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Geile Tiere “s/t”
以前に、Geile Tiere Berlinとして紹介しましたLuciano Castelli (ルチアーノ・キャステリ)とSaloméことWolfgang Ludwig Cihlarz (ヴォルフガング・ルートヴッヒ・チーラルツ)から成る「パンク」デュオGeile Tiere (ガイレ・ティーレ)の唯一のアルバムを、今回はご紹介します。先ず、ジャケ写のインパクトが凄いですね。前回、彼等のバイオグラフィーは書きましたが、2人ともアート畑出身ですので、こう言うグラフィックの効果も狙っているのでしょう。彼等の詳細については、前回のバイオグラフィーをご参照下さい。 それで、内容の方ですが、先ずは、ダルなリズムマシンとGに、変調Voやら正体不明のノイズやら時々パンキッシュなVoが乗るダラダラしたA1で始まり、唐突にリズムマシンにストリートアートのように塗りたくられた音や声が面白いA2へと続き, 銅鑼の音共に始まる、軽快なマシンビートにジャズ・オルガンのリフやら不協和音やらと自在なVoが飛び交うA3はニューウェーブと言うよりノーウェーブ的です。雄叫びのようなシンセとマシンリズムに変調Voと生Voが絡み合うA4では、BやGが段々存在感を増していきます。ダブ処理されたリズムマシンに合わせて、能天気な歌と自在なGとオルガンらしき演奏から成るA5で、Bが辛うじて曲を保っています。 B面は、ドンカマのリズムに乗って、Gやオルガンと共に、早回しのVoや仰々しいVoを呪文のように繰り返すB1で始まり、唐突にバンド形態(生Drs, B, G, Kbd)の演奏に、キャッチーなVoとノーウェーブなオルガンが乗るB2, 再びマーチのマシンリズムと地響きのようなBと壮大なKbdに合わせて、シアトリカルなVoでの寸劇を繰り広げるB3, スローで土俗的リズムマシンに生Drsのロータム、更にこちょこちょしたシンセに乗せ、引き攣ったようなVoを延々と繰り返すB4, 結構、ロッケンロー的マシンビートとシーケンス及びGに、語り(?ラジオ音?)や早回しVo等を乗せたノリの良いB5, テープ音からいきなり太く荒々しいBとオルガンとDrsの演奏をバックにパンキッシュなVoが鮮烈なライブ音源B6で、本アルバムを締めています。 この作品では、Geile Tiereのアート・パンクな側面が前面に出ており、また殆どがLucianoとSaloméの2人だけで録音されたと思われる曲が多く、敢えてダルな雰囲気したり、様々なスタジオ・テクニックを駆使して、割とミニマルかつノーウェーブに仕上げたりと聴き応えも充分になっています。特にB6のライブ音源は貴重だと思います。最初は、少し把握し辛い印象もありましたが、聴く程に味のあるアルバムだと思います!ニューウェーブ好きよりもノーウェーブ的要素をNDWで消化した内容なので、そこら辺に興味のあるリスナーさんにはお勧めです!面白いですよー! A1 “Rosa / Hellblau” (5:50) A2 “Ich Bin Ein Huhn” (1:58) A3 “Place Des Alpes” (5:15) A4 “Liebst Du Mich?” (5:10) A5 “Supergeil” (5:06) B1 “Plastic” (3:53) B2 “Ausbildung” (3:04) B3 “Interview” (3:47) B4 “Kein Gefühl” (5:34) B5 “Just In Case” (3:33) B6 “Love You (Live)” (2:47) A1 “Rosa / Hellblau” (5:50) https://youtu.be/Wgbb1bI0MnA?si=Ex68AsHlRO4Utb4W A3 “Place Des Alpes” (5:15) https://youtu.be/hD14VWBKr18?si=0USVHDuvYaBzZUhh A4 “Liebst Du Mich?” (5:10) https://youtu.be/BQpHhfyo5o0?si=KZK4x_RnxtKa_ABf B1 “Plastic” (3:53) https://youtu.be/a7FKYpxP8r0?si=VKP_wFV6TF8LBonI B2 “Ausbildung” (3:04) https://youtu.be/cTUzz1s7m6Q?si=Qp4EJwUKUiDosuS5 B6 “Love You (Live)” (2:47) https://youtu.be/28mtlrxguMs?si=B_4ym-x1g2F5V_KZ #GeileTiere #self-titled #GeeBeeDee #FirsAndLastAlbum #Berlin #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #Minimal #ArtPunk #NoWave #LucianoCastelli #WolfgangLudwigCihlarz #Salomé
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental GeeBeeDee €55.00Dr K2
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Tabea Blumenschein, Frieder Butzmann, Gudrun Gut, Bettina Köster “White Christmas”
もう1ヶ月ちょっとすると、クリスマスですね。と言う訳で、NDW流クリスマス・ソング用シングルを1枚、ご紹介します。まぁ、それにしても、凄いメンツでの作品になっています。先ずは、Die Tödliche DorisのTabea Blumenschein (タベア・ブルーメンシャイン)、ベルリンの異才にしてZensorの秘蔵っ子Frieder Butzmann、それにMania D./Malaria!のメンバーであるGudrun Gut (グドルン・グート)とBettina Köster (ベッティナ・ケスター)が集まって作った、定番クリスマス・ソング「きよしこの夜」と「ホワイト・クリスマス」のカバーです。単発企画モノではありますが、このメンツは当時の緩い関係性と流動性があってこそ、可能になったのでは?と思います。それぞれのバイオグラフィーは以前にも触れてあるので、そちらをご参照下さい。それで、本作品でのメンバーと担当は、Tabea Blumenschein (Vo), Frieder Butzmann (Organ [x], Synth [y]), Gudrun Gut (Drs [x], G [y]), Bettina Köster (Sax)となっています。それでは、異形のクリスマス・ソングを紹介していきましょう。なお、A面はside x, B面はside yと表記されていますので、そのままに表記しておきます。 ★Side x “Stille Nacht Goes Disco” (3:30)では、それぞれの演奏はちゃんととしているのですが、Die Tödiche Doris風の、何ともバラバラなアンサンブルが繰り広げられています。特に、DrsとKbdはチキンと演奏されていますが、プカプカのSaxと調子はずれなVoが最早何とも。最後もまた面白いです。 ★Side y “White Christmas” (2:55)は、最早「楽しいクリスマスの歌」から逸脱した、アヴァンでダークなカバーで、何とか曲にしようと頑張っているSynthとKbdに、「ぷはぁ〜」としたSaxと調子外れなVoとコーラス、そのバックにはNo Wave的なGも僅かに聴取され、リズムレスなアレンジになっています。出だしだけ聴いたら「怪奇大作戦か⁈」とも思ってしまいます。 side xはまだ、ビートもあるので、多少聴き易いのかもしれませんが、それでも「お互いに合わせる」と言う意味でのアンサンブルとしては成立しておらず、何とも気色悪い曲になってしまっています。また、それ以上に、side yは、病いのサンタが「なまはげ」の如く子供のいる家にやって来るみたいな悪夢のような曲になっており、高熱に浮かされた時の気持ちが良く分かります(?)。まぁ、何でこんな企画が成り立ったのかも不明ですが、これ程、破壊的なクリスマス・ソングのカバーは無いでしょう。怖い物見たさのある方、Die Tödliche Dorisファンの方は聴いてみて下さい! x “Stille Nacht Goes Disco” (3:30) https://youtu.be/XTS4N08mI-s?si=9JVaydPRlbO7ICSX y “White Christmas” (2:55) https://youtu.be/1He3X7PQYoM?si=t04weeRZ_qlx8WFD #TabeaBlumenschein #FriederButzmann #GudrunGut #BettinaKöster #WhiteChristmas #StilleNachtGoesDisco #MaratRecords #Zensor #Sublabel #7-inchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Avant-Garde #ChristmasSong #CoverSong #きよしこの夜 #ホワイトクリスマス #DieTödlicheDoris #ManiaD. #Malaria!
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Marat Records / Zensor €14.25Dr K2
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Holger Hiller & Walter Thielsch “Hát Với Quê Hương”
海外通販で狙っていたのは、実はこの12インチ・シングルなんです。それでどんなシングルかと言うと、Palais Schaumburgと並行して、元々知り合いだった初代VoのHolger Hillerと2代目VoのWalter Tielschが企画ものとして作った12インチ・シングルで、その名称は、”Hát Với Quê Hương (ベトナム語なので何と発音するかは不明)”なんです。噂によると、歌っているのは、Hillerの近所に住んでいたベトナム人姉妹Vu Thi Khieu, Vu Thi Thu Ha, Vu Thi Thu Phuongの3人で、A面は「祖国と共に歌う」、B1は「美しきサイゴン」、B2は「タンバリン」と言うベトナム民謡だそうです。そして、そのバックを固めるのは、3代目Voで元々はドラマーのRalf Wertwigと先述のHolger HillerとWalter Tielschの3人です。まあ、このシングルは異色中の異色ですね(注: このシングルは、ここでは「クラウトロック大全」に習って、アーティスト名を書いていますが、Discogs等では、アーティスト/グループ名はHát Với Quê Hươngとなっていますので、検索する時はそちらの方がヒットすると思います)。そんな訳で、早速、各曲をご紹介したいと思います。 ★A “Hát Với Quê Hương” (3:15)は、まあ何と言うか?ポップでありながら、実験的でもある曲で、多分、素直に歌っているのはベトナム人姉妹の内の1人だと思うのですが、軽くエコーを掛けたそれに、無理くりドラムを合わせ、更に無関係にも思える電子音等を組み合わせると言った荒技が繰り広げられています。それがまた二つの要素が拮抗していない所にHillerとTielschの才能を感じます。 ★B1 “Saigon Đep Lắm” (2:19)は、ノリの良いドラムとオルガンで始まり、その間にベトナム人姉妹の歌を入れ込むと言う技で、かなりポップな出来になっています。 ★B2 “Trống Cơm” (3:24)は、独特のドラミングに、エコーを掛けた姉妹の歌を落とし込み、更に別録りのドラムやBらしき音の反復やヴィブラフォンらしき音を入れ込んで、元歌を活かしたまま異化させていると言う、画期的な音響ポップです。 世間で、音響派ロック云々が始まる10~20年以上前に、既にこのような作品が世に出ていたのは驚きです。しかも、元歌は軽くエコーを掛けていますが、テープの切り貼りとか電子変調とかしないで、それらの良さをフレッシュなまま曲に落とし込み、尚且つHillerとTielschのポップネスを開花させているのは奇跡的ですね。後、私の勝手な推測ですが、この頃から、Hillerはサンプラーを使う方向を垣間見せているように思います。特にA面の曲はHiller在籍時のPalais Schaumburgの骨折ファンクっぽさを感じますね。それから、ジャケ写も銀文字で書いてあって、そこら辺もイカしてます。いゃ〜本当、凄いわ!Hiller関連の作品は!絶対、死ぬまでに聴くべきレコードです‼️ A “Hát Với Quê Hương” (3:15) https://youtu.be/wHB2AMoRVB4?si=miXFMTgMzrmlHMyi B1 “Saigon Đep Lắm” (2:19) https://youtu.be/NqZWdbPE7WM?si=L8AvcEj2spFMp4-f B2 “Trống Cơm” (3:24) https://youtu.be/DPfpaiMTwHk?si=WTSfbXZw2vMm1PIC #HolgerHiller #WalterTielsch #HátVớiQuêHương #ZickZackPlatten #12-inchSingle #1982年 #VietnameseTraditionalSongs #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #PopSong #Forklore #Pre-Sampling #RalfHertwig #Chants #VuThiKhieu #VuThiThuHa #VuThiThuPhuong
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Zick Zack Platten €32.00Dr K2
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Blässe/EKG/Roter Stern Belgrad “Massa”
レコード棚を漁っていて、掘り出し物を見つけてしまいました。NDW初期にカセットレーベル兼店舗として活動していたKlar! 80/Tapes Klar!が出した、Blässe (ブレッセ), EKG (エー・ケー・ゲー), Roter Stern Belgrad (ローター・ステルン・ベルグラード)の12㌅ミニ・アルバム3枚組段ボール入りと言う、大変なブツ”Massa”です。と言ってもよく分からないかもしれませんが、Blässeは、NDW界のMalcom MacLarenとも言われるXao Seffcheque (クサオ・ゼフチェーク)が組んでいたバンドで、メンバーには、初期Die Kruppsにも加入するEva-Maria Gößling (エファ・マリア・ゲスリンク)もいた訳で、何気に重要なバンドなんです。それでは、それぞれのバンドについて、少し紹介しておきたいと思います。 先ず、Blässeは、Xao Seffcheque (Drs, Synth, Piano), Brigitte Bühler (G), Eva-Maria Gößling (Sax)から成るジャジーな雰囲気のトリオですが、ここでは、Die Kruppsに加入するBernward Malaka (B)も参加しています。 EKGは、Kastner, Medrich, Stoya, Syniugaから成るバンドらしいですが、実は、KastnerことBernd KastnerとSyniugaことSiegfried Michail Syniugaが在籍しており、後のStrafe Für Rebellion (シュトラーフェ・フュール・レベリオン)となり、Staalplaat等から数多くのアルバムを出していくことになります。1990年代半ばに一旦自然消滅しますが、Strafe FRとして、2014年半ばにシーンに復活しています。なお、本作品では、D1とD2にはF. Eltner (Sax)が、D2にはRalf (Vo)がゲスト参加しています。 そして、Roter Stern Belgradは、Rainer Rabowski (ライナー・ラボヴスキー)のソロユニットなんですが、実は、この人物がKlar! 80レーベルの主催者なんです。と言うことは、この3枚組を仕組んだ張本人はRabowskiかもしれませんね。なお、MutterfunkのAlexがE1でDrsで、E2とF1でミックスを、またE2にはChary Morrow(Vo)も参加しています。 と言う訳で、各バンドの各曲について紹介していきたいと思います。 ◼️LP1: Blässe ★A1 “Zitteraal” (2:45)は、狂ったようなNo Waveジャスですね。リズム隊はまだマシですが、Gが狂っており、Lounge Lizardsより酷い(褒め言葉です)! ★A2 “Bora” (4:41)は、複数のDrsとジャズ・スケールのBに、自在なSaxとMars調のGが暴れる痛快な曲です。 ★A3 “No Oberbilk” (2:13)も、シンコペーションの効いたジャジーなBとDrsに、これまた自在なSaxが、無調GとPianoとせめぎ合っている良曲です。 ★B1 “De-Montage” (3:28)では、ドコドコしたタム多用のDrsから始まり、そこにフリーなGと多重化Saxが雰囲気たっぷりに絡んできます。その様はスリリングです! ★B2 “Ready Made” (3:08)は、空間を切り刻むような刃物のようなGを中心に、ゴリゴリに刻むBが絡んでおり、その有り様だけで、イってしまいそうです。バックに薄っすらシンセも! ★B3 “Blaue Orange” (2:10)は、DrsとGとSaxから成る無調アンサンブルですが、どうもダブ処理してあるようです。シンセも挿入され、暴れまくっている所が何とも独逸的。 ◼️LP2: EKG C1 “Liebeslied” (3:56)は、重く引き摺るような単調なBとDrsに、地獄の底のようなVoとフリーキーなGから成る曲ですが、バックにシンセ持続音も聴取できますし、後半では囁くようなVoも! ★C2 “Niemand Ist Sieger” (2:41)は、いきなり張り上げた声で始まり、単調なビートを刻むリズム隊に、相変わらずフリーキーなGと呪文のような複数人によるVoが乗ってきます。 ★C3 “Muscheln/Schnecken” (2:23)は、シンセのLFO音に、呟くような念仏Voから成る曲で、ガラス瓶PercやDrs、それにテープ音も聴こえてきます。 ★D1 “Immer” (5:30)は、淡々と引き続けるBを中心に、テープ音や突発的Vo/ヴォイス、不明なPerc/メタパー、シンセ音/オルガン音などか混ぜられた、「何かいけない混合物」のような曲(ミサ)になっています。後半ではジャジーなSaxも挿入されます。 ★D2 “24 Bilder” (3:19)では、痙攣するGとテープ操作から、いきなり不恰好なビートを刻むDrsが始まり、更に意味不明の言語によるVoとジャジーなSaxな無調Gも加わります。 ◼️LP3: Roter Stern Belgrad ★E1 “Wegwerfliebling” (5:27)は、蠢くような電子音にDrsが加わりビートが生成され、そこに不明瞭な変調VoやシンセのSE音等の色んな音が随時追加されていく曲で、まるでタントラのようです。 ★E2 “Abend Stern Chant” (5:21)は、クリスマスの鈴のような音で始まり、地下に蠢くBと意味不明な合言葉的Vo及び様々なPerc音やそのループ等が重積していく曲で、何か「邪神への祈り」のようです。最後、音量が増すので、ビクッとなります。 ★F1 “Afars & Issas” (7:20)は、この3枚組の中で唯一のシーケンサーとドラムマシンを使った曲で、民族音楽調のトランス的ドラムパタンに、不明な持続音がゆっくりと挿入され、更にカラスの鳴き声やPercの打撃音や摩擦音等も加わり、ドラムマシンにはダブ処理もされたりしています。都市の民族音楽! 久しぶりに聴きましたが、個人的にはかなり良かったです。どのバンドも未成熟かつ未整理で、だからこそアイデア満載の音楽がそれぞれの盤にパックされている感じがしました。多分、今では、本作品の現物は入手困難かとは思いますが、実験的な音楽をやりたい方や興味のある方には、是非是非、聴いてもらいたい作品だと思います。それぞれのバンドの共通点とか相違点なんかを聴き比べるのも面白いですし、何より、彼等が「さぁ、これから新しい音楽を作るぞ」という気概が見えて、頼もしいとすら思ってしまいます。なので、中古を見つけたら、即ゲットです! https://youtu.be/DUMY5HOILo0?si=3Oi4ovIGXjfKNHM0Times #Blässe #EKG #RoterSternBelgrad #Massa #Klar!80 #3LPsSet #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #Pseudo-Jazz #NoWave #Minimal #Dub #XaoSeffcheque #Eva-MariaGößling #BrigitteBühler #BernwardMalaka #DieKrupps #Kastner #Medrich #Stoya #Syniuga #BerndKastner #SiegfriedMichailSyniuga #StrafeFürRebellion #RainerRabowski #LabelOwner
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Klar! 80 不明Dr K2
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Sprung Aus Den Wolken “Pas Attendre/Que Pa”
久しぶりに出ました!独のSprung Aus Den Wolken (スプルンク・アウス・デン・ヴォルケン;以下SADWと表記)の12㌅マキシ・シングル“Pas Attendre”/“Que Pa“です。SADWは、元々ベルリン在住のKiddy Citnyのソロプロジェクトとして、1981年に活動を開始しており、メンバーの変遷を経て、現在は、CitnyとRenault Schubertのデュオになっているようです。詳細については、以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。本作品は、Wim Wenders監督の映画”Der Himmel über Berlin (ベルリン・天使の詩)”のサントラに使われた曲で、Kiddy Citnyの他、後にEinstürzende Neubautenに入るAlexander HackeとJohann Arbeitの他、Peter PrimaとThierry Noirも参加しています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Pas Attendre” (4:34)は、淡々と続く単調なリズムに、不釣り合いな程、感傷的なアコギのカッティングと悲しげに歌い上げるVoが堪らない曲になっています。また、バックのノイズや最後のフリーキーなGソロも聴かせてくれます。 ★A2 “Pas Attendre (Minimal)” (1:48)は、A1の別ヴァージョンで、アコギの弾き語りから始まり、後からDrum Machineが入ってきます。 ★B1 “Que Pa” (3:41)も、エレ・アコの弾き語りで始まりますが、Voが渋い男性低音の語りなので、グッときます。後から入ってくるGソロやアコーディオンやシンセも結構、通好みですね。 ★B2 “Que Pa (Minimal)” (2:56)は、重低音のキックとBに合わせて、語り口なVoが入ってきますが、バックにメタル・パーカッションらしき音やノイズも入ってきて、とてもB1と同じ曲とは思えないですね。 A1やB1は、素直に、心にグッとくる曲で、SADWでもこう言う音楽、ちゃんと出来るんだと感心しますが、問題は、B2のヴァージョンで、これは明らかにAlexander Hackeとかの影響だろうなと思う位、破壊的なミックスがしてあります。特に、バックにメタル・パーカッションなんかを入れる所なんかは「モロ」ですね。いゃ〜凄い振り幅のあるシングルでした。もし、映画も観ている方は、是非、こちらのマキシ・シングルもチェックしてみて下さい! A1 “Pas Attendre” (4:34) https://youtu.be/N_YMhA-yISs?si=LNNoRgDYl5DYGilO B1 “Que Pa” (3:41) https://youtu.be/ebBtUro5z-E?si=hfpGRUc8--BSnhpF #SprungAusDenWolken #PasAttendre #QuePa #LesDisquesDuSoleilEtDeLAcier #MaxiSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #Rhythm #KiddyCitny #AlexanderHacke #JohannArbeit #PeterPrima #ThierryNoir #WimWenders #DerHimmelüberBerlin #ベルリン・天使の詩 #Soundtrack
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Les Disques Du Soleil Et De L'Acier 1000円Dr K2
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S.Y.P.H. “Der Bauer Im Parkdeck”
ちょっと変則ですが、S.Y.P.H.の2枚組7㌅EP “Der Bauer Im Parkdeck (デア・バウアー・イム・パルクデック)”を紹介しましよう。この頃は、リズム隊の2人がメンバー・チェンジしており、オリジナル・メンバーはHarry Ragだけですが、7㌅EPに13曲入りとパンパンに詰め込まれています(しかも45回転!)。また、タイトル曲には、同名の映像作品があります。ただし、この2枚組の曲は、これの後にリリースされたアルバム”Harbeitslose”がCD再発された時に、ボーナストラックとして含まれたそうです。それで、この時のメンバーは、Harry Rag (Vo, G), Thomas Oberhoff (B), Gilbert Hetzel (Drs)の3人で、かつオリジナル・メンバーのUwe Jahnke (G)もゲスト参加していますがJahnkeは、Fehlfarben (フェルファーベン)での活動が忙しくなったので、ゲストとして参加しています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ◼️EP1 ★A1 “Der Bauer Im Parkdeck”は、タラタラと反復する演奏に、駄々漏れのような語り調のVoが被さる曲で、Gもヘロヘロです。 ★A2 “Falsche Freunde”は、わりと陽性の明るい曲で、S.Y.P.H.にしては珍しい曲調です。間奏のスライドGもカッコ良い! ★B1 “Alte Freundin”では、アコギの弾き語り(ハイハットとBもあり)にヘロヘロのコーラスが乗ります。如何にもS.Y.P.H.らしいです。 ★B2 “Knudelblues”では、バックに微かなGや物音が鳴る中、オフマイクでVoの語りが呟かれます。数10秒の曲です。 ★B3 “Traumraum”は、B2に連続して、掻き鳴らすGと重めのBとDrsのキックが入ってくる曲ですが、Voは語り調と叫び声と2人が担当しているようです。 ◼️EP2 ★C1 “Bekenntnisse Eines Knüppelträgers”は、掛け声一発で、アップテンポなツービートにコーラス(?)とGと言うハードコアも真っ青な曲です。 ★C2 “Masolinchen”は、フリーで歪んだG/Bとスネアをバックに、ひり出すような語り口Voが歌う小曲です。 ★C3 “Herrlich Anonym”も、アップテンポなツービートの曲で、早口なVoに捲し立てられていると、後半にはフリーキーなGも入ってきます。 ★C4 “Clean City”は、米アニメのような訳わからん声だけからなる数10秒のアカペラ曲です。 ★C5 “Hugo Hugh”は、掻き鳴らすGと早口独逸語Voを中心としたアップテンポの曲で、焦燥感も持って疾走する間に終わってしまいます。 ★D1 “Mit Das Leben Klar”は、ギクシャクしたDrsに微かなGと呟くような呪文的Vo流れ出す曲です。 ★D2 “Wo Ist Der Ausgang”では、各々が勝手に叫んだり、呟いたりしていますが、Gのアルペジオ(?)か中心になっているインスト(?)曲です。 ★D3 “Maschine Von Beruf”は、トイ楽器とGとつまずくようなDrsに、また各々勝手なVoを入ってくる曲です。この適当さがまた彼等には良く合います。最後はロックド・グルーヴになっています。 いやー、この短い尺の間に、S.Y.P.H.の魅力がたっぷり詰まっていますねぇ。どうも、ファンの間では、この2枚組シングルは、評価も高いようで、その気持ちも良く分かります。とにかく、ヘロヘロで、出鱈目で、それでいて独逸人らしいユーモアも待ち合わせいる実験的とも言い難い独特の試みが全編為されており、聴き応え充分です。また、この内容を敢えてシングル2枚組でリリースと言うのも、彼等らしいですね。それと、オリジナルメンバーがHarry Ragだけなのに、このS.Y.P.H.らしさを維持出来ているのも凄いです。脱力と先進性が共存していますので、このシングルは見つけたら、即買いですよ! [この時期のS.Y.P.H.の音源は余りYouTubeに上がっていませんので、見つけた分だけ貼っておきます] A1 “Der Bauer Im Parkdeck” https://youtu.be/F7AxW-ktWvM?si=JnJiScHsVX6P5pPr A2 “Falsche Freunde” (live 1985) https://youtu.be/GDv5GiFwmco?si=WBDV-Qx44Xv7mx74 B3 “Traumraum” https://youtu.be/thbArMBP4BY?si=L5OJck1nXWyj3jQU #S.Y.P.H. #DerBauerImParkdeck #PureFreude #7inchSingle2枚組 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #PostPunk #脱力 #Progressiveness #Harbeitslose #CD #BonusTracks #GilbertHetzel #HarryRag #ThomasOberhoff #Guest #UweJahnke
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pure Freude ¥3800Dr K2
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Butzmann & Kapielski “War Pur War”
やっと入手できました。早熟の天才Frieder Butzmann (ブリーダー・ブッツマン)と独のマルチ・アーティストThomas Kapielski(トーマス・カピールスキ)のコラボ・アルバム”War Pur War (ヴァル・プール・ヴァル)”です。Frieder Butzmannについては、以前にバイオグラフィーを書いてありますので、今回のコラボレーターThomas Kapielskiについて、ちょっと調べてみました。Kapielskiは、1951年9月生まれで、BerlinのCharlottenburg地区生まれの作家/文芸批評家/ビジュアル・アーティスト/音楽家と言う多彩な顔を持つアーティストです。彼は、1970年代には、Freie大学ベルリン校に入学して、地理学、文献学、哲学を学んで、そこから総合的芸術活動に参入します。彼は日常的な物事に潜んだ不条理や異常な側面に注目したオブジェや写真、絵画を作製しています。1980年代には、今回のコラボの相手でもあるFrieder Butzmannと知り合い、彼と共に、日常の騒音やノイズや言葉をミックスした作品を作り始めます。1981年にベルリンで行われた有名なイベントFestival Genialer Dilletantenでは、演奏の機会/時間をも与えられています。1984年には、Der bestwerliner Tunkfurmという活動家関係の雑誌を出版、その中に、Helmut HögeとSabine Vogelと共に「こんにちは、地獄へようこそ」との文章を書いてたり、アナーキスト系雑誌にも「唯一無比と開始宣言: 中くらいの損失」なる文章も寄せています。また、1988年には、「ベルリンのバーDschungelは満杯のガス室だ」との記事も書いています。1990年代には、Zeit紙やFAZ紙或いはFrankfurter Rundschau紙から本を出版しています。また、ミュンヘンのValentin-Karlstadt美術館に、彼の作品の写真・目録展を開催し、1999年度のIngeborg-Bachmann賞を受賞しています。その後も、2011年にはKassel文芸賞を、2010年には文学館賞も受賞しています。そして、彼はダダやFluxusからの流れを組み、既存の美学を洒落た気で破壊するような表現を行うマルチ・アーティストでもあり、オーバークロイツベルク鼻笛オーケストラ(Oberkreuzberger Nasenflötenorchester)も率いています。と言う訳で、Thomas Kapielskiは、どちらかと言うと音楽家と言うよりも総合芸術家みたいな人物みたいです(Wikiが独語なので訳するのツラい!)。 と言うバックボーンを持った天才2人が、1987年に作り上げたのが、本作品”War Pur War”です。まぁ、このバックボーンを知っていれば、大体、音も想像出来ると思いますが、何処までも逸れていくミニマルエレクトロ、寸劇交じりのコラージュ工作など、Die Tödliche Dorisあたりを彷彿とさせる曲が、2曲のボーナス・トラック(B8, B9)を含んで、18曲詰め込まれています。2人の担当等の情報は記載されていないです。因みに、ジャケ写は、Thomas Kapielskiの代表作にもなっているスリッパクリーチャーとのことです。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Freebeer” (2:44)は、割と自由に弾いているシンセBとホワイトノイズのスネアによるアンサンブルで、前者はメロディも兼ねています。そこに変調した人声が入ってきます。 ★A2 “Damit Des Ergetzens Auf Erden Kein Ende Seyn Möge” (1:25)では、加工しまくった具体音と叫び声に、シンセの電子音が渦巻き状に絡みつきます。 ★A3 “Die Luftmatratze” (0:29)では、細かいシーケンスとそれに同期したシンセが、やがて異形のメロディへの昇華していく小曲です。 ★A4 “Der Garagenschlager” (1:16)は、性急なリズムボックスと掻きむしられるGに変調Voが乗る曲で、何とも言えない焦燥感を感じます。 ★A5 “Pavel From Prague” (0:58)は、重いホワイトノイズのスネアに様々に変調したVoと電子音の断片から成る小曲です。 ★A6 “Incendio (Versione Per Danza)” (4:36)では、怪しげなシーケンスとドラムマシンが反復する中で、淡々とした変調Voが語り出し、更にディレイも掛けられます。バックにも怪しげなシンセのメロディも流れています。 ★A7 “Do The VoPo” (4:25)は、A6に連続して始まり、強靭なドラムマシンと硬質なシンセBのシーケンスに、SE的な音や時に変調Voも聴取できるミニマルな曲です。後半では少しだけメロディも聴取できます。 ★A8 “Zweitstimme” (0:40)は、語り口とラジオのコラージュ及びシンセのSE音から成る小曲です。 ★A9 “Wunderbar” (1:46)は、微かながらもゆったりとしたゆり籠に乗せられたような曲ですが、後半にはやや盛り上がりかけます。 ★B1 “Wurmberg” (4:10)は、パンを振られた石を引き摺るような音に、ひび割れた電子音が加わる、何とも不気味なリズムレスの曲です。突発性に電子音や時に少女合唱団やSEシンセ音も挿入され、最後は電子持続音へと収束します。 ★B2 “Rolle Der Frau” (3:17)は、ジャズ演奏のサンプリングや電子SE音や人声が高速コラージュされた曲で、2人の宣言や微かにリズムボックスも含まれます。 ★B3 “Qua Pur Qua” (0:28)は、美しいシーケンスに不定形の電子音が上下しつつ絡んでくる小曲です。 ★B4 “Con Fermezza” (1:00)は、低速再生されたような既存の音楽をループにした曲ですが、これにはギミックがあるようです。 ★B5 “Haacke & Gross” (3:14)は、モーターのような物音系ノイズと通奏低音から成るリズムレスな曲で、フィードバック音は段々上がっていきます。 ★B6 “Kurzstück” (0:20)は、シンセ音と人声などのコラージュから成る小曲です。 ★B7 “Ein Beglockendes Rauschen” (5:13)では、ショートディレイをかけたリズムマシンと単調なシンセB及びシンセのリフが骨格を成し、不定形の電子音やホワイトノイズ、または同期した新しいシーケンスなどが加わっていきます。更に、大胆なシンセのメロディも。 ★B8 “Akron, Ohio” (0:41)では、チューニングのズレたアコギを掻きむしる音に、意味不明のVoやシンセ音も加わります。 ★B9 “Kojote” (2:29)では、シンセによる基本メロディ(途中、ダレたりもする)と、そのバックに人声や犬の鳴き声やらが薄っすらと入っています。 とまぁ、やりたい放題なのですが、聴く前に想像していた程の無茶苦茶さは無いように感じました。そして、一つ気付いたことがあります。個々の曲の面白さもありますが、アルバム全体としても、「サウンド・コラージュ」の様相を呈していることです。ご紹介の都合上、個々の曲の解説文も書きましたが、全体として聴いてみると、マクロでも各々の曲がコラージュされて、配置されており、A面/B面それぞれが一つの作品になっているのではないでしょうか? それから、全体的に流れる一種の「ユーモア」みたいな雰囲気があって、それが、本作品を堅苦しい音楽ではなく、柔軟で柔和な音楽にしていると思います。まぁ、この手の「ユーモア」は、NDWの多くのバンドに共通しているところから想像するに、独逸人気質なのかもしれませんね。この作品の面白さは、とにかく、アルバムを聴いてみることで初めて分かることなので、気になるリスナーさんは是非ともご購入して、堪能して下さい❗️ A7 “Do The VoPo (Panoptique Ajustement)” https://youtu.be/KCgT7pxW66o?si=MjH3tQEFBMgVEboO [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_l15GOVTX4eMdBld59wWcHJqQ13TTdiiPg&si=_QK48HlMzdHgzdr5 #FriederButzmann #ThomasKapielski #WarPurWar #ButeauB #2020年 #Reissue #Remastering #Zensor #1987年 #Experimental #Avant-Garde #Dada #Fluxus #SoundCollage #ConceptualAlbum
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Bureau B (Zensor) ¥3010Dr K2
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Andreas Dorau und Holger Hiller “Guten Morgen Hose”
これは!ATA TAK、最強の2人、Andreas DorauとHolger Hillerのコラボ作!見つけた!! 地味なジャケだったので、気付かなかったよぉ。今、小柳カヲルさんの「クラウトロック大全」で調べたら、DorauはHillerにギターを習っていたとのこと。ビックリです。じゃあ、これは師弟対決(?: まあ、対決ではないですが)!! 読みにくい独逸語のライナーが裏ジャケにあるのですが、細か過ぎて読めません。どうも、両面とも一種のオペラとか歌劇となっています。配役はJohnnyがAndreas Dorau, Hosenchor(ズボン合唱団)がJochen Liedisch (& Moritz Reichelt, Hagar Groeterr), 人妻LucyがClaudia Kaloff or Erica Kochs, Die Hose (ズボン)がHolger Hiller, Der TeppichがSol Rubioとなっています。A面とB面でやや配役が代わっています。内容は、Johnnyとズボンが人妻Lucyを奪い合うとことで、そのLucy役の女性は近所の掃除のおばさんらしいです。取り敢えず、少々調子っ外れなメインVoはオペラチックに歌うと言うか抑揚を付けて喋ると言うかなんですが、バックの演奏がもう、Hiller丸出しの複雑怪奇或いは荒唐無稽なアレンジで、そこにスパイス的にDorauが味付けしていると言った感じでしょうか? で、出来上がったのが、この”German New Opera”とも言うべき破茶滅茶な歌劇ですね。 確かにストリング・シンセなんかの使い方はまだクラシックのような面もありますが、個々の音は、Hiller的に分断された音をサンプリングして切り貼りしているようです。企画ものかもしれませんが、ほんと面白い内容になっています。7インチシングルもあるみたいですし、ジャケ違いもあるようですが、この一枚、持っていても損はないです。そんな一枚ですね。後、このマキシ・シングルは、蘭で放送された際に、深い哲学的意図があるとして、MVが作製されており、それを観ながら聴くと何となく筋が分かります。 A “Guten Morgen Hose” B “Guten Morgen Hose” https://youtu.be/auH4A9ZHzVw?si=SLszJZ5dY8ilc401 #AndreasDorau #HolgerHiller #GutenMorgenHose #ATATAK #12inchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ModernOpera #Avant-Opera #不条理劇
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental ATA TAK 不明。Dr K2
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Frieder Butzmann “ Vertrauensmann Des Volkes”
先程、紹介したFrieder Butzmannのセカンドアルバムです。こちらはちゃんとしたLPですが、曲が殆どが1分台の為か、曲間が区別がし難い仕様になっています。その内2曲だけ6分台の曲があります。彼は主にドイツのレコード・レーベルZensorからリリースしています。本作では、よりプリミティブな録音ですが、相変わらずの天然な天才振りを発揮しています。テープループやテープ加工、アナログシンセの効果的な使用、音声の加工、不明瞭なリズムの導入(基本的にはビートでは無いです)等々、何でしょうか、Der Planとかと違った意味で、音自体で遊んでいるような曲調と言えばいいのでしょうか?何とも形容し難い音楽なんですが、それがアヴァンギャルドに成らない寸でのところで立ち止まった音楽で、その為にポップネスも感じられる音楽とでも言いましようか。そんな風変わりな作風は彼の持ち味になっています。また、A面には日本語の浪曲のような声も入っています。なお、B4にはPsychic TV (元TG)のGenesis P-Orridgeが客演しています。 ここで、彼のキャリアを簡単に。Friederは、1975年から、ベルリン工科大学で、音楽論と情報理論学及び心理学を学び、Zensorでバイトしながら、1977年にパンクを、1978年初頭には既にポストパンクをやっていました。1980-1984年では、Thomas KieselとAlexander Hacke(ノイバウテンのメンバーでしたね)と共に、ドイツ国内だけではなく、フランスやオーストリア、アメリカでも勢力的にライブをやっています。また、実験的ラジオ・パフォーマンスも行なっており、サウンド・アートにも手を伸ばしているようです。 気になる方は、日本のSuezan Studiosからも再発CDが出ているようなので、是非とも聴いてみて下さい。 A1 “Geflüster” (1:35) A2 “Arbeitslied” (1:33) A3 “Die Kleinen Tiere” (1:08) A4 “Ballo Ballo” (1:59) A5 “New Life” (1:55) A6 “Hibakuschas” (6:02) A7 “Verletzter Buddha” (2:38) A8 “Sadismus Und Konkurrenz” (1:21) A9 “Tonight's Musik” (0:39) B1 “Tonight's Musik Part Two” (1:17) B2 “Zivilisation” (10:15) B3 “CFMC” (1:12) B4 “Just Drifting / Tales Of Death” (5:33) A6 “Hibakuschas” (6:02) https://youtu.be/zri6OyKfcWM?si=k9sN3GcAPwud9qhd B2 “Zivilisation” (10:15) https://youtu.be/A3QrSkCKqVk?si=7YnQ8bTgvhFJMxWB B4 “Just Drifting / Tales Of Death” (5:33) https://youtu.be/KlYCspHmklc?si=kHVm3b1MTFJOqaFJ #FriederButzmann #VertrauensmannDesVolkes #Zensor #SecondAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #SoundManipulation #Guest #GenesisP-Orridge
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Zensor 不明Dr K2
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Frieder Butzmann “…wie Zeit vergeht..”
これも、いつ購入したか分からないで(最初、これを手に取った時、フリージャズ界のサックス奏者Peter Brotzmannと勘違いしてました 笑)。多分、入手は、通販で2005年以降だとは思うのですが、よく覚えていないです。Frierder Butzmannは丁度、Neue Deutsche Welle (German New Wave)が盛り上がった時期に出てきたアーティストですが、その実験精神に富んだ音楽から、NDWの中でも特異な存在として人気がありました。本作はLPではなく、12㌅EPの体裁を取ってはいますが、彼の破茶滅茶な雑食的音楽志向を端的に現していると思います。不明瞭に加工された声或いは歌やシンセの斬新な使い方或いはコラージュ的な音の配置や逆回転など、ビートがある訳ではありませんが、彼の天然な天才振りが十二分に発揮されています。本作は、かの有名な現代音楽の作曲家Karlheinz Stockhausenが1950-1960年代に作曲したスコアを元にしているからか、オモチャ箱をひっくり返したような音楽になっているようです。また、本作品の電子音は、1995年に、蘭アムステルダムのSTEIMにあったBlack Boxesと言われていたアナログ・モデュラーシンセで作られており、2010年にNI Kontakt 4でデジタル化されており、また、B2では、Digitech V-400使って音にエフェクトをかけています。また、VoもSherman Filternank 2を掛け、更にStuder PR99 2トラックテープマシンで操作しています。ミックスダウンは、ProTools 8とWaves TrueVerbリバーブを用いて、BerlinのKosmische Musik Studioで行っています。彼は多分、ノイズとかがやりたい訳でもなく、かと言って、ポップスをやりたい訳でもなく、単に自分が面白ければ良いやって言うスタンスなのかもしれませんね。皆さんも、機会があったら、是非、彼の音楽に触れてみて下さい。ヴァイナルだと困難かもしれませんが、DLコードでも手に入れることができます。 A “... Wie Zeit Vergeht ...” (17:38) B1 “Blauwelle (7:04) B2 “In Einem Netzwerk” (11:38) A “... Wie Zeit Vergeht ...” (17:38) https://youtu.be/SkbA26YzmO8?si=_zQxbXz-vExpIc2h B1 “Blauwelle (7:04) https://youtu.be/vUVktQfnbMM?si=kR2OxWoIpqnP7ri8 B2 “In Einem Netzwerk” (11:38) https://youtu.be/VOtYzqlBI8Q?si=X9LgXBsehc-c9VLW [BandcampのURLも貼っておきます] https://friederbutzmann.bandcamp.com/album/wie-zeit-vergeht #FriederButzmann #WieZeitVergeht #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Pan #LimitedEditions #500部 #12inchEP #Experimental #SoundSculpture #SoundCollage #GermanUnderground #ModularSynthesizers #ShermanFilterbank2 #ProTool8
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pan 不明Dr K2
