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Peter Baumann “Trans Harmonic Nights”
元Tangerine Dream (1971年〜1977年間在籍)のシンセ奏者で、プロデュースや作曲も手掛けるPeter Baumannのソロアルバム第二弾”Trans Harmonic Nights”を今回はご紹介します。彼のバイオグラフィーは前回、書きましたので、今回は省略させて頂きます。今回のソロアルバムでは、Peter Baumann以外に、Wolfgang Thierfeldt (Drs)とBernhard Jobski (Horn)がゲスト参加しています。録音・制作は、Berlinにある彼自身のスタジオParagon Studioで行われていますが、ここは、Conrad Schnitzler先生も良く利用していますね。Baumannのセカンドは、両面4曲ずつ収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “This Day” (5:10)では、徐々に立ち上がるシーケンスとキックに柔らかなGとシンセが次第に絡んで、更にはVocoder-Voまで挿入され、またGも!何とも落ち着いた雰囲気の曲になっています。 ★A2 “White Bench And Black Beach” (5:30)も、落ち着いたリズム隊(ドラムマシン?)に、簡素なシンセによるメロディと思っていたら、劇的に生Drsとピアノとシンセによって躍動感ある曲へと変化します。 ★A3 “Chasing The Dream” (4:34)も、可愛らしいシーケンスに合わせて、笛のようなシンセがメロディを取っていき、やがて説得力のある強い電子音の合奏になります。Gもメロディを奏でています。 ★A4 “Biking Up The Strand” (2:26)は、3拍子の電子ワルツで、Vocoder-Voもシンセと共に歌っています。何とも優雅で落ち着いた曲調です。 ★B1 “Phaseday” (5:50)は、簡素なシーケンスとキックとシンプルなメロディで始まるドリーミーな曲ですが、途中のDrsとVocoder-Voが良いスパイスになっています。電子音の優しさに溢れています。 ★B2 “Meridian Moorland” (4:34)は、跳ねるような軽めのマシンリズムとシーケンスと簡素なシンセで始まります。途中の生Drsで一旦雰囲気は変わりますが、やがて元に戻ります。 ★B3 “The Third Site” (5:10)では、元気一杯のリズム隊とシーケンスに、勇ましささえ感じるシンセのメロディが乗ってきます。途中ピコる部分やDrsとかVoをパンする場面もありますが、最終的には、中々勇壮な曲に仕上がっています。 ★B4 “Dance At Dawn” (4:02)は、Drsとホーンによるイントロ後、細かいシーケンスや波状のシンセ、コーラスなんかで静かに盛り上がります。特にマーチングDrsが効いています。インスト曲故に、次々とメロディやリフが出てきて、バラエティーに飛んだ曲となっています。 セカンド・ソロアルバムは、前作B面とは変わり、再び、電子音楽系クラウトロックに戻って、生楽器(特にDrs)も効果的に使っているようで、Tangerine Dream以来のファンとしては嬉しい限りです。相対的に柔らかな曲が多いですが、シーケンスやドラムマシンも多用しており、個人的には、大いに楽しめました。Peter Baumannは、やっぱり、この路線で行って欲しいです。前回はNew Age云々と言っていましたが、本作品ではまだそこまでの抽象性はなく、程良いメロディラインが堪能できることもプラス10点ですね。そんな彼のソロアルバムは本当に心地良い音楽に満ち満ちていますので、聴かない手はないですよ! A3 “Chasing The Dream” (4:34) https://youtu.be/C6LuKLwMkN4?si=CTxkKZalG22bbro- [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLUxYysXweZEzXqWInwg2yTYS4HBq1EYFv&si=GZq-jtwKbVG5gJ9a #PeterBaumann #TransHarmonicNights #VirginRecords #2ndAlbum #SoloAlbum #TangerineDream #Krautrock #Electronic #Synthesizers #Sequencer #Horn #Drums #Guests #WolfgangThierfeldt #BernhardJobski
Krautrock / Electronic Virgin Records 880円Dr K2
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Conny Frischauf “Die Drift”
これも謎物件です!Conny Frischaufって誰?多分、信頼の独レーベルBureau Bから出ていたので、買ったのでしよう。余りに知らないので、ちょっと調べてみました。Conny Frischauf (「コニー・フリシャウフ」と発音)はオーストリアのViennaの宅録アーティストで、本作品”Die Drift”は彼女のデビュー・アルバムにして現在、唯一のアルバムであると言うことが分かりました。それで彼女は、2013年に、ポルトガル出身のRick Linsと共にRSHMTHと言うデュオで、カセット作品を出しているので、その前辺りから音楽活動をやっていたみたいです。彼女のソロとしてのデビュー12㌅EP “Effekt & Emotion“は、2018年にInternational Major Labelから出ていますので、ソロとしてはこの前辺りから活動を開始しているのでしよう。その後も、2019年には、独Berlinのレフトフィールド・ダンスレーベルKame House Recordsから、12㌅EP ”Affekt & Tradition”を出しています。Connyが何故、独の電子音楽系プログレ・レーベルBureau Bからアルバムをリリースするようになった経緯の詳細は不明ですが、彼女の音楽が、クラウトロックやニュー・エイジ、ネオ・フォークなどを通過して、現在、レフトフィールド・シンセ・ポップをやっていることと関係があるからでしょう。なお、同年2021年には、プロモ・シングルとして”Parapiri (single version)”もCDRとして出しています。彼女の音楽は、ユニークな電子音とパーカッシヴなビート或いは、軽やかな歌声が宇宙に向かって口笛を吹くように、また水面を描く波紋のように静かで豊かな広がりを生み出すようなものであるとも評されており、Laurie AndersonやCate Le Bonの作品も想起させる程の独創性があるとか(ここら辺の音楽は私は聴いていないので良くは分かりません)。まあ、兎に角、一風変わったシンセ・ポップをやっているようですが、これ以上の情報は見つからなかったです(すまん!)。 と言う訳で、Conny Frischaufのデビュー・アルバム”Die Drift”を紹介していきましょう。内容は両面とも5曲ずつ収録されています。全体の印象としては、最近の宅録システムをフルに使ったエレクトロ・ポップなんですが、ディレイなんかのエフェクトの使い方や曲の構成仕方が、通常のバンドのそれとは異なり、かなり自由度の高いスキルを見せてくれます。確かに、電子音楽系クラウトロックっぽい瞬間も垣間見れるのですが、彼女のアレンジ力で、全く古臭い面は皆無です。と言う訳で、各曲を聴いていきましょう。 A1 “Rauf”は、散歩しているリズムで、多重録音されたヴォーカルが印象的な曲。 A2 “Parapiri”では、ダウンテンポなんですが、使われている電子音が心地良すぎます。タイトルを執拗に歌う彼女の声は澄んでいて、天使のよう。 A3 “Fenster Zur Strasse”では、ヴォーカルの多重録音で幕を開け、朗々と流れるシンセと上手く絡んでいます。途中からラップ調にも⁈ A4 “Sonntag”もゆったりとしたリズムとドローン音で始まりますが、太めのベース音とシンセのリフの使い方が面白いインスト曲です。 A5 “Auf Wiedersehn”は、回転数間違えたような存在感のあるベース・シンセとハキハキと歌うヴォーカル、それがスラップ気味のベースに変わって、クラブ・ミュージックっぽく変化していきます。 B1 “Zeit Verdrehen”は、可愛らしいリズムと太いシンセ・ベースと言うアンバランスに、甘めの独逸語ヴォーカルが乗っている曲で、ディレイが掛かったヴォーカルが面白いですし、クラウトロックっぽいです。 B2 “Roulette”でも、やや民族音楽調のリズムとシーケンスに独逸語ヴォーカルが乗っており、キッチュな感じ。最後にシーケンスが壊れます。 B3 “Eingaben Und Ausnahmen”では、シンセ・ベース・ソロが展開され、トランペットらしきメロディが入ってくるジャジーな曲。 B4 “Private Geheimsache”は、口笛のようなメロディとガチャガチャしたリズムに、硬めの独逸語ヴォーカルが乗ってくる不思議な曲です。 B5 “Freundschaft”では、アンビエントなシンセにトランペット様のシンセとディレイを掛けた物音シンセが入ってきます。やがて静かなリズムや穏やかなヴォイスも。ここら辺はクラウトロックっぽいです。 やはり、現代っ子的で、ちょっと真似出来ないエレクトロ・ポップでしたね❗️あと、ベース音に存在感があるのは、クラブ・ミュージックからの影響ですかね? まあ、ジャケがイマイチですが、これに惑わされず、Conny Frischaufの作品に触れてみて下さい‼️ A2 “Parapiri” https://youtu.be/S6VJWBjV_HU?si=t51So481NyDlcQy- [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kXjdvRT05rQ-0L2z6l0_Wpu0uYcuYRRFE&si=2qjqrmHcS7kRmH0s [BandcampのURLも貼っておきます] https://connyfrischauf.bandcamp.com/album/die-drift #ConnyFrischauf #DieDrift #BureauB #Viennese #FirstAlbum #Left-FieldSynthPop #Electronic #FemaleVocal #Krautrock #NewAge #Synthesizers #打ち込み #宅録 #RSHMTH
Left-Field Synth Pop Bureau B 880円Dr K2
