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NG / ジュラジューム / 非常階段 “終末処理場”
大阪の林直人氏が1980年に設立したレーベルがUnbalance Recordsで、そのLP第一弾が、このノイズ・アルバム”終末処理場”です。オリジナルのリリースが1980年と、多分、日本で1番早く「ノイズ」のLPをリリースしたのではないかと思われます。ここら辺の詳しいことは、既に色んな雑誌やメディアでも書かれていますので、詳細は省略しますが、このオムニバス・アルバムに収録されているバンド、NG、ジュラジューム、非常階段は、どれも同時の欧米のノイズ/インダストリアル・グループとは一線を画した音楽/ノイズを奏でていたと思います。そんな貴重な音源が、43年の月日を経て、Alchemy RecordsのAlchemy Records Essential Collectionsシリーズとしてリイシューされたことは、大変喜ばしいと言えます。因みに、ジャケ写の写真の因縁か、このオリジナルLPをリリースした頃に、関係者に不幸が続いて、レーベル・オーナーの林直人氏とJojo広重氏はお寺にお祓いに行ったとか。まぁ、それは置いておいて、収録バンドについて、簡単にご紹介しておきます。 NGは、Naoquiこと林直樹 (Organ, Synth, Tapes)が1979年から始めたユニットで、この時点ではToshitakaこと佐藤利隆 (B)とYukinaga (B)と言うダブル・ベースでのトリオ編成となっています。Discogsには載っていないのですが、当時、NGのライブ・カセット”Die Meine Gewalt”を購入し、その凄まじさに感銘を受けると同時に、林直樹を評して「彼は真面目だが、まともじやない」と言う言葉は、私にとっては、それ以来、座右の銘になっています。その後、NGは、1981年にUnbalance Recordsより7インチEP”Ugomeku Ego”をリリースしますが、それ以降の情報はこちらには入ってきていません。今はどうしているのでしょう? ジュラジュームは、京都在住の八田尚彦氏 (Synth, Rhythm Box, G)のソロユニットで、この時期には、Zaitsu (Synth, Vo)も参加しています。その後、ジュラジユームの活動は途絶えたようですが、1997年に、突如、JoJo広重氏とのデュオでJulajiumとしてCD復活し、また、その頃から、一時期、旧Twitterで八田氏が毎日のように独自の電子ノイズ曲をアップしていたのですが、今はどうしているのでしょうか? 非常階段については、以前にもバイオグラフィーは書いてありますし、他の雑誌やネットでももっと詳しく書かれていますので、私如きが、今更、書く訳にもいきませんが、この時の非常階段は、JojoことJojo広重 (G, Vo), Mikawaこと美川俊治 (Audio Generator, Marcolinet, Organ), MakoことMasako Shigesugi (B, Vo), Okaこと岡俊行 (Drs, Rhythm Box), ZukeことKatsuhiro Nakajima(G, Vo), Sumire (Synth), Akuma (Visual Performance)と言う編成で、雑誌Heaven主催のイベントでのライブ音源です。本来、曲名の「腐食のマリィ」がバンド名であったのを、主催者側が勘違いして、出演バンドを非常階段にしてしまったことは有名な逸話です。 それで、内容ですが、A面は、NGから始まります。ミニマルなBのリフに歪んだオルガンとリズムボックスと言うA1, シーケンサーのようなシンセとリズムボックスのリズムにゴリゴリのBが突進し、歪んだもう一本のBと殆ど聴こえないVoが入り込むA2では、後半に歪みまくったオルガンも聴取できます。深いリバーブに包まれた、幾分、大人し目なBのリフに、リズムボックスと変調Voと共に響くA3, 単調なリズムボックスにオルガンと呪文のようなVoとBのリフが流れるA4, 突進するゴリゴリの2本のBとオルガンのせめぎ合いがカッコ良いA5で、次はジュラジュームの曲になります。ディレイを掛けたリズムボックスが怪しく響き、その間に変調VoやSE的シンセからなるA6, 機械のようなリズムボックスにショート・ディレイを掛けまくったGが暴れ、微かにシンセのメロディが聴こえるA7, マーチのリズムにショート・ディレイを掛けたGとマーチング・ソングのようなシンセのメロディが微かに聴こえるA8, これまたディレイを掛けたGノイズとリズムを刻まないリズムボックスに、シンセ・ノイズが乗るA9, 駆動力のあるDR-55のリズムにハレーションを起こしたGノイズが暴れまくり、途中、変調Voも入ってくるA10で締められいますが、唐突に終わります。 B面は、全てを使った非常階段のライブ音源なのですが、いきなりのDrsの連打から、MarcolinetやらVoice、更にはエレクトロニクスやGノイズと、まるでAirwayのような集団即興による肉体的轟音ノイズが繰り広げられています。これがそもそも「音楽」なのかどうかは別にして、正にカオスを体現していると思います。恐らく、実際のライブでは凄いことになっていたことでしょう。途中、Drsがかなり頑張っている所もあり、そんな所に、彼等が「ロック」を源流としていると感じられます。 このアルバムの面白い所は、A面2組が宅録派で、B面がライブ派と言うコントラストでしょう。もっと言うとA面ではリズムボックスが多用されており、B面ではドラムが多用されていると言えます。非常階段が、その後、ライブ・バンドとして活動していくことは良く知られたことで、それ故の「肉体性」を音のカオスの中に落とし込んでいるとも言えるでしょう。それに対して、NG(彼等は宅録だけではなく、ライブもやっていた)とジュラジュームは、リズムボックスが奏でる機械のリズムの上で、変調を施した電子音や歪んだオルガンが奏でられていると言う、当時のインダストリアル・ミュージックに対する日本からの返答でもあると言えるでしょう。個人的には、2本のゴリゴリのBと歪んだオルガンから成るNGの演奏は素晴らしいです。これが聴きたかったと言っても過言ではないでしょう。また、ジュラジュームの偏執狂的なディレイ処理は同時の誤用テクノロジーの代表的手法であり、それがまた懐かしくもありました。そんな3者3様のノイズ・ミュージックを1980年と言う時代にレコードとしてリリースしたUnbalance Recordsの偉業が復刻されたことは大変喜ばしいことです!!先ずはこのアルバムを聴け!と声を大にして言いたいです! A1 NG “Cry Of Nylon” A2 NG “Broken '80s” A3 NG “Zisatz” A4 NG “見つからない” A5 NG “Theme (For Icy B)” A6 ジュラジューム “嘆きのつぼ (Urn)” A7 ジュラジューム “Radiation・I” A8 ジュラジューム “行進曲” A9 ジュラジューム “Radiation・II” A10 ジュラジューム “来たるべき世紀” B 非常階段 “腐食のマリィ” [NG A1-A5 original version] https://youtu.be/eXjgdXkZkx8?si=YewfQdvuZBO-OfRu [ジュラジューム A6-A10 original version] https://youtu.be/HYdwpA9k18A?si=7Cu280nLlLc20H8S [非常階段 live from 「極悪の教典」] https://youtu.be/tbFnMuUW-Tk?si=FkPBp7Y0fqRGZ-ZE #NG #ジュラジューム #非常階段 #終末処理場 #AlchemyRecords #P-VineRecords #2023年 #Reissue #Remastering #LimitedEditions #UnbalanceRecords #1980年 #200部 #Noise #Electronics #TwinBasses #Synthesizers #RhythmBox #宅録 #Improvisation #LiveTrack #Guitars #Voices #Bass #AudioGenerator #Marcolinet #Organ #Drums #VisualPerformance #腐食のマリィ #Naoqui #林直樹 #Toshitaka #佐藤利隆 #Yukinaga #八田尚彦 #Zaitsu #Jojo広重 #T.美川 #Oka #Zuke #Mako #Sumire #Akuma
Noise / Experimental Alchemy Records / P-Vine Records (Unbalance Records) ¥3200Dr K2
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Kiyoshi Mizutani “The Same Thing Makes Always Her Laugh” in box “日本のノイズ音楽”
初期Merzbowのメンバーで、1980年代には秋田氏との協力やMerzbow Null等でのオルガン演奏を、そして1990年代には盛んにソロ・ライブをやっていた水谷聖氏のファースト・ソロ作品が、この”The Same Thing Makes Always Her Laugh”で、1990年にZSF ProduktからLPでリリースされています。実は、私は、1980年代のMerzbowやMerzbow Nullでのライブも観ていますし、1990年代のソロライブでは何回も対バンしています。一見、普通の静かなサラリーマンのような風貌(実際、本業はシステム・エンジニアだったと思います)にも関わらず、主に環境音のDAT音源の再生とミキサーのフィードバックから成る摩訶不思議なソロ・ライブは何度観ても新鮮でした。1度だけ、水谷さんと私でコラボ・ライブもやってますね。また、個人的には、初期Merzbowでの彼のVlnやオルガンのプレイにも多大な影響を受けています。その後、彼は、自身のレーベルUlcer House等から作品を数少ないながらもリリースしています。一番直近のは、2014年にリリースされたChihei Hatakeyama / Kiyoshi Mizutani / HelloによるライブCD “Live At Ftarri Doubtmusic Festival”となっています。それで、本作品は、A面が1989年6月に、B面が同年11月に録音されていますが、ミックスは秋田昌美氏の自宅スタジオで行われています。特に、A1は、環境音とシンセとノイズから作られていますが、シンセとノイズは数学的に構築されており、あくまでも脇役的にミックスされているとのことです。そんな水谷氏のファースト・ソロ・アルバムが、今回、オーストリアのKontakt AudioのArtefAKTs From The Early Japanese Experimental Noise Music Scene (日本のノイズ音楽)の第二弾としてリイシューされた訳です。バラでは黒盤ですが、2025年末までにシリーズが終わるまでに収納されるボックスセットでは、クリア盤でかつTシャツ付きとなっていますので、興味のある方は今からボックスの方を購入しておいた方が良いかもですよ!そして、また、アルバム・タイトル「彼女はいつも同じことで笑う」と意味深ですが、そのアイロニックさがノイズに転化されているようにも思えます。 と言う訳で、内容の方ですが、全体的には、結構、ノイジーで激しい音像です。A面は、テープの逆回転とピョンピョンしたシンセと電子音の落ち着いた雰囲気で始まりますが、段々と強迫的にテープ音等が重層化されていくA1, 不協和音だらけのオルガンの持続音と敢えてビート感のないフリーな生Drs演奏(これは水谷さんが叩いているのかな?)、そしてノイズギターから成るA2となります。 B面は、一転して、会話等のテープ音とミキサーのフィードバックと思われる激烈なノイズとシンセの電子音が絡まり合い、結構カオティックな様相で始まりますが、激烈なギター・ノイズと思われる電ノコのような音と回転速度を弄ったテープ音、そしてエフェクトを掛けたシンセによる電子音がやはり組んず外れず絡み合う方向へとずれ込んでいきます。 飄々とした風貌で、如何にもエンジニア然とした実際の水谷さんを知っているだけに、B面の凶暴さには、正直、驚かされました。もっとアンビエント寄りの実験音楽だと思っていたからです。しかしながら、A2での狂ったようなオルガンの不協和音とかは、正に初期Merzbowのカセット等でも聴取できる演奏を拡大した感じでもあり、またB面のノイジーな音像も彼のソロライブで時に垣間見ることができたノイズへの指向性を伺わせるものだとも言えます(実際、ハコによっては、ソロライブでも、かなりノイジーで激しい演奏もやっていました)。そんな意味では、水谷さんこそが、本当の「マッド・サイエンティスト」なのかも知れませんね!!そんな「水谷聖」を体験したい方には激お勧めの1枚です!!きっとビックリすると思いますよー! A1 “Cross Off” (8:57) A2 “Guitars On M.T.L.” (11:34) B1 “Character Assassination” (23:20) [original full album] https://youtu.be/IoAf1e0a2ds?si=JYj1korwn_Wia0su [BandcampのURLも貼っておきます] https://kontaktaudio.bandcamp.com/album/the-same-thing-makes-always-her-laugh #KiyoshiMizutani #水谷聖#TheSameThingMakesAlwaysHerLaugh #KontaktAudio #2025年 #Reissue #Remastering #ClearVinyl #LimitedEditions #99部 #ZSFProdukt #1990年 #LP #Noise #Experimental #FirstSoloAlbum #数学的音楽 #環境音 #Synthesizer #Noises #Tapes #Guitar #Merzbow #ArtefAKTsFromTheEarlyJapaneseExperimentalNoiseMusicScene #日本のノイズ音楽
Noise / Experimental Kontakt Audio (ZSF Produkt) 不明Dr K2
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Solmania “Re-Rurr”
関西のノイズ勢を語る時に、必ず名前の挙がるユニットの一つとして、Solmaniaがあると思います。元々は、グラフィック・デザイナーでもある大野雅彦氏のソロユニットとして、1984年から活動を開始しており、その頃から、自身の自主制作レーベルFatagaga Tapes(或いはWorks Fatagaga或いはFatagaga)を運営しつつ、モンスターのような改造ギターや多量のエフェクター類を駆使した独自のギターノイズをライブや録音物で展開してきました。1994年から、Outoのギタリスト菅原克己氏が加入し、デュオでの名義となっており、当初は、菅原氏は普通のギターを弾いていましたが、その内、2人共、改造ギターによる演奏形態に変化しています。大野氏は、Alchemy RecordsのCD等ジャケのデザインも殆ど全て手掛けているようです。また、近年では、大野氏のソロとして、DestromoやSolmania slur或いはDestroy Ohno Monsters等の名義でも活動しており、カセットのテープを使ったノイズ演奏等、以前とはまたちょっと違った活動もしているようです(私は、関西在住ではないので、リアルタイムには、彼の活動は良く分からないところもあるので、間違っていたら、ごめんなさい)。そんなベテラン・ノイズ・ミュージシャンでもある大野氏のソロ時代のSolmaniaのカセット作品が突如、伊の浦島からレコードとして再発されました!! これには正直、驚きました!「そう来たか!」と(しかしながら、その前に、既に、2022年にも、Solmaniaのカセット作品”Erosion”が、浦島からLPリイシューされているんですよね)。それが、今回、ご紹介する”Re-Rurr”です。オリジナルは1985年にリリースされていますが、ジャケ等は新たに作られています。本作品では、大野氏は、G, Tapes, Radio, Metal, Turntable, Voiceを演奏し、各面1曲ずつを収録しています。 内容は正しく「ノイズ」です!しかしながら、ギターのフィードバックや演奏だけではなく、テープ操作やラジオ音等も多層的に重ねられており、カラフルなノイズ作品に仕上がっています。A面は、地鳴りのようなギター・ノイズから始まり、存分にギター演奏が聴取できる曲になっていますが、B面は、更に音源自体が不明瞭化し、最早、ギターとは思えない音になっています(ひょっとすると、使っていない?)。また、ひょっとすると、ラジオやヴォイスなんかはギターのピックアップから取り込んだりしているのかも知れませんね。時々、微かに聴こえてくる人の声や既製の音楽等がまた良い感じに変化を与えてくれますし、また、シンセを使っていないのに、電子音のように聴こえるマジックがあるようにも思えますが、この頃には、既に改造ギターを使っていたのでしようか?! かなりエフェクターを駆使していると思えますが、それが、Solmaniaの魅力の一つでもあると思います!ただ、イタズラにギターを掻きむしっている訳ではなく、特に、A面では、大野氏のギター・テクニックが遺憾無く発揮されていますし、その細かい音の構築性には魅せられてしまいます。 また、音の質感が、如何にも1980年代っぽくて、個人的には、そう言った面でも、楽しめましたので、ギターの超えた「ギター音」を体験するにはもってこいの作品だと思います! A “Re-Rurr I” (16:22) B “Re-Rurr II” (16:17) [original cassette] https://youtu.be/Rkrj9JkAlp0?si=NLPqZY--09RdDDYc [BandcampのURLを貼っておきます] https://urashima.bandcamp.com/album/re-rurr #Solmania #Re-Rurr #Urashima #2024年 #Reissue #LimitedEditions #199部 #WorksFatagaga #FaragagaTapes #1985年 #CassetteWork #Noise #Experimental #Guitar #Tapes #Radio #Metal #Turntable #Voice #MasahikoOhno #大野雅彦
Noise / Experimental Urashima (Fatagaga Tapes) ¥4920Dr K2
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Bastard Noise “Incineration Prayer” & “Self Righteous Suicide”
GrindマスターことEric Woodが辿り着いた境地、それがBastard Noiseです!元々は、Power ViolenceバンドMan Is The Bastardのサイドユニットとして、1991年6月からBastard Noise名義の活動が始まってはいますが、ダブって名義を使っていた時期もあるので、いつからとは正確には言えないのです。しかし、Man Is The Bastardの終焉が、Bastard Noiseの始原と言えるでしょう。当初は、Caveman electronicsと言う真空管の化け物のようなHenry Barnes自作のオシレーターもWoodのデス・ヴォイスから成っていましたが、ヘヴィロックからパワーエレクトロニクスまでの様々な形態で活動をしています。1999年に、John Weiseが加入すると、よりアトモスフィリックな領域まで侵食していきますが、2004年にWieseが脱退し、コアメンバーは、WoodとW.T.Nelsonとなり、近年では、Joel ConnellとDanny Walkerも加わって、元のMan Is The Bastardに近い形態も取っていました。その後は、Woodのソロノイズ・ユニットとして、エレクトロニクスとデス・ヴォイスから成る形態で活動しているようです。 と言うのが、Bastard Noiseの簡単な略歴ですが、本作品は、A面がEric WoodとRick Grinrnasから成る編成で、2018年第二期に、CAのSun ValleyにあるSpeed Semen Clove Factoryで、Michael Roxonによって録音されたトラックであり、B面は、Woodのソロの形態で、2007年第3期〜2011年の第一期に、ペンシルバニア州PittsburgにあるAntennacle StudiosとCAのSpeed Semen Clove Factory Burbankで録音されたトラックから、この作品は構成されています。共に長尺の曲が収録されていますが、B面は都合4章から成り立っています。と言う訳で、各曲をご紹介しますね。 ★A “Incineration Prayer” (15:13)では、恐らくTrogotronicのオシレーターによると思われる、線は細いが切れ味の鋭い電子ノイズが暴れまくっており、徐々にその奥から持続電子音が不気味に忍び込んできます。やがて、金切り声のようなVoが挿入され、更にもう1人のデス・ヴォイスも挿入されて、一気にテンションも上がり、「破壊」のイメージと「(宇宙)空間」のイメージが同居し始め、そして、静かにフェイドアウトしていきます。 ★B “Self Righteous Suicide (Parts I-IV)” (12:59)の第一章は、爆発する電子ノイズとデス・ヴォイスの打つかり合いからなります。第ニ章は不気味な低音Voに導かれて、切り裂き電子音とデス・ヴォイスの衝突からなります。第三章は、アンビエントっぽい電子音が不気味に流れており、そこに「何か」がいる気配が感じられる曲調ですが、結構、緻密な音作りをしています。そして、第四章では、突発的に爆音がその正体を表したかのように空間を支配していき、唐突に終わります。 MITBからのBastard Noise。見事に、Eric Woodの変遷と進化が感じ取れ、またBastard Noiseとしての成熟具合も見事です。多分、彼には元々のグラインド・コアとしてのコアな信念があるので、ここまで続けられたのだと思います(別に上から目線ではなく、単純にそう感じるので)。今はすっかりヴィーガンになったEric Woodですが、それも何らかの信念があってのことだと思います。現在、中耳に骨化が起こり、難聴の為、処置をしなければならない状態ではありますが、アメリカの医療経済事情を聞くに大変だとは思いますが、きっと不死鳥のように元気な姿を見せてくれることをしんじてきます! [B: “Self Righteous Suicide”] https://youtu.be/PnQMDvxuCaY?si=0bXf6helQDfV8EXB [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nUhVMgDlrEbAXcXzS8fR808qVmgDteEwY&si=oNFNcf0hDfTHjfCZ #BastardNoise #IncinerationPrayer #SelfRighteousSuicide #ArmageddonLabel #Album #2023年 #LimitedEditions #500部 #Noise #Electro #Experimental #DeathVoice #Atmospheric #EricWood #RickGribenas
Noise / Experimental Armageddon Label 不明Dr K2
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The New Blockaders & Xtematic “Degenerative Themes”
またまた、来ましたよー。今度は、英国The New Blockaders (以下TNBと表記)とクロアチアのXtematicのコラボレーション・アルバム”Degenerative Themes”です。TNBに関しては、既にバイオグラフィーは書いてありますので、ここでは、コラボ相手のXtemaricのバイオグラフィーについて少し書いておきます。一言で言うと、Xtematicとは、Marko Jovićのソロノイズ・ユニットとのことで、2011年に宣言を発表して、彼の芸術活動を開始しています。Jović自身は、テクノ、ブレイクビーツ、ドラムンベース、トランス、ハードコア、インダストリアルなどの色々な電子音楽を聴いて、活動を始めています。そんな中で、彼は16歳の時に、ハーシュノイズやエクスペリメンタル、ダークアンビエント、ハーシュノイズ・ウォール、グリッチなんかを聴いて、実際の活動に影響を受け、特に、Diazepa.Mと言う即興・ノイズ・実験系アーティストに大いに影響を受けています。Jovićの最初のハーシュノイズ作品は、Shit Noise Recordsからリリースされており、その数日後には、彼の実験ノイズ・アンビエント作品も、Adrien Millerと共に、Itsu Jitsuレーベルから出ています。その後、数年経って、彼は他の同様のノイズ・アーティストとコンタクトを取るようになり、様々なコラボを行なって、テープやCD/CDR、フロッピーディスク、レコード、配信等の形式で、その結果を発表してきました。そんな中で、彼は、Xtematicとして、一つのアイデアやコンセプトに捉われずに、様々なスタイルでの作品を作り、インダストリアル・カルチャーや明暗の対比こそが、彼の最も興味のあるテーマです。そして、Pain JerkやGovernment Alpha, Genocide Organ等は、彼に大きな衝撃を与えてきましたが、また、その中でも、彼は、TNBやTorturing Nurse, The Haters, Richard Ramirezらとコラボ作を作ってきています。それは、音だけに留まらず、写真やビデオ、グラフィック・デザインに関しても同様であったとのことです。Discogsで確認すると、Xtematicとしては、2021年まではリリースを確認出来ますが、その後の活動は良く分かりません。 と言うのが、Xtematicの略歴になります。それで、今回は、Jović自身が大いに影響を受けた英国TNBとのコラボ作品となる訳ですが、両面共3曲ずつ収録されて、合計6曲(全曲”Theme”I〜VIと記載されています)となる訳ですが、どちらが最終ミックスをしたとかどちらの音源を使ったとかの情報はクレジットには記載がありませんので、実際のコラボがどのように行われたのかは不明です。と断った上で、各曲についてご紹介していくことにします。 ★A1 “Part I”は、重い金属塊を引き摺るような音に、リバーブの効いた電子音(かな?)が絡んでくるヘビーな金属音響ノイズで、恐らく後者にはサンプラーの使用やテープ操作も施されているようです。 ★A2 “Part II”も、キーキーと軋む金属音で始まり、ヘビーな金属音と歪んだ電子音のミクスチャーから成る曲で、段々と重積されるノイズ音源が、時に崩れたり、時に聳え立ったりして、破壊と再構築が交互に進みますが、収録時間は短いです。 ★A3 “Part III”は、缶詰のような金属音が増幅されながらも、不明瞭な電子ノイズや潰された金属音がカットイン/カットアウトするカッコ良い曲です。 ★B1 “Part IV”では、リバーブの掛かったザラついた金属音が引き摺り回され、それに更に、金属音や具体音、更には電子音などが、ガチャガチャともつれて込んで、絡んみ合って、「生き物」のように蠢いています。 ★B2 “Part III”でも、不明瞭な金属音に、歪みまくった電子音や具体音が上乗せされていき、ヘビーで激しいブラウン運動の様相を呈しています。後半には「メタルの悲鳴」も聴取できますが、やはりサンプラー等も使用されていますね。 ★B3 “Part VI”も、潰されていく金属音と変調された具体音等がガッツリと絡み合い、巨大な「鋼的胸像」となる小曲です。 明確なクレジットの記載はないですが、多分、TNB側は音源を提供しているだけで、ミックスや再構築はXtematic側が全て行なっているようです。その出来は、1990年代の初期Macronymphaを想起させるような、歪んでグシャグシャに潰された音響ノイズで、何ともヘビーな仕上がりになっています。また、音圧的にも、緩急が付けられており、押しては退くように音が配置されていますので、単にダダ漏れのハーシュノイズ・ウォールと言う訳ではないです。寧ろ、頭脳派ノイズですが、かと言って、アンビエントな要素は皆無ですので、ハーシュノイズ・ファンの方は安心して下さい。本作品では、Xtematicの手腕が遺憾無く発揮されており、聴き応えも充分です。差し詰、ドゥーム・メタル・ジャンク・ノイズでしようか?メタル・ジャンク・ノイズ・ファンの方は、勿論、初期Macronymphaのファンの方にも大推薦ですよ❗️ *本作品はYouTubeにも上がっていなかったので、TNBのライブ動画とXtematicの単独動画を貼っておきます。 [TNB live in Berlin, Mar.31, 2012] https://youtu.be/i1sCwqGqOu4?si=4ClHcOO31CatxY1_ [Xtematic “Nu: tral “] https://youtu.be/myW1CYQlE5I?si=82zd0LOkSV0hN-ON [Xtematic “Another Way of Wisdom”] https://youtu.be/JvrXhcptukk?si=-rlDksi7YqE9Se7z #TheNewBlockaders #Xtematic #DegenerativeThemes #EquationRecords #UK #Croatia #CollaborationAlbum #HalfBlackHalfGoldVinyl #LimitedEditions #80部 #Noise #Experimental #RichardRupenus #PhillipRupenus #MarkoJović
Noise / Experimental Equation Records 不明Dr K2
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The New Blockaders & Nobuo Yamada “Prickle/Crevice”
久々にコラボ作品を!今回は、ArtBreakHotel名義でも活躍しているサウンド/ヴィジュアル・アーティストNobuo Yamada (以下 山田ノブオと表記)と英国金属王The New Blockaders (以下TNBと表記)とが、2004年に出した、山田氏によるコラボCDR作品”Empty Time Of TNB”に収録されていたトラックの内、1曲目を別作品として、今回、片面LPとしてリリースしたとのことです。なので、参加者は、山田ノブオ氏とTNBサイドはPhilip D. RupenusとRichard Rupenusの2人となつています。どうも両者ともメタルジャンク使いなので、当然ながら、結果も「金属ノイズ」となるものと予想出来ると思います。それで、TNBのバイオグラフィーは既に書いてありますので、省略させて頂きますが、山田ノブオ氏については、その活動を少し紹介したいと思います。山田氏は、1962年生まれ(私と同じですね)で、2000年過ぎ頃から、音響作品を作り始めたようです。彼は、身の回りの物音やフィールド録音、或いは自ら作製した金属製のオブジェからの音などを巧みに操り、操作・録音して、音作品を作っているようです。ただ、私には、本名名義とArtBreakHotel、更に最近始めたChin Mountainの使い分けは正直、良く分かりませんでしたが、個人的には、金属製のオブジェがどんな物なのかには興味が沸きました。山田氏の詳細なバイオグラフィーについては調べた限り、よく分かりませんでした(すまん!)。ただ、本作品及び本作品の元になったCDR”Empty Time Of TNB”は、元々、TNBのファースト・アルバム"Changez Les Blockeurs"を元音源として、各アーティスト/グループがそれぞれ変調・加工・分解・再構築してリミックス/リクリエイトした曲を国別にコンパイルしたシリーズ”Viva Negativa! A Tribute To The New Blockaders”に収録された、山田氏の曲だけを抜粋した作品であり、山田氏の言葉を借りれば、「製作した音源をさらに増強+再構築させた、明瞭で無意味なHard Organic Metal Junk Noise」であるとのこと。そんなリミックスやリクリエイトを通過した作品が本作となります。それでは、その弄くり回した曲を紹介しましょう。 ★A “Prickle / Crevice” (15:50)は、先述の通り、EP “Empty Time Of The New Blockaders”の一曲目なのですが、あらゆる方向から放射される、ガチャガチャとしたメタル・ジャンクの悲鳴が可聴空間を満たしていきます。そこには高揚も落胆も無く、フラットな時空で淡々と続けられており、途中、その中にフィードバック音らしき持続音も混じってきます。それと、メタル・ジャンクの音に、Saxらしき音も聴こえるのですが、これもまた金属音であるようです。徹底した「盛り上がりの欠如」こそが、TNBの音楽なので、このコラボでもその方向は変えてはいませんね。その意味で、禁欲的な作品だと思いました。そこら辺を分かって、ミックスなどをやっている山田氏の洞察力も素晴らしいです。片面だけなのが、惜しいところですが、元作品を聴いてみたくなりました。 [“Empty Time Of The New Blockaders” full album] https://youtu.be/S9ZjRhA_3_g?si=MDEpjT2-eYIfnu09 #NobuoYamada #TheNewBlockaders #Prickle/Crevice #PsychFormRecords #OneSideLP #CollaborationAlbum #Japan #UK #CollaborationThroughTheMail #RichardRupenus #PhilipD.Rupenus #Sound/VisualArtist #EmptyTimeOfTNB #VivaNegativa!ATributeToTNB
Noise / Experimental PsychForm Records 1650円Dr K2
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The New Blockaders / Knurl “Trash Ritual”
金属ノイズと聞いて、直ぐに思い浮かぶ2組が、英国The New Blockaders (以下、TNBと表記)と加Knurl (ナールと読む)と言っても過言ではないでしょう。当然、両者のキャリアは全く異なりますし、TNBはそれこそノイズ・ミュージック黎明期から活動していますが、Knurlは、1990年代から国際ノイズ・シーンに登場してきました。しかしながら、Knurlは、始めた当初から、メタル・オブジェを演奏することに強く固執して活動しており、その実力は確かなものと思います。そんな2組が、最近、英国で一緒にライブを行ったことは知っていたのですが、まさか、録音までしていたとは!とちょっとビックリしました。それで、TNBのバイオグラフィーについては、今までにも記載しているので、今回はKnurlのバイオグラフィーについて少々書いてみたいと思います。Knurlというのは、加Ontario州トロントで活動しているAlan Bloorのソロノイズ・ユニットのことで、1994年から音楽活動を始めています。一貫して、スクラップ・メタルや自動車のスプリング、ノコギリの刃、その他の工場機器の廃棄物などのメタル・ジャンクを使ってのノイズ・ミュージックを作り続けており、そのインスピレーションの源は、Bloorが溶接工として働いていた経験からくるものです。そうして、彼は、そう言う音を、より速くより強靭にする為に、一度、メタル・ジャンクからオブジェを作り、そこにコンタクトマイクを仕込んで、エフェクターに繋いで、演奏するスタイルを確立しています。実は、Bloorはパートナーと共に1990年代に来日しており、その時のジャパン・ツアーに、私も帯同しているのですが、その時代には、演奏の終盤になると、トースターを「演奏」していました。また、彼は、フォーマットに捉われず、沢山の作品をリリースしていますので、興味のある方は、是非とも聴いてみて下さい。 それで、今回は、何かのフェスだと思ったのですが、Knurlが英国に渡り、同じメタル・ジャンク使いとして、コラボ・ライブを行ったのは、2022年に其々の音源を制作していたことの結果なのでしよう。そんな記録として、今回のスプリットLPと、その時のコラボ・ライブCDがリリースされたのだと思います。因みに、TNBは、Richard Rupenus (A1, A2, CD), Mark Durgan (A1, A2), Michael Gillham (A1, A2, CD)及びLee Stokoe (CD)が参加、一方、KnurlはAlan Bloor (B1-B4, CD)のソロでとなっています。と言う訳で、各曲を其々紹介していきましょう。 LPのA面は、TNBが、“Antimaschine”として2曲を収録しており、LPのB面はKnurlが4曲を収録しています。それでは、TNBからです。 ★A1 “Funktiönstorung (張り詰めた関数?関数張力?)”は、生々しい金属音を無慈悲にぶち撒けたような騒々しいノイズ・ミュージックであり、恐らく殆どエフェクトは使っていないと思われますが、精々、ディストーション位でしようか? しかも、外マイクでの録音のようで、コンタクトマイクも最小限ですね。マスタリングもバッチリですが、それが返って、直接、神経に刺さりますね。 ★A2 “Zusammenbruch (崩壊)”は、A1との境目が確認出来ず、ほぼA面で1曲と言う感じです。サブタイトルにも”Antimaschine”とありますから。 次はB面のKnurlの曲です。 ★B1 “Effect Of Concentration”は、如何にもKnurlらしい、メタル・オブジェの演奏で、コンタクトマイクとエフェクターを使い、地響きのようなサウンドスケープを表出しています。 ★B2 “A Discrete Point”も、B1とほぼ連続して始まり、土石流のようなノイズ・ミュージックを放射しており、この曲もKnurlらしいです。 ★B3 “Disturbance As A Variation”は、ややくぐもった音ですが、ミリ単位での音も聴取出来る「轟音にして繊細な」ノイズ曲となっています。 ★B4 “Lending Probability To A Belief”は、ハイパー・メタルなノイズ曲で、恐らくチェーンとかを使って演奏しているようで、展開がかなり速いですね。 ★最後は、TNB + Knurlのコラボ・ライブCDで、“Live At The Auxiliary, Middlesbrough, Feb. 2023”についてです(どうも、このCDは初回限定らしく、その為か、LPの方は、黒い外袋にデザインのジャケ写が貼り付けております)。内容は「凄まじい‼️」の一言ですね。生音に近いTNBとアンプ出力でエフェクト掛けたKnurlのメタル・ジャンク・ノイズの阿鼻叫喚地獄のようです。ハウりまくっても気にせず、両者が突き進んでいく様は、宛ら、メタル・ソリッド・ギアの如し。やはり、アプローチは違っても、進むべき道は一つと言うことでしようか?出来れば、爆音で聴きたい1枚です! 今まで、有りそうで無かった組合せなので、どんな感じかなあと半分心配していましたが、スプリットLPもコラボ・ライブCDも大満足です!Knurlももう30年選手なので、そんなことは杞憂に終わりました。もう轟音祭り、メタル・ジャンク祭りで、これは2023年でもベストな作品と考えましたよ。皆さんも早めに入手することをお勧めします❗️ LP A面: The New Blockaders “Antimaschine” A1 “Funktiönstorung” A2 “Zusammenbruch” LP B面: Knurl B1 “Effect Of Concentration” B2 “A Discrete Point” B3 “Disturbance As A Variation” B4 “Lending Probability To A Belief” CD: TNB + Knurl 1. “Live At The Auxiliary, Middlesbrough, Feb. 2023” *まだ、本作品の動画はYouTubeにアップされていないので、各グループ其々の動画を貼っておきます。 The New Blockaders “……” III from コンピ・アルバム“Concrete World Vol.2” https://youtu.be/DLQk1ca4Cto?si=3xDqAoF6rIizAtl- Knurl “Part 2” from CDR “Dichromatism” https://youtu.be/_wG3HNdSYuE?si=PPfMjiQI_BFo04EK #TheNewBlockaders #TNB #Knurl #TrashRitual #4iBRecords #SplitLP #CollaborationLiveCD #LiveAtTheAuxiliaryMiddlesbroughFeb2023 #UK #Canada #MetalJunks #MetalObjects #Noise #HarshNoise #RichardRupenus #MarkDurgan #MichaelGillham #LeeStokoe #AlanBloor
Noise / Experimental 4iB Records 5647円Dr K2
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The New Blockaders “Etudes De Rien”
また、出てしまいました!そうです、The New Blockaders (TNB)のカセット作品”Etudes De Rien”のLP再発です。元々は、カセット作品で、ギリシャのCoherent Statesから75部限定でリリースされていましたが、その時点で、既に四角い7㌅Lathe Cutが付いた特別限定なんてものもあったみたいです。私は通常盤を購入しましたが、今回もまた、クリア盤LPに、Richard Rupenusによるハンドメイド包装されて、”Slathe”と名付けられた33 1/3回転のLathe Cutと12頁のコラージュを収めたジン及び灰色のTシャツ、ピンバッチ2個、ポストカードが付属した特別ボックスセットも50部限定であったようです。この通常盤も200部限定で、中々入手しにくいかも知れません。なお、再発も同じレーベルCoherent Statesから出ています。TNBのバイオグラフィーは既に書いてありますので、そちらをご参照してください。それで、この作品”Etudes De Rien”なのですが、今回の参加メンバーは、Richard Rupenus, PutrefierのMark Durgan, Michael Gillhamの3人で、謝辞には何故か、Michael Finkleaの名前があります。また、マスタリングは、Phil Julianが担当しています。なお、曲名は無く、”Part 1”と”Part 2”と記載されているだけです。そして、肝心な音の方は、ガチャガチャ、ガンガン、ピーピーと騒乱罪になってしまう程のメタル・ジャンクとハウリングによるノイズ・ミュージックと言ってしまっても良いでしょう。幾分、いつもよりも音圧は高いかもしれません。こう言うメタル・ジャンク演奏の録音はちょっと「コツ」があるのですが、ここら辺は、流石TNBと言うところでしょう。あとは、Julianによるマスタリングも関係しているかもしれません。私は、このような演奏形態を、個人的には「メタル・ジャンク・フリー・ジャズ」と呼んでいますが、強ち外れてはいないと思います。A面B面共にテンションの高い演奏が繰り広げられており、聴き応え充分です。なので、TNBの真価も充分に発揮されており、この手のノイズ・ミュージック愛好家の方は勿論、ノイズ初心者にもマストな一枚です! A “Part I” (18:00) B “Part II” (18:00) 本作品はYouTubeに無かったので、TNBの他の動画を貼っておきます。本作品とは直接関係ありませんので、悪しからず。 https://youtu.be/cCqW67itKsA?si=KIRfRPAmfH3k04Gu #TheNewBlockaders #EtudesDeRien #Reissue #CoherentStates #Noise ##SoundArt#MetalJunks #FreeJazz #Nihilism #Nothingness #RichardRupenus #MarkDurgan #MichaelGillham #Mastering #PhilJulian
Noise / Experimental Coherent States 4037円Dr K2
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The New Blockaders “Live At Hinoeuma”
久々に出してきました。そうです、メタル・ジャンク・ニヒリストの巨人The New Blockaders (TNB)の英国ヴェニューHinouemaでのライブ盤です。しかも、Richard Rupenusのコラージュ・アートワークを使ったピクチャー盤で、400枚限定と言うレア・アイテムです。TNBについては以前にも紹介していますので、そちらを参考にして下さい。今回は、RichardとPhilip D.のRupenus兄弟による演奏(?)で、anti-performanceとして、英国Ashtray NavigationのPhil Toddのクレジットも見受けられます(何をしたかは不明)。なお、録音、ミックス及びマスタリングはAnomliことPaul Coatesが担当しています。当時としては鉄壁の布陣ですね。内容の方も、素晴らしい出来です。恐らくRupenus兄弟が発生させるメタル・ジャンクの音を加工した、それを大音量で放出するのが、眼に見えるようです。その「音」の豊穣さが故に、LP両面一気に聴いても、全然疲れませんよ❗️ガチャガチャ、キーキーと言う音以外にも、正体不明なノイズが入り込んできたりして、時々「この音はどのようにして出してるんだろう?」とすら思ってしまいます。また、時にはホワイトノイズだけにしか聴こえない点もあり、そこら辺にTNBのマジカルな面も堪能できますね。それと、ジャケのアートワークも如何にもTNBらしくてグーですね。このように、ピクチャー盤であることも踏まえて、トータルに「ライブ」な作品となっています。入力は困難が知れませんが、一家に一枚、常備しておくべきアルバムですね❗️ A “Live At Hinoeuma (Part 1)” B “Live At Hinoeuma (Part 2)” 本作品はYouTubeに上がっていないので、TNBの他のライブ音源を貼っておきます。 https://youtu.be/y9S6HxXI7Fo?si=iC6aBR79-CsIkmEC #TheNewBlockaders #LiveAtHinoeuma #RRRecords #PictureDisc #LimitedEditions #400部 #Noise #MetalJunks #Manipulation #Anti-Performance #RichardRupenus #PhilipD.Rupenus #PhilTodd
Noise / Experimental RRRecords 不明Dr K2
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Bastard Noise & Merzbow “Retribution By All Other Creatures”
こちらは、米国Bastard Noiseと日本のノイズ・オリジネーターMerzbowのコラボレーション・スプリット・アルバムです。タイトルからも分かりますが、Bastard NoiseのEric Wood & Anthony Saunders(今回はSaundersも参加)もMerzbowの秋田昌美氏も、皆ヴィーガン/ストレートエッジを実践しているアーティストであり、両者の会合は必然であったと思われます。そして、アルバム・タイトルは「他の全ての生物による報復」で、LP1 A面は”Animals Running Human Factory Farms (動物達が運営する人間牧場)”及びB面は”This Is How Human Waste Rolls (人間の屑共を丸め込むにはこうするんだ)”は、Bastard Noise側のミックスで、2020年の後半1/4 (丁度、コロナ禍の中)に、CAのSun ValleyのSpeed Semen Clove Factoryで作製されています。一方、LP2 C面 “zooNOsISE Pt. 1”とD面”zooNOsISE Pt. 2”はMerzbow側のミックスで、2021年1月に東京のムネミハウスで作製されています。先ず、装丁の素晴らしさに驚きます。しかも、100部限定のクリヤー・スモーク盤です❗️アートワークもバッチリで、しかもそれが、Relapse Recordsからと言う凄さです。それで、内容ですが、どれも素晴らしい出来映えです。LP1A面では1曲のようにも聴く事は出来ますが、実は5曲分、即ち第1章 “Birth Into A World Of Torture/Death”, 第2章 “Embryonic Hunger”, 第3章“The Homo Sapiens’ Devil Playground”, 第4章 “Daily/Nightly Fear And Agony”, 第5章 “Tables Of Human Waste Control Tuned”から成ります。タイトル通りEric(とAnthony)が今まで唱えていた「反人類至上主義」的音楽が詰め込まれています。恐らくここら辺だろうなぁと思う境目はありますが、いつもの不安を醸し出すドローン音に抑制の効いた「人類」に対する呪詛のようなEricのヴォーカルと、恐らくはAnthonyによるけたたましい電子音及びMerzbowによる金属質でラウドな電子ノイズが所々に挿入されており、その結果、よりBastard Noiseらしい荒廃した音風景を現出させています。LP1B面でも、同様の手法でミックスされていますが、こちらは、元々、分割されていない点からか、より空間的アトモスフィアで音の奥行きを感じます。一方、LP2C面及びD面は、Merzbowの秋田氏によるミックスですが、こちらは両面とも、背景にBastard Noiseによる不安を煽るようなアトモスフィリックで不吉なドローン音が流れており、それを破壊するかの様なMerzbow による凶暴な電子ノイズが万華鏡の如く煌めいています。両者ともそれぞれ得意な電子音を用いながらも、見事にコラボしており、その結果は「動物愛護」と言う点に帰結していると思われます。そう言う意味では一つのコンセプチュアルなアルバムとも考えられますので、皆さん、心して聴いて下さい❗️ “Retribution By All Other Creatures”紹介 https://youtu.be/HqBund4ol7s ↓ ↓実際のアルバムはこちら。 ↓ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mH1pnnxEqOpNWh-33SsFH3t-bt1f9IUvU #BastardNoise #Merzbow #RetributionByAllOtherCreatures #RelapseRecords #SplitAlbum #Collaboration #HarshNoise #lNoise #NoiseCore #Experimental #Drone #EricWood #AnthonySaunders #MasamiAkita #AnimalLiberation #Vegan #StreightEdge
Noise / Experimental Relapse Records 不明Dr K2
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Bastard Noise (Man Is The Bastard) “Mantra Of Desperation”
以前にも紹介しましたBastard Noise (その前身Man Is The Bastardも併記されている)の新譜を入手しましたので、紹介します。1997年暮れにグラインド・コア・バンドMan Is The Bastard (以下MITBと表記)は解散しているのですが、今回は何故か併記されています。また、現在のBastard Noiseは、完全にEric Woodのソロユニットとなっているようで、アナログ・オシレーターによるエレクトロニクスと彼のデスヴォイスから成る編成になっております。ここ(十)数年、Ericはヴィーガン/ストレートエッジになっており、肉は勿論、卵なども一切食せず、アルコールもやめています。そんな彼の姿勢は、実は、MITBのコンセプトでもあった「反人類至上主義」を更に実践にまで深め、到達した境地であると推測します。それで、本作品「絶望のマントラ」には、A面は”Conditioned Death Addiction (慣らされた死への欲求)”と題された1曲とB面も”The Rituals Of Living Waste (生ける屑共の儀式)”と題された1曲からなっています。音楽的に、両面共、似ているのは似ているのですが、内容には明瞭な差異があります。A面曲は暗澹たるドローン音に不吉な低音デスヴォイスがまるで回転数を間違ったかのようにうめき、そこにギリギリとした破壊的電子ノイズが襲いかかってくる、まるで何か不吉な映画を観ているような感覚になります。構成もドラマチックで、聴かせてくれます。一方、B面曲は、漂うような電子音(アンビエントと言うには邪悪過ぎる)が流れ、そこに鶏の首を絞めたようなEricのデス・ヴォイスが絡みつき、ふっとした瞬間に、突然暴れ出す高電圧電子音が両側のスピーカーから別々に介入してくる様はまるで、植物怪獣ビオランテが触手を伸ばすが如しでもあります。Ericの世界観が満載で、これは何度も聴き直してしまいます。また歌詞も付いていますので、その内容も理解できると思います。そんなヴァージョンアップしたBastard Noiseの新作アルバムを是非とも聴いて下さい❗️因みに通常の黒盤含めて400部限定です。 本作品はYouTubeに上がってなかったので、直近のライブ動画を貼っておきます(本作品とは全然違います)。 https://youtu.be/lSwIjxvffBU #BastardNoise #MantraOfDesperation #AlimentaryMusic #Noise #ManIsTheBastard #EricWood #Electronics #Analogue #DeathVoice #Dramatic #NoiseCore #MichaelRozon
Noise / Experimental Alimentary Music 不明Dr K2
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Étant Donnés “Le Sens Positif”
ド迫力のジャケで登場したのは、久しぶりの仏の兄弟ノイズユニットÉtant Donnésです。彼等はMarc HurtadoとEric Hurtadoからなりますが、彼等のバイオグラフィーは既に書きましたので、以前のものを参照してください。因みに、最近では兄のMarcは、Lydia Lunchと共にSuicide/Alan Vegaのカバーをライブでやってますね。それで、今回、ご紹介するのは彼等の8作目のアルバム “Le Sens Positif“で、A面3曲、B面3曲入りの作品です。察しの通り、ノイズ・ミュージックなんですが、とにかく、各曲のテンションがバカ高いです。勿論、緩急は付けてありますが、2人の怒号と言うか絞り出す声と言うかと息を吐き出す喉の音や囁き声が複雑に絡み合い、更にそのバックには磁気テープ操作で形成された得体の知れないノイズや環境音が流れて、全体としてトルネードのようにグチャグチャになって、リスナーの耳を襲ってきます。しかも、シアトリカルな演出もあるようです。思うに、かなり「生理的」に直撃する音楽なので、好き嫌いが分かれると思います。そして、彼等の音楽(=ノイズ・ミュージック?)は、他のどのノイズ・ミュージシャンの音にも似ていないことも、一つの特徴でしょう。完全なる孤高で独自のノイズ・ミュージック、と言うか「表現形態」と言ったものに達していると考えます。少なくともこう言った音楽は他には私は知らないです(私が知らないだけかもしれませんが)。あと、仏と言うお国柄や兄弟であることも、その独自性に関係しているのかも知れませんね。なので、聴く際には、充分注意して聴いて下さい❗️なお、どの曲も捨て曲無しですので、傑作です‼️ B1 “Mon Cœur 2 Âmes” https://youtu.be/o9piRlXA15k [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLxWgIPiVobojCc7-CtP5klxpORG3omt9j #ÉtantDonnés #LeSensPositif #DMA2 #Experimental #Noise #Theatrical #MarcHurtado #EricHurtado #Voice #MusiqueConcrete #TapeManipulation #FrenchNoise #Brotherhood
Noise / Experimental DMA2 不明Dr K2
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Lasse Marhaug “Context (Part 1~7)”
付き合いは長いのですが、中々、アナログを入手出来ず、ここまできてしまいました。ノルウェーの実験音楽/ノイズ・ミュージックの重鎮Lasse Marhaugの登場です。彼は1990年から活動を開始し、最初はノイズ・ミュージックのフィールドで活動していましたが、その後、即興音楽、ジャズ、ロック、エクストリーム・メタルなどのフィールドでも活躍しています。多分、皆さんにはJohn HegreとのデュオJazkamer (2004年以前はJazzkammer)が良く知られているかもしれませんね。Marhaugは元々、映像、劇場音楽、ダンス、サウンド・インスタレーションなどでも活動をしていました。来日もしています。彼は積極的にツアーを行い、各地のアーティストと知り合うことで、様々なミュージシャンとコラボなどをしており、一方で、Pica DiscやTWR Tapes或いはSmalltown Supersoundなどのレーベルを複数運営し、また他方でほPersonal Bestと言うファンジン(と言っても、かなり質の高い雑誌ですね)も出版しています。八面六臂の精力的にやっており、未だに現役バリバリのミュージシャンで、そんな彼の演奏はエレクトロニクス、ラップトップ、テープ、ヴォイスからなり、それ故に所謂ラップトップの高速コラージュからドローンまで幅広い音楽性を持っています。また、彼の本職はデザイナーでもあり、そのスタイリッシュなCDジャケなどのデザインはシャープな佇まいをみせています。そんなMarhaugの新作が、本作品である ”Context”です。曲名は全て”Context Part 1”と言うように数字で表され、”Part 1”から”Part 7”までが収録されています(その昔、友人のノイズ・ミュージシャンの1人は曲はできるが、それにタイトルを付けるのが一番難しいと言っていました)。多分、ラップトップを使っていると思われますが、カットアップ・コラージュみたいな使い方はしておらず、割と淡々とした電子音楽/ノイズになっています。曲によってその印象は異なり、割とアンビエントな曲からやや騒がし気な曲まで含まれています。ただ、それでもデジタル独特のややヒンヤリとした音質の音/ノイズ要素がここかしこに感じられます。なので、全体の雰囲気は電子工作音楽のような印象を受けることができますね。そんなに激しくは無く、またハーシュ・ノイズでもないので、デジタル・ネイティブの方はきっと取っ付き易いかもしれませんね。それと.、どうも低音に重きを置いた音作り或いはマスタリングをしているようで、ここら辺も現行のクラブ・カルチャーとリンクするかもしれません。また、幾らデジタルだからと言っても、作られた結果は表情豊かで、有機的ですらあります。正にマジカル‼️とにかく、電子音楽に興味のある方は一度、聴いた方が良いかもしれません。是非是非‼️ B1 “Context Part 4” https://youtu.be/MjO7c8e17bE [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_njN0l8-ghYBr1j6ebdrN-0lMPhWx5FuLQ #LasseMarhaug #Context #SmalltownSupersound #ExperimentalNoise #Experimental #Electronics #LapTop #Digital #Ambient #電子音楽 #SoundDesign
Noise / Experimental Smalltown Supersound 2995円Dr K2
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Strafe Für Rebellion “Der Säemann”
すっかり、このバンドのことを忘れてました。オーストリアのStrafe Für Rebellion (「シュトラーフェ・フュール・レベリオン」と発音?以下SFRと表記)です。メンバーは、Düsseldorf生まれのBernd KastnerとSiegfried Michail Syniugaのデュオで、1979年に結成され、独逸で活動を開始しています。しかし、レコード・デビューは遅く、1983年にセルフタイトルのファーストアルバムをリリース、1990年代中盤にアルバム "Pianoguitar"を出した直後に一旦解散していますが、2014年にアルバム”"Sulphur Spring"で再度、活動を始めています。SFRは自作楽器とかそこら辺に落ちているモノやフィールド録音などを使って、アブストラクトなインスト曲をやるようになります。それで本作品“Der Säemannは彼等の4枚目のアルバムになります。A面B面1曲づつ収録されており、共に、不明瞭な電子音やフィールド録音などをバックに、独逸語のスポークン・ワードなどを前面に押し出した曲が続きます。このナレーションは、Bernd Kastner, Ka Marion Wedrich, M.M. Eckartz, Siegfried Michail Syniugaによるものです。言葉が分かれば、もっと楽しめるのでしょうが、如何せん、独逸語なので、内容までは分からず、少し不完全燃焼な点が残ります。しかしながら、その音声の使い分けなどのテクニックが高度で、中々一筋縄では行かない印象も強く、聴く度に新しい発見のある音楽です。A面よりもB面の方が、より複雑な展開になっていますが、基本的には同じ音構造から成ります。ただ、陽性の音楽では無いので、寝る前とかには聴かない方がいいでしょう。もし、見かけたら、聴いて欲しい一枚だと思いますので、是非とも聴いてみて下さい! A “I” (20:48) B “II” (21:10) A “I” (20:48) https://youtu.be/qurC_n9dl20?si=QXC1F-w4sOGR9FKj #StrafeFürRebellion #DerSäemann #UN #Noise #DarkExperimental #SpokenWords #Narration #BerndKastner #SiegfriedMichailSyniuga #Austria
Noise / Experimental UN 不明Dr K2
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Throbbing Gristle “Journey Through A Body”
第一期Throbbing Gristle (以下TGと表記)の最後の スタジオアルバムです。元々は、1993年に英国MuteのサブレーベルGrey Areaが正式にはリリースしていますが、このアルバムは独逸レーベルのWalter Ulbricht Schallfolienがアンオフィシャルに1982年にリリースしてしまったみたいです。メンバーは、Cosey Fanni Tutti, Chris Carter, Genesis P-Orridge, Peter “Sleezy” Chistophersonといつもの4人です。火葬場を思い起こさせるジャケはまあいつものかとも思いましたが、ピアノなどのアコースティックな楽器音と録り貯めていたテープなどの具体音が中心となった、TGにしてはやや異色なアルバムです。また、A面はリバーブの掛け方が深いので、さながらホラー映画の一場面の不気味さもあります。また、後から気付いたのですが、Genesisのヴォーカルが殆どないのも異質ですね(今までのTGっぽいのはA2 “Catholic Sex (For Paula)”だけですね)。それで、伊ローマでの録音になっていますが、そう言う「場」の違いもあるのでしょうか? テープ音は如何にもTGらしい女性の叫び声などが中心になっており、B3” Oltre La Morte / Birth And Death”ではメロディアスなピアノの独奏に、ひと塩塗すように電子音などが少しだけミックスされています。こんなリリカルなTGの曲は聴いたことないので、貴重な音源だと思います。生楽器中心なので、余計に女性の叫び声などのテープ音が生々しく感じられますが、曲名も、A2 “Catholic Sex (For Paula)”とか、扇情的な面も持っています。レコードでの入手は困難かもしれませんがらです、一度、第一期TGの最後に相応しい「意味あり気な」終末的インダストリアル・ミュージックの最終形態を聴取できると思いますよ。是非! A1 “Medicine” (15:22) A2 “Catholic Sex (For Paula)” (8:10) B1 “Exotic Functions” (4:18) B2 “Violencia (The Bullet)” (8:00) B3 “Oltre La Morte / Birth And Death” (3:27) https://youtu.be/1XXMR2QeCN0?si=2EBd7O17YMeg7RZM [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ncDZ5Y080pXwkm0F9cUQd6V_nsYFciXJ0&si=NV7238jKCyfKLDOK #ThrobbingGristle #JourneyThroughABody #WalterUlbrichtSchallfolien #IndustrialMusic #AcousticMusic #Tapes #Rome #Final #GenesisP-Orridge #CoseyFunniTutti #ChrisCarter #PeterSleezyChristopherson
Noise / Experimental Walter Ulbricht Schallfolien 不明Dr K2
