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Flipper “Nürnberg Fish Trials (Live)”
このアルバムは、タイトル通り、独のNürnbergのTrustと言うライブハウスで、1991年9月15日に行われたFlipperのライブ音源を収めたアルバムで、時期的には、先に紹介した3枚目のスタジオ・アルバム”American Grafishy”より前にリリースされており、また、Will Shatterの他界後で、John Dougherty (B, Back-Vo)で加入してからの音源となります。ちょっと続けて書いておくと、Doughertyも1993年に脱退した後、1997年10月31日に他界しています。また、直接、関係があるかどうかは分かりませんが、Flipperの創設者Ricky Williamsも、1992年にヘロインの過剰摂取で亡くなっており、Def American RecordingsのRick Rubinは、彼等のファースト・アルバム”Generic Flipper”収録曲とSubterranean Records時代のシングルをコンパイルしたセルフ・コンピレーション・アルバム”Sex Bomb Baby”をRubinは自身のレーベルInfinite Zeroから1995年に再発しています(元々は、このセルフ・コンピはSubterranean Recordsが1987年にリリースしています)。裏事情を調べてみると、1997年まで、Flipperの音楽については、ほぼ絶版となっており、Rubinがその著作権を保持していたらしいです。それで、Subterranean Recordsは、法的和解により、米国国内でのFlipperのレコードの再発権を得たとのことです。その後、Flipperは一時、沈黙期に入ります。その後、2002年に、Bruce Looseは、杖をつきながらBerkeleyのGilman Street 924番地にあるAlternative Music Foundationで、Not Flipper名義で1回限りのライブをやっています(その時に、彼はLoseをLooseと改名したと言う話しもあります)。その後、2005年8月に、1982年のツアーの時と同様に、Bruno DeSmartass (B, Back-Vo)が参加して、復活し、2006年からはこのラインナップで活動しています。まだ、続きはあるのですが、取り敢えず、ここまでにしておきます。 それで、本ライブ作品については、先述以外に、余り情報が無いのですが、曲目をみると、割とファースト・アルバム(A3, B1-B3)やセカンド・アルバム(A1, A2)が多いことからも、新たに加わったJohn Doughertyに気を遣ったのか?それとも独ツアーと言うことで、昔から人気のある曲を敢えて選んだのかはよく分かりませんし、お世辞にも良い音では無いですが、Flipperの国外ライブ音源は非常に稀なので、それだけでも聴く価値はあると思います。メンバーのクレジットは明記されていませんが、恐らく、Bruce Loose (Vo), Ted Falconi (G), John Dougherty (B, Back-Vo), Steve DePace (Drs)だと思われます。それでは、本アルバムの各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “The Lights”は、セカンド・アルバムに”The Light, The Sound, The Rhythm, The Noise”として収録されていた初期Flipperらしい名曲ですが、ここでは、スローテンポながら、Bruce LooseのパンキッシュなVoとJohn Doughertyの”fuckin’”なコーラスから成るグダグダな演奏が繰り広げられています。 ★A2 “Sacrifice”も、The Melvins等もカバーした名曲ですが、バックの演奏の音量が低めで、Voとのバランスが悪く、せっかくのJohn DoughertyのBも聴き辛いです。その分、Ted FalconiのGが良く聴こえますが、何かコードらしき演奏はしているのですが、何処か痙攣したような所や余りリズミックにカッティングしない、彼のスタイルが良く分かります。 ★A3 “Love Canal”は、最初のシングル曲で、最早「古典曲」ですが、ややテンポが速く、また、Voにもエフェクトが掛かっておらず、原曲の持ち味が活かしきれていないようです。そして、Ted FalconiのGは雑音装置の如くです! ★A4 “The John Show”は、知らない曲かと思ったら、John DoughertyのBとBruce LooseのVoのステージ上でのやり取りだけで終わってしまいます。まぁ、Bは、それっぽいフレーズを弾いてはいますが、、、正にグダグダのステージの実況録音です。 ★B1 “Sexbomb”も、Flipperの名曲中の名曲ですが、バランスが悪過ぎて、Voだけが異様にハッキリ聴こえ、バックの演奏がしょぼくて、残念です。途中で「プファー」とSaxソロが入ってきますが、これはBruce Looseが演奏? ★B2 “Life”も、ファースト・アルバム収録の曲で、最初は良い感じで始まりますが、後半は、やる気無しのグダグダになってしまい、Steve DePaceのDrsだけ頑張っている感じですが、最後に皆が一斉に力を振り絞って演奏しているのには、思わず涙してしまいます。 ★B3 “Ever”も、ファースト・アルバムの名曲で、いきなり、Ted FalconiのGが怒りを露わに爆音で聴こえてきて、その為か、音のバランスも多少良くなったように感じます。 ★B4 “Nothing Prettier Than Elvis”は、知らない曲ですが、カントリー調のBとふざけたVoだけの演奏で、アッと言う間に終わってしまいます。 観客の声とかが聞こえないので、多分、PA卓からのラインでの録音だと思うのですが、今まで聴いたFlipperの音源の中で最悪だと思います。また、Flipper側もどう言う訳か、グダグダでやる気ゼロな演奏/ライブを繰り広げており、まぁ、それが彼等の本質と言えば本質(曲間にFuck Youの連呼、酔っ払い発言等)なので、それなりに面白いのですが、ハッキリ言って、この作品はコレクターズ・アイテムですね。別に出さなくても良かったのでは?とも思いますし、それこそラジカセ一発録りの方がよっぽど良かったのではないでしょうか? そんな中でも、Steve DePaceとTed Falconiは、演奏に対して真面目なんだなぁとしみじみ思いました。なので、コアなファン以外にはお勧めしませんので、初心者は間違って購入しないように! https://youtu.be/oQMSA47wTM4?si=auFcOFw3IszPZHsr #Flipper #NürnbergFishTrials(Live) #MusicalTragedies #EmptyRecords #LiveAlbum #Punk #ScumPunk #LiveInGermany #Trust #Nürnberg #BruceLoose #TedFalconi #JohnDougherty #SteveDePace
Punk Musical Tragedies / Empty Records €33.00Dr K2
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Chrome “The Visitation”
Chromeの音楽を知れば知る程、聴きたくなるのが、まだHelios Creedがメンバーでなかったファースト・アルバム”The Visitation”ですが、再発盤とは言え、やっと入手しました。私の個人的なChromeとの出会いは、国内盤も出ていた”Red Exposure”であり、そこから、Chromeを追いかけるようになりました。しかし、どんなに探しても、このファースト・アルバムには今まで出会いませんでした。そんなレアもんなのです。Chromeのバイオグラフィーは以前書いていますので、ここでは、省略しますが、このアルバムは、Damon Edge (Back-Vo, Drs, Tape Effects, Synth, Perc), Mike Low (Back-Vo, B, G, Lead-Vo, Synth), John Lambdin (Back-Vo, B, Lead-G, Mandolin, Strings, Synth, E-Vln), Gary Spain (B, Kbd, Vln)によって録音・作製されており、プロデュースもDamon Edge自身がやっています。オリジナルは、スプレーで殴り書きしたジャケに3枚のインサートが入っており、”Siren Records”のクレジットも入ってないもので、それ以外には、ゴム印でレーベル名が押してあるものもあります。セカンド・プレスでは、白ラベルに”produced by damon edge”とプリントされています。その後の再発盤では、黒ラベルに銀の手書きで書いてあるラベルに変わっています。このように最初のプレスでは3種類のものがありますが、これらは非常にレアです。その後も、再発盤は何度か出ていますが、今回、入手したのは、独レーベルDossierのもので、クリア盤になっています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ★A1 “How Many Years Too Soon” (5:10)には、既にChromeらしさ(変なシンセ音)が見え隠れしますが、どちらかと言うと、もっと1960年代のサイケっぽいアレンジと言うか曲調ですね。Voも初々しいですし。Gソロなんかも延々と入っていますし。 ★A2 “Raider” (3:58)は、ベル音やシンセ音に導かれて、諸USサイケ調の曲で、これがどうして「あんなChrome」になるのか?よく分かりませんね。まぁ、この曲のリードVoはDamon Edgeではないですし。 ★A3 “Return To Zanzibar” (3:52)は、変拍子の曲ですが、全体を通してもそれ程の違和感はなく、寧ろ、彼等の捻くれた面を垣間見た感じです。しかし間奏のGソロ、凄いな! そしてDrsの音は初期Chromeっぽいです。 ★A4 “Caroline” (3:42)は、激しいDrsソロで始まり、ややスローテンポの曲になりますが、もう完全にUSサイケな曲ですね。ユニゾンでのVoとGソロが諸です。 ★B1 “Riding You” (4:51)は、シンセによる「風」音から始まり、弾きまくるGを交えたサイケな曲調となり、Voも伸び伸びと歌っています。ただ何となくChromeっぽい臭いがします。 ★B2 “Kinky Lover” (3:32)は、非常にゆったりしたムーディな曲で、Bに合わせたVoとコーラスが中心ですが、歌詞がね!ちょっと不謹慎な感じです。 ★B3 “Sun Control” (3:10)では、フェイザーを掛けたBが既にChromeっぽいんです。結構、激しい曲調で、間奏のGソロもフランジャーかけまくりですが、最後は通常サイケで終わります。 ★B4 “My Time To Live” (4:20)は、段々とChromeっぽい音色になってきますが、曲調はまだ抜け出していませんね。結構「暑苦しい」感じがします。Gソロは弾きまくりですが、シンセも入っているのかな? ★B5 “Memory Cords Over The Bay” (4:46)は、ハイハットの連打にフランジャー掛けた所から始まり、オルガンと怒涛のGソロを効かせたややアップテンポのインスト曲で、このアルバムを締めています。 このアルバムから、Chromeが始まったと考えると、やはり彼等(主にDamon Edge)は、USサイケとガレージの暗部にルーツがあるのだなと言うことがよく分かる一枚ですね。この後から、Helios CreedとDamon Edgeが中心となっていく訳で、逆回転や過剰エフェクト、曲のコラージュ等、有りとあらゆる実験性を加えつつ、独自の「サイケデリア」を奏でていくことになります。そんな彼等、と言うかDamon Edgeの原点が窺い知れて、大変興味深かったですね! https://youtu.be/c0XVQ47Q44I?si=H5dieR2TSIlVtWF5 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_m9WBPRx3GZ-z3M8PQl9if8wzG7g-ocIxg&si=aKBM7RsYyNlIdciX #Chrome #TheVisitation #Dossier #1989年 #Reissue #ClearVinyl #SirenRecords #1976年 #FirstAlbum #PsychedelicRock #Experimental #DamonEdge #MikeLow #JohnLambdin #GarySpain
Experimental / Psychedelic Rock Siren Records (Dossier) 3650円Dr K2
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Krankhafte Phantasten “s/t”
Krankhafte Phantasten (クランクハフテ・ファンタステン)は、全く知らなくて、単に独逸語表記のバンドだからと思って、ジャケ買いしたのですが、今、調べても、その実態とか結成とかは分からないです。ただ、メンバーは4人で、それぞれ出身が違うみたいです。クレジットには、Greg Wagner (Havanna/NYC; グレッグ・ワグナー), Miss Maud (Berlin; ミス・マアウド), Yoshikazu Kogo (Tokyo; ヨシカズ・コーゴ), Zwieback (Berlin; ツヴィーバック)と記載されていますが、誰が何を担当しているかとかどのように活動していたかは全く情報がありません。それで、本作品に関しては、A面が、green carpet(芝生の庭?)でのライブ演奏を、またB面2曲は、George Washington Bridgeのマンハッタン側の橋の下でのライブ演奏をウォークマンで録音しているとのことです。このバンドがNDWなのかどうかも怪しく、コンタクト先はNYCのChain Gangまでとなっています。ただ、ベルリンのメンバーが2人いるようなので、ここでは、便宜上、NDWとしておきます。また日本人もいるようですが、私はこの方のことを知らないので、知っている方がいましたら、ご連絡下さい。また、このバンドは本作品1枚を出しているだけで、この後、どうなったかも不明です。なんかモヤモヤしたばかりの情報ですいませんが、どうかご容赦下さい。と言う訳で、本作品の各曲をご紹介していきます。 ★A1 “Don't Follow”は、ドラムマシンに何らかのPercと瀕死の咆哮Voから成るパンキッシュなノイズ的アプローチの曲で、メタパーなんかも使っているようです。音質は悪いけど、それがまた特徴でもあります。最後はドラムマシンだけで終わります。 ★B1 “Anti-Mediocre-Worst-Riot”は、擬似民族音楽のようなプリミティブな曲で、ドラム缶のPercにその他のメタパーらしきPercプラス何らかの持続音と呻くようなVoが乗っている曲で、初期のE. Neubautenのようでもあります。 ★B2 “Krankhafte Phantasten”は、性急なドラムマシンとメタパーにアジるようなVoから成り、やはり初期のE. Neubautenの”Negativ Nein”とかMissing Foundationを想起させるパンキッシュな曲です。 やはりこの手の音楽は、録音場所や録音方法を考えて録ることが重要だと思います。音質の悪さを考えても、それ以上の剥き出しのプリミティブさみたいなものを提示/表現するのが、重要たと改めて思いました。後、もう少し音に厚みがあると完璧ですね。E. NeubautenやMussing Foundationが好きな方には大大大推薦です! B1 “Anti-Mediocre-Worst-Riot” https://youtu.be/jyXmNslRxaI?si=lh_t73zJ7XggjjbE #KrankhaftePhantasten #Self-Titled #SelfRelease #7-InchEP #US-Germany-Japan #Industrial #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #GregWagner #MissMaud #YoshikazuKogo #Zwieback #EinstürzendeNeubauten #MissingFoundation
Industrial / Neue Deutsche Welle (German New Wave) self release 不明Dr K2
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Felix Kubin “Teenage Tapes”
独実験ポップ界の天才Felix Kubin (フェリクス・クビン)の10代で宅録していた曲を集めたセルフ・コンピ・アルバム、その名も”Teenage Tapes”を紹介します。Felix Kubinのバイオグラフィーは、以前に書いたかもしれませんが、再度、生い立ちから紹介していきたいと思います。本名Felix Knothで、独Hamburg生まれの電子音楽家/作曲家/キュレーター/サウンド-ラジオ・アーティストで、自身のレーベルGagarin Recordsも運営しています。8歳の時からピアノと電子オルガンを習っており、1992-1996年にハンブルク応用科学大学にて、ドローイング/サウンド・インスタレーション/ヴィデオ/アニメーション映像について研究し、1995年にはDAAD研究資金を獲得し、蘭EnschedeのHogeschool voor de KunstenのArtEZメディア・アート学部に1年間留学しています。話しが前後しますが、彼は1981年、12歳の時に、シンセとオルガンとヴォイスとドラムマシンで、最初の曲を作っています。その後2年間で、4トラックMTRで色々試して、1983年には、Stefan Mohrと共に、Die Egozentrischen 2 (ディー・エゴツェントリッシェン・ツヴァイ)と言うバンドを始めている早熟な音楽少年でした。そんな天才少年を、Zick ZackのオーナーでオーガナイザーでもあるAlfred Hilsbergが見逃す訳もなく、Kubinを色んなライブイベントに招聘したりして、更に、彼のカセット作品と若干の新録も加えて、アルバム”The Tetchy Teenage Tapes of Felix Kubin 1981–1985" (この作品も素晴らしい!)をリリースします。そうして、1990年代になると、Kubinは、Klangkriekと言った自分のバンドで、ノイズを使った実験音楽を始めます。1992-1994年には、ダダ共産主義者グループLiedertafel Margot Honeckerのメンバーになり、1988年には、自身のレーベルGagarin Recordsを始めて、再びアヴァン・ポップ路線に回帰、その翌年には、パフォーマンスや新たなラジオ番組の形態及び室内楽と電子音楽の為の作曲を通して、自身の音楽の方向性を広めていきます。加えて、独や海外での多くの出版物やワークショップ及びレクチャーを行い、更に映像や演劇の為の音楽も作っています。Kubinは、Sónar, Wien Modern, Présences électronique, Ars Electronica等のフェスで100回以上のライブを行っており、更には、MoMA PS1, New Museum of Contemporary Art, Galerie nationale du Jeu de Paume等の美術館でもパフォーマンスをやっています。それで、2005年以降は、彼は現代実験音楽と関わる機会が多くなり、特に現代音楽のアンサンブルやコンサートホールでの演奏用音楽の作曲に招聘されるようになります。2010年には、Ensemble Intégralesとのコラボで、”Echohaus"と言う6つの別々の部屋で行われたヘッドフォンで聴くライブコンサートを指揮し、この作品はBerlinのMaerzMusik Festivalで初演されています。2013年と2015年には、Chromdioxidgedächtnis"とNDR das neue werkと言うラジオ番組シリーズの"Takt der Arbeit" の2曲の作曲を依頼され、2016年にも、Internationales Musikfest Hamburgで、自身の作品”Falling Still”も初演されています。また同年には、20台のKorg MS-20シンセの為のオケの曲”A Choir Of Wires”も作曲し、GentのLUCA School of Artsの学生に演奏させています。2019年には、ポーランド系ドラマーHubert ZemlerとのデュオCELを結成、またHamburgのEnsemble Resonanzとのコラボで、2曲作曲しています。2019年には、仏人映画監督Marie Losier が、Felix Kubinの日常を撮った映画"Felix in Wonderland"で、Locarno Film Festivalにおいて受賞しています。 と言う風に、Felix Kubinは早熟にして多作、しかもポップミュージックと現代音楽との行き来して、八面六臂の活動をしてきた訳ですが、実は、1990年代に来日もしていて、素晴らしいソロ・パフォーマンスを披露してくれています。そんな天才Felix Kubinの10代でつくつた曲のセルフ・コンピ・アルバムが、この”Teenage Tapes”で、Korg MS-20シンセを駆使した曲が選ばれており、12曲中6曲が未発表曲と言うレア・アイテムになっております。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Japan Japan” (2:10)は、強烈なマシンビートにシンセと変調Voで応酬する曲で、シーケンスも複雑で、彼の代表曲にして良曲です。 ★A2 “Agitabo“ (2:50)は、マシンリズムと気が狂ったようなシーケンスを組んでおり、手弾きも含めて、これが10代の作る曲とは思えませんね。因みにインスト曲。 ★A3 “The Germans” (3:32)は、ホワイトノイズとキックでの四つ打ちリズムに、重低音からのベースラインとおどけたようなシンセのメロディが不釣り合いながらもマッチしています。これもインスト曲。 ★A4 “Melancholia” (3:52)は、ストリングス・シンセによるリズムとシンセの物悲しいメロディから成るインスト曲ですが、途中の曲調の転換も含めて構成が秀逸! ★A5 “Krematorien” (3:18)も、ホワイトノイズを使ったリズムと複雑なリズムマシンのリズムに、若かりしKubinのVoが乗る曲で、やはり、曲構成やシンセのユーモラスな使い方が超人レベルです。 ★A6 “Sonntagsspaziergang” (2:41)は、戯けたようなシーケンスとシンセのメロディとリズムマシンで、展開が早いインスト曲ですが、曲構成は素晴らしいです。 ★B1 “Calling My Brain” (1:40)は、怪しげなシーケンスとVoから成る曲で、展開も絶妙で、とにかくシンセの使い方が素晴らしい! ★B2 “Sie Träumen Alle” (5:20)も、忙しないシーケンスとリズムマシンに、キッチュなシンセとVoが乗る曲で、途中のブレイク等、よくアレンジ出来るなぁと感心!また、ユーモアも忘れていません。 ★B3 “Gelegenheitsexperiment 1” (2:01)は、シンセ音による音とエレクトーンのリズムボックスみたいなリズムでスイングするようなインスト曲なんですが、ジャジーさは皆無です。 ★B4 “Hans, Der Ist Nicht Artig” (3:14)は、多分TR-606のリズムと性急なシーケンスに、ツボを押さえたシンセが絡むインスト曲。やはり天才か! ★B5 “Qualität Des Staates” (3:18)も、性急なマシンリズムとシーケンスとVoに、ユーモラスなシンセから成る曲ですが、完全にピコってて、しかも録音技術も卓越しています。 ★B6 “Kunststoff Version” (2:26)も、また忙し過ぎるマシンリズムに、SE的シンセ音やヴォイス等が乗っかるインスト曲で、細かい所まで凝っていますね。 10代の頃のFelix Kubinは、サヴァン症候群ではないかと思わせる程、曲作りや構成、シンセの音作りや録音技術が、多動の中で渦巻いており、そこから出来た音楽は、多分他のNDWバンドよりも数十倍凄い完成度です❗️シンセとリズムマシンがあれば出来ると言うレベルを遥かに超えています。正しく、エレクトロ・ポップ界の天才児であると確信しました。なので、エレ・ポップ好きなリスナーさんで、未聴の方は、是非とも一聴されることをお勧めします❗️ハマるかもよー。それから、個人的には、Felix Kubinと平沢進がコラボしたら面白いと妄想しましたね。 A6 “Sonntagsspaziergang” https://youtu.be/J5jg9wLKVfg?si=47zftl0M7IC7StyG [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lwDMvjLYcRGnyGslNQliiyKzvO7Xs42_U&si=oZdn2huN9_gbDX7K #FelixKubin #TeenageTapes #MinimalWave #SynthPop #Experimental #Electro #Synthesizers #DrumMachine #Vocal #KorgMS-20 #Organ #SelfCompilationAlbum #PreviouslyUnreleasedTracks
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Minimal Wave 3800円Dr K2
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Onyon “Last Days On Earth”
これは何で購入したのか?良く分からないですが、多分、ちょっと視聴して気に入ったから購入したのでしょう。ただリリースされたばかりで、Discogsにも載っていないと言う有り様で、調べるのにちょっと苦労しました。と言う訳で、独LeipzigのポストパンクバンドOnyonのファースト・フル・アルバム”Last Day On Earth”をご紹介します。と言っても、良く分からないと思いますので、ちょっと調べてみました。この作品の前に、1本のカセットEP作品”Onyon”を、独のレーベルU-Bac & Flennenより2022年1月に出しているのですが、これが大当たりして、米国Trouble In Mind Recordsからの米国版を同年6月に、このカセットをリイシューし、そうして、今回のファースト・アルバムのリリースに至ったらしいです。結成の経緯とは不明ですが、メンバーは、Florian Schmidt (B, Harmonica, Vo), Mario Pongratz (Drs, Vo), Maria Untheim (Kbd, Vo, Tambourine), Ilka Kellner (G, Vo)で、4ピース・バンドです。前作では、1980年代のミニマル・シンセ・サウンドと1960年代のガレージ・サウンドとが融合したようなサウンドで、Devo, Kleenex/Liliput, X-Ray Spexからの流れとThe IndexやThe Seedsからの影響も感じられ、また同時に、現行のバンドThe StachesやThe Cosmetics等ともリンクしているようです(ここら辺については知識なしです)。Voは、元々はKellnerとUntheimとかシェアーしており、独逸語と英語半々の歌詞だったそうです。この位しか調べられませんでした(すまん!)。 それでは、Onyonのファースト・アルバム”Last Day On Earth”を紹介していきますね。両面とも6曲づつ収録されています。 A1 “Alien Alien”は、しっかりしたビートを刻むリズム隊とオルガンっぽいKbdが効いていて、かつGも変な音色/フレーズですが、ツボを押さえています。UntheimのVoもキッチュで良い! A2 “Talking Worms”も、皆、ちゃんと演奏しているのですが、突然テンポが変わったり、またGがヘナヘナなフレーズを弾いたりします。Voの多重録音も良い! A3 “Egg Machine”は、決して上手くは無い演奏ですが、ちょいドスの効いた女性Voもカッコ良い。コーラス(男)やハーモニカもグー! A4 “Goldie”は、レトロな雰囲気の曲で、大々的にKbdがフィーチャーされており、独逸語の歌詞です。 A5 “Two Faces”は、パンキッシュな曲ですが、躓くようなブレイクが入り、Bの変なフレーズで繋いでいきます。 A6 “Dogman”もファズGで、パンキッシュと言うかガレージですね。サビから入るKbdがグッと来ます!この曲も独逸語の歌詞ですね。 B1 “Blue Lagoon”は、やや重めのリズムで、Voの多重録音が効いてますが、サビでのGの崩しが面白いです。 B2 “Yahtzee”は、チューニングの狂ったようなGのカッティングで始まり、途中で出てくるシンセが効果的です。 B3 “Invisible Spook”は、KbdとGで始まるガレージな曲ですが、Voとコーラスの組合せがやはり良いです。 B4 “I Would Like To Eat The Newspaper”は、Drsで引っ張っていくような展開で、それにKbdが入るのが怪しげでグーです。しかし、Gのフレーズは相変わらず変! B5 “O.U.T.”は、またまたガレージ色の強い曲で、Percも入っていますが、何だかやっぱりG、どころかBも変なアレンジになっています。 B6 “Mower”でも、ヘンテコなGに合わせるように、KbdやBやDrsが頑張っています。まあ、上手くはないんですが、そこがまた痺れます! これは、とんでもないバンドだと思いました❗️まあDevoと言うよりもKleenex辺りに、パンクやガレージの粉末を振り掛けたような音楽なんですが、とにかく、Gのアレンジと言うか音色もフレーズもヘンテコです!確かに、バンド・サウンドとしては、各人、そんなに上手くはないですが、それでもリズム隊やKbdはちゃんと曲の土台を演奏しています。が、しかし、ギターはやっぱりヘンテコです。なので、中毒性のある音楽ですよ、これは❗️これは、是非ともライブを観てみたいですね!でも、思ってた以上に、メインVoはUntheimなんですね。それに殆どの曲が英詞でした。そこら辺はちょい残念。 B5 “O.U.T.” [session take] https://youtu.be/S18bFXBuVS0?si=iGDgPjarrFkHFyHk [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lFCZ6OM_u3eskNHmPDITbiP7rsY97nlZ0&si=1S79dJVJdNT-fEjv [BandcampのURLも貼っておきます] https://onyon.bandcamp.com/album/last-days-on-earth-2 #Onyon #LastDayOnEarth #TroubleInMindRecords #FirstAlbum #Germany #PostPunk #Garage #Organ #Herky-JerkySound #FemaleVocals #FlorianSchmidt #MarioPongratz #MariaUntheim #IlkaKellner
Post Punk / Electronic Trouble In Mind Records 3520円Dr K2
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Karlheinz Stockhausen “Mikrophonie I / Mikrophonie II”
いよいよ、御大登場ですか!今回は、現代音楽界きっての超有名にして超アヴァンな作曲家Karlheinz Stockhausen(カールハインツ・シュトックハウゼン)先生をご紹介します。作品は、彼の初期の曲で、ライブ・エレクトロニクスの代表作でもある”Mikrophonie I / Mikrophonie II”です。まあ、ここで、私が長々とまたStockhausen先生のバイオグラフィーを書くまでもないのですが、取り敢えず、彼の生い立ちと初期の作品位までは書いておきます。Stockhausen先生は、第二次世界大戦後、戦争孤児となりましたが、1947年4月に、ケルン音楽大学の入学試験を受け、音楽教育コースでは不合格でしたが、ピアノ・コースで合格しています。ただし、翌年には音楽教育コースにも合格し、新古典主義的な曲や十二音技法を用いた曲等を作曲しています。1951年に、彼は、Darmstadt夏季現代音楽講習会に参加し、Olivier Messiaenの”Mode de valeurs et d'intensités (音価と強度のエチュード)”に強い衝撃を受け、逆に、Arnold Schönbergの曲には失望しています。それで、彼は仏に移り、パリ国立高等音楽院の入学試験を受けます。しかしながら、Darius Milhaud(ダリウス・ミヨー)のクラスには、不合格となってしまいましたが、Messiaenの楽曲分析クラスへの聴講は認められ、1年ほどそのクラスで学んています。そこで、彼は、Group Composition (群の音楽)やPunctualism等の新しい概念を次々と考案し、また、世界で初めての電子音楽を作曲しています。更に、ベルギーの作曲家Karel Goeyvaerts (カレル・フイヴァールツ)の”Sonata for Two Pianos”を彼と共に初演して影響を受け、1951年には、Oboe, Bass Clarinet, Piano, Percussionsのための“Kreuzspiel (クロイツシュピール)”を作曲し、Total Serialismを採用しています。この時期に、仏作曲家Pierre Boulez (ピエール・ブーレーズ)や伊作曲家Luigi Nono (ルイジ・ノーノ)と議論を深め、20歳代で音楽院の講師を務めています。その後、1952年12月に、彼は、”Konkrete Etüde”を作曲し、Pierre SchaefferのParis musique concrète studioで構築しています。翌年3月に、彼は独ケルンに戻り、NWDRスタジオで、”Electronic Studies (習作IとII)”を2曲作曲しており、1955-1956年には、ミュージック・コンクレートと電子音楽とを合わせた”Gesang der Jünglinge (少年の歌)”を作曲しています。他にもこの時期に”Gruppen”, “Kontakte”, “Momente”等の代表作も発表しています。その一方で、彼は図形楽譜も用いるようになり、1959年作”Zyklus”で初めて使用されています。そして、1960年代後半以降は確定的な記譜法を離れ、電子音楽の経験を発展させて、リング・モデユレーター、フィルター、ディレイなどを生演奏に施して音響を変調させるライヴ・エレクトロニクスの手法も積極的に試みるようになります。この時期に書かれた作品に、1964年作の6人の奏者のための”Mikrophonie I (ミクロフォニー I)”、1965年作の合唱・ハモンドオルガン及び4台のリング・モデュレーターの為の”Mikrophonie II (ミクロフォニーII)”、更には、 や1964年作のオーケストラと4つの正弦波ジェネレーター及び4つのリング・モデュレーターのための”Mixtur (ミクストゥール)”等を作曲し、ライブ・エレクトロニクスの第一人者となります。その後、1960年代後半は、彼は、ライブ・パフォーマンスの為にProcess Compositionとして、自身の過去作品を出発点として、それを次々と変容してゆく1967年作”Prozession (プロツェッシオーン)”や短波ラジオが受信した音形を変容してゆく1968年作”Kurzwellen (クルツヴェレン)”等を作曲し、演奏の方向性がテキストの形で提示され、その不安定性を追求する「直観音楽」として、1968年作”Aus den sieben Tagen (7つの日)”や1968-1970年作の”Für kommende Zeiten (来るべき将来のために)”も作曲しています。この時期(1966年)に、Stockhausen先生は、来日し、NHK電子音楽スタジオにて、旋律楽器とフィードバックの為の1965-1966年作”Solo (ソロ)”と1966年作の電子音楽”Telemusik”を作曲してます。これらの作品は「相互変調」と呼ばれる手法で変形され、電子音楽の網の目の中に組み込まれると言った曲となっています。”Telemusik”は2時間近くに及ぶ大曲で、1966-1967年作”Hymnen (ヒュムネン)”にも使われています。これらの曲には即興性があり、また、後者2曲ではテープ音楽の手法も用いられています。ここら辺までが、Stockhausen先生の第2期(第3期は1970年以降となります)に相当しますので、一旦、バイオグラフィーの止めておきます。 そこで、本作品について紹介していきたいと思います。先述のように、この2曲は、Stockhausen先生のライブ・エレクトロニクスとしては代表的な作品で、しかも、この盤に納められているのは、2曲とも初演の記録となっていますので、貴重な演奏だと思います。それでは、各曲を紹介していきます。 A面”(タムタム、2本のマイクロフォンと2台のフィルターとポテンシオメーターの為の)Mikrophonie I”の演奏者と担当は、FiltersとPotentiometers (Hugh Davies, Jaap Spek, Karlheinz Stockhausen), Microphones (Harald Bojé & Johannes Fritsch), Tamtam (Fred Alings & Aloys Kontarsky)となっています。この曲では、何かが軋むしような音と鉄板を演奏する音(打撃音や摩擦音など)がマイクの位置によって位相が変化し、更にフィルターを通すことである音域の音が強調されたりして、不思議な音像が提示されています。今なら、Korg MS-20やMS-10或いはモデュラーシンセでも出来る加工だとは思いますが、なんたって、これは、1964年作の1965年7月11日、独逸での演奏と言うから、先進性の塊ですよ。それにしても、タムタムらしき音は聞こえて来ないですねー。多分、変調・加工されているのでしょう。こう言うアイデアが、その後のP16.D4なんかの実験ロック/独逸音響ノイズに受け継がれたのでは?と思いますよ。そう言う意味では、ルーツを見つけて、類似性に確信できて興味深いです。 B面”(合唱、ハモンド・オルガンとリング・モデュレーターの為の)Mikrophonie II”の演奏者と担当は、指揮 (Herbert Schernus), Choir (ケルンのStudio Choir For New Music & The West German Radio Chorusのメンバー), Hammond Organ (Alfons Kontarsky), Timer (Johannes Fritsch)となっています。この曲では、2つずつに分けられたソプラノとバリトンのグループの声自体が音源となっており、如何にも現代音楽と言った歌い方です。一方、ハモンド・オルガンの音はよく分からないですが、恐らくリング・モデュレーターをかなり掛けられていると思われるます。それに対して、合唱の方が、リング・モデュレーターの効果はよく分かります。特に起承転結がある訳でもなく、フラットな状態で曲は進んでいきますが、この曲は、合唱(人数が多い)と言うこともあって、指揮者やタイマーの方がいるのだと思います。しかしながら、こんなことを大真面目に演ると言う行為やその過程の方が、実は面白かったりする訳で、そこら辺がまた現代音楽の肝だとも思えます。 久しぶりに聴いてみましたが、Stockhausen先生のぶっ飛び具合と、ライブ・エレクトロニクスの黎明期の演奏を堪能できました。今でこそ、ノイズ・ミュージックは、一種のライブ・エレクトロニクスな手法を使っている訳ですが、機材の進歩(使い易さと低価格と多機能)はアカデミックな音楽手法を、我々の元に還元してくれていることは有り難いなあと感じました。しかし、こう言う音楽は、やはり肩を張らずに聴き流す位の気持ちかつ爆音で聴くのが正解だと思います❗️皆さんもこんな音楽、聴いてみて、楽しんで下さいね‼️ 因みに、ジャケ写はNASAからの提供です。 A1 “Mikrophonie I” B1 “Mikrophonie II” [full album] https://youtu.be/TAtTv8tXwKM?si=e0sIMvntG2AQvYhR #KarlheinzStockhausen #MikrophonieI/MikrophonieII #CBS #US盤 #1967年 #初演 #ModernClassic #Avant-Garde #LiveElectronics #Composer #FirstRecording #Tamtam #Microphones #Filters&Potentiometers #Choir #HammondOrgan #RingModulator #KarlheinzStockhausenGroup
Modern Classical / Electronic / Experimental CBS 不明Dr K2
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Chrome “Alien Soundtracks”
お久しぶりです!Chrome先輩❗️と言う訳で、また出ましたChromeのセカンド・アルバム”Alien Soundtracks”をご紹介しましょう。Chromeのバイオグラフィーは以前に書いているので、そちらを参考にして下さい。この時のメンバーはDamon Edge (Dr, Synth [Moog], Electric Waterphone, Effects), Helios Creed (E-G, Vo, B, Electronics)に加えてGary Spain (B, E-Vln, Glass), John Lambdin (E-G, A-G, E-Vln, B)も参加しています。元々はDamon自身のレーベルSiren Recordsから1977年に出していたのですが、私が持っているのは、1989年に独逸のDossierがリイシューしたものです。なので、ジャケも色違いで、盤もクリア盤になってます。音の方は、もうぶっ壊れた異形のアシッド・ガレージ・サウンドですね。ここに収められている音楽は、否が応にも西海岸の「闇」を感じさせます。この路線は次のサード・アルバム”Half Machine Lip Moves”に結実する訳ですが、その萌芽がもう見えてますね。雑なドラム、エフェクト掛けまくりのギターやヴォーカル。全てが「ぶっ壊れています」。曲の逆回転やコラージュも既に聴くことが可能です。ある意味、極彩色なサイケデリックでもありますね。しかしながら、Chromeの2人、目つき悪いなあ!これは、日本なら職質モノですね。そんなChromeのぶっ壊れた音楽を聴いてみませんか?目つき悪くなりますよ(嘘)。因みに、本作品はある映画のサントラとして作られましたが、映画の方がまだ何もしていなかったとか。 A1 “Chromosome Damage” (3:42) A2 “The Monitors” (2:23) A3 “All Data Lost” (3:22) A4 “SS Cygni” (3:38) A5 “Nova Feedback” (5:58) B1 “Pigmies In Zee Park” (6:07) B2 “Slip It To The Android” (4:01) B3 “Pharoah Chromium” (3:28) B4 “ST37” (2:12) B5 “Magnetic Dwarf Reptile” (3:30) https://youtu.be/FG_0R5r3ofk?si=1A0QvjU9Bl_v-O7e [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lkQNChs_jwB7R8IjdWz1qqGOyXtVis8fo&si=v1a6eUXwo4sjBTVT #Chrome #AlienSoundtracks #SirenRecords #1977年 #Dossier #Reissue #1989年 #Psychedelic #Acid #GarageRock #DamonEdge #HeliosCreed #CyberPunk
Alternative Rock Dossier (Siren Records) 5000円Dr K2
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Kraftwerk “Autobahn”
また、出ました、Kraftwerkの4枚目のアルバムにして、プログレ史上最大の問題作”Autobahn”です❗️(因みに私が持っているのは米国盤で、リマスターされたものです) 何が問題なのかと言うと、それまでのプログレはどちらかと言うと、凄いテクニカルな演奏を長々と演っていて、熱狂的なファンにしか受けないと言うジャンルであったのですが、ここにきて、Kraftwerkは、電子音で構成された, 長いながらもポップな路線に舵を切った、と言うよりテクノ・ポップの元祖のような作品を世に出しだからです。ここから、全ては始まった的な作品です。後進に与えた影響は半端でないと思います。それでこのアルバム作製について書きたいと思います。 この作品から、それまでのFlorian SchneiderとRalf Hütterのデュオに加えてKlaus Röder (G, Flute)とWolfgang Flür (e-Perc)が後から加わります。このアルバムは初期の実験的なクラウトロックからシンセやドラムマシーンを加えたエレ・ポップへの過渡期的作品になります。と言うのも、1974年初頭に、彼等はMinimoogやthe EMS Synthi AKSを購入、また、Wolfgangは、Vox Percussion Kingと言うドラムマシーンのFarfisa Rhythm Unit 10を抜き出して、カスタマイズして、自作の電子パーカッションとして使ってます。また、この作品の歌詞や見た目に関しては、彼等の協力者Emil Schltのアイデアに従っており、アウトバーンを車で走る時の快適さみたいなものをコンセプトにしています。このアルバムは米国でもリリースされ、ビルボードで5位にランクインします。それで、Phonogramのサポートを受けて、米国ツアーを行うことになりますが、その時に、Karl Bartosが電子パーカッションとして加入し、以後、4人(Florian Schneider, Ralf Hütter, Wolfgang Flür及びKarl Bartos の4人で、Klaus Röderはアルバム作製には参加していましたが、その時に音楽性の違いから脱退しています)が鉄壁のメンバーとなります。それで本作品はConny Plankが録音に関係した最後のアルバムとなり、以降はKraftwerkは彼等所有のKling Klang Studioで、全ての作業が行われることになります。 それで内容なんですが、A面片面を使ったタイトル曲”Autobahn”は長尺ながら、ポップネスがあり、反復するメロディと変化に富んだアレンジで、飽きさせません。確かにアウトバーンを走ったら、この位気持ち良いだろうなとは思わせてくれます。B面も、初っ端こそ重めのイントロから始まりますが、やがて躍動感のある曲へと移行していきます。ここら辺の繋ぎは彼等の十八番ですね。最後の曲は軽やかで爽やかなフルートとシンセの音色が心地よいです。そんなファニーなドライブに最適なアルバムを皆さんも聴いてみませんか? A “Autobahn” (22:42) B1 ”Kometenmelodie 1” (6:20) B2 “Kometenmelodie 2” (5:45) B3 “Mitternacht” (3:40) B4 “Morgenspaziergang” (4:00) https://youtu.be/36mwJgGlfdY?si=8ERsqqwRqh94jbvw [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL803B2522308D3DA9&si=WK-KSxatUHeICd5l #Kraftwerk #Autobahn #WarnerBrothersRecords #Phillips #1974年 #Reissue #Remastering #1985年 #4ThAlbum #ConnyPlank #Techno #ElectronicPop #Synthesizers #Vocoder #ElectronicPercussions #FlorianSchneider #RalfHütter #WolfgangFlür #KarlBartos #KlausRöde
Techno pop Warner Brothers Records (Phillips) 不明Dr K2
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The Haters “Kupfer Till Mingwave”
出ましたよー!良い子は皆んな大好き、The Hatersの近作アルバムです。見開きジャケに2枚のLPが収められていますが、1枚は普通に聴けるLPなんですが、もう1枚は盤面にアートワークが塗りつけられており、再生不可能な12㌅LP(この様な聴くことの出来ないヴァイナルを「アンタイ・レコード(Anti-Record)」と呼び、ノイズ・ミュージックの世界では90年代に沢山作られています。元々はAndrew Smithの発案らしいです)になっています。勿論アンタイ・レコードはハンドメイドなので限定品になります。The Haters のバイオグラフィーは前回、書きましたが、ちょっとだけ、補足を。The Hatersほ米国ハリウッドに住んでいるG.X.Jupitter-Larsenが首謀者で、時と場合によりその場その場でメンバーが加わってライブ・パフォーマンスを行うユニットで、メンバーは基本的に黒覆面を被っていますぐ(G.X.は片目だけの黒覆面)。私は1990年代頃のThe Hatersのパフォーマンスが大好きで、SRLのメンバーも参加して、ギャラリーやライブハウス内に、古本、土砂、巨大なロールされたペーパー、中古バイク、タイヤ、自転車、鉄製の屑、ソファーなどを持ち込み、皆んなで、それからを破いたり、叩いたり、壊したりして、ただただゴミを作り出すと言うことを毎回やっていたのですよ。その「無意味さ」とか「エントロピーの加速行為」はもう堪らなく好きでしたねえ。彼こそが、ノイズ界の真のニヒリストだと思います。そして、The Hatersは、通常の「楽器」成るものを使わないんです。電卓をヤスリの上で擦り続ける音やマイクロフォンをグラインダーで擦る音、パンチング文具でひたすら紙に穴を空ける音などをコンタクトマイクで拾い上げ、増幅して、音を出し、それを「ノイズ・ミュージック」と称する訳です。それは徹底してますね。正に虚無的行為です。そんなThe Hatersの近作が本作品になります。レーベルは特殊ハンドメイド包装で限定品を出すことで有名な独逸Psychic K.G.です。4曲、収められてますが、どれも「あっ、これはThe Hatersだなぁ!」と一聴して分かるノイズから成ります。反復する破壊音な様なノイズが続くんですが、その反復が意図的にズレたりして、また反復同士が干渉し合ったりする、独特の音世界を築き上げています。これは好きな人には堪らないんですが、そうでないリスナーさんには苦痛でしようね。好き嫌いの分かれるノイズ・ミュージックですが、一度は聴いてみた方が良いと思いますよ。さあ、召し上がれ! ◼️LP1 A1 “Kupfer Till Mingwave 1” (8:43) A2 “Kupfer Till Mingwave 2” (11:38) B1 “Kupfer Till Mingwave 3” (10:00) B2 “Kupfer Till Mingwave 4” (8:43) ◼️LP2 C “Pouring Anti LP , Not Playable E: Not Playable YouTubeには本作品は無かったので、他の作品を。 https://youtu.be/wSscN8IK_bA?si=92iQ86RRl5z4L5dp #TheHaters #KupferTillMingwave #PsychicK.G. #Anti-Record #NoiseMusic #Amplification #Repetition #Nihilism #PureNoise #G.X.Jupitter-Larsen
Noise Psych K.G. 不明Dr K2
