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Anne Clark “Joined Up Writing”
私は、このAnne Clarkなるアーティストは全然知らなくて、ほぼ海外通販のついでにジャケ買いしたものです。なので、少し調べてみました。 Anne Clarkは、スポークン・ワードの先駆者でもある英国の詩人で、「歌う」ことはしたことがなくて、いつも音楽に「言葉を乗せる」だけです。そして、彼女のキャリアは、1980年初頭に、ニュー・ウェーブ・ムーブメントと共に始まって、特にDavid Harrowのシンセ曲とで、ヒットチャートに入っています。また、彼女は、Vini Reilly, John Foxx, Martyn Batesともコラボしています。彼女は、オーケストラ等のバックでもスポークン・ワードをやりますが、エレクトロニックやテクノ、更に言えばアヴァンギャルドのバックでもやっています。もう少し詳しく書きますね。Anne Clarkは、1960年5月に英国ロンドン生まれで、カトリックの母とプロテスタントの父と1人の兄の元で育ってます。兄の影響で、スポークン・ワードを集め始め、16歳で高校をドロップアウトします。その後、色んな仕事をやって生活していましたが、レコード屋の店員をやっていた時に、丁度パンク・ムーブメントがロンドンで巻き起こり、彼女はバッチリハマってしまいます。そこで、Warehouse Theaterと関わりを持ち、やがて、Paul WellerやLinton Kwesi Johnson, French & Saunders, The Durutti Column, Ben Wattらと交流を持つことになります。それで、彼女は、音楽と作詞で色々試し始め、Richard Strangeの”Caberat Futura”で、Depeche Modeと共に初めてステージに立ちます。また、彼女は、Paul Wellerと”Riot Stories”で協力することになりますが、メジャーレーベルとの契約の際に、サインが出来ないようにされたことでもめています。しかし、1982年に、彼女は、ファースト・アルバム”The Sitting Room”をリリースし、1983年のアルバムトップ100で11位となり、続くアルバム”Changing Places (1083年作)”、”Joined Up Writing (1984年作)”, “Hopeless Cases (1987年)”で、彼女は、Warehouseから多大な貢献を得ることなります。それは、キーボーディストDavid Harrowが彼女の作品全てに音楽を付けてくれることでした。こうして、彼女は、David Harrowの全面的なバックアップを受けて、1980年代〜1990年代を過ごすことなります。この時期の代表曲が、 "Sleeper in Metropolis," "Our Darkness”や "Wallies”で、特に”Our Darkness”は、2003年に、Benny Benassiがサンプリングして、"Love is Gonna Save Us"としてヒット曲となり、Clarkのこの原曲は、FACT誌によると、ベスト・インダストリアル・レコード20に入る、所謂プロト・ハウスのレコードと評しています。その後、彼女は米国進出も計画していたようですが、Virgin Recordsの米国マネージャーRichard Bransonが了承しなかったので、彼女は米国進出は諦めています。しかしながら、欧州、特に独逸ではカルト的人気があったそうです。1985年には、John Foxxとコラボして、アルバム”Pressure Points”をリリース、この中の”Heaven”は欧州でヒットします。その後、1987年には、彼女は、Tov RamstadとIda Baalsrudと共同作業を行う為に、3年間、ノルウェーに行っています。そうして、1991年に、SPV Recordsから、Charlie Morgaとのコラボ・アルバム”Unstill Life”を出しています。まだまだ逸話はあるのですが、取り敢えず、ここら辺までにしておきます。 今回のアルバムは、先述のように、Warehouseからの貢献もあって作製されたアルバムで、バックの演奏を固めるのは、David Harrow (Kbd, E-Perc, Sax, Clarinet, Vo [B1-B3]), Virginia Astley (Kbd, Vo[A1-A3]), Jo Wells (Clarinet, Kbd, Vo [A1-A3]), Anne Stephenson (Vln [A1-A3]), Nick Pretzel (Drs, E-Perc [A1-A3])で、作曲は、David Harrow (作曲 [A3-B3}), Virginia Astley (作曲 [A1, A2])の2人によるものです。両面3曲ずつとちょっと収録曲が少な目で、ミニアルバムの扱いですが、彼女の3枚目のアルバムとなります。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ★A1 “Nothing At All” (2:27)は、英詞なのかな?ツボを得たリズム隊に、ピアノとヴァイオリンと言うバックで、割とハキハキと単語を発声する、やや短い曲です。 ★A2 “Weltschmerz” (3:32)も、割と生楽器(マーチングDrsとヴァイオリン等)を中心にバックが支えてすこーしだけトラッドな味付けも。 ★A3 “Killing Time” (4:42)は、ややスローテンポのリズム隊と弦楽器のドローンをバックに、Anneの割と単元切りなVo(スポークン・ワーズだから)が切羽詰まったように乗る曲だが、途中からエナジーがやや爆発気味になります。変調コーラスもグー! ★B1 “True Love Tales” (5:01)は、低音ドローンと軽やかなDrsに、簡素なシンセのリフから成る曲で、力強いAnneのスポークン・ワーズが発声されます。後半の詩の反復に合わせて、クラリネットも入ってきます。 ★B2 “Self Destruct” (9:53)は、ノリの良いDrsとSynth-Bに、シンセのリフとAnneの確固たる意思を持った発声から成る曲で、間奏にはクラリネット・ソロ、更にヴァイオリンのリフも被ってきて、更に音は分厚くなりますが、やがてフェイドアウトしていきます。 ★B3 “Our Darkness” (5:18)は、ジェット機の発着音にカッコ良いシーケンスが加り、更に強烈なDrsのキックが入ってきて、まるでプロパガンダのようなAnneの強烈なスポークン・ワーズが乗り、サビではコーラスと共に力強く、また、間奏のSaxやシンセもも聴かせてくれます。 実は、私はスポークン・ワードから成る作品も聴いたことがなかったので、先ず感じたのが、ナチのゲッペルスのような言葉に「念」を込めて、ハキハキと発声するプロパガンダのような印象でした(まぁ、内容は全然違いますが)。多分、英語がもっと聴き取れるともっと楽しめたのではないかとも思います。しかしながら、歌うでは無く、言霊を発すると言うVoスタイルの面白さに触れられたのは良かったです。まぁ曲はHarrowとAstleyが書いているので、非英語圏で日本人ほ私は、どちらかと言うと、曲の方に関心がいきましたが、2人の曲調の差異も感じられて、楽しめました! https://youtu.be/uY9O7byj2Sw?si=JS7YnZtOCyGCAqvp #AnneClark #JoinedUpWriting #10Records #INKRecords #Mini-LP #3rdAlbum #UKPoet #SpokenWord #Composers&Players #DavidHarrow #VirginiaAstley #Players #JoWells #AnneStephenson #NickPretzel
Pop Music / Spoken Words / Experimental 10 Records (INK Records) €5.00Dr K2
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Harmonia “Live 1974”
またまた、来ましたよー!独のHarmoniaの1974年のライブ音源”Live 1974”です。本当は購入するつもりはなかったのですが、送料の関係で、一緒に注文してしまいました。Harmoniaのバイオグラフィーについては、以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。簡単に言ってしまえば、Cluster+1/2Neu!って感じでしょうか?これじゃあ、ザックリし過ぎですかね。まぁ、メンバーは、Michael Rother (G, E-Perc, Piano, Organ), Hans-Joachim Roedelius (Organ, Piano), Dieter Moebius (Synth, E-Perc)の3人です。今回は、1974年3月23日に、独逸GriessemのPenny Stationでのライブ音源から、A面2曲/B面3曲と言う内容になっています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Schaumburg” (10:45)は、淡々とE-Percのリズムが刻まれる中、Rotherが伸びやかにGを弾きまくり、それに絡むようにエレピやシンセも入ってくる心地よい極楽浄土な曲です。ミックスがまた「変」なところもあって、それぞれの音量が微妙です。 ★A2 “Veteranissimo” (17:25)も、可愛らしいE-Percのフェイドインから始まり、オルガン?シンセ?の音が微かに聴こえてくると同時に、低音リズムが強調されたり、Gやエレピが入ってきたりしますが、基本のリフは一定ですので、心地よいです。しかしミックスが変! ★B1 “Arabesque” (5:20)では、手弾きシーケンスにGが絡んでいきますが、微かにE-Percの音も聴取できます。どちらかと言うとG主体の曲ですね。 ★B2 “Holta-Polta” (15:00)は、一転、強力なE-Percのリズムに、ヴァイオリンのようなヒュルヒュルしたシンセやGが入ってくる曲で、何か催眠的な雰囲気になります。 ★B3 “Ueber Ottenstein” (9:30)は、ちょっとエスノなリズムとGとシンセの混合物のような曲で、どの音も自由に放射されています。この曲でもRotherのGが効いてますね。 このアルバムで面白いと思ったのは、ミックスですね。E-Percなのに、全然「機械的」な感じではなく、それぞれの楽器の音量を上げたり下げたりして、意図的に音同士の距離感を錯覚するように操作され、それにより、曲としては、何か「生き物」のような(有機的)音楽として成立しています。このミックスを実際のライブで行っていたのか?後でミックス・ダウンしたのか?は分かりませんが、面白い効果だと思いました。目から鱗!それと、全体的にはRotherの演奏が目立つようにも思いましたが、そこら辺は好き好きかと。スタジオ盤とはまた違う印象なので、気になる方には、一聴をお勧めします❗️ https://youtu.be/1Tl5fvP7LBM?si=IqBDtvFp2AZPfoXO #Harmonia #Live1974 #GrönlandRecords #Reissue #LiveAlbum #Krautrock #Electronic #Mixing #ElectronicPercussions #Guitar #Piano #Organ #Synthesizers #PennyStation #Germany #MichaelRother #Hans-JoachimRoedelius #DieterMoebius
Krautrock / Electronic Grönland Records €18.00Dr K2
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Bourbonese Qualk “The Spike”
Bourbonese Qualkって知ってる方はいますか? このバンドは、英国の南ロンドンのChamberwellで、1979年に結成されています。その時の創設メンバーは、Simon Crab (Electronics, Tape, G, Instruments)とその兄弟のTedで、DIYの精神で持って実験的音楽を作り始めます。彼等が、1982年にロンドンのスクワットに移った時に、Julian Gilbert (Vo, Electronics, Flute, Perc)とSteven Tanza (Drs, Perc)がメンバーに加わります。そこで、彼等は、リハや展示やパフォーマンス等のできるオープン・カルチャーの場所として、Ambulance Stationを運営し始めます。やがて、その傘下で、Recloose Organizationと言うレーベル/出版社を始めます。そして、1983年にBourbonese Qualkはファースト・アルバム”Laughing Afternoon”を自身のレーベルRecloose Organizationからリリースしています。しかしながら、Gilbertは別の可能性を追求する為に、1985年の1年間は抜けています。またTanzaも1986年の1年間、The Stateとして、別の音楽やアート・プロジェクトをやっています。1986年からは、Owen Rossiter (Perc)とMiles Miles (Multi-Instruments, G)とが、Kif Coleによる大きな動きに沿って、コアメンバーとなっていきます。彼等は、その出自やスタイルに忠実に出版やツアーをしており、その際にも音楽やイメージやグラフィックスもそれらに合わせています。しかしながら、2002年に、Milesが亡くなったことで、バンドは正式に解散しています。 それで、今回、ご紹介するのは、Bourbonese Qualkの4枚目のLP”The Spike”です。ただ、彼等はファーストLPの前に2本のカセット作品を出していますので、それらは除いてと言うことです。今回、購入したアルバム”The Spike”は、再発盤で、リマスタリングしてあるもので、英国Mannequin Recordsからのリリースとなっています。今回の参加メンバーは、Simon Crab (Instruments, Electronics, Vo, Tapes)とSteven Tanza (Drs, Perc, Vo)の2人で、Julian Gilbert (Vo, Lyrics)とCraig Runyon (Vo, Lyrics)はゲストで参加となっています。内容は、インダストリアル・ポップとでも言えば良いかな?ん〜それもしっくりこないかなぁ。A1 “Shutdown”は、いきなり「シャット・ダウン」と叫び声が左右にパンしまくるイントロがカッコいいインダストリアル・ファンクな曲で、続くA2 “Suburb City”では中近東風のメロディと念仏のようなヴォーカルが耳に残ります。それに対して、A3 “About This”やA5 “Preparing For Power”では爽やかなギターのカッティングやピアノとベースの掛け合いが心地良いです。ここら辺の切り返しは日本のD.D. Recordsっぽいです。A4 “New England”では再び不穏な音が渦巻きます。A6 “Pogrom”では金属質なリズムボックスに何やら子供の声のようなヴォーカルが乗り、薄っすら中近東風で、また違う一面を見せてくれます。それでB面に移ると、B1 “Call To Arms”は子供達(?)の叫び声の掛け合いに大人の怒号が重なり、やがてパーカッションの連打になる曲で始まりますが、B2 “Frontline”は一転、リリカルなギターとシンセのメロが沁みます。B3 “Spanner In The Works”では不明瞭なテープ音によるリズムに陰鬱なヴォイスとパーカッションが重なります。B4 “In-flux”やB5 “Deadbeat”では土俗的リズムの反復が心地良いですが、B5は少しだけMissing Foundation を想起させる重いビートから成ります。多分、Bourbonese Qualkの長い歴史からすると、この頃は、まだ音の方向性が定まっていなかった時期だと思われるので、何だか雑多な印象があるのかもしれません。それにしても、独自の進化を遂げたBourbonese Qualkの初期音源を知るには持ってこいなので、是非とも体験してみて下さい‼️面白いよー! A1 “Shutdown” A2 “Suburb City” A3 “About This” A4 “New England” A5 “Preparing For Power” A6 “Pogrom” B1 “Call To Arms” B2 “Frontline” B3 “Spanner In The Works” B4 “In-flux” B5 “Deadbeat” https://youtu.be/LtrZPntQ5JM?si=jMRLku9m-WOsHV1h #BourboneseQualk #TheSpike #Dossier #MannequinRecords #Reissue #Remastering #LimitedEditions #400部 #London #4thAlbum #Experimental #Electronics #AlternativeMusic #Beat #SimonCrab #StevenTanza #JulianGilbert #CraigRunyon #ReclooseOrganization
Experimental Pop / Electronic Mannequin Records (Dossier) 3200円Dr K2
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Mixed Band Philanthropist ”The Impossible Humane”
もう古典と言っても良いかと思われる、TNB (The New Blockaders)のRichard Rupenusが率いたノイズ・ユニットMixed Band Philanthropist (以下MBPと表記)の再発ファースト・アルバムを紹介します。元々は独逸屈指の実験音楽/ノイズ・レーベルSelektionからリリースされた作品で、その後、Siren Records(日)よりCDで、更にHypnagogia (英)よりカセットで再発されていますが、ヴァイナルとしては初の再発ですね。この時点のMBPのメンバーは、上記のRichard Rupenusの他に、Douglas LucasとK. Jamesonの3人からなります。その後は、後者2人は抜けて、Allan ZaneとStan Reedが加入していますが、MBP自体、単発のユニットであったみたいで、単独作品は本作品とHypnagogiaからリリースされたシングルのみです。と言う訳で、オリジナルほ高価で取引されていますので、この再発はリスナーには大変嬉しいですね。MBPのコンセプトは、世界中のノイズ・グループやミュージシャンからの音源を集めて、それらを高速ジューサー・ミキサーで撹拌して、別の曲として成立させると言うもので、参加者は、A.O.T., Andrew Chalk, Architects Office, Asmus Tietchens, Bird Cage Walk, Controlled Bleeding, Dada Duo, Dan Froberg, Giancarlo Toniutti, H.N.A.S., Lorelei N. Schmidt, Manon, Merzbow, Mieses Gegonge, Mystery Hearsay, Nihilist Assault Group, Nurse With Wound, Orchestra Of The Obvious, Organum, P16.D4, Penis Art, Peter Catham, Swimming Behavior Of The Human Infant, Smegma, Sperm Culture, The Haters, New Blockaders, The Noise Perverts, Tom Recchion, Verdenskang, Vittore Baroni, Vortex Campaign, Etant Donnesとその手の実験音楽/ノイズ・グループ/ミュージシャンがほぼ網羅されていると言っても過言ではないでしょうか。また、今回の再発盤では、A1としてシングル曲”The Man Who Mistook A Real Woman For His Muse And Acted Accordingly”が、B5として”Bad Alchemy No5”コンピ収録曲で、シングルとしても再発されていた曲が含まれており、お得感があります。内容は前述しましたように、とにかく音楽/非音楽関わらず、高速で攪拌されて、繋ぎ合わされた音の連なりが物凄いスピードで展開されています。しかも、それらの再生速度も高速だったりして、曲の切れ目もよく分からないくらいです。もう難解を通り越して、ユーモラスですら感じる出来栄えで、思わず口をあんぐり開けている前に聴き終わる程のスピード感ですね。元々、Selektionからリリースされたことを考えて、P16.D4の”Distruct”と同様のコンセプトで作られたのだはないかとも思われますが、何せ、スピード感が違うので、もう何と言うかナンセンスの極み(ここら辺はRupenusの狙ったところでしようね)です。そんな内容ですが、本作品の高速コラージュは一聴に値すると思われますので、是非、この機会に体験してみて下さい! A1 “The Man Who Mistook A Real Woman For His Muse And Acted Accordingly” A2 “Intro” A3 “The Beginnings Of A Once Great Loneliness” A4 “Some Were Animated By Their Purest Motives” A5 “Confusion In The Mind Of The Otherwise Healthy Boy” B1 “The Industry Of Children And Machines” B2 “Horus Man (Enclaved By Wisdom)” B3 “The Impossible Humane” B4 “Outro” B5 “After Having Known Nietzsche And Sworn By Their Mistresses” https://youtu.be/C_x735iflf0?si=oBK75BNA2ijV3G4f #MixedBandPhilanthropist #TheImpossibleHumane #Staubgold #Reissue #2014年 #LimitedEditions #400部 #Selektion #1987年 #Experimental #CollaborationThroughTheMail #高速Collage #RichardRupenus #DouglasLucas #K.Jameson
Noise / Experimental / Collage Staubgold (Selektion) 不明Dr K2
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Throbbing Gristle “Journey Through A Body”
第一期Throbbing Gristle (以下TGと表記)の最後の スタジオアルバムです。元々は、1993年に英国MuteのサブレーベルGrey Areaが正式にはリリースしていますが、このアルバムは独逸レーベルのWalter Ulbricht Schallfolienがアンオフィシャルに1982年にリリースしてしまったみたいです。メンバーは、Cosey Fanni Tutti, Chris Carter, Genesis P-Orridge, Peter “Sleezy” Chistophersonといつもの4人です。火葬場を思い起こさせるジャケはまあいつものかとも思いましたが、ピアノなどのアコースティックな楽器音と録り貯めていたテープなどの具体音が中心となった、TGにしてはやや異色なアルバムです。また、A面はリバーブの掛け方が深いので、さながらホラー映画の一場面の不気味さもあります。また、後から気付いたのですが、Genesisのヴォーカルが殆どないのも異質ですね(今までのTGっぽいのはA2 “Catholic Sex (For Paula)”だけですね)。それで、伊ローマでの録音になっていますが、そう言う「場」の違いもあるのでしょうか? テープ音は如何にもTGらしい女性の叫び声などが中心になっており、B3” Oltre La Morte / Birth And Death”ではメロディアスなピアノの独奏に、ひと塩塗すように電子音などが少しだけミックスされています。こんなリリカルなTGの曲は聴いたことないので、貴重な音源だと思います。生楽器中心なので、余計に女性の叫び声などのテープ音が生々しく感じられますが、曲名も、A2 “Catholic Sex (For Paula)”とか、扇情的な面も持っています。レコードでの入手は困難かもしれませんがらです、一度、第一期TGの最後に相応しい「意味あり気な」終末的インダストリアル・ミュージックの最終形態を聴取できると思いますよ。是非! A1 “Medicine” (15:22) A2 “Catholic Sex (For Paula)” (8:10) B1 “Exotic Functions” (4:18) B2 “Violencia (The Bullet)” (8:00) B3 “Oltre La Morte / Birth And Death” (3:27) https://youtu.be/1XXMR2QeCN0?si=2EBd7O17YMeg7RZM [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ncDZ5Y080pXwkm0F9cUQd6V_nsYFciXJ0&si=NV7238jKCyfKLDOK #ThrobbingGristle #JourneyThroughABody #WalterUlbrichtSchallfolien #IndustrialMusic #AcousticMusic #Tapes #Rome #Final #GenesisP-Orridge #CoseyFunniTutti #ChrisCarter #PeterSleezyChristopherson
Noise / Experimental Walter Ulbricht Schallfolien 不明Dr K2
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Clock DVA “2nd”
やっぱり探しちゃうよね。と言う訳で、Clock DVAの再登場です。これ、Discogs見ると、6枚組LPなんですが、私が入手したのは2枚組でした。これはレーベルが特別にプレスし直した作品みたいです。Clock DVAについては、前回、紹介しましたので、ここでは簡単に。1978年に英国Sheffieldにて、Adolphus "Adi" NewtonとSteven "Judd" Turnerによって結成されています。この時のメンバーはAdiに加えて、Judd Turner (B), David J. Hammond (G), Roger Quail (Drs), Charlie Collins (Sax, Clarinet)でした。Adiらは元々実験的電子音楽をやりたかったので、当初よりテープループやEMS Synthi Eなども使ってました。前回紹介したアルバム”Thirst”の後、彼等はミュージック・コンクレートも取り入れ、インスト・シングル”4 Hours”をリリースしますが、1981年に、Juddがドラッグのオーバードーズで死亡しています。それで、バンドはその年に一度解散しています。Adiは再度メンバーを集めて、1983年に、アルバム”Advantage”をリリース。音楽評論家からは「最もパワフルなダンスミュージックだ」と肯定的な評価を得ます。1983年に欧州ツアー後、Adiはより実験的な音楽を目指す為に、The Anti-Groupを結成します。1987年に、AdiはClock DVAを再活性化する為に、Dean DennisとPaul Browseを加入させて、The Anti-Groupで得たサンプリングを使う為にPCを使用し始めます。批評家は「Cyberpunkの先駆者」と評しています。そうして、1989年にアルバム”Buried Dreams”をリリース。一方で、DeanとPaulが脱退しましたので、Robert E. Bakerが加入し、1992年に、アルバム”Man-Amplified“をリリース。Adi Newton, Robert E. Bakerに加えて、Andrew McKenzie (Haflar Trio)とAri Newtonと共に欧州ツアーをやっています。独逸のVinyl On Demandがアンソロジー・アルバム”Collective”とボックスセットを1994年にリリースしています。この頃、Adiは、Brian Williams, Graeme Revell (SPK)とPaul Haslingerとコラボし始めますが、Clock DVAやAdiの名前は音楽シーンで一時期聞かれなくなります。2008年に、AdiはまたもやClock DVAを再活性化する為に彼のパートナーJane Radion Newtonと共に活動を始めます。2011年になると、Adi, Maurizio "TeZ" MartinucciとShara Vasilenkoと言うラインナップで、欧州の様々な電子音楽フェスやライブハウスでライブ活動を始めます。その一方で、独逸のVinyl On Demandが、2012年1月に、1978-1980年のClock DVAの曲をコンパイルした”Horology”をリリースするとアナウンスしました。そして、今でも、Clock DVAは活動中です。 やっとここまできました。そのVinyl On Demandは確かに6枚組をリリースしていますが、本作品は、その中の2枚のLPを抜粋したもので、オフィシャル・リリースです。この時のメンバーは、Adi Newton (Vo, Tapes, EMS Synth), Steven J. Turner (B), David J. Tyme (G), Simon E. Kemp (Synth, Electronic Perc)となっています。単調なリズムボックスと言うかパルスに合わせて、ベースとシンセ或いはギターがつま弾かれ、それにAdiの焦燥感溢れるVoが乗ると言う構成で、当時としてはシンセが前面に出ていたり、シンセのパルス音に合わせての演奏は珍しかったのでは?と思いますね。まあ工業都市Sheffieldのバンドで、かつCabsとも関係があったり、AdiがThe Futureのメンバーだったりしたこともあると考えると、地味ながら、こう言う音楽を作ることになったのも分かりますね。そう、ちょうど初期Human Leagueと初期Cabsの良いとこ取りみたいな(こう言っちゃうと元も子もないないんですが)。両者と比べると、ギターやベースも使っているので、その分、「人間味(?)」と言うか「慕情(?)」を感じるんですが、それでもAdiのVoは覚め切ってるようで、時代と言うか当時の状況を感じさせられます。そんなClock DVAの初期の音楽を聴いて、1980年前後のSheffieldの音楽シーンを想像してみて下さい。 ◼️2nd - I A1 “Edge” (2:56) A2 “1958” (3:32) A3 “Mass” (6:18) A4 “Le Viol” (7:02) A5 “Constructivists” (4:07) B1 “Sonambulists” (6:40) B2 “Female Mirror” (4:56) B3 “Sexual Overture” (5:59) B4 “Reel 1” (3:33) ◼️2nd - II C1 “Otto M” (13:47) C2 “Genitals & Genosis (The Texture Of Two Tape Recordings)” (11:58) D1 “Soundtrack For The Theatre Of Eroticism” (16:03) D2 “Now Haag” (4:00) [2nd-1 side A] https://youtu.be/0trGVy6EefE?si=mpMMlyil3IcwYvQ9 [2nd-1 side B] https://youtu.be/OMlZrJXyaS4?si=CSSUaxDLFLoLgeeK [2nd-2 side A] https://youtu.be/N9otuJnWr1s?si=CR19-RRRlauyMjRS [2nd-2 side B] https://youtu.be/ph1fkeh4tAs?si=XimIbeKPgo9QoTd6 #ClockDVA #2nd #VinylOnDemand #LimitedEditions #200部 #AdiNewton #JuddTurner #Industrial #Experimental #Electro #Collaborators #JuddTurner #DavidJ.Hammond #RogerQuail #CharlieCollins #TheFuture #CabaretVoltaire #ViceVersa #BigFour #Sheffield
Post Punk / Experimental Vinyl on Demand 不明Dr K2
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Slapp Happy “Casablanca Moon”
この前はHenry Cowをご紹介しましたが、今回はSlapp Happyを紹介します。Slapp Happyは独逸Hamburgで結成された独・英・米混合バンドです。元々は、BremenのWümmeに来ていた英国人作曲家Anthony Mooreが、独逸のFaustのスタジオで、アヴァンギャルド/実験的なアルバムを録音にしていましたが、Polydor Recordsに「駄目❗️もっと売れるようなものを作ってくれ!」と言われてしまい、Anthonyは、彼の米国の友人Peter Blegvadが丁度Hamburgに来ていたので、彼に「何かもっとポップな曲を書いて欲しい」と嘆願します。それで出来た曲が20分超えの”Just A Conversation”ですが、2人はヴォーカルが出来なかったので、当時のAnthonyの恋人(後に妻となる)Dagmar Krauseに歌ってもらうことにします。ここに来てSlapp Happyが誕生します。トリオになったSlapp HappyはPolydorに”Just A Conversation”をレコード化を持ちかけますが、予想に反して、PolydorはこのシングルをリリースすることOKします、まだ1972年だったのに! この年の5月にWümmeに戻って、デビューアルバム”Sort Of”をFaustのメンバーの助けも借りて録音し、そのアルバムは同年後期にリリースされたが、売れなかった!と言うのも、Slapp Happyはライブを演ることを拒んでいたからです。このデビューアルバムをリリースして直ぐに、Faustのサポートでセカンド・アルバムの録音に入ります。ここに、彼等の最も良く知られた曲”Casablanca Moon”が出来る訳ですが、”Sort Of “に比べて、よりソフィスティケートされ、アートぽっい作品になりました。ハーモニーにも重点が置かれ、歌詞もシリアスで詩的になっています。しかしながら、Polydor Recordsは、Slapp Happyのこの路線を良しとせず、自己中的な内容だとして、アルバム・リリースを拒否します。そう言うこともあって、メンバーは1973年初頭に英国へ行きます。そして、例のお蔵入りしそうなアルバムのカセット・テープをVirgin Recordsに渡します。Virginは彼等の音楽を気に入り、契約を結びます。ただ、Dagmarの独逸語アクセントの英語のヴォーカルが心配で、Robert WyattやNMEの記者Ian MacDonaldにも聴かせてみましたが、全然大丈夫とのことで、1973年末にSlapp Happyを正式に承認しました。直ぐにSlapp Happyほ1974年初頭にOxfordshireのVirgin RecordsのManor Studioに入り、セカンドアルバムの再録音に取り掛かります。セッション・ミュージシャンやアレンジャーも導入し、1974年5月にVirgin Recordsから、本作品であるセカンド・アルバムをリリースします。音楽誌からも概ね高評価を得ています。一方、1980年になって、漸く、Recommend Recordsは、Faustと一緒に録音したオリジナルが、原題”Casablanca Moon”を逆読みしたタイトル”Acnalbasac Noom”でリリースできるようになりました。また、1974年6月にSlapp Happyを、レーベルメイトでもあるHenry CowやRobert Wyattと共に、LondonのHyde Parkでジョイント・コンサートに出るように企画されていましたが、直ぐに却下されています。その後、アルバムも3枚程出していましたが、1975年に解散しています。その後も時々、再結成の話がありましたが、皆、短期間で終わっています。 それで、本作品”Slapp Happy (通称”Casablanca Moon)”ですが、私は大学生の頃、友達にダビングしてもらったのを何度も何度も聴いており、久しぶりにレコードで聴いて号泣しています(半嘘)。兎に角、A1 “Casablanca Moon”のタンゴ調の曲は素晴らしい出来で、いつになっても色褪せないように思います。どの曲もキャッチーなメロディとアコースティックな楽器で奏でられており、何と言うか、世間一般の「ポップ・ミュージック」とは違う、もう一つの別の「ポップ・ミュージック」にあるような音楽です。一応、Avant-Popとジャンル分けしましたが、聴いていても、決して難解でなく、優しく包み込んでくれる、そんなポップ・ミュージックです。あと、A5 “Dawn”もノリが良くて大好きな曲ですね。コケティッシュなDagmarのヴォーカルは彼等の音楽に欠かせない「楽器」ですね。私には独逸語のアクセントは良くわからないですが、彼女の声質は曲に良くマッチしていると思います。またB3 “The Drum”での、タブラの音に乗せて歌うDagmarの天使のような声とPeterの低音のダミ声のハーモニーは興味深いです。B4 “Haiku”はなんでしょうね、Peterのダミ声が前面に出ているだけではなく、パーカッションもコミカルで面白い曲です。まあ、このアルバムには個人的に色んな思い入れがあるので、あまり客観的なことは書けませんが、皆さんも、未聴ならば、是非とも聴いてみてください。パラレル・ワールドのポップ・ミュージックが堪能できますよ。因みに、メンバーはAnthony Moore (Kbd), Dagmar Krause (Lead-Vo), Peter Blegvad (Vo)とクレジットされていますが、多分他の楽器や他のミュージシャンもゲスト参加したいると思われます。また、Slapp HappyとSteve Morseでプロデュースしています。 A1 “Casablanca Moon” (2:45) A2 “Me And Parvati” (3:22) A3 “Half Way There” (3:14) A4 “Michaelangelo” (2:33) A5 “Dawn” (3:17) A6 “Mr. Rainbow” (3:49) B1 “The Secret” (3:28) B2 “A Little Something” (4:30) B3 “The Drum” (3:34) B4 “Haiku” (3:01) B5 “Slow Moon's Rose” (2:53) A1 “Casablanca Moon” (2:45) https://youtu.be/NC4r3rYHkaI?si=qQGbO-takE6c01DD A2 “Me And Parvati” (3:22) https://youtu.be/sZV205gAyNM?si=h7G_l5-yMXpJ4gme A3 “Half Way There” (3:14) https://youtu.be/xVuhqKvTYRY?si=23SFvVY0n1ot8mCs A4 “Michaelangelo” (2:33) https://youtu.be/1OY6sjzXx3E?si=LL8t1ksfkYvxRyJi A5 “Dawn” (3:17) https://youtu.be/SDGslJPSsgE?si=WowkJN09Gonz5i-G A6 “Mr. Rainbow” (3:49) https://youtu.be/jfOP7MvzAZs?si=Pkco2Mgdt6Db1T8x B1 “The Secret” (3:28) https://youtu.be/37FA3eyOWac?si=TzGt0lPEkkMyxM8p B2 “A Little Something” (4:30) https://youtu.be/ThBwPpzMju0?si=MH9hzKrDyd5krSZp B3 “The Drum” (3:34) https://youtu.be/BaDBTL9kKjs?si=DTgB74SpzAyOE3Bw B4 “Haiku” (3:01) https://youtu.be/CwRxtjdH3Lc?si=fe4hmVhcRN_rb1TQ B5 “Slow Moon's Rose” (2:53) https://youtu.be/rRUGxlGOdps?si=XNjsTpkfLBny0Rj_ #SlappHappy #CasablancaMoon #VirginRecords #AnthonyMoore #PeterBlegvad #DagmarKlause #Avant-Pop #PopMusic #ProgressiveRock #
Avant-pop Virgin Records 不明Dr K2
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Two Daughters “Recordings 1979-1981”
これまた、謎なバンドと言うか、デュオのセルフ・コンピです。私はこのTwo Daghtersが何者かも知らずに視聴して購入したのだと思います。Two Daughters、それはAnthony BurkeとPaulのデュオのことで、オフィシャルにはSteven StapletonのレーベルUnited Diariesが親レーベルになって、Anthony & Paulなるレーベル(ややこしい)からLPを1枚、その前に他のレーベル(多分、自分達のレーベルで、それしか出していない)からカセット作品を1本リリースしています。1980-1982年にBrixtonで宅録してたようです。如何せん情報も作品もこれだけなので、全然わかりません、知ってる人がいたら、教えて下さい!あと、Cherry Red Recordsのコンピ”Perspectives and Distortion"に”Return Call - We Are”と言う曲が収められているのですが、それにはJon Moreがclarinetで客演しています。そして、2004年にAnthonyは亡くなっています。 本作品は1本のカセットと1枚のアルバムから寄せ集めたセルフ・コンピで、1枚目がファースト・カセットを、2枚目がファースト&ラストLP”Kiss The Cloth / Gloria”を丸々入れて、ダブルLPにしています。それでマスタリングはJos Smoldersが手掛けています。まずはこの1枚目A面から。静謐な音響作品で、A-2に先述の曲”Return Call - We Are”が収められています。敢えてて一言で言うならば、アコースティック・アンビエントですね。B-1”Return Call”はA-2に対するアンサーソングかな?単調なクラリネットのフレーズが繰り返され、ズレていくので、何とも複合的なテクスチャーになつています。その後も、不思議/正体不明のアコースティックな感触の音が垂れ流されるかのように続いていきます。音は押しよりも引きの方に魅力を感じますね。2枚目のA面はLPのA面で、大きく”Kiss The Cloth”と題されていますが、歌物❗️に挑戦しているかのようなトラックから始まり、何処かに反復する音(ループ音)が隠されてます。A-3では反復するコーラスにロー・タムの連打と言う簡素ですが、コーラスが段々と変化(?崩れて)していきます。2枚目のB面はLPのB面で”Gloria”と題されており、いきなりAMKを思わせるアナログ・モンタージュ的なレコードの反復から始まり、そこにコーラスや弦楽の音が絡みつくと言う曲で、聴きていると、なんかLSDで幻覚見てるようです。他にも、シンバルやギター或いはガムランの反復音を使った、落ち着いた曲からなります。疲れている時に聴くとぐっすり眠れますね(苦笑)。そんな優しさに満ちたアルバムですが、偶にはこう言うのも聴いてみたくなりますね。 ◼️Ladder Of Souls A1 “Ladder Of Souls” (2:49) A2 “Return Call - We Are” (11:10) A3 “Sad Horizons” (5:32) A4 “So I” (2:11) B1 “Return Call” (13:12) B2 “Drums” (2:36) B3 “Air Lain” (5:41) B4 “A A A A A A R” (7:29) ◼️Kiss The Cloth / Gloria C1 “Kiss The Cloth 1” (9:47) C2 “Kiss The Cloth 2” (3:40) C3 “Kiss The Cloth 3” (5:48) D1 “Gloria 1” (6:30) D2.1 “Gloria 2” (5:18) D2.2 “Gloria 3” (3:29) D3.1 “Gloria 4” (3:59) D3.2 “Gloria 5” (1:43) Album “Two Daughters” https://youtu.be/3As8ES5bJIU?si=3GBfAhBm9cD Album “Kiss The Cloth / Gloria https://youtu.be/tAvXbZKHkUQ?si=p5dRnP8XylvzvafF #TwoDaughters #Recording1979-1981 #VinylOnDemand #SelfCompilation #LimitedEditions #500部 #ReturnCall-WeAre #AcousticAmbient #Loop #Anthony&PaulBurke #KissTheCloth/Gloria
Experimental Vinyl on Demand 不明Dr K2
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Einstürzende Neubauten “80-83 Strategien Gegen Architekturen”
もう何回も出てきていますEinstürzende Neubautenの初期ベスト盤的作品“80-83 Strategien Gegen Architekturen 「1980-1983年対建築戦略」”です。もうバイオグラフィーは省略しますね。曲はその間にリリースされたレコードなどから曲を集めていますが、統一感はあります。まだ、BlixaがG/Voの頃で、F.M. Einheit, N.U. Unruhのコアメンバーによる作品ですAlexander Von BorsigとMarc Chungはまだ加わっていないようです。初期黄金期にあたる編成の時ですね。カッコいいメタパービートが炸裂する”Tanz Debil”から始まって、かなりノイジーで、実験的な曲が続きます。ドリルの音を使った ”Mikroben”や生々しいメタパーの”Stahlversion”、単純にして難解な歌詞の”Negativ Nein”、金属質な音とBlixaの押し殺したようなVoからなる”Schwatz”その別ヴァージョン”Schwartz (Mutiert)”で締めます。この頃のNeubautenは、激しさと言うパンクのクリシェで実験音楽をやっているような、当時、世界に類を見ない音楽をやってましたね。まだヒョロヒョロで髪の毛逆立ていたBlixaの叫びとUnrhuやEinheitのメタパーの音やオルガンの雑音がごった煮にした荒々しい作品になっています。パンクな実験音楽❗️最小限のありモノで最大限の効果を引き出しています。リスナーの皆さんのNeubautenのイメージはこれでは無いでしようか。今一度,書き直して下さい、新しい発見がありますよ。因みにコンパイルしたのはJ.G. Thirlwell (Feotus)です。 A1 “Tanz Debil” (3:20) A2 “Schmerzen Hören” (2:32) A3 “Mikroben” (1:31) A4 “Krieg In Den Städten” (3:44) A5 “Zum Tier Machen” (3:07) A6 “Draußen Ist Feindlich” (0:48) A7 “Stahlversion” (5:33) B1 “Schwarz” (4:14) B2 “Negativ Nein” (2:24) B3 “Kalte Sterne” (4:13) B4 “Spaltung” (2:26) B5 “U-Haft Muzak” (3:43) B6 “Gestohlenes Band (ORF)” (0:17) B7 “Schwarz (Mutiert)” (3:26) https://youtu.be/PQGBLVu1eLI?si=puWjbG1mXFWpmYG9 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLcWA977eKB-MBD4wGfnWcMLXRdhfdYYrV&si=SZG__pQUvKqGjaa1 #EinstürzendeNeubauten #80-83StrategienGegenArchitekturen #MuteRecords #SelfCompilationAlbum #MetalPercussions #NeueDeutscheWelle #ExperimentalRock #GermanNewWave #BlixaBargeld #N.U.Unrhu #F.M.Einheit
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Rock Mute Records 不明Dr K2
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Einstürzende Neubauten “Strategies Against Architecture III (1991-2001)”
またですかぁ❗️今回は、Einstürzende Neubauten の3枚組LPsのボックス・セット”Strategies Against Architecture III (1991-2001)”です❗️基本的に、この「対建築物戦略」シリーズは過去作のセルフ・コンピなので、レアなヴァージョンやライブ音源も含まれていますので、侮り難しです。今回は第三弾と言うことで1990年代からのセレクトになっています。正直、私のこの頃のNeubautenは熱心に聴いていなかったので、割と有り難かったですね。メンツは,途中脱退・加入もありますが、Alexander Hacke, Blixa Bargeld, F.M. Einheit, Jochen Arbeit, Marc Chung, N. U. Unruh, Rudolf “Rudi” Moserとなります(MarcとF.M.Einheitが脱退し、JochenとRudolfが加入)。ボックスセットなので、メンバーの写真やアートワークも豪華ですね。この時期のNeubautenは初期のカオスな音塊からロック・ミュージックのフィルターを通したプログレッシブな音作りに転換する時期であり、丁度、独逸のHeiner Müller作の戯曲”Die Hamletmaschine (ハムレット・マシーン)へのサントラの提供から始まり、1993年のアルバム”Tabla Rasa”で、大きな転換を示しました。ノイズ音よりも定型的な電子音が使われ、全体的ソフトな曲から構成されていました。この時はMuteからの配給になり、英国の歌詞も入れてくれと言われてのに対して”Blume (花)”と言う曲にはドイツ語版、英語版、フランス語版、日本語版の4バージョンか作製されそれぞれの国で発売されました。その後、メンバーの脱退などが起こりますが、1996年”Ende Neu”、続いて2000年の”Silence Is Sexy”をリリースし、静謐な音響作品が顕著になってきます。ザックリ言うと、この時期は上記のような転換期でありました。なので、本作品でもそれを踏襲するかのような曲が散りばめられています。あと廃材も金属だけでは無く、プラスチックのチューブやポリタンクなども使われており、何よりも、Blixaが黒っぽい3ピースのスーツ姿で歌うところが最大の転換点でしょう。また、CD版では2枚組でリリースされていますが、ヴァイナルでは3LPでかつグラフィックも大きいので、それは後者の方が見栄えがしますね。細かい解説や感想は控えますが、このバンドの転換期を俯瞰するには良いボックスセットだと思います。もし良かったら、見つけて,聴いてみてください。 LP1 A1 “Zentrifuge” (4:47) A2 “12305te Nacht” (4:09) A3 “Für Wen Sind Die Blumen ?” (4:25¥ A4 “Redukt (Live)” (9:41) B1 “Ende Neu (Live)” (6:16) B2 “Blume (French Version)” (4:34) B3 “Three Thoughts (Devils Sect)” (4:37) B4 “Implosion” (1:31) B5 “Scampi Alla Carlina” (2:43) LP2 C1 “Snake” (3:34) C2 “Alles Was Irgendwie Nützt (Live)” (8:06) C3 “The Garden” (5:11) C4 “Anrufe In Abwesenheit” (4:15) C5 “Querulanten” (0:56) D1 “Architektur Ist Geiselnahme” (5:06) D2 “Helium” (3:11) D3 “Wüste (Ballet Version)” (3:47) D4 “Der Leere Raum” (2:01) D5 “Was Ist Ist (Extended Version)” (4:20) LP3 E1 “I Wish This Would Be Your Colour (Live)”(8:18) E2 “Bili Rubin” (3:00) E3 “Die Interimsliebenden” (7:15) E4 “Installation Nr.1 (Jon Is Mixing)” (3:45) E5 “Montblanc” (0:30) F1 “Open Fire” (4:26) F2 “Salamandrina” (2:59) F3 “Letztes Bild” (3:52) F4 “Silence Is Sexy” (5:55) F5 “Drachen” (2:05) https://youtu.be/02Tn4w7AhcU?si=BeEwybEjfVjCKLeB [full albums] https://youtube.com/playlist?list=PLcWA977eKB-OuWf5a0ajVTwwEzgXxgBLh&si=oUinFecMiAsMZWhG #EinstürzendeNeubauten #StrategiesAgainstArchitectureIII(1991-2001) #SelfCompilationAlbums #3LPs #MetalPercussion #TablaRasa #EndeNeu #SilenceIsSexy #RoughTrade #Potomak #GrandHarbour #AlexanderHacke #BlixaBargeld #F.M.Einheit #JochenArbeit #MarcChung #N.U.Unruh #Rudolf“Rudi”Moser
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Rock Rough Trade, Potomak, Grand Harbour 不明Dr K2
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The New Blockaders with Ferial Confine “Final Recordings”
ご存知、The New Blockaders (TNB)がFerial Confineの協力の元、独逸のChristoph HeemanのレーベルDom Bartwuchsよりリリースしたアルバム”Final Recordings”です。TNBについては少しバイオグラフィーを書いておきます。TNBとは、英国人Phillip & Richard Rupenus兄弟を中心としたBladder Fraskを母体として、1980年代初期に登場した不定形グループで、主に金属の摩擦音や打撃音などの音をミックスした曲を作るベテラン・ノイズ・ユニットです。そんな彼等の1982年にRRRecordsからリリースされたファーストアルバム ”Changez Les Blockeurs”で、最も有名な声明文があります。他の雑誌などでも掲載されていますので、ここでは訳文は書きませんが、締めに書かれたこと文章が彼等の真の姿勢です「アンチアートすらもアートである。故に我々はそれも拒絶する」と。強い意志を感じますね。それで、今回のタイトルは”Final Recordings”とされているにも関わらず、全然「ファイナル」ではなかった訳ですが(苦笑)、そこら辺の「かまし」が如何にもTNBっぽい(或いはRichard Rupenusっぽい)ですね。一方、本作品に協力したFerial Confineは、音響系ノイズの最右翼の一人Andrew Chalkのソロノイズ・ユニットですが、Ferial Confineとしての活動は1986年までとなっています(本名名義ではその後も活動しています)。どのように協力したのかは不明ですね。多分,音源の提供かエンジニアリングかと思いますが、クレジットが無いので不明です。それで、内容についてですが、両面共に「金属音のシンフォニー」とも言える問答無用のストロング・スタイルのノイズです。ただし、それはEinstrutzende Neubautenのように「音楽」にする為の打撃音では無く、「音楽になることを拒絶」する為の摩擦音などが主体となっているように思います。フィードバック音も含めて、兎に角,キリキリ・ガチャガチャした音塊ですので、割と聴く人を選ぶノイズかな?と思います。それでも、本作品は名盤であるので、是非、皆さん,聴いてみてください。勿論、爆音で❗️ A “Untitled” (17:06) B “Untitled” (18:21) https://youtu.be/vA5DvY84xlE?si=GtMJQmfBWtBeEuZw #TheNewBlockaders #FinalRecordings #FerialConfine #DomBartwuchs #RichardRepenus #PhilipRupenus #AndrewChalk #Noise #MetalJunks #Anti #LimitedEditions #300部
Noise Dom Bartwuchs 不明Dr K2
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Liaisons Dangereuses “Los Ninos Del Parque”
Liaisons Dangereuses(仏語なのでリエゾン・ダンジュルースと発音する)は、元々DAFのオリジナルメンバーだったChristo Haasと彼とのデュオCHBBで活躍してたBeate Bartelが、Chrishna Goineauと一緒になって、1981年に結成された西独逸のバンドです。音は、NDWからEBMへの橋渡しとも言えるシンセによるオール電子音から構築されたダンスミュージックで、本作は独逸の最も有名なプロデューサー兼エンジニアでもあるConny Plankのスタジオで録音されています。バンド名はフランス語、出自はドイツ、曲名はスペイン語と得体が知れないコスモポリタンで、皆さんのよく知っているどん兵衛のシャツを着たGoineauがヴォーカルです。活動時期は1981-1982年と短命であったことが悔やまれるところですが、本作は後のデトロイトテクノやシカゴハウスに多大な影響を及ぼしたと言われています。私は多分、輸入盤屋で入手したと思いますが、よくは覚えてません。この盤は同じ曲が3曲、ミックス違いとインスト・ヴァージョンとヴォーカルヴァージョンだけで、DJ用にカットされた仕様になっています。同じジャケで、アルバムも出ており、それが彼等の最初で最後のアルバムになりました。 やって、この時のメンバーは、Christo Haas (Electronics), Beate Bartel (Electronics, Vo), Chrishna Goineau (Vo)の3人で、エンジニアはConny Plankが担当しています。 A “Los Niños Del Parque (Renegade Soundwave Mix)” (6:12) B1 “Los Niños Del Parque (Official Delkom Live Mix - Instrumental)” (5:07) B2 “Los Niños Del Parque (Official Delkom Live Mix - Vocal)” (5:06) A “Los Niños Del Parque (Renegade Soundwave Mix)” https://youtu.be/z5iG1TK32DU?si=crQiLRg8y1flH13S B1 “Los Niños Del Parque (Official Delkom Live Mix - Instrumental)” https://youtu.be/zMCj8-qJmhk?feature=shared B2 “Los Niños Del Parque (Official Delkom Live Mix - Vocal)” https://youtu.be/a_sAH2QGotE?si=rTk67EUH816heB_X #LiaisonsDangereuses #NeueDeutscheWells #GermanNewWave #ConnyPlank #ChristoHaas #BeateBartel #ChrishnaGoineau #ElectroPop #DanceMusic #Synthesizer #Techno
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Mute Records (Roadrunner Records) 2000円位?Dr K2
