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Nichts “Aus Dem Jenseits”
独パンクバンドの先駆けDer KFCのTobias Brink (Drs)とMichael Clauss (G)が、Der KFC脱退後に、結成したのが、このNichts(ニヒツ)で、このアルバムはサード・アルバムに当たり、Claussは既に脱退しています。Nichtsのバイオグラフィーは、前回書いてありますし、Labの「私的Neue Deutsche Welle」の独パンクの項目にも書いてありますので、それらをご参照下さい。それで、本作品のメンバーは、Andrea Mothes (Vo, Synth), Steven Keusch (G), Peter Szimanneck (B, Synth), Tobias Brink (Drs)となっており、Klaus Bohlmannとバンドで、共同プロデュースしています。また、ジャケのイラストは、Heseler & Heselerで、カバーデザインは、Erwin Schmidtが手がけており、何となく一貫性を感じますね。因みに、このアルバム “Aus Dem Jenseits (アウス・デム・イェンザイツ;「彼方から」の意)を出した後に、バンドは一度解散し、2009年に、Michael Claussとそれ以外新メンバーで再結成され、2011年に、新録のアルバムを出しています。 それで本作品ですが、先ずA面は、軽快なリズムにポップなメロディのニューウェーブと言うかポップンロールなA1で始まり、小刻みなBとタム多用のドカドカDrsによるポストパンク的曲ですが、サビはキャッチーでノリが良いA2, 何か「青春ポップ・パンク」っぽいA3, キレの良いGを中心に結構、ポップなA4では、間奏のGもカッコ良いです。やや落ち着いたテンポのニューウェーブなA5でもシンセが効いています!迫力あるDrsと細かく刻むGが印象的なA6でA面を閉じています、 一方、B面も、バネのあるリズムながら、やや悲しげなポップソングB1で始まり、スローでGのカッティングの効いてはいますが、中々良いメロディのB2では泣きのシンセも聴取できます。スペーシーななシンセで始まるアップテンポで弾けるニューウェーブ・ソングB3, スパイ映画のような怪しげなメロディのB4では、Gが大活躍しています。ドラムマシンにバネのあるBと怪しげで不安気なシンセのメロディが印象的なインスト曲でタイトル曲であるB5で締めています。 久しぶりにNichtsのアルバムを購入して、聴いてみましたが、こんなにニューウェーブでポップだったかな?と一瞬戸惑いました。しかしながら、これは恐らく、GのClaussが抜けて、新たにSteven Keuschが加入したこと、またシンセを多用していること等も関係しているのかな?と推測しました。決して出来が悪い訳ではなく、寧ろよりポップになっているので、聴き易くなっていると思います。しかしながら、Nichtsはこのアルバムで一旦解散してしまいます。そんな雰囲気を最後の曲B5に感じてしまいました!そんなNichtsの、翳りのあるポップなアルバムを一度、体験してみて下さい!! A1 “Horrorskop” (3:03) A2 “Auf Zeit” (3:00) A3 “Normal” (2:34) A4 “Du Kommst Zu Spät” (2:30) A5 “Verlorene Illusionen” (3:07) A6 “Irgendwann” (2:09) B1 “Liebe” (2:49) B2 “Und Die Flammen...” (3:10) B3 “Halluzination” (2:56) B4 “Zu Schön” (2:48) B5 “Aus Dem Jenseits” (3:29) https://youtu.be/84tYnzThXNg?si=YyRbhC3NtRycXZXW #Nichts #AusDemJenseits #WEA #ThirdAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Punk #NewWave #PopPunk #DerKFC #AndreaMothes #StevenKeusch #PeterSzimanneck #TobiasBrink #Co-Produce #KlausBohlmann
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / New Wave / Punk WEA €25.00Dr K2
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Foyer Des Arts “Von Bullerbü Nach Babylon”
今回は、ベルリンの鬼才デュオFoyer des Arts (フォイアー・デス・アルツ; 芸術のホアイエ)をご紹介します。Foyer des Artsは、マルチ奏者のMax Goldt (マックス・ゴルト)とGerd Pasemann (ゲルド・パーゼマン)のデュオで、両名とも、Aroma Plus (他のメンバーはSimone Mack [Kbd], Günther Donday [B], Peter Pasch [Drs])と言うバンドのメンバーでした。 それでは、Foyer des Artsのバイオグラフィーをもう少し振り下げてみます。1978年に、Max GoldtとGerd Pasemannは、ベルリンの市の雑誌の広告(メンバー募集?)を介して出会い、Aroma Plusを結成し、ライブハウスにも何度か出演して、2枚の自主制作盤(アルバム”Liechtenstein”とシングル”Jokes” / “We Don't Need Rock'n'Roll”)をリリースしています。まだこの頃は、英語の歌詞でした。それで、1981年に、Aroma Plusが解散すると、2人は、Foyer des Artsと言う「プロジェクト名」で、完全即興で制作されたファースト・ミニ・アルバム”Die Seltsame Sekretärin (ゼルトザーメ・ゼクレテリン;「奇妙な秘書」の意)”をAORからリリースします。シングル”Eine Königin mit Rädern untendra”はベルリンではちょっとしたヒットになり、これに目をつけた大手レーベルWEAが、Neue Deutsche Welleの流行りに乗っけて売り出そうし、彼等は、WEAと不当な契約を結んでしまいます。因みに、Foyer des Artsは、基本的には、Max Goldt (Vo. 作詞)とGerd Pasemann (楽器)と言う担当でしたが、アルバムによって、ゲストを沢山入れたりしています。それで、本作品でもあるセカンド・アルバム”Von Bullerbü Nach Babylon (フォン・ブラーブュ・ナッハ・バビロン;「ブラーブュ(スウェーデンの作家アストリッド・リンドグレーンによる児童書に出てくる『騒音村』のこと)からバビロンへ」の意)”をリリースし、社会現象まで引き起こした2枚目のシングル”Wissenswertes über Erlangen (ヴィッセンズヴェルテス・ウーバー・エルランゲン;「エルランゲンの興味深い事実」の意)”がチャート36位まで達し、彼等の最大のヒットになります。しかしながら、その後は、商業的な成功に中々恵まれなかったことで、2人は ZDFヒット・パレード等の、本人達には不愉快なプロモーション活動に出演せざるを得ない状況になりますが、やはり売上は改善せず、 WEA側は最終的に、1986 年までレコード・リリースを拒否、Foyer des Arts の活動を凍結しました。その一方で、WEAは、バンドとの契約を解除することはなかったので、ほぼ完成していたアルバム”Guter Reisewind (グッター・ライズヴィント)”は結局、リリースされませんでした。丁度その頃、Max Goldtはソロ活動も活発化しています。1986年にWEAとの契約が終わると、すぐさま、Foyer des Artsは、アルバム”Die Unfähigkeit Zu frühstücken (ディー・ウンフェーイッヒカイト・ツー・フリューシュトゥッケン;「朝食を食べられない」の意)”のインディー・レーベルFünfundvierzig (フュンフントフィアツィッヒ)からリリースし、再び、また高評価を得られ、1988年に、アルバム”Ein Kuss In Der Irrtumstaverne”と2枚組ライブ・アルバム”A Was Ist Super?”をリリースした後に、2010年と2011年には英国ラジオBBCのJohn Peel sessionに招待されていますが、1989年から長い間、バンドは 音信不通でした。そうして、1995年に「別れのアルバム」とされるアルバム”Die Menschen”がリリースされて、デュオとしてのFoyer des Artsは終わっていますが、その後にも2000年に、ベストアルバム”Könnten Bienen Fliegen - Das Beste Von Foyer Des Arts”がリリースされたり、Max Goldtは2019年に6枚組CDセットのセルフ・コンピレーション“Draußen die herrliche Sonne“をリリースしたりしています。因みに、1990年代には、Max Goldtは、ユーモラスな文章を書く作家として成功しています。 以上がFoyer des Artsのバイオグラフィーになります。それで、メジャー契約第一弾のセカンド・アルバム”Von Bullerbü Nach Babylon”の内容について、少しご紹介します。確認したら、英語の歌詞も数曲混じっていますね。 A面は、女性Voから始まったと思ったら、シンプルなドラムにアコースティックな楽器とBをバックに、Goldtが何か不思議な感じで歌い、途中に劇が繰り広げられるA1で始まり、Drsと言うよりも大太鼓のリズムにトロンボーンのリフや弦楽器のミニマルな旋律をバックに、Goldtがシアトリカルに歌うA2では、逆回転が所々に差し込まれています。これまたミニマルかつ朴訥としたアコースティックな演奏をバックに、女性コーラスと共に、Goldtがダルそうに歌い、やがて熱を帯びて歌うA3, 殆ど弦楽器四重奏のような演奏をバックに、段々と熱を帯びて歌うA4ですが、時にノリが良くなったりして、その差異がまた堪りません。アコースティックな直線的ビートの上で、Goldtが歌い、演じるA5はシンプルながら聴かせてくれます。ダルシマーのような音色の演奏に微かに馬の走るが如きビートが重なり、そこにGoldtが優しく歌うA6では、最後の鉄琴が良いスパイスです。 B面は、ズルズルした音のイントロから、ミニマルなリズムに乗って、弦楽器の軽やかな演奏が繰り広げられ、それと同時にGoldtも歌い上げる芝居がかったB1で始まります。ドラマチックな演奏に呼応するかのようなGoldtのVoも切ないB2ですが、間奏のティンパニ風打楽器の連打が盛り上げています。ちょっと変拍子っぽいDrsに、語り合うように歌うGoldtが楽しそうで、またサビではロッケンロー風にノリも良くなるB3, ブリキを叩いているようなリズムに時々入るリズムマシン、またその上でエキセントリックなVoと寸劇が繰り広げられるB4, そして唐突に始まる縦ノリリズムのノリの良い曲B5ですが、間奏のオルガンとかVlnがポイント高いですし、Goldtも思いっきり歌ってます。シンプルなキックに合わせて、様々な声色で、寸劇的に歌いまくるB6で本作品を締めています。 何と言っても、このアルバムは、当時ならエレクトロニクスを使う所を、敢えて使わずに、メジャーとの契約を良いことに、大胆にアコースティック楽器の演奏者を使って、自分達の音楽をやっている所でしよう。また、エキセントリックなMax Goldtの表現力もさることながら、Gerd Pasemannの作曲能力にももっと注目すべきではないかと感じました!とにかく、シンプルな曲展開なので、一度聴いたら、また聴きたくなるような中毒性を持った曲が本作品には詰まっています。久しぶりに感激したアルバムです!! 寸劇の内容までは分かりませんでしたが、「NDWなんて、どうせシンセ使って、適当に演奏しているだけでしょ?」と思っている方にこそ、聴いて欲しいアルバムです!アコースティックと言っても、トラッドとかフォークロアとは全く違うので、逆に、全電子音楽ファンにこそ聴いて欲しいです! ★A1 “Wissenswertes Über Erlangen” (4:43) Max Goldt (Voice Actor [Reiseleiter, Touristinnenchor, Einzelne Dame], Kaffeebüchsen), Marion Deu Ssing (Voice Actor [Schwatzende Damenwelt]), Miko Lay Czak (Voice Actor [Schwatzende Damenwelt]), Gerd Pasemann (B, G, Voice Actor [Die Wolfsburgerin] ), Turhan Gezer (Congas, Perc), Klaus Walter (Drs [Bums-klatsch Bums-klatsch]), Boris Ballin (Steel-Drs), Jürgen Scheele (Trumpet), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★A2 “Steps Into The Ministry” (3:35) Max Goldt (Vo), Gerd Pasemann (G), Marion Deu Ssing (Back-Vo), Miko Lay Czak (Back-Vo, Timbales), Günter Gasi Friedenberg (B), Klaus Walter (Drs), Paul Gebauer (Trombone), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★A3 “Komm In Den Garten” (4:45) Max Goldt (Zither, Perc, Vo), Gerd Pasemann (G-Solo), Marion Deu Ssing (Back-Vo), Miko Lay Czak (Back-Vo), Günter Gasi Friedenberg (B) ★A4 “Toulouse-Lautrec” (4:18) Max Goldt (Vo), Gerd Pasemann (G), Marion Deu Ssing (Back-Vo), Miko Lay Czak (Back-Vo), Günter Gasi Friedenberg (B), Michael Krayer (Cello), Klaus Walter (Drs), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★A5 “Wolfram Siebeck Hat Recht” (1:58) Max Goldt (Drs, Perc, Voice Actor [Frau Urban, Jens]), Gerd Pasemann (Voice Actor [Frau Dr. Biermann]). ★A6 “Little Girls” (3:12) Max Goldt (Vo, Pixiephon, Flute), Gerd Pasemann (G, Pixiephon, Quäkophon), Turhan Gezer (Perc), Michael Krayer (Cello) ★B1 “Eine Königin Mit Rädern Untendran” (3:52) Max Goldt (Vo, Zither), Gerd Pasemann (B, G), Harry Lyth (Conductor), Matthias Wildenhof (Cello), Michael Brehm (Clarinet), Klaus Walter (Drs), Claudia Barthel (Handclaps), Irmgard (Handclaps), Donder (Handclaps), Petra Leupold (Handclaps), Simone Mack (Handclaps), Dinah Backhaus (Vln), Jan Van Schaik (Vln) ★B2 “Olympia” (4:32) Max Goldt (Vo), Gerd Pasemann (G, Xylophone), Günter Gasi Friedenberg (B), Klaus Walter (Drs, Timbales), Wolfgang Loos (Piano), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★B3 “Trends” (3:24) Max Goldt (Vo), Gerd Pasemann (G), Nino Hiemann (B), Hans Schumann (Drs), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★B4 “Familie Und Beatmusik” (1:45) Max Goldt (Voice Actor [Vater, Sohn], Perc), Gerd Pasemann (G, Voice Actor [Mutter]), Günter Gasi Friedenberg (B, RhythmMachine), Klaus Walter (Drs) ★B5 “Schön Bunt” (5:00) Max Goldt (Vo), Gerd Pasemann (G), Nino Hiemann (Fretless-B), Hans Schumann (Drs), Joachim Strieben (Organ), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★B6 “Hubschraubereinsatz” (1:50) Max Goldt (G, Grundbeat, Vo), Hans Schumann (Bass-Dr, Synth-Dr) B2 “Olympia” (4:32) https://youtu.be/pFt6crdWJbU?si=JZoVZ7LGEgmcHRdF [full album (remasteringも含む)] https://youtube.com/playlist?list=PLVT6eUQesofFh7o7dRboUta5GBlQQoSnz&si=8SqYWMYrkHDR7LBu #FoyerDesArts #VonBullerbüNachBabylon #WEA #SecondAlbum #Berlin #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop #AcousticSounds #TheatricalVocal #VoiceActors #MaxGoldt #GerdPasemann #Guests #MarionDeuSsing #MikoLayCzak #TurhanGezer #KlausWalter #BorisBallin #JürgenScheele #AgnesSteinVonKamienski #JanVanSchaik #UlrikeKönig #GünterGasiFriedenberg #PaulGebauer #MichaelKrayer #HarryLyth #MatthiasWildenhof #MichaelBrehm #ClaudiaBarthel #Irmgard #Donder #PetraLeupold #SimoneMack #DinahBackhaus #WolfgangLoos #HansSchumann #NinoHiemann #JoachimStrieben
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Electro Pop / Experimental WEA €47.88Dr K2
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Tauchen-Prokopetz “DÖF”
このレコードも、何処かで見たことがあるなぁと思い、また、よくよく見たらHumpe姉妹の名前もあるので、購入しました。それで、Tauchen-Prokopetz (タウヒェン-プロコペッツ)とDÖF (ダー・エー・エフ)のどちらがバンド名かも分からなかったのですが、DÖF (Deutsch-Österreichisches Feingefühl; ドイッチュ・エステライヒッシェス・ファインゲフュール「ドイツ語-オーストリア語の感性)」の意味)は、1980 年代のオーストリアと独NDWのポップ バンドのことで、1983 年のシングル”Codo … düse im Sauseschritt”で最もよく知られるようになったとのことです。このバンド(取り敢えず、ここではTauchen-Prokopetzとしておきます)は、オーストリア人コメディアンJoesi Prokopetz (ヨエジ・プロトペッツ)とManfred O. "Fredi" Tauchen (マンフレッド・オー・’フレディ’・タウヒェン)の2人に、独NDWのミュージシャンAnnette HumpeとInga Humpeが加わったのが、基本メンバーのようです。それで、彼等のファースト・アルバムでもある本作品は、独逸の標準語とオーストリア方言の混ざった歌が少しだけ収録されていますが、これが大ヒットし、独逸語圏だけで50万枚以上も売れたらしいです。また、先述のシングル”Codo … düse im Sauseschritt”も、欧州で大ヒットし、独、オーストリア、蘭のチャートで 1 位になり、100 万枚以上も売れ、独では 5 週間チャート 1 位を維持しています。因みに、この”Codo”と言う言葉は、”Cosmic Dolm ”から来た造語で、「宇宙の馬鹿者」の意だそうです。この曲の英語版”Cojdoj the flying Schissel”は、シングル”Love Me”の B 面としてリリースされています。その後、シングル"Taxi" (1983年)や"Uh-uh-uh mir bleibt die Luft weg" (1984年)も出していますが、1985年に、シングル”Tag und Nacht”と、Manfred TauchenとRaphaela Dell (ラファエラ・デル)だけで制作したセカンド・アルバム”Tag und Nacht”を出して、バンドは解散して、其々の道を進みます。 以上が、Tauchen-Prokopetzのバイオグラフィーとなります。それで、彼等のファースト・アルバムである本作品では、Annette Humpe(作曲; A4-A6, A8, B1-B4, B7), Joesi Prokopetz(作曲; A4-A6, A8, B1-B4, B7), Manfred O. Tauchen(作曲; A4-A6, A8, B1-B4, B7)で、Georg Januszewski (作詞; A8, B1)及びJoesi Prokopetz (ワード; A1, A9, B6), Manfred O. Tauchen(ワード; A1, A9, B6)が作詞・作曲に携わっており、演奏は、Peter ‘Fidschi ‘Vieweger (G), Thomas Rabitsch (Kbd), Christian Teuscher (Kbd, Effects), Woody (Marimba), Robert Bistracher (B), Peter ‘Animal’ Kolbert (Drs, Perc)が担当しています。更に、A3は、仏のシンガーソングライターMichel Polnareff の曲をAnnette Humpeがアレンジして、Romy Haag (女性Vo)がゲスト参加で歌っています。また、A6ではChor Der Wiener Singakademie (Choir)が、A8ではAina (女性Vo)が、B2ではRoswitha (女性Vo)でゲスト参加しています。そして、アルバムとしては、Gareth JonesとRichard Österreicher Jun (A1, A5, A9, B4, B6)がミックスを、Annette Humpeがプロデュースしています。それで内容の方なんですが、最初、スポークン・ワードで始まり、寸劇調なのかとも思いますが、短いながらもノリの良いAから始まり, 疾走感溢れるA3のカバー曲や似非アラビアンなA4はちょっとひねったポップの名曲だと思います。また、ワルツのリズムから突然疾走するA6やマリンバが効果的なしっとりしたA7, そして、野太い男性Voと女性コーラスの対比が素晴らしいB1, コミカルなVoとポップネスが堪らないB2, 寸劇の後にしっとりしたブルースが流れるB3, 生ピやヴァイオリンのバックにシアトリカルなVoが乗るB4, またA2と同じCM的なB5, 結構ロッケンローと言うか、ちょっとしっとりしたブルースロック的なB7で締めます。途中に、TauchenとProkopetzによる、如何にもな西洋的コミカルな寸劇(内容は独逸語で書いてありますが、良く分かりませんが、ペットショップでの出来事についてのようです)が挟まれますが、のほほんとしながらも捨て曲無しの隠れた名盤です。しかも、NDW特有のユーモアもそこここに感じられる出来で、流石、Humpe姉妹が関係しているだけのことはあると思える納得の1枚です。個人的には、当時ヒットしたB1よりA面の方が好みですが、まぁそれは人それぞれと言うことで。特に、Humpe姉妹好きな方にはお勧めです! A1 “In Der Tierhandlung, 1. Folge” (0:53) A2 “DÖF” (0:09) A3 “Love Me” (3:34) A4 “Arafat” (3:29) A5 “Arbeiter” (2:53) A6 “Deutsches Mädel” (2:55) A7 “DÖF” (0:09) A8 “Josef” (3:32) A9 “In Der Tierhandlung, 2. Folge” (3:38) B1 “Codo” (5:11) B2 “Taxi” (3:11) B3 “Trude” (3:10) B4 “L. Hirschinger” (2:42) B5 “DÖF” (0:08) B6 “In Der Tierhandlung, 3. Folge” (2:14) B7 “Anka” (4:07) A3 “Love Me” (3:34) https://youtu.be/vpYDWZ_bzkk?si=LA6I4A98S-UtE-ep [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLXPuq2DUhycNOdoI7KnC81xR0lp62kjEP&si=ajbfz9DErzwucK3J #Tauchen-Prokopetz #DÖF #WEA #FirstAlbum #AustrianComedians #GermanNewWaveMusicians #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SpokenWords #NewWave #PopMusic #Comical #Deutsch-ÖsterreichischesFeingefühl #Single #CododüseimSauseschritt #JoesiProkopetz #ManfredO.Tauchen #AnnetteHumpe #IngaHumpe #GeorgJanuszewski #Peter‘Fidschi‘Vieweger #ThomasRabitsch #ChristianTeuscher #Woody #RobertBistracher #Peter‘Animal’Kolbert #Guests #RomyHaag #ChorDerWienerSingakademie #Aina #Roswitha
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Electro Pop WEA €4.00Dr K2
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Joachim Witt “Silberblick”
私は、このアルバム、結構前に購入したのですが、中々、聴けなくて、半年位経ってしまいました。また、これは、狙って購入した訳ではなくて、海外通販の時に、ついでに購入したものなんです。だから、素性は全く知らなかったので、ちょっと調べてみました。 Joachim Witt (ヨアヒム・ヴィット)は、ハンブルク生まれの独ミュージシャン/プロデューサーで、1980年代の独ポップシーンで、何度かビッグ・ヒットを飛ばし、NDWで最も成功したアーティストだそうです(多分、NenaとかFalcoなんかと同様のメジャー・シンガーかな?)。それで、彼は、1970年代には、クラウトロック・バンドDuesenberg (デュエゼンベルク)で、Vo/Gを担当しており、3枚のアルバムを1977年〜1979年に出しています。その後、Wittは、歌手兼俳優となり、ソロ活動に転じています。その後1980年頃になると、独ではNDWが勃興し、その中でも、独メジャー・ポップシーンで、”Goldener Reiter"等のビッグ・ヒットを飛ばし、所謂、NDWで最も成功したシンガーとなります。1990年代には、独で有名なシンセ・ポップ・グループWolfsheim (ヴォルフシャイム)のVoであるPeter Heppnerとのデュエット曲”Die Flut”でメジャー・ヒットを飛ばし、2度目のカムバックを果たします。1998年にリリースしたWittの8枚目のアルバム”Bayreuth 1"は、独/オーストリアでプラチナ・ディスクを獲得し、その2年後には、9枚目のアルバム”Bayreuth 2”をリリースします。その間にも、独エレ・ポップ・グループPurwien以外にも、Apocalyptica, Oomph!, Angelzoom, Tilo Wolff of Lacrimosaと言ったグループともコラボしています。そして、2000年には、ベルリンのユーロダンス・グループX-Perienceは、Wittとのデュエット曲"The Meaning of Life"を含むアルバム”Journey of Life”を出しています。この頃には、Wittにはゴス的イメージもあったようです。Wittは、2004年には、Angelzoomの”Back In The Moment”のMVに、2007年にはPurwienの”Alle Fehler”のMVに出演さています。そして、Wittは、2007年8月31日に、ベスト盤的セルフ・コンピレーション・アルバム”Auf Ewig”をリリースしますが、これには、1980年代に大ヒットした曲"Goldener Reiter"と "Herbergsvater"の撮り直し新作ビデオやインタビューを収録したDVDが付いていたとのこと。200万枚が完売しています。2009年以降、Wittは、Sara Noxxのシングル”Earth Song”のリミックスを始めとする他のアーティスト/グループの楽曲のリミックス・ワークを手がけ始めます。その後、Wittは、MySpaceやiTune等の音楽プラットホームやFB等のSNSを活用した活動も無い開始しつつ、アルバムも着実に出しており、現在も現役で活動しています。 と言うのが、Joachim Wittの略歴になりますが、多分、コアなNDWマニアからすると、世界的なヒット曲を生み出したNenaやFalcoと同じような「メジャー系」NDWのような立ち位置で、恐らく、他のインディーズ系NDWとは一線を画した、寧ろ、日本で言うところの「歌謡曲」的ではなかったのではないでしょうか。と言う背景も踏まえて、本作品を紹介していきたいと思います。本作品は、Wittのソロとしては、ファースト・アルバムで、リリースされたのが、1980年であり、丁度、NDWの流行の風が吹き荒れていた時期でした。そんなこともあって、彼は「NDWのアーティスト」と認識されていたのでしょう。この時のメンバーは、Joachim Witt (Vo, G, Organ, Synth)の他に、Harald Grosskopf (Synth), Harald Gutowski (B), Jaki Liebezeit (Drs)であり、何と!CanのJaki Liebezeitも参加しています(これは1970年代のクラウドロック時代での繋がりでしょうか?)! と言う訳で、各曲について其々ご紹介していきましょう。 ★A1 “Kosmetik (Ich Bin Das Glück Dieser Erde)” (6:19)は、何かちょっとコミカルな弾むようなリズムに乗って、大仰なVoが入る曲なのですが、サビは逆にキャッチーで中々良い感じに仕上がっています。また、思ったより電子音は目立たないですね。 ★A2 “Goldener Reiter” (4:41)は、直前的なGとかの刻みで始まりますが、中々メロディ・ラインも良い曲で、途中の女性コーラスやテケテケGも良いスパイスです。間奏での変調Voは独っぽい「おふざけ」ですね。 ★A3 “Der Weg In Die Ferne (Heaven)” (4:16)は、アコギも含む落ち着いた曲ですが、その分、柔らかいシンセのコード弾きやしっとりしたVoが映えています。全体の印象としては、朴訥な感じですが、WittのVoは最後に羽目を外します。 ★A4 “Meine Nerven” (5:35)は、割とニューウェーブな曲調で、途中で入ってくる怪しげなシンセや間奏のシンセソロもグーです。サビも良く出来ていますし、Voの表現力もレベルが高いです。 ★B1 “Ich Hab' So Lust Auf Industrie” (4:25)は、跳ねるようなポップ・ソングで、Wittの芝居掛かったVoには好き嫌いが分かれそうですが、ビコったKbdやサビでのVoは面白いですね。 ★B2 “Mein Schatten (Na, Na, Na, Du Bandit, Du)” (3:59)では、突進するようなリズム隊に、ニューウェーブなシンセと引き攣ったようなVoが組み合わさっており、もう完全に「ニューウェーブ」ですよ!世界共通の!8 1/2とかFilmsとか。 ★B3 “Ja, Ja…” (3:30)は、やや硬い感じのボレロ調の曲で、Wittもやはりオペラチックに歌っています。間奏のシンセやサビでのKbdは、ニューウェーブ好きにはグッときますね。 ★B4 “Sonne Hat Sie Gesagt” (9:00)は、Neu!のようなハンマービートに、囁くようなVoやシンセのメロディなんか乗ってきて、これはKlaus Dingerの音楽を歌謡曲化した曲ではと思いますが、サビはちょっとうるッと来る程、カッコ良いです。なので、この曲は、Neu!等のクラウトロックと(NDWと言うよりも)ニューウェーブとのミッシングリンクですね。 最初は、「まぁメジャー系だから」とタカを括っていたのですが、凄く派手では無いにも関わらず、Wittの作曲能力とVoの表現力に、元々ニューウェーブ好きの私は、正直ちょっとヤラれてしまいました。アルバム全体の印象は、聴く前はもっとエレ・ポップ的なものを想像していたのですが、実際には、キャッチーなコード進行と多幸感溢れるメロディとちょいとしたシンセのアクセントに、シアトリカルなVoがハマると言う「1980年代前半のポップ・ミュージック」の王道とも言える作品でした。多分、この頃に、ニューウェーブの洗礼を受けたリスナーさんには、私が言っていることが分かると思います。まぁ、1周、2周回って、この1980年代風ニューウェーブにハマる若い方もいると思いますので、気になる人は聴いてみてくだ!なお、ゴスの要素はここでは皆無です。 A4 “Meine Nerven” (5:35) https://youtu.be/Vlc8xA6WsZU?si=WsLFS7ISkDuITKij [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kesLr8CG2BpuRKMZGIafEHgiLkcQxYAhQ&si=llJtPG-m4QP_RDSa #JoachimWitt #Silberblick #WEA ##FirstSoloAlbum #GermanPopsScene #NewWave #PopSongs #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Major系 #TheatricalVocal #Duesenberg #HammerBeats #HaraldGrosskopf #HaraldGutowski #JakiLiebezeit
Electro Pop Music / Neue Deutsche Welle (German New Wave) WEA 不明Dr K2
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Arno Steffen “Schlager”
私は、正直、Arno Steffen (アルノ・シュテッフェン)なるアーティストについては何も知らなかったんです。ただ、小柳カヲル氏著書「クラウトロック大全」で、Conny Plankと同じ頁に載っていたことで、興味を持ちました。それで、ちょっと調べてみました。 Arno Steffenは、独ケルン生まれの作曲家/演奏者で、彼の最初の学生バンドは、1970年結成のStellar Overdriveで、その後、1977年結成のJennifer、その後1977-1978年にはSuiciyde Ampheta (スイサイド・アンフェタ)をやっていましたが、その後1979年に加入したDie Zeltinger Band (ディー・ツェルティンガー・バンド)で、これは、巨漢VoのJürgen Zeltinger (ユルゲン・ツェルティンガー)のバンドで、Zeltinger自身、無理矢理メン募したり、誰でも気に入れば一緒に演奏したがったりと割と強引にメンバーを集めていました。その後、Steffenは、プログレ・バンドTriumvirat (トリウムウィラート)に加入しています。1983年に、Steffenは、ソロ・シングル”Supergut, ne”と、本作品でもあるソロ・アルバム”Schlager (シュラーガー)”をリリースしていますが、これらの作品は、最初の市販のサンプラーであるEmulator IIだけを使って作成されており、ギタリストとしては奇異な感じに受け止められています。これらの作品をキッカケに、Steffenは、Dieter Möbius (Cluster)やConny Plankと共に、Goethe-InstitutやAround the Globe及びWestworldの要望で、アートと音楽の為のパフォーマンスや映画音楽に注力するようになります。特に、映画”Tatort”と”Das Wunder von Lengede”のサントラを担当したことは好評でした。彼は、1993年に、クラウドロック、ニューウェーブ、ポストパンク、インディーロックで国際的に活動しているグループ/ミュージシャンをケルンに集め、様々な構成で作曲して、録音をしていますが、この模様は、ドキュメンタリー映画”Freispiel (フライシュピール)"に収録されており、長い間お蔵入りしていましたが、2021年に、「ケルン映画祭」でお披露目されています。その後、Steffenは、Jürgen Klauke (ユルゲン・クラウケ)と共に、幾つかの「ケルン-サンプラー」を作っており、Rolf LammersとTommy Engelと共に、L.S.E.と言うバンドを結成しており、これは彼にとっての最後のバンド・プロジェクトとなります。 以上が、Arno Steffenの略歴となりますが、本作品は、先述したように、サンプラーをフルに活用して、作成された音楽で、その音源は、ケルン動物園、ドイツ連邦鉄道の工場、ケルンの路上の音から収集されており、楽器やシンセ等は使用されていません。なお、このアルバムには、12 x 12 インチのインサートが 2 枚付属しており、1 つはオリジナルのドイツ語インナースリーブの両面を複製しており、もう 1 つは日本語のメモからなります。そして、本作品の参加者は、Christa Fast (Vo [A1, A2, A5|), Jürgen Klauke (Vo [A5]), Mascha Ohlow (パーティーケラーの娘役の声 [B5]), Arno Steffen(Singing Vo), Cay Wolf (Singing Vo), Conny Plank (低音Vo)であり、プロデュースは、Arno SteffenとConny Plankが共同でやっています。それでは、各曲(折角の日本盤なので、邦題も併記しておきます)についてご紹介していきましょう。因みに、Steffenは、1986年にDieter MöbiusとConny Plankと共に中南米ツアーもやってあります。 ★A1 “Hörprobe/試聴” (1:07)は、メトロノームのような電子音にパンされた複数の女性Voが点描されている曲です。 ★A2 “Schlager/流行歌” (3:55)は、強力なキックによるビートに叫び声や怒号等のスライスされた音片が乗り、更に、その上にSteffenのVoが挿入されるダンス・ミュージックですが、これが全部サンプラーで作られているのかと疑う位、ポップです。ミックスも最高! ★A3 “Berg In Flammen/炎の山” (4:09)は、反復するキックから成るビートに、象の鳴き声〜ガラスの音〜息切れ音等から成る音がバックを構成し、Steffen?のVoが挿入される曲で、音響構築が素晴らしい! ★A4 “Säubert Das Reich/権力を追放せよ” (3:36)は、アンサンブル音がサンプリングされてバックを堅める前で、サンプル音なのかな?プロパガンダ風の演説と混成コーラスが響き渡る強力な曲です。 ★A5 “Pearl Harbour/真珠湾” (4:19)は、一転、モゾモゾとした正体不明な音と大人し目なキックに、男性の語り口調Voが乗る曲で、知らない間に飛行機の飛昇音らしい音や女性の笑い声も混入されてきます。 ★B1 “Somewhere/どこかに” (4:49)は、静かな森の泉のようなイントロから、鳥の鳴き声やリズムっぽい打撃音や正体不明な柔らかい ドローン音をバックに、女性Voがエモーショナルに歌い上げています。 ★B2 “Supergut (Ne?)/超最高じゃねぇか⁈” (2:18)は、女性Voの反復するフレーズと同期したキックによるや」ユーモラスな音、そしてスクラッチ音も交えて、「最高」な音楽を聴かせてくれます。 ★B3 “Ba Ba/ふんふん” (3:47)は、反復するドラムマシン?のビートに、女性のうめき声や男性のコーラス等を同期させた曲で、どれがメインのVoかもよく分からないまま、進行していきます。バックには正体不明音も流れています。 ★B4 “Tanz Du Wanz/さわぎ過ぎ、踊れ” (3:44)は、反復するダンサブルなドラムマシン?のビートに、同期した女性コーラスや他の正体不明音による「リフ」が乗り、更に男性Vo隊がメインを張っている曲で、中々複雑な曲なのだか、充分に踊れます。 ★B5 “Partykeller/パーティの地下酒場” (4:02)は、いきなり場末の酒場っぽい雰囲気の環境音で、時折、遊園地っぽい音も聴取されるノンビートの曲で、このアルバムを締めるのに相応しい。 何だろう?映画的な音楽なのかな?1曲の中にストーリーがあり、そして、また1曲も1シーンとしてお互いの曲が次の曲に繋がっていく、そんな映画を観ているようなアルバムです。そう言う意味では、かなりのレアな極めて視覚的な音楽です。サンプラー(Emulater II)を駆使して作成されたとのことですが、やっぱりHolger Hillerのソロと比較してしまいますね。正直言って、Steffenの方が、スムースに情景が頭に思い浮かびます。それは、具体音の使い方であって、優劣ではなく、Steffenの音楽はより具体性を意識しているのだと思います。そう言う意味では、Hillerとは、サンプリング仕方とか対象とかが違うのでしょう。色々とサンプリング音楽のあり方を考えさせられてしまいましたが、Steffenのこのアルバムは一度聴いておいた方がよいですよ!加えて、この具体音から成るポップ・ミュージックにダンサブルな音響面で、Conny Plankのエンジニアリングが与えた影響は非常に大きかったと思います。 https://youtu.be/NrYBIds6uC0?si=4G7-3ppGSntduSqv [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLLvdvodyj3fKUwODddXwDBTUmEr9EVzhf&si=JuAXmrjLsydtRoqT #ArnoSteffen #Schlager #WEA #日本盤 #1983年 #GermanNewWave #Experimental #Electro #SamplingMusic #Emulator-II #FieldRecording #PopMusic #Co-Producer #ConnyPlank #GuestVocal #ChristaFast #JürgenKlauke #MaschaOhlow #CayWolf
Electro / Experimental / German New Wabe WEA 2300円Dr K2
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Joachim Witt “Silberblick”
これも、海外通販での送料分として、ついでに購入してしまった謎物件ですが、どうも独音楽界の大物らしいです。なので、ちょっと調べてみました。 Joachim Witt (ヨアヒム・ヴィット)は、1949年のハンブルク生まれで、1970年代には、クラウトロックバンドDuesenbergのVo/Gとして、3枚のアルバム”Duesenberg (1977年作)”, “Duesenberg 2 (1978年作)”, “Strangers (1979年作)”に参加しており、その後に、ソロシンガー兼俳優となっています。そうして、1980年代には、”Herbergsvater”や”Der Goldene Reiter”のヒット曲で、独ポップミュージック界の大物歌手になり、同時に、NDW界でもNenaやFalco等のメジャー系NDWシンガーをサポートしていたようで、その世界では一番の大物とされています。その後、1990年代には、独のポップ・グループWolfsheimのヴォーカリストPeter Heppnerとのデュオで、”Die Flut”と言うヒット曲を飛ばし、8枚目のソロアルバム"Bayreuth 1(1998年作)”は、独とオーストリアでプラチナ・ディスクとなっています。その2年後には、連作アルバム"Bayreuth 2"もリリースし、フィンランドのシンフォニック・メタル・バンドApocalyptica, 独のニューハード・メタル・バンドOomph!, ユーロダンス・ミュージック・バンドX-PerienceのシンガーAngelzoom, スイスのゴシックメタル・バンドLacrimosaのTilo Wolffともコラボしていますし、最近では、独エレ・ポップ・バンドPurwienとも一緒に活動しています。その後、Angelzoomの2004年のMV”Back In The Moment”やPurwienの2007年のMV”Alle Fehler”にもフィーチャーされていたりします。2007年8月には、ベスト盤”Auf Ewig”もリリースし、2009年になると、Sara Noxxのシングル”Earth Song”のリミックスや仏のインダストリアル・ロック・バンドObszön Geschöpfのアルバム”Erection Body Mutilated”からの1曲をリミックスしたり、リミキサーとしても活動しています。その後、インダストリアルな作風のアルバムも出していますが、2014年4月にリリースされたアルバム”Neumond”では再びポップミュージックに回帰しています。そして、2015年に、アルバム”Ich”を出して、2023年にリリースされた最新アルバム”Der Fels In Der Brandung”では、ゴス・ロックとも評されており、70歳台になった今でも活発に活動しているとのことです。 以上が、Joachim Wittの略歴ですが、意外と独芸能界の大御所なんですね。ビックリです!そんなWittのファースト・ソロ・アルバムが、今回、ご紹介する作品”Silberblick”なんです。そして、参加者は、Joachim Witt (Vo, G, Organ, Synth)の他に、Harald Grosskopf (Synth), Harald Gutowski (B), Jaki Liebezeit (Drs)もサポートしています(流石、出自がクラウドロックだけに、ドラムはCanのJaki Liebezeitがやっていますね)。内容的には、両面共4曲ずつ収録されています。それでは、各曲を紹介していくことにしましょう。 A1 “Kosmetik (Ich Bin Das Glück Dieser Erde)” (6:19) A2 “Goldener Reiter” (4:41) A3 “Der Weg In Die Ferne (Heaven)” (4:16) A4 “Meine Nerven” (5:35) B1 “Ich Hab' So Lust Auf Industrie” (4:25) B2 “Mein Schatten (Na, Na, Na, Du Bandit, Du)” (3:59) B3 “Ja, Ja…” (3:30) B4 “Sonne Hat Sie Gesagt” (9:00) A2 “Goldener Reiter” (4:41): MV https://youtu.be/DTFh2dnYy8Q?si=Wn3e2gGDLprQNf31 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kesLr8CG2BpuRKMZGIafEHgiLkcQxYAhQ&si=wb4VzRvjyOF2XMuV #JoachimWitt #Silberblick #WEA #1980年 #FirstAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PopRock #ElectroPop #Synthesizers #Nena #Falco #Guests #HaraldGrosskopf #HaraldGutowski #Jaki Liebezeit #DieFlut #PeterHeppner #Remixer #industrialMetal #PopMusic #GothRock
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Pop Rock WEA €5.00Dr K2
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Humpe Humpe “ Humpe・Humpe”
Humpe Humpe (フンペ・フンペ)。これは、以前に紹介したNeue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)の真っ只中にいたバンドNeonbabiesで、VoとKbdを担当していた実の姉妹Annette Humpe (Anita Spinettiと名乗っていた)とその妹Inga Humpe (Inga DiLemmaと名乗っていた)が、その後1980年〜1983年に在籍していたバンドIdealを経て、更にその後1983年〜1985年に在籍していたバンドDeutsch-Österreichisches Feingefühl (因みにこのバンド名はDAFを文字ったもので、2枚のアルバムを出しています)を経て、姉妹だけで1985年に結成したデュオのことです(因みに、IdealのメンバーはTrioとも仲が良く、特にAnnetteは彼等の曲にコーラスでゲスト参加もしたりもしています)。彼女らは、1987年にデュオを解消するまでに2枚のスタジオ・アルバムを制作し、中でもシングルカットされた”Careless Love”は独シングルチャート24位まで上りました。独国内では、Inga & Anete HumpeとかHumpe Humpeとして知られていましたが、英国では、英語でHumpeが隠語を意味することからSwimming with Sharks (彼女らのセカンド・アルバムの表題でもあります)として知られていたそうです。1987年頃には、彼女達は、独国外、特に英国を意識していたこともあり、セカンド・アルバムからシングル"Careless Love"と"No Longer Friends"は、BBC Radio 1で盛んに放送されていましたし、英国の音楽誌も強くプッシュしていましたが、英国チャートには反映されませんでした。デュオを解消してからの2人の動向ですが、姉のAnnetteは、1990年に初のソロアルバム”Solo”をリリースしたものの、1997年〜2002年の間、表舞台から退く形で、作曲やプロダクションなどに携わっていました。その後、2004年に、Adel TawilとIch + Ichと言うデュオを結成し、独では結構成功しています。一方、Ingaの方は、TrioのStephan RemmlerやMark Almond等の他のアーティストのバック・ヴォーカル等を行いながら、1990年には自身のソロアルバム”Planet Oz”をリリース、またBamby名義で、アルバム”Walls of Sugar”もリリース、その後、1994年には、Kylie Minogueの為に”Automatic Love”を作曲したり、また、Andreas DorauがプロデュースしたHumpeのアルバムを聴いたことで、1993年から付き合い出したTommi Eckartとは、2000年にBerlinで2raumwohnung成るエレクトロ・ポップ・デュオを結成し、現在も現役で活動しています。 と言うのが、Humpe姉妹の流れですが、本作品について紹介しましょう。彼女らは、それまでのバンドでも曲は書けましたので、多少の他者との共作はありますが、全曲彼女らの作曲となっています。また、A3, A4, B2, B4, B5は、Conny Plankが、A1, A2, A5, B1, B3 はRoma Baranがプロデュースしています。内容は両面とも5曲ずつ収録されていますが、それぞれの曲で、バック・ミュージシャンを従えて、両姉妹(特にIngaの方)がVoを取る形となっていますが、歌詞が2曲以外全部英語なのはちょっと残念ですね。それでは、各曲について紹介していきます。 ★A1 “3 Of Us” (3:39)は、強力なドラムマシンと生Drsに、ゴージャスなシンセとIngaの舌足らずなVoが乗る曲で、メジャーでも通用しそうな程、キャッチーです。 Inga Humpe (Lead-Vo, Kbd, Vo), Annette Humpe (Vo), Simon Jeffes (Megaphone-Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), David Van Tieghem (Drs), David Collard (Kbd), Ingo Bischoff (Kbd), Jeff Bova (Kbd) Klaus Buhlert (Kbd). ★A2 “Happiness Is Hard To Take” (3:56)は、独特な音色のキックのリズム隊に、Annetteの渋めなVoとサビでの姉妹のコーラスワークが映える曲で、極上のポップスに仕上がっています。MuteのDaniel MillerやDepeche ModeのMartin Goreも参加。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd, Vo), Inga Humpe (Vo), Alistair McMordie (B), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Gerd Paseman (G) Peter Viehweger (G, Whistle), Martin Gore (Kbd), Roma Baran (Kbd), Daniel Miller (Synth). ★A3 “Memories” (5:02)も、ゴージャスでキャッチーなシンセ・ポップスで、ちょっとだけ変調したIngaのVoと姉妹のコーラスは素晴らしいです。Drsを中心としたスケール感も大きく、これなら非独語圏でもヒットするのでは?と思ってしまいます。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (Mandolin). ★A4 “Can't Leave The Pool” (3:43)は、姉妹揃ってのユニゾンVoが優しく響く、やや落ち着いた曲で、また、サビでの息の合った掛け合いは素晴らしいです。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd), Inga Humpe (Lead-Vo), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). ★A5 “Don't Know Where I Belong” (3:36)も、姉妹揃ってのVo(ひょっとするとIngaが声を重ねている?)で語るように歌う、落ち着いた曲で、最後に入ってくるドラムマシンも良い塩梅です。この曲にもMartin Goreが参加していますが、音は分からなかったです。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Simon Jeffes (G), Martin Gore (Toy Kbd). ★B1 “Yama-Ha” (2:45)は、タイトルから分かる通り、あの「ヤマハ」ですが、日本企業の名前を連呼するVoと若干の和風な/琴のようなKbdの音色にちょっとズッコケます。しかし曲自体はキャッチーですね。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd), Inga Humpe (Lead-Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Simon Jeffes (G), Peter Vieweger (Hoo Ha). ★B2 “Geschrien Im Schlaf” (3:30)は、NDWっぽい曲調ですが、Ingaの可愛らしいVoは世界に訴えられるのでは?またAnnetteのKbdも凄くて、引き込まれます。この曲は独逸語の歌詞です。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). ★B3 “Yo No Bailo” (2:56)でも、舌足らずなIngaのVoがキッチュで、ホーンやPercとの合わせもトロピカルで、極上のポップスです。この曲の歌詞は英語でも独逸語でもないですね。伊太利語? Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Peter Vieweger (G, Piano), Phenix Horns (Horns), Sue Hadjopoulos (Perc). ★B4 “Belle Jar” (3:43)では、御大Conny Plank自ら組んだシーケンスに対して、堂々と歌うHumpe姉妹のVoも力強いです。サビなんかは、Eurythmicsにも匹敵する位です。 Annette Humpe (Lead-Vo), Inga Humpe (Lead-Vo), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G), Conny Plank (Sequence). ★B5 “You Didn't Want Me When You Had Me” (4:18)は、再び落ち着いた雰囲気の曲調で、やや気怠く歌うIngaのVoとHumpe姉妹でのコーラスなんかは本当にメジャー級です。AnnetteのKbdもツボを押さえています。珍しく、Gが弾きまくってますね。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). と言う訳で、それまでNeonbabies〜Ideal〜DÖFとNDWの中で活動してきたHumpe姉妹が、実はメジャー級の作曲能力や歌唱力を持っていたと改めて納得しました。まあ、これには賛否両論あるとは思いますが、ポップ・ミュージックとしては本当に良く出来たアルバムだと思いますよ。個人的には、独語の歌がもっと聴きたかったですね。皆さんも機会があれば、是非聴いてみて下さい❗️(それにしてもB1 “Yama-Ha”の破壊力は凄かったw) B1 “Yama-Ha” https://youtu.be/JAuftdVhiGg?si=PpbDxb4QGdprHOF6 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mtBKKO7xuQlP6BKb7lbdakT69meIlLi9A&si=KmFW_FJPhbStbpfv #HumpeHumpe #Humpe・Humpe #WEA #FirstAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #Vocals #Synthesizers #Neonbabies #Ideal #DeutschÖsterreichischesFeingefühl #AnnetteHumpe #IngaHumpe
Electro Pop / Synth Rock WEA 不明Dr K2
