーは進歩していますので、その分、表現も豊かになっているのでは?と想像します(妄想します)。しかしながら、過去に作曲した曲を再録できると言うことは、譜面があると言うことで、そっちの方にビックリしました❗️(当たり前と言えば、当たり前か?) また、彼の表現力にはいつも驚かされますね。このヴァージョンを聴くのは稀かもしれませんが、両方持っている方は、その違いについて教えて下さい! [full album] https://youtu.be/DZ2oCrCxotU?si=siJkJzsZylXv2ty2 #EdgarFroese #Aqua #CultureFactory #VirginRecords #Re-recording #Vienna #2005年 #Reissue #RecordStoreDay2022 #Krautrock #Electronic #Synthesizers #DummyHeadRecording #BonusTrack
Krautrock / Electronic Culture Factory (Virgin Records) 不明Dr K2
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Harmonia “Musik Von Harmonia”
やっと入手しました。独ロック界のスーパーグループの一つHarmoniaのファースト・アルバム”Musik Von Harmonia”をご紹介します。Harmoniaは、簡単に言ってしまえは、「Neu!のMichael Rother+Clusterの2人Dieter MoebiusとHans-Joachim Roedelius=Harmonia」と言う数式になります。それは置いておいて、簡単にバイオグラフィーを書いておきます。1971年に、Clusterの2人は、西独Weser川の近くの田舎町Forst村に引っ越してきて、そこで古い農家に住んで、音楽制作を始めます。一方、1973年初頭には、Neu!のMichael RotherはDieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusと会っています。それで、3人でジャム・セッションをやってみて、Rotherはかなり2人との音楽性が気に入り、良いライブバンドになると確信し、3人はForst村のClusterのスタジオで録音を開始します。Harmoniaと言うネーミングは「合唱団」と言う意味の独逸語から半分冗談でつけたらしいです。そこで、Harmonia名義で、2枚のアルバムを作製します。一つが1974年にリリースされた”Musik Von Harmonia”で、もう一つが、1975年にリリースされた”Deluxe”です。特に前者は、旧式のミキサーと3台のテープレコーダーとで録音され、3人がセルフ・プロデュースしています。この後、RotherはNeu!の3枚目のアルバムの録音の為、一旦抜けます。2枚目の”Deluxe”の時は、Conny Plankが共同プロデューサーになって、16トラックの録音機材とミキシング・デスク、それに、Guru GuruのMani Neumeierの生ドラムを加えて作製されています。その為、Clusterの即興的なアプローチよりも、Rotherのロック/ポップな面が強調され、3人の間にも適度な緊張感が生まれたみたいです。ツアーは1976年夏に終わり、3人はそれぞれがソロワークを始めますが、同年9月には再びHarmoniaとして集まります。その時に、Forst村のスタジオに、Brian Enoが訪ねてきて、11日間滞在し、そこでHarmoniaと録音をしています。その時、Enoは、4トラックのレコーダーとVCS3シンセを持ち込んでいました。この時のマスターテープは長い間紛失したと思われていましたが、1997年に見つかり、アルバム”Tracks and Traces”としてリリースされています。その後は、それぞれがソロ活動していきますが、2007年に、アルバム”Live 1974”をリリースして、Harmoniaは再結成されます。そのライブというのが、1974年3月23日に独GriessemのPenny Station Clubでのライブ音源です。そして、2007年11月27日に、BerlinのHaus der Kulturen der Weltで行われたWorldtronics Festivalのオープニングで、また3人でライブも復活させています。その後も、色々なフェスに出演していますが、2009年にHarmoniaとしての活動は停止しています。また、2015年7月に、Dieter Moebiusは他界しています。以上がHarmoniaの足跡です。 それで、本作品でもあるHarmoniaのファースト・アルバムを紹介します。取り敢えず、メンバーは、Michael Rother (G, Piano, Organ, E-Perc), Hans-Joachim Roedelius (Organ, Kbd, Piano, E-Perc), Dieter Moebius (Synth, G, E-Perc)です。A面に3曲、B面に5収録されています。 ★A1 “Watussi”はリズムマシンの単調なビートにミニマルなシーケンスが土台となり、それに、恐らくRotherによると思われる伸びやかなギターやシンセか乗ってくる曲です。 ★A2 “Sehr Kosmisch”は心臓の鼓動のようなリズムで始まり、やがて不明瞭なリズムか刻まれ、スペーシーなシンセ音とピアノの単音がゆったりと流れ、最後に心音に戻るタイトル通りの曲で、アンビエント色が濃いです。 ★A3 “Sonnenschein”は、一転して、インド音楽のような旋律と跳ねるリズムから成る活発な曲です。 B面に移ります。 ★B1 “Dino”はかなりNeu!っぽいハンマービートから成るロック調の曲ですね。 ★B2 “Ohrwurm”は不気味な唸り声のような音から始まり、シタールのようなギターの音やポツポツとした電子音が絡まるビートレスな曲て、異色ですね。 ★B3 “Ahoi!”もビートレスに近い、非常にゆったりとしたアンビエント調の曲ですが、後半にシーケンスが少し入ってきます。 ★B4 “Veterano”では、また一転して、マシンリズムのビートの効いた曲となりますが、まるでEsplendor Geometricoみたいです。 ★B5 “Hausmusik”では、ピアノの連打とマシンリズムか交互に立ち現れる曲で、ミックスが興味深いです。 と言う内容なんですが、私はもっとアンビエントなのかなぁと思っていましたので、意外にもビートがあったりするところも含めて、個人的に好きなアーティスト3人が作っていると言うだけで、もう感動モノです。EnoもJulian CopeもHarmoniaを1970年代中期で最も重要なバンドと評しているのが、良く分かりました。マスト・アイテムですね‼️ A1 “Watussi” (5:55) A2 “Sehr Kosmisch” (10:50) A3 “Sonnenschein” (3:50) B1 “Dino” (3:30) B2 “Ohrwurm” (5:05) B3 “Ahoi!” (5:00) B4 “Veterano” (3:55) B5 “Hausmusik” (4:30) B1 “Dino” (M. Rother[Neu!+Harmonia] live at Copenhagen) https://youtu.be/Szrnko7NoEU [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n-l8GU6J9Zkz0S2fScrwtE9GQr5l_CNsA #Harmonia #MusikVonHarmonia #BrainRecords #GrönlandRecords #Reissue #Krautrock #Electronic #Neu! #Cluster #Synthesizers #Guitar #RhythmMachine #ForstVillage #1974 #MichaelRother #Hans-JoachimRoedelius #DieterMoebius
Krautrock / Electronic Brain Record / Grönland Records 3300円Dr K2
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Conrad Schnitzler “Filmmusik 2”
前回に続いて、Conrad Schnitzler先生の未発表音源”Filmmusik 2”を紹介します。今回もSchnitzler先生が生前、特に1975年に録音していた曲を集めたもので、B面には”Lichtepunkte Und Schwarze Zeichen”と題された長尺のビデオ用の曲が、収められています。それで、元々はこのアルバムは”Filmmusik 1”と同時発売の予定だったのですが、途中で色々あって、最終的に、別作品としてリリースされました。と言うのも、Bureau BのThomas Worthmannが、最初、仮に”02/1980”と呼んでいたトラックの一つが、元々は”Gute Fahrt (Nice Journey)”と言うビデオ作品の曲だったことに端を発します。それで、”Filmmusik 1980B”とした曲群は間違いで、”1975B”であり、本来、”02/1975B”と呼ぶべきであったとのこと。その後になって”Gute Fart”が見つかったことも大きかったようです。そして、”Filmmusik 1”がリリースされた時に、Schnitzler先生の音源を管理していたJin Kawaiから連絡があり、2009年に彼が、Conrad Schnitzler先生の全てのビデオ作品をネットにアップした時に、”Gute Fahrt”が一曲ではなく、数曲から成る作品群であったことが判明し、それで、今回、1975年録音未発表シリーズとして、本作品”Filmmusik 2”がリリースされることになりました。一方、本アルバムB面の曲” Lichtepunkte Und Schwarze Zeichen”は元から、ビデオ作品の為に、1978年に書かれた曲であり、2015年に見つかったものです。と言う、ややややこしい変遷の経て、リリースされた作品では、ありますが、内容は、”Filmmusik 1”を踏襲するように、簡素ながらも素晴らしい構成力と音色を持った電子音楽です。通奏低音のようなドローンやリズムボックスのチープな音によるミニマルな展開と、それに乗る上物のシンセ音で、全てを過不足なく表現し切っています。特に、B面一杯を占める曲は、その構成の巧みさもあり、一気に聴き通すことができます(実際、どんなビデオ作品であったかは不明ですが、、、)。それから、Schnitzler先生が、ビデオ等の映像作品に手を出し始めるキッカケは、先ずは、1968年に、彼とHans-Joachim RoedeliusとBoris Shaarkで作った西ベルリンのZodiak Free Arts Lab.で、24時間ラジオ放送をやっていたことに端を発し、”Totally free music. Everyone join in”と表明したことでしょう。その後、彼は、DüsseldorfでJoseph Beuysに師事して、米国のポップ・アートに触れ、そこで、活動していたKapitalistischer Realismusの”Akustische Raume”と言うインスタレーションに参加したこと、それと、Nam June PaikのTVとビデオを使ったインスタレーションを観て、友達になったことが大きかったようです。当然、Fulxus運動とも繋がっていきます。例えば、Schnitzler先生は、VHS以前のフィルムの時代に、Mike Steinerとコラボして、Steinerのギャラリーで、既にビデオ・ミュージックを録音・演奏(?)しています。そんなダダイスト達との交流で、Schnitzler先生はビデオ作品に関わったり、また自ら作製したりしていたようです。そんな彼のビデオ作品を妄想しながら聴いてみても良いのではないでしょうか! A1 “05/1975 B” (6:11) A2 “05/1975 A” (4:29) A3 “12/1975 A” (1:53) A4 “14/1975 A” (2:21) A5 “03/1975 A” (3:54) B “Lichtepunkte Und Schwarze Zeichen” (23:30) A1 “05/1975 B” (6:11) https://youtu.be/4n4HCfOE5IA?si=qDFbCvxxfgM656-w A3 “12/1975 A” (1:53) https://youtu.be/pzvmMwddZ2s?si=aQy4kI0DAaI-oA_3 A4 “14/1975 A” (2:21) https://youtu.be/BSsfQdnZ4aE?si=GWcRgg9viY7EWxB7 B “Lichtepunkte Und Schwarze Zeichen” (23:30) https://youtu.be/ypVlcoldu2o?si=_uQMBJlBx6lLxPDC #ConradSchnitzler #Filmmusik2 #BureauB #Krautrock #Electronic #VideoMusic #1975作 #GuteFahrt #PreviouslyUnreleasedTracks #EMSSynti #Synthesizers #Organ #RhythmBox #Mastering #LichtepunkteUndSchwarzeZeichen #JosephBeuys #NumJunePaik #Fulxus #VideoWorks
Krautrock / Electronic Bureau B 不明Dr K2
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Conrad Schnitzler “Filmmusik 1”
今回、紹介するConrad Schnitzler先生の作品 ”Filmmusik 1”は、再発モノではありません。彼は、2011年に他界していますが、そのアーカイブの中に、”Filmmusik 1975A”とFlimmusik 1980B”とだけ題されたビデオテープがありました。アーカイブの管理者で、生前からの音楽的パートナーでもあったWolfgang Seidel氏がそれらを見つけて、独逸レーベルBureau BのThomas Worthmannが纏め、Jonas Försterがマスタリングして、聴くべきして出来たアルバムと言えます。この未発表のビデオ音源は本作品”Filmmusik 1”と ”Filmmusik 2”(これも次回、紹介します)があります。今回は、その内、”Filmmusik 1”について紹介します。それで、Schnitzler先生は、1970年代初頭に、EMS Syntiをロンドンで入手しても、用いる機材はCello, Combo OrganとそのEMS Synti シンセサイザーだけで、それらをカセットテープに録音しています。彼のカセットテープ・コンサートでは、それらのカセットテープがリアルタイムでミックスされていたそうです。ただ、完全手作業なアナログなので、キチンと頭出しが合わないことも多く、この「非同期性」をSchnitzler先生は「演奏」と捉えていたとのことです。それは録音でも同様で、彼はMTR(当然、PCとかも)とかは使っておらず、既に録音されているカセットテープをその場でミックスして、作製していたとのことです。なので、彼のコンサートでは2つのスーツケースだけの機材で済んだとか(笑)。そんなSchnitzler先生の未発表音源な訳ですが、簡素なシンセの通奏低音のようなドローン音とメロディ、そしてチープなリズムボックスの音からのみ成っており、A面6曲、B面4曲で構成されています。当然、曲名はありません、と言うか記号で構成されています。正直、音質自体はそんなに良くはないです。それでも、やはりSchnitzler先生らしい音の構築がバンバン出てきますので、一聴して分かると思います。また、元になったビデオ作品は、映像作家Walter Ruttmannの抽象的実験映画やBauhaus(バンドじゃなくて独の美術学校ね)の教授László Moholy-Nagyの”Lightplay: Black White Grey”のような実験的写真等からインスパイアされていたらしいです。それらから、Schnitzler先生は、何かを表す映像や写真でもなく、何かの為の音楽でもないと言う「抽象性」に大きな影響を受けたとのこと。それで、彼は、特にタイトルも無い作品を敢えて多量に作り出したのでしょう。本作品は、彼の音楽の始原を探る上で、ヒントになるアルバムだと思いますので、是非聴いてみて下さい!! A1 “03/1980” (5:12) A2 “10/1975” (3:58) A3 “04/1980” (4:23) A4 “10/1980” (3:34) A5 “12/1980” (2:03) A6 “09/1975” (3:18) B1 “02/1980” (7:07) B2 “07/1980” (4:15) B3 “08/1975” (4:56) B4 “01/1980” (4:46) https://youtu.be/jBYoplkX2o8?si=jqzUI86CCVnHCrRY [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_l226sgEzOtW0OcRxL-FBGa9I-9JbozMwA&si=FNc2wlkVwE2kK_R0 #ConradSchnitzler #Filmmusik1 #BureauB #Krautrock #Electronic #VHSTapes #PreviouslyUnreleasedTracks #EMSSynti #Synthesizers #Organ #RhythmBox #Mastering #WalterRuttmann #LászlóMoholy-Nagy
Krautrock / Electronic Bureau B 不明Dr K2
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Conrad Schnitzler “Gelb”
またまたまた、Conrad Schnitzler先生の作品ですよ!今回は、初期の「色」シリーズ第3弾アルバム”Gelb (Yellow)”です。Schnitzler先生は、1970年代から一部1980年代にかけて、より個人的かつコンスタントに、自分の作品をカセットやLPで自由に出していこうと考え、1974年に”The Black Cassette”をリリースしています。その一貫が、彼の「色」シリーズで、1973年には”Rot (Red)”を、1974年には”Blau (Blue)”を、そして1981年には本作”Gelb (Yellow)”と”Grün (Green)”を出していますが、いずれも明確なタイトルは記載されておらず、ジャケの色からの通称です。私が購入したのはBureau Bの再発盤なのですが、何とB面に2曲もボーナストラック(この2曲がまた良い)❗️が追加されています。本作品ではまた割と短い曲が収められていますが、例によってタイトルは無しです。そして、内容の方も、古いリズムボックスやアナログシンセを用いた「ヘンテコ」電子音による擬似ポップ・ミュージックとなっております。インサートに彼のライブ或いはそのセッティングの写真が掲載されていますが、オルガンやEMSシンセなどの名器が並んでいますし、ライブ写真では18台のカセット再生機とオープンリールがズラリと並んでいます。出来れば、彼のライブ、観たかったなぁ(Wolfgang Seidel氏に頼めば良いのかな?)。また、A面はそれなりにポップな曲が多いのですが、B面は一転して、ドローンと言うか実験的な要素が強いですね。それで、彼は本当に電子音楽が好きなんだなあとしみじみ思いました。でなきゃ、こんなに作れないですよぉ。因みに、リリースは1981年ですが、作製は1973/1974年です。また、Edition BlockとはSchnitzler先生の個人レーベルです、念の為。もし、貴方が電子音楽に興味があるのであれば、是非ともこのシリーズは聴いた方が良いでしょう。 A1 “Untitled” (6:07) A2 “Untitled” (2:21) A3 “Untitled” (3:00) A4 “Untitled” (2:16) A5 “Untitled” (5:01) A6 “Untitled” (4:23) A7 “Untitled” (3:07) A8 “Untitled” (2:29) B1 “Untitled” (2:42) B2 “Untitled” (2:35) B3 “Untitled” (3:21) B4 “Untitled” (2:39) B5 “Untitled (Bonus)” (7:55) B6 “Untitled (Bonus)” (6:08) A5 “Untitled” (5:01) https://youtu.be/hV8WkiDZfbs?si=OnOxcYqS2Q4qWQtH [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL22Aa1wSmDcWwgbY9qOTyvRJa6SOX9upS&si=dwtMECgb5dxHJI1A #ConradSchnitzler #Gelb #Yellow #BureauB #Reissue #Remastering #2014年 #EditionBlock #1981年 #1973/1974 #KrautRock #Electronic #ExperimentalPop #Synthesizers #RhythmBox
Krautrock / Electronic Bureau B (Edition Block) C$ 41.00Dr K2
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Tangerine Dream “Phaedra”
またですかぁー。んで、今回もTangerine Dreamの登場です。今回は5作目のアルバム”Phaedra”を紹介します。一時期、私は独逸ロック(クラウトロック)もつまみ食いしていましたが、シーケンサーを使ったグループが割と好みでした。でも、当時はあんまり聴き込んだことが無かったので、今回は聴き込んでみようと思います。バンドの詳細なバイオグラフィーは以前に書いてものを参照して下さい。メンツは、Edger Froese (Mellotron, B, G, Organ, Synth [VCS3 Synth] ), Peter Baumann (Organ, Synth [VCS3 Synth], Flute, E-Piano [e-piano] ), Chris Franke (Synth [Moog, VCS3, SA], Kbd)と言う電子音楽界の鉄壁の3人です。プロデュースはFroeseがやっています。この担当楽器を見れば分かりますが、あのじゃじゃ馬シンセVCS3を3人とも使っています。バンドは、独逸Ohrを離れて、英国のVirgin Recordsと契約しており、1973年〜1978年までは、このトリオでガッツリやっています。内容はA面1曲でタイトル曲になっており、B面は3曲から構成されています。A面”Phaedra”では電子音の揺らめく中で、シーケンサー駆動の電子音の反復(本作で初めてシーケンサーが使われている)が心地良いんですが、全体としては、電子音によるオーケストレーションがやはり主体を占めているように思います。最後の「余韻」が良いですね。B1 “Mysterious Semblance At The Strand Of Nightmares”は、Froeseの作曲で、電子音の霞が幾重にも重なって、非常にゆったりと流れていく重厚アンビエント曲ですね。クチュクチュしたシンセ音やホワイトノイズの使い方が新鮮です。B2 “Movements Of A Visionary”では、やはり、電子音の海の彼方から立ち上がってくるシーケンサーの反復が心地よいです。まるで、口の中で球がコロコロ転がるようなシンセの音から成ります。B3 “Sequent C'”はBaumannによる小曲で、ふわふわした電子音がそこはかとなく流れて締めていきます。因みに、A面とB2は3人の共作となっています。と考えると、Tangerine Dreamとしては、シーケンサーをもっと加えて行こうと言う現れなのかも知れませんね。そう言う「反復音」が夢のような電子音と重なっており、そこがツボのように思います。これが「ロック」か?と言う疑問もありますが、そこは当時の状況によるのかも知れませんね。そこら辺に興味のある方は一度、聴いてみることをお勧めします。 A “Phaedra” (16:45) B1 “Mysterious Semblance At The Strand Of Nightmares” (10:35) B2 “Movements Of A Visionary” (7:55) B3 “Sequent C'” (2:17) https://youtu.be/HIQ0dd7B_FU?si=b_sixBL2UGNhL0Cg #TangerineDream #Phaedra #VirginInternational #1974年 #VirginRecords #1981年 #Krautrock #Electronic #Synthesizers #VCS3 #EdgerFroese #PeterBaumann #ChrisFranke #Orchestration #Sequencer
Krautrock / Electronic Virgin International 不明Dr K2
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Moebius “Solo Works Compiled By Asmus Tietchens (Kollektion 07)”
続いて、MoebiusことDieter Moebiusのソロアルバムの曲を、独逸電子音楽の重鎮Asmus Tietchensが選曲したセルフ・コンピレーション・アルバムをご紹介します。Moebiusのバイオグラフィーは前回、書きましたので、そちらをご参照にしてください。また選曲を行ったAsmus Tietchensのバイオグラフィーも以前にボックスセットのところで書きましたので、そちらをご参考にして下さい(因みに、TietchensはBureau Bの再発シリーズのライナーノーツを毎回書いています。独逸語と英語なので助かります)。 それで、内容なんですが、今までリリースしたMoebiusのソロアルバム7作から1〜2曲づつセレクトされており、全9曲で、年代的には1983年〜2017年までをカバーしています。概ね年代順に配置されており、A面は “Tonspuren” (1983年), “Blue Moon” (1986年), “Nurton” (2006年)及び“Blotch” (1999年)から成り、B面は“Kram” (2009年), “Ding”(2011年),及び“Musik Für Metropolis” (2017年)から選曲されています。それで、珠玉の9曲がバランス良く配置されており、ここら辺にTietchensのセンスを感じますねぇ。基本的には、インストのエレクトロ・ポップな曲なのですが、時代と共に段々とヴォイス(あくまでもヴォイスであり、歌ではないです)を入れたり、リズムボックスが進化したり、シンセでリズムを作ったりと手技や機材或いは作曲方法も変わっていきますが、独特のちょっとだけ捻ったMoebius節のポップネスが堪能できます。各曲の説明は省きますが、もし、ちょっと変わって、ミニマルっぽいエレクトロ・ポップが好きであれば、全然素直に聴けると思いますよ。まあ、B面最後に”Das Ende”を持ってくる辺りも粋ですね。なので、手軽にMorbiusの音楽を知りたいのであれば、このアルバムは最適ではないでしょうか!! A1 “Rattenwiesel” (3:20) A2 “Hoffnungsschimmer” (3:57) A3 “Flag” (4:39) A4 “The Tracker” (8:25) B1 “Rast” (4:17) B2 “Markt” (7:13) B3 “Alaise” (4:17) B4 “Tiefenbahnen” (10:16) B5 “Das Ende” (3:19) A2 “Hofnungsschimmer” (3:57) https://youtu.be/WZmDBYkbMWA?si=VnV9zjD0QfZ8edFF [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mLxG1lVwmkyzydGTX2KUXoXbzY4z_E-xA&si=ZaPACJtlI9bBfSZW #Morbius #SoloWorksCompiledByAsmusTietchens(Kollektion07) #BureauB #SelfCompilation #DieterMoebius #AsmusTietchens #KrautRock #ElectronicPop #Tonspuren #BlueMoon #Nurton #Blotch #Kram #Ding #MusikFürMetropolis
Krautrock / Electronic Bureau B 2955円Dr K2
