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V.A. “Disk Musik - A DD. Records Compilation”
君は、DD. Recordsを知っているか?! 1980年代前半に、当時、山梨大在籍の鎌田忠氏を中心に運営されていた、日本で最大規模の自主カセット・レーベルです。1980年〜1985年の活動期間で、222本のカセット作品をリリースしています(それ以外にも数枚のソノシートも)。しかも、殆ど利益を考えず、カセットテープ代と付属するA4のコピー・アート4枚分それに送料だけと言う価格で通販のみ(一部は委託もあったようです)と言う徹底的なアマチュアリズムで、鎌田氏も当時、「近所の人が作った音楽が手軽に聴けたら素晴らしいだろ?誰が音楽を作っても聴いても良いんだ」と語っており、余程のことがない限り、リリースを拒むことは無かったと言うスタンスでした。実は、私も自分の個人名義やTechno Menses名義で数本、作品をリリースしてもらっていました。余りノイズ的なものではなく、寧ろ、テクノ・ポップだったり、プログレ崩れな作品を出してもらっており、また当時、私は、メール・ミュージックの一貫として、彼とカセット作品の交換とかもやっていました。DD. Recordsの活動は、宅録の方が中心であったことや通販が主体であったことから、当時の日本地下音楽シーンでは全く無視された存在でしたが、その中の幾つかの作品は、米国Aeonを通じて、海外へもディストリビュートされていたようです。また、海外の一部のコレクターは熱心に買い集めていたようです。現在では、DD. Recordsの中でも活発に作品を出していたK. Yoshimatsu氏のセルフ・コンピや彼のバンドJuma或いはKasugai氏が自身でセルフ・コンピを出したりして、その一端は知る人ぞ知る存在にはなっていますが、肝心の鎌田氏が音楽から突然、リタイアしてしまい、彼自身の素晴らしい音楽を聴くことは中々できない、或いはDD. Recordsの音源自体を未だに購入することが出来ないと言う状況になっています。そんな中で、突然、DD.Records初のコンピレーションLPとしてリリースされ、それによって、またDD. Recordsは終焉したと言われた本作品”Disk Musik”が、英国Phantom Limbからリイシューされました!! その経緯については、私は詳しくは知らないので、ここで書くことは控えますが、40年経って、漸く、再評価されたのか!と感慨深いものでした。多分、海外コレクター経由だと思います。収録されたメンツも、その頃、活発に活動していた方々であり、納得の人選だと思います。 それで、内容ですが、先ずは、丸山圭子と大里真宏と菊地俊行から成るCircadian Rhythmによる、変調スキャットと女声コーラスのイントロから、アコギとVlnに女性Voから成るサイキックなフォーク・ソングA1, 土俗的打楽器のリズムにアコースティックな楽器を組合せて、飄々と歌う倉地久美夫のトリオによるイカしたノリのA2, 高密度の電子ノイズが、ループ音と共に放射されているTomomichi Nishiyamaの10TによるA3, Aqua, Y. Shinmy, Yokozawa, Yoshida-BCGの4人による、声やリズムマシン等のサンプリングを多用し、聴覚を撹乱させるような骨折する実験ポップのA4, 元々はSax奏者でもある磯谷隆文による、Steve Reichを思わせるような非常に洗練されたメロディを奏でるオルガン/ポリシンセによるミニマル曲A5, 倉本高弘のソロユニット名義Maskによる、調律の狂ったピアノの独奏〜変調された口琴のような音〜カシオトーンによる悲しげな旋律の曲から成るA6、K. HirosaとK. HisamatsuのデュオMosque of Tormentによる、初期EGのような、くぐもった強烈なマシンリズムが、最低限のノイズと共に爆走するA7で、A面は締められています。 B面は、今も活動している月本正による鼻歌のような調子っ外れなアウトサイダーなフォーク・ソングB1で始まり、不気味なシンセの緩やかな逆回転にテープ操作音が加わっていく、何か「終末(=音楽から離れる)」を予感させるB2, エレピとリズムマシンを中心とした、爽やかなフォーク・ロック調のB3, 出渕亮一朗のソロユニットCat Dogによる、自作ギターの打楽器的イントロから歪んだギター・ノイズとBの演奏へと流れ込むインプロ・ノイズなB4, 正体不明のYoung Hormonesによる、ちょっと捻った音色のシンセを使って、キュートな女性Voがハキハキと歌うテクノ・ポップなB5, 深くゆったりと流れるようなオルガン(エレクトーン?)の独奏がアンビエンスを感じさせるB6で、本作品は締められています。 こうやって、聴き通してみると、DD. Recordsには、本当に様々な音楽が、様々な完成度で同居していたのだなあと思います。それは、敢えてレーベルカラーを統一させないと言うことを逆手に取った運営方針によるものと思います。当時は(今も?)、レーベルカラーを出すことで、ここのは買い!とかになっていますが、敢えて、それをしなかったDD. Records(鎌田忠氏)の強い意志を感じますね。これが、英国のレーベルから40年経って、再発された意義(例えば、ジャンル分けの意味とか、完成度の意味とか)を再考すべき時期なのかも知れませんね。そんなことも考えさせてくれるコンピレーション・アルバムだと思います! A1. サーカディアン・リズム(Circadian Rhythm) “Shela” A2. Kum “カクスコ持った一日 (A Day With Kakusuko)” A3. 10T “Israel” A4. Abnormal Sex “NHK” A5. 磯谷隆文(T. Isotani) “1/2 Orange” A6. Mask “In And Out” A7. Mosque Of Torment “Ceramic Dance” B1. 月本正 (T. Tsukimoto) “愛の想いはすべてを超えたか (Did The Thought Of Love Surpass Everything?)” B2. 鎌田正 (T. Kamada) “Muzikapart” B3. 田畑佳樹 (Y. Tabata) “夏の模写 (Summer Imitation)” B4. Cat Dog “木目 (Grain)” B5. ヤングホルモンズ(Young Hormones) “たまご (Egg)” B6. 宇佐美啓一(K. Usami) “Soma Illusion” [original full album] https://youtu.be/3XjNZTBs22M?si=s2nuTfiCQYArp8b5 #VariousArtists #DiskMusik #ADD.RecordsCompilation #PhantomLimb #Reissue #2025年 #DD.Records #1985年 #JapaneseCassetteLabel #UndergroundMusic #Amatuerism #宅録 #Folk #PopMusic #Abstract #Noise #Experimental #Minimal # #CircadianRhythm #Kum #10T #AbnormalSex #T.Isotani #磯谷隆文 #Mask #MosqueOfTorment #T.Tsukimoto #月本正 #T.Kamada #鎌田忠 #Y.Tabata #田畑佳樹 #CatDog #YoungHormones #K.Usami #宇佐美啓一
Experimental / Pop / Abstract / Noise / Minimal Phantom Limb (DD. Records) 不明Dr K2
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Stephen Mallinder “Pow-Wow”
Stephen Mallinderと言えば、ご存知、Cabaret Volaire (キャバレー・ヴォルテール、略称Cabs[キャブズ])のVo/Bとして長年活動してきましたが、最近、Cabsを脱退して、Phil Winter及びBengeと共にWranglerを結成しています。彼は、そう言ったグループ活動と並行して、ソロとしても活動しています。今回は、彼のソロアルバムとしては一番古いアルバム”Pow-Wow”を紹介したいと思います。Cabsについては既に書いていますが、Mallinderについてのバイオグラフィーは書いていませんので、ここで、改めて書くことにします。 Stephen Mallinderは、英国シェフィールドで1955年1月1日生まれで、1973年にCabaret VoltaireをRichard H. KirkとChris Watsonと共に結成し、Western Worksにて様々な音楽的実験を試みたおり、Cabsとしては30枚以上のアルバムをリリースしています。1995年に豪州に移住し、10年間そこで暮らしています。1996年には、Pete Carrolと共にOffWorld Soundsを運営し、Western AustraliaのMurdoch大学で、論文”Movement - Journey Of The Beat”を執筆し、博士号を取得しています。その後、英国に戻りBrighton大学で教鞭を取る傍ら、Phil Winter及びBengeと共にWranglerを結成して、未だ現役のミュージシャンでもあります。もう少し、詳しく書いておきますね。Mallinderは、Cabsと並行して、1980年代には、既にソロワークも始めており、その中には、本作品でもあるアルバム”Pow-Wow”も含まれています。1988年にはSoft Cellのメンバー達と、Love Street名義で録音も行っており、1989年には、MinistryのAl Jourgensen達とのバンドAcid Houseのメンバーでもありました。ちょっと話しが前後しますが、1982年に、英国初の自主制作ビデオレーベルDoublevisionをRichard H. Kirkと設立し、1990年には、そのビデオレーベル関係のレコードレーベルPlastex Recordsも始めています。その後、豪州に渡ってからは、Ku-Ling Bros.やSassi & Loco名義での作品のリリースの為、1998年に、Off World Sounds/Productionsも始めています。Mallinderは、豪州に渡った時には、音楽ジャーナリストとしても働いており、Ministry Magazine, Sunday Times, The West Australianに音楽記事を書いていました、また、コミュニティ・ラジオRTRFMのプレゼンテーターやプロデューサーも務めています。また、2000年代になると、本の執筆も手掛けるようになります。例えば、2013年に発刊された、Benjamin Halligan, Nicola Spelman, Michael Goddard編集の書籍”Resonances: Noise and Contemporary Music”でも1章執筆していますし、同年、S. Alexander Reed編集の本”Assimilate: A Critical History of Industrial Music”では、表書きも書いています。後、博士号については、前述の通りです。それで、最近の音楽活動ですが、まず、Fila Brazilliaの片割れのSteve ConnyとHey, Rube!名義で録音開始、2012年10月にファースト・アルバム”Can You Hear Me Mutha?”をリリース、Ku-Ling Bros.のファースト・アルバム”Creach”が2001年に米国でリイシューされ、その後、2010年にアルバム”Here Come the Astronauts”をリリースしています。2014年2月には、プロデューサー兼リミキサーDub Mentorとのコラボシングル”Obsession”をリリース、これにはCabsの曲も収録されています。また、先述のように、Phil WinterとBengeとWrangler名義で、3枚のアルバム” LA Spark” (2012年), “Sparked” (2014年), “White Glue” (2016)を出しています。また、2014年には、地元SheffieldのバンドClock DVAとIn The Nurseryのメンバーと一緒にIBBERSON名義でのパフォーマンスも行っています。そうして、2019年には、再びDub MentorによるAnna Dominoの”Lake”のスポークン・ワード・ヴァージョンのシングルを作成しており、まだまだ、彼の活動は衰えないようです。 以上が、Stephen Mallinder個人の活動歴なのですが、本作品”Pow-Wow”は、ソロとしてのファースト・フルアルバムに当たる訳で、ゲストには、Alan Fisch (Drs)とLast Few Days (Daniel Landin, a.k.a. D. Styme, Si Joyce, a.k.a. Si Gross, Keir Wahid, a.k.a. K. Warhead & K. Fraser)の3人が参加しています。内容は両面とも6曲ずつで、リリースは、当時、この界隈で人気のあったレーベルFetish Recordsからです。それでは、各曲についてご紹介していきますね。とは言っても、1分前後のインターバルな曲も入っていますので、実質的な曲としては合計8曲と考えてもらって構いません。 ★A1 “Temperature Drop” (5:02)は、リズムマシンとスチールドラムと簡素なBから成るダブ的ミックスの曲で、時に聴こえるVoやノイズが何とも不穏でダークな雰囲気が、初期Cabsっぽいです。 ★A2 “The Devil In Me” (5:01)は、バシャバシャしたリズムマシンとスラップ奏法のBに、シンセやG、不可聴なVoが挿入されるジャンク・ファンクな曲です。 ★A3 “0.58” (0:58)は、ヨレヨレのパルス音とホワイトノイズのスネアから成る小曲です。 ★A4 “Pow-Wow” (3:23)は、リズムマシンのキックとPercが引っ張っていく曲ですが、エフェクターを掛けたBもシンプルなリフを重ねています。トランペット音の残骸等も挿入されていますが、これらは多分サンプリング? ★A5 “Three Piece Swing” (2:52)は、ノリの良いリズムマシンに、テープ音やB等から成る曲ですが、Gのカッティングも入っているのかな? ★A6 “Cool Down” (3:55)は、音色がもろCabsのリズムマシンで、そこにシンプルなBやノイズが纏わりついていくます。これもCabsっぽい曲です。 ★B1 “1.37” (1:37)は、笛(?)の音のループに打楽器のループが重なっていきます。 ★B2 “In Smoke” (3:37)は、四つ打ちキックに上物(ブラスや打楽器、Vo等)が乗っていく曲で、いつの間にか”not funky”なBも加わってきます。 ★B3 “1.59” (1:59)は、金属を擦るような微音ノイズから成る小曲です。 ★B4 “Length Of Time” (6:05)は、シンセで作った機関車のようなリズムとシンセのリフで持って行くような曲で、まるで除雪車が走っているような曲で、段々と盛り上がっていきます。 ★B5 “1.34” (1:34)は、テープ音とワイヤーの音(?)のループから成る小曲です。 ★B6 “Del Sol” (5:36)も、Cabs直系のリズムで、簡素なBとGも初期Cabsっぽいですが、割とGがコードをちゃんと弾いてますし、Voも聴こえる方ですが、その分、首を絞められそうな音楽になっています。 と言う訳で、Stephen Mallinderのソロ第1作目ですが、Voの無い、初期Cabsの鬱々としたマシン・ミュージックをそのまま受け継いでいるようにも思えますね。しかしながら、本作品の方がヴァリエーションが豊富で、自由度も高いと思います。まだ、後のエレクトロ・ファンクな面は見せていませんが、それでもちょこっとだけ、その片鱗も伺えます。Cabsの”Voice Of America”辺りが好きな方ならきっと気に入るでしょう!それにしても、Mallinderの創作意欲は衰えを知りませんね。 https://youtu.be/hp4DT4d1mfA?si=r3StdBvwMjv2myc4 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mjFyGgTRLdWtoCm4vqsb6CMNWrWnY9nFk&si=a6cIwjdbBboRsX0b #StephenMallinder #Pow-Wow #FetishRecords #FirstSoloAlbum #日本盤 #CabaretVoltaire #Wrangler #Industrial #LeftField #Electro #Guests #AlanFisch #LastFewDays
Industrial / Left-Field Funk / Electro Fetish Records 不明Dr K2
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Penguin Cafe Orchestra “Music From The Penguin Cafe”
皆さんは、Penguin Cafe Orchestra (以下PCOと表記)を覚えてますか? 1980年代初頭に日本でも大ブームを巻き起こした英国グループで、Brian EnoのObscure Recordsの一貫としても紹介され、当時のアンビエント・ブームに乗っかる形で、それこそOLや女子大生にまで人気がありました。その時は、私は全然興味が無かったのですが、ふとしたキッカケで中古日本盤を購入していました。 先ずは、PCOのバイオグラフィーを書いていきたいと思います。中心人物のSimon Jeffesは、英国サセックス州生まれ、カナダ育ちで、13歳の時に、Gを弾いて欧州を回っており、その時に、クラシックGやPiano、音楽理論をChiswick Polytechnicで学んでましたが、卒業前にドロップアウトしています。それで、1972年に日本に住んでいたらしいのですが、その頃は、クラシックの硬直性とロックの限界を感じ、そのどちらにも幻滅していた時期で、その代わりに、いわゆるフォークミュージックに可能性を見出してしたらしいです。そして、その時に、エスニック・ミュージック、特にアフリカン・スタイルに興味を抱き、これらのスタイルを西洋の古典的音楽に掛け合わせようと決意します。こうして、Jeffesは、自ら作曲して、それを演奏する為に、PCOを始めます。ただ、Jeffesは、Penguin Cafeについて語る時、それは、1972年夏、南仏で不味い魚料理で食中毒になり、ホテルのベッドで横になっていた時に、「自分がPenguin Cafeの経営者になって、適当に話しをしていく」夢を見たことによるとしています。彼は、PCOの音楽をmodern semi-acoustic chamber musicと評しています。そうして、Jeffesは、本作品でもあるPCOのファースト・アルバム”Music From Penguin Cafe Orchestra”を1974-1976年に録音しており、この作品は、Brian EnoのObscure Recordsのシリーズとして、Edition EGから1976年にリリースされます。その後、メンバーも落ち着いてきて、1981年には、セルフタイトルのセカンド・アルバムを出しています。PCOは、1976年10月に、KraftwerkのRoundhouseでのライブサポートとして、初めて大きな会場での演奏を行っています。その後は、LondonのSouth Bankの専属になりながらも、様々なフェスに参加、1976年〜1996年に、北米、豪州、日本、欧州、英国で演奏をしています。1987年3月には、ITVのアートシリーズThe South Bank Showでも出演し、演奏を披露しています。一方、Jeffesは、より実験的な方向性を打ち出し、トロンボーンやオーボエも入れて、PCOをダンス・オーケストラにしようとします。その為か、オリジナル・メンバーのGavyn Wrightは1984年に、Steve Nyeは1988年にバンドを脱退してしまい、新たなラインナップで活動を続けます。新メンバーは1975年頃から1988年までの間に加入し、1995年に、アルバム”Concert Program”をリリースしています。しかしながら、1997年に、リーダーのJeffesは、脳腫瘍で亡くなってしまい、PCOは一旦休止状態となります。しかしながら、2007年に”Concert Program”の時のメンバー(若干の違いはある)でリユニオンを果たし、特に、Jeffesの息子Arthur JeffesがPercとKbdで加入してから、Arthurはバンド名を単にPenguin Cafeとして活動していますが、元々のPCOのメンバーの内4人はThe Anteatersと名乗ってフェスに出演したりしています。 以上がPCOの略歴となりますが、本作品はPCOとしてのデビュー・アルバムに当たります。少々、混乱するかも知れませんが、クレジットには、2種類のバンド名(?)が記載されています。一つは、ZOPFで、Simon Jeffes (G, B, Ukulele, Quatro, Spinet, E-Piano, Mouth Perc, Vo, Zither, Ring Modulator, Cello [A2-2]), Helen Leibmann (Cello), Gavyn Wright (Vln, Viola), Neil Rennie (Ukulele [A2-5]), Emily Young (Vo), Steve Nye (Mixing)から成り、主にA2を担当、もう一つは、Penguin Cafe Quartetで、Helen Leibmann (Cello), Gavyn Wright (Vln), Steve Nye (E-Piano, Engineer), Simon Jeffes (E-G)から成り、主にB面を担当しているようです。また、録音時期もA1, B1は1974年に、B2, B3は1976年に行われていますが、A2についての録音時期の記載はありません。しかしながら、作曲は全てSimon Jeffesで、プロデュースはJeffesとSteve Nyeが行っています。そうして、A面には2曲(内A2曲は7パートから出来ています)/B面は3曲と言う内容になっています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ★A1 “Penguin Cafe Single” (6:14)は、恐らくPCOとしての発想が初めて具現化した曲だと思います。弦楽器のリズミカルな音とピアノの軽やかな音の対比や、途中で即興っぽく、或いはロッケンローっぽくなってしまう辺りの崩し方が絶妙です。 ◼️ZOPF ★A2-1 “From The Colonies (For N.R.)” (1:38)は、弦楽器を弾く音とチェンバロ風の楽器にBが底上げしているミニマルな曲です。 ★A2-2 “In A Sydney Motel” (2:27)は、アコギと虚なVoからリズミカルな展開になるダイナミックな曲で、その対比が面白い。 ★A2-3 “Surface Tension (Where The Trees Meet The Sky)” (2:20)は、ショッキングなピアノで始まり、チェロやVlnが絡んでくるゆったりした曲です。 ★A2-4 “Milk” (2:20)は、BとVoのミニマルな曲で、変調音やフリーキーなチェンバロ音が絡んでくる曲。 ★A2-5 “Coronation” (1:30)は、弦楽四重奏をバックにゆったりと歌う曲ですね。 ★A2-6 “Giles Farnaby's Dream” (2:17)では、チェンバロのイントロから、Bやウクレレなんかがちょっとポップス調にメロディを奏でています。 ★A2-7 “Pigtail” (2:45)では、ポロロンとしたピアノに変調された音が被ってくる曲で、ミニマルにゆっくりと展開します。 ◼️Penguin Cafe Quartet ★B1 “The Sound Of Someone You Love Who's Going Away And It Doesn't Matter” (11:38)では、軽妙なGソロ弾きから次第にピアノや弦楽器がお互いに絡み合い、どれがメインとなる訳でもなく、躁鬱病のように流れていきますが、エレピの高音と弦楽器でいきなり「電気的」にもなったり、「不仲」になったりします。 ★B2 “Hugebaby” (4:43)でも、Gとエレピとチェロが網目のように絡み合いながら、盛り上がりかけたり、落ち着いたりします。 ★B3 “Chartered Flight” (6:37)は、漆黒の中からVlnが立ち現れ、エレピやチェロも出てきますが、突然、弾むんで散歩するような曲調へ。エレピソロが目立ちますが、やがて離陸していき、最後はVlnのピッキングでフェイドアウトしていきます。 普段、聴かない音楽なので、中々興味深く楽しめました。多分、サティ辺りの「家具の音楽」との関連もあるとは思いますが、A2の短い曲の連続もそれぞれの曲に工夫が凝らしてあって面白かったですし、B面の長めの曲も、表情の変化の移ろいが感じ取れて、面白かったです。特に、エレピの高音をああ言う風に弾くと、かなりエレクトリックな感じになるのが、発見でした。まだまだ、セミ・アコースティックでも新しい音楽が作れると確信出来た時代だったのかもしれませんね。まぁ「家具の音楽」と言うよりも「Obscure」と言った方がピンときます。貴方は聴きますか? A2-3 “Surface Tension (Where The Trees Meet The Sky)” https://youtu.be/e_VWTJeA3w0?si=0DDb8udV6ZmHiQVy [full album(B2を除く)] https://youtube.com/playlist?list=PLgUklsPQ_4toXsZljE4B7Kc7WhFZktD2z&si=fan-XsaHtUkMSj6v #PenguinCafeOrchestra #MusicFromThePenguinCafe #EditionsEG #PolydorRecords #ObscureRecords #FirstAlbum #1974-1976年 #日本盤 #Contemporary #ChamberMusic #Semi-Acoustic #ZOPF #PenguinCafeQuartet #SimonJeffes #SteveNye #HelenLeibmann #GavynWright #EmilyYoung #NeilRennie
Contemporary / Semi-Acoustic Editions EG / Polydor Records 不明Dr K2
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Killing Joke “Fire Dances”
時々、思い出すのが、Killing Jokeなのですが、私は正直、このバンドがどう言う立ち位置なのかは今だに良く分かりません。前回、Killing Jokeのバイオグラフィーはこのアルバムの直前まで書いてありますので、それで大体のことは分かると思います。少しだけ補足をしておきますと、サード・アルバム”Revelations”を出した1982年頃に、メンバー、特にJaz Coleman (Vo, Synth)は、オカルト、それもAleister Crowleyの黒魔術に心酔しており、同年2月には、ColemanはKevin "Geordie" Walker (G)を誘って、直ぐにもやってくると信じていた黙示録的終末を避ける為に、暫くアイスランドに逃亡し、Þeyrと言うバンドと一緒にNicelandなるプロジェクトをやっています。残されたYouth (B)はそのまま英国に留まっていましたが、Killing Jokeを脱退し、Paul Ferguson (Drs)と共にバンドBrilliantをやり始めます。ただ、Fergusonは、アイスランドに行き、新メンバーPaul Raven (B)と共に、新生Killing Jokeを始めます。1982年には、このメンツで、シングル”Birds Of A Feather"を、またカナダのトロントで制作した10㌅ミニ・アルバム”Ha!”をリリースしています。そうして、1983年には、本作品でもある5枚目のアルバム”Fire Dances”をリリース、そこからシングルカットされた”Let's All Go (to the Fire Dances)"もリリースし、彼等は初めてのMVを作製し、プロモーションを行っています。更に、同年10月には、アルバム未収録曲”Me or You?"も出しています。まぁ、ここら辺で辞めておきましょう。 こんな経歴で、Killing Jokeは、ポストパンクにもヘビメタにも人気があると言う特異な立ち位置のバンドであるとは分かってもらえましたか? 再掲になりますが、この5枚目のアルバム”Fire Dances”の参加メンバーは、Jaz Coleman (Vo, Synth), Kevin “Geordie” Walker (G), Paul Raven (B), Paul Ferguson (Drs, Vo)の4人組です。それでは、本作品(両面5曲づつ)の各曲を紹介してい曲ましょう。 A1 “The Gathering” (3:12)は、跳ねるようなリズム隊に、結構カッコ良い歪んだGと堂々と歌うVoが乗ってくる曲で、コーラスも間奏のGもグー! A2 “Fun & Games” (4:07)も、時計の音の直後に、跳ねるリズム隊と電流を通したようなGに、呟いたり、歌い上げたりする自在なVoが良く映える曲です。 A3 “Rejuvenation” (4:00)は、直角的なDrsと分厚いGとBから成る曲で、独特の歌い方のハキハキしたVoが迫ってくる曲ですね。 A4 “Frenzy” (3:48)も、メタリックなGに切羽詰まったようなリズム隊が追いつき、Voも生き生きしてます。ブレイクがカッコ良い! A5 “Harlequin” (3:56)は、四つ打ちっぽいキックに導かれて、太いBやGのリフが乗ってきますが、相変わらずVo(叫び声ではないのがまた良い!)に痺れます。 B1 “Feast Of Blaze” (3:34)は、またノリの良い曲で、サビでのGとBの絡みがイカしてますね。Voも良く通っています。 B2 “Song & Dance” (5:13)では、歪み気味のGのリフとVoから始まり、ドコドコしたリズム隊が挿入してきます。演奏自体は本当に上手いです!特にDrsとG! B3 “Dominator” (4:30)では、ややファンク調のリズム隊の演奏で始まり、Gは控えめで、時にKbdの不協和音が入ってきます。これはダンサブルですね。 B4 “Let's All Go (To The Fire Dances)” (3:20)は、DrsのスネアとGで始まり、直立的リズムが押し出された曲です。特に杭打ちのようなB!曲の熱量が凄い! B5 “Lust Almighty” (3:48)では、ジャングルのようなドコドコしたDrsに引き攣るGが真っ向勝負しています。 なんだろうなぁ。演奏もVoも上手いし、カッコ良いのだが、どうも心に残り難いような印象を持ちます。一つは、曲の並びに緩急が余り無いと言うこと。もっと言えば、心に残るリフとか曲の展開とかが余り無いように感じるってことです。1曲1曲は凄く良く出来ているし、演奏自体も上手いのですが、どうもアルバム単位で聴くとちょっと辛いかなぁ? それから、ColemanのKbdプレイが1曲(B3)だけしか聴こえなかったのも、今いちだったかも。そこら辺に物足りなさも感じたかなあ? しかしながら、曲自体は良く出来ていますので、好きな人には堪らないアルバムだと思いますよ❗️なので、気になる方は聴いてみては如何かな❓ B4 “Let's All Go (To The Fire Dances)” https://youtu.be/JV6ZUPp_mtQ?si=uavwi-0UYMr5syXa [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLVpuNR2HpwPgbkAWHnQjJ1XYdjV7eDa5z&si=9mFDBPmXoc-o5vmf #KillingJoke #FireDances #EGRecords #PolydorRecords #日本盤 #5ThAlbum #PostPunk #AlternativeRock #HeavyMetal #Synthesizers #JazColeman #KevinGeordieWalker #PaulRaven #PaulFerguson
Post Punk / Alternative Rock Polydor Records (EG Records) 不明Dr K2
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Glaxo Babies “In The Begining”
またまた戻ってきました。英国ポストパンク・バンドGlaxo Babiesのセカンド・アルバム”In The Beginning”、、、なんですが、オリジナルは、タイトルが"Put Me On The Guest List”で、かつ曲順や収録曲に若干の違いがあります。今回は日本盤の紹介をしたいと思います。Glaxo Babiesのバイオグラフィーについては以前に書きましたので、省略しますが、今回のメンバーと担当楽器だけ書いておきます。Rob Chapman (Vo), Tom Nichols (B, Vo), Geoff Alsopp (Drs), Charles Llewellyn (Drs [B5]), Dan Catsis (G, Vo), Tony Wrafters (Sax)となっております。ご存知のように、Dan Catsisは一時期、同郷ブリストンのThe Pop Groupのメンバーでもありました。それで、内容なんですが、先述のように、”Christine Keeler”が追加され、更に"Flesh"の代わりに"Nova Bossanova"が加えられていますので、本当は英国盤と比較したいところですが、そこまでの財力がありませんでしたので、ご勘弁下さい。因みに、この2曲 (A4 “Christine Keeler”とA5 ”Nova Bossanova”)は先行シングルとしてリリースされた音源です。また、日本盤は曲順が変えてあると言いましたが、どうも、4回4か所で、録音がなされており、その時間軸に沿って、並べ替えているようです。なので、一つのアルバムと言うよりも、セルフ・コンピみたいな扱いになっています。それで、今、聴くと、何ともDIYっぽい音で、ちょっと残念な感じもして、もうちょっとドラムやベースの音なんかに凝った方が良かったのでは?と思わず突っ込んでしまいそうになります。曲自体はもろポスト・パンクですが、思っていた程、ファンク色は強くはないです。しかしながら、Catsisの痙攣ギターが時々聴かれるのは嬉しいです。また、WraftersのSaxも入っていない曲もあって、もっとバリバリ入れて欲しかったとも思います。Sax入りの曲が良いので、余計にそう思ってしまいます。しかしながら、適度に聴き易くて、素朴な曲もあって、それなりに楽しめます。なので、必聴!とは言いませんが、1980年のポスト・パンクに興味がある方は一度は体験した方が良いかもしれませんね。 A1 “This Is Your Life” A2 “Police State” A3 “Because Of You” A4 “Christine Keeler” A5 “Nova Bossanova” A6 “Who Killed Bruce Lee (Version)” B1 “Stay Awake” B2 “She Went To Pieces” B3 “Avoiding The Issue” B4 “Burning Flesh” B5 “Puppet Patrol” 日本盤のYouTubeは無かったので、オリジナルの"Put Me On The Guest List”[full album]を貼っておきます。 https://youtu.be/FETnWGGFa7A?si=aIyYZ1hJppYBgHMU A4 “Christine Keeler” https://youtu.be/ULQwTNb5Ze0?si=OSTZv0GYrzvOfP9P #GlaxoBabies #InTheBeginning #TrioRecords #HeartbeatRecords #CherryRedRecords #S #PostPunk #PutMeOnTheGuestList #SecondAlbum #日本盤 #SelfCompilation #RobChapman #TomNichols #GeoffAlsopp #CharlesLlewellyn #DanCatsis #TonyWrafters
Post Punk Trio Records (Heartbeat Records / Cherry Red Music) 不明Dr K2
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Danielle Dax “The Chemical Wedding”
地下音楽界の才色兼備なアーティスト、Danielle Dax (元Lemon Kittens)の日本国内盤です。内容はセルフ・コンピとなっています。今回は邦題も中々イケてますね。彼女については前回も書きましたので、バイオグラフィーは省略します。 まあ、日本盤でセルフ・コンピなので、初めは散漫な感じかな?と思ってましたが、彼女の曲は彼女にしかできない為か、どの曲を取ってもDanielle節で、思った以上に統一感があり、ビックリしました。歌も曲もオリジナルだなぁと感心しています。彼女はマルチ奏者なので、基本的には彼女の「ソロ」なんですが、ヘルプで、Trevor Reidy (Dr), Karl Brake (G), Pete Farrugia (G), Ian Sturgess (G, B), Chad Strentz (Harmonica), David Knight (G, Perc, Kbd, Tape)が参加しています。Danielle自身はVo, G, Sax, Percと作曲を担当(一部はDavid Knightが作曲)。勿論、ジャケも彼女によるドローイングを元にしています。まあ錬金術のように彼女は、新しい音楽を作り出したのでしょう。それこそが、”The Chemical Wedding”ですね。メロディ・ラインが特徴的なので、すぐに分かりますね。ある意味、貴重な編集盤なので、Danielle初心者にもお勧めです。 A1 “Touch Piggy's Eyes” (4:48) A2 “Whistling For His Love” (3:35) A3 “Olamal (Instrumental)” (1:28) A4 “Muzzles” (3:22) B1 “Cat-House” (4:02) B2 “Up In Arms” (3:01) B3 “When I Was Young” (4:04) B4 “The Passing Of The Third Floor Back (Instrumental)” (2:53) A1 “Touch Piggy's Eyes” (4:48) https://youtu.be/kb1pKZhwHSg?si=yqSTtY5HmFqT8PEA A2 “Whistling For His Love” (3:35) https://youtu.be/5pHzemDZ588?si=GaPh5fwnEI9NG9dB A3 “Olamal (Instrumental)” (1:28) https://youtu.be/PK49BEEvnJA?si=FmhbR-ABfO5hmGEU A4 “Muzzles” (3:22) https://youtu.be/r0IsKydEjTs?si=4aghnTSmfZtkts4S B1 “Cat-House” (4:02) https://youtu.be/L8UQz4dnFl4?si=zOu6Xx7yME2RVLAB B2 “Up In Arms” (3:01) https://youtu.be/CupSoWrcN4k?si=sM0u2ymFTuwoM8bK B3 “When I Was Young” (4:04) https://youtu.be/0TCoLKiKSRo?si=5L3gRt9wHQHM1gOf B4 “The Passing Of The Third Floor Back (Instrumental)” (2:53) https://youtu.be/OgO89xAOnn8?si=ZzITofvRpcrWAo1l #DanielleDax #TheChemicalWedding #VapInc. #ExperimentalPop #SelfCompilation #Certic #JapaneseEdition #Multi-Instrumentalist #TrevorReidy #KarlBrake #PeteFarrugia #IanSturgess #ChadStrentz #DavidKnight
Experimental Pop Vap Inv. 不明Dr K2
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V.A. edited by Morgan Fisher “Miniatures (A Sequence Of Fifty-One Tiny Masterpieces)"
このアルバム、当時は話題になったし、皆んな、興味深々だったのですよ。タイトル通り、ほぼほぼ1分前後の曲が51曲詰め込まれたコンピなのですよ!知ってました?これをやろうとしたのが、首謀者のMorgan Fisherです。英国人なのですが、何故か、日本に移り住んでいて、CMとか映画の音楽で知っている方もいると思います。Morgan Fisherについて書いておきます。と言うのもこのような企画もののアルバムを一曲づつ紹介するのも野暮だからです。Moganはオルガン奏者としてキャリアをスタートし、1966年からSoul Surviversに加入、このバンドはは1967年、Love Affairと改名し、1968年に”Everlasting Love”をヒットさせています。1972年 にTim Staffell らとプログレッシブ・ロック・バンドMorganを結成 しています。また、 Mott the Hoopleのサポート・メンバーとして活動していましたが、1974年に正式メンバーとなります。”"Rock and Roll Queen"が英国や日本でもヒットしています。1978年には、Londonにてスタジオ&レコード・レーベルのPipe Musicを設立し、1982年にはQueenの欧州ツアーにKbdのサポートで帯同しています。1985年に日本に拠点を移します。日本に来て最初の頃は、英語の先生やYAMAHAシンセサイザーの広告カタログのキャッチコピーのコピーライターなどをしながら、インディーズレーベルから2枚のアルバムを出しています。Hand-Made Studioを設立。映画やテレビ番組の音楽を作成するようになります。1996年には世界初のMott The Hoopleのトリビュート・アルバム”MOTH POET HOTEL”を計画しプロデュースを行っています。1997-1999年に、Heat Waveに正式メンバーとして加入し、”TOKYO CITY MAN”や”月に吠える”に参加しています。2003年11月からMorganは六本木Super Deluxeにて、”Morgan’s Organ”と言う、毎月1回づつ連続100回のソロ・インプロビゼーションのライブを敢行。全てライブ録音されており、デジタルで購入できるようにしています。2018年にIan Hunterらと共にMott The Hoopleを再結成し、スペインのAzkena Rock Festival、英国のフェスRamblin' Man Fairに出演しています。ザッとこんな感じなのですが、そんな彼が何故このアルバムを作ろうとしたかなんですが、英国フォーク・ミュージシャンPete Seegerの”The Goofing-Off Suite”と言う10㌅ミニアルバムを聴いたからとされています。このミニアルバムにはクラシックの名曲やポップソングを彼がブラッシュ・アップして、1曲1分位までの曲が殆どだったとのこと。それで、彼はこのミニアルバムから着想を得て、1980年に創造的アーティストを個人的に選び、招待状を送りつけています。そこには1曲1分以内の曲を作って欲しいと書かれていました。招待状に対する反応は良く、殆どのアーティストがOKと返事をくれて、彼のPipe Studioに録音しに訪れたり、来られないアーティストは自前で宅録したりして、素晴らしい51曲が集まりました。しかも各曲は4、5曲づつ纏めてあり、その間の時間は3秒となっています。ここで参加アーティストは敢えて書きませんが、面白い選曲になっています。全ての極を好きにならなくても、1曲位は好きな曲に出会えるとMorganは言っています。なので、皆さん、是非ともこれを聴いてお気に入りを見つけて下さいね! ◼️Band 1 A1 Ollie Halsall & John Halsey “Bum Love” A2 The Residents “We`re A Happy Family / Bali Ha`i” A3 Roger McGough “The Wreck Of The Hesperus” A4 Morgan Fisher “Green And Pleasant” A5 John Otway “Mine Tonight” ◼️Band 2 A6 Pete Challis & Phil Diplock “My Way” A7 Robert Wyatt “Rangers In The Night” A8 Stinky Winkles “Opus” A9 Mary Longford “Body Language” A10 Andy Newman “Andy The Dentist” A11 David Bedford “Wagner`s Ring In One Minute” ◼️Band 3 A12 Fred Frith “The Entire Works Of Henry Cow” A13 Maggie Nicols “Look Beneath The Surface” A14 Joseph Racaille “Week-End” A15 The Work “With Wings Pressed Back” A16 Neil Innes & Son “Cum On Feel The Noize” ◼️Band 4 A17 Herbert Distel “Toscany In Blue (Last Minute)” A18 Lol Coxhill “An End To The Matter” A19 Ken Ellis “One Minute In The Life Of Ivan Denisovich” A20 Steve Miller “Alice” ◼️Band 5 A21 Norman Lovett “John Peel Sings The Blues Badly” A22 Patrick Portella “Serrons Nous Les Coudes” A23 George Melly “Sounds That Saved My Life (Homage To K.S.)” A24 Robert Fripp “Miniature” A25 Andy Partridge “The History Of Rock`N`Roll” A26 Phantom Captain “Breather” ◼️Band 1 B1 Ron Geesin “Enterbrain Exit” B2 Alejandro Viñao “An Imaginary Orchestrina” B3 Quentin Crisp “Stop The Music For A Minute” B4 Simon Desorgher “Tetrad” B5 Ralph Steadman “Sweetest Love (Lament After A Broken Sashcord On A Theme Of John Donne)” B6 R.D. Laing & Son “Tipperary” ◼️Band 2 B7 Trevor Wishart “Beach Double” B8 John White “Scene De Ballet” B9 Ivor Cutler “Brooch Boat” B10 Hector Zazou “Do Tell Us” B11 Michael Bass & Ellen Tenenbaum “A Miniaturisation Of Bartok`s Sonata For 2 Pianos & Percussion (3rd Movement)” ◼️Band 3 B12 Martin Chambers “A Swift One” B13 Bob Cobbing & Henri Chopin “Refreshment Break” B14 Dave Vanian “Night Touch” B15 Metabolist “Raging Poodles” ◼️Band 4 B16 Gavin Bryars “After Mendelssohn (137 Years)” B17 1/2 Japanese “Paint It Black” B18 Simon Jeffes “Arthur`s Treat” B19 Mark Perry “Talking World War III Blues” B20 Michael Nyman “89-90-91-92” ◼️Band 5 B21 David Cunningham “Index Of Ends” B22 Kevin Coyne “James, Mark & Me (In The Manner Of Tom Waits)” B23 Etron Fou Leloublan “Hep !” B24 Neil Oram & Ken Campbell & Science Fiction Theatre Liverpool “The Minute Warp” B25 Pete Seeger “Chorale From Beethoven`s 9th Symphony” [side A Band 1] https://youtu.be/u7_gmY2x6wg?si=JoIZ8De3AptLJaLWP [side-A Band 5] https://youtu.be/aVu5SoS5iok?si=xs8JV-5eE2MSc01x #Miniatures-ASequenceOfFifty-OneTinyMasterpieces #VariousArtists #MorganFisher #OneMinutes #PeteSeeger #Compilation #ConceptAlbum
Alternative Music / Conceptual Japan Records (Pipe Records) 不明Dr K2
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Fumio Kosakai “Earth Calling”
コサカイ・フミオ、日本のアンダーグラウンド・ミュージック界でこの名前を知らない人はもういないであろう。彼は古くはタコなどにも在籍していましたが、1990年頃よりC.C.C.C.、非常階段、そしてIncapacitants に所属、現在はIncapacitantsのメンバーとして活躍しています。その一方で、自身のハードロックを極める為に宇宙エンジンのG/Voも担当。これら以外にも花木霊や疎水響、RNA、FKK2などのメンバーとして、多岐に渡る活動をしています。彼が、上記のパンドやユニットに加わる前にソロカセットを出していたことを知っている方は少ないと思います。そして,今回、紹介するのは、1987年に、彼自身のレーベルAncient Recordsよりリリースされたファースト・ソロ・カセット”Earth Calling”のリマスター・リイシューLPです。録音は1985年のライブ録音〜1987年のミックス音源が収められています。初めに言っておきますが、このソロ作品は,現在のIncapacitantsのような轟々たるノイズ・ミュージックとはかなり様相が異なります。簡素なジャケに包まれたLPのA面には2曲、B面には1曲か収められています。因みに彼は、電子楽器/装置、シンセ、テープ及びベースを用いています。B面の1曲は、1985年9月11日に荻窪グッドマンでのソロ演奏がそのまま収録されており、本人も解説で言及したいるように、Terry Rileyに触発されたミニマルな曲が淡々と紡ぎ出されています。また、A面の2曲は1986-1987年に彼が行ったソロ・ライブの音源に自宅スタジオで、若干の音をオーバーダブして作られています。A面は、物音音のような音(ベース?)に深めのディレイがかけられており、そのバックには環境音がうっすら流れている、ちょっとホラーな曲調のA1と、フィードバック音が続くなか、通奏低音として現れた鉛色のシンセが絡みつき、そこに発信器の音も加わり,ゆっくりとそれらの音が捻れていくA2からなっております。全体的にモノクロな音から抜け出そうとする、彼の目指すサイケデリアと溢れる実験精神に貫かれた作品で、彼自身の音楽の源流を垣間見ることができますね。250部限定らしいので,見つけたら、即ゲットして下さい。一つだけ難を言えば,各曲の最後はフェイドアウトかリバーブをかけて終わって欲しかったです。 A1 “Absent Water” (4:55) A2 “Drive To Universe” (17:38) B1 “Look To The Light” (21:31) https://youtu.be/S_2XoCYzrfo?si=z2YbjzeeXFbIEsll #FumioKosakai #EarthCalling #AncientRecords #1987年 #MomoriesOfACraterLake #2013年 #Reissue #LimitedEditions #250部 #SoloAlbum #Experimental #LiveRecordingsPlusOverDub #LiveRecording #Psychedelia
Experimental Memories of a Crater Lake 不明Dr K2
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Phew “Our Likeness”
日本を代表する音楽家の一人であるPhewさんの1992年にイギリスのMuteから出た作品です。Phewさんのバイオグラフィーは前回、書きましたので、省略しますが、このアルバムは初の海外レーベルからのリリースであって、これをもって、彼女の世界的評価に繋がったのだと思います。近年では、彼女は、自身のヴォーカルとアナログ・シンセ及びリズムボックスでのソロ活動で有名ですが,本作品では、Phewさんに加えて、元CanのJaki Liebezeit, Einstrutzende Neubautenにも在籍していたAlexander Hacke, D.A.F.やCHBBでも有名なChrislo Haas及びThomas Steinの言う布陣で臨んでいます。普通、楽曲が出来てから、歌を考えて入れると思うのですが、本作品では歌が先にあって、それに合わせて、楽曲を後から使ったのでは?と勘繰ってしまうぐらい、彼女の唄は、高らかに、しなやかに歌われています。まあ、歌詞は日本語なんですが(英訳は付いています)、他のメンバーにはどう理解されていたのか?或いは歌詞の内容の理解無しに楽曲が作られたのか?そこら辺の謎解きも面白いですね。A-3 “Being”ではパンク調のデス・ヴォが特徴的ですが、個人的には、B-1 “Smell” ~ B-2 ”Depth of the Forehead”の「昔話の語り」のように囁くようなヴォーカルと断続するバックの音との対比からヘビーなビートに対抗する力強いヴォーカルへの流れが、一番面白かったですね。しがしながら、彼女の表現力は凄いですね。決して歌が上手い(譜面通りに歌うと言うこと)訳ではありませんが、その不安定な音程や言葉の選び方、字余りな歌詞などは一聴してPhewさんだ!と分かる程、個性的ですね。それこそがヴォーカリスト冥利に尽きると思います。これからも、我々をビックリさせる音楽を聴かせて下さい。因みに、参加メンバーは、Phew (Vo), Thomas Stein (B), Jaki Liebezeit (Drs & Perc [A1-A6, B2, B3, B5]), Alex Hacke (G), Chrislo Haas (Kbd [A4, B1, B4])です。 ★A1 “The Last Song” (3:24) ★A2 “Our Likeness” (3:52) ★A3 “Being” (2:59) ★A4 “Like Water And Water” (3:38): Alex Hacke (Piano), Chrislo Haas (Sax) ★A5 “Glitter Of Night” (1:59) ★A6 “Spring” (3:40) ★B1 “Smell” (3:36): Alex Hacke (Ambient Noise), Chrislo Haas (Ambient Noises), Jaki Liebezeit (Ambient Noise) ★B2 “Depth Of The Forehead” (3:54) ★B3 “Our Element” (2:49) ★B4 “Expression” (3:58): Alex Hacke (Ambient Noise), Chrislo Haas (Ambient Noises), Jaki Liebezeit (Ambient Noise) ★B5 “Ocean” (3:44): Jaki Liebezeit (Piano) https://youtu.be/uqJjGBrJ8Mk?si=dp0maaYfPhkxEOf_ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_m_UShybyWlQUJyFXK2BgNfB3RKXShN8MA&si=cyrEmiR47G9s2I0r #Phew #OurLikeness #MuteRecords #ThirdSoloAlbum #AvantPop #ExperimentalPop #Alternative #JakiLiebezeit #AlexanderHacke #ChrisloHaas #ThomasStein #Conny’sStudio #OverseasRecording #GermanTaste
Alternative, Avant-Pop Mute Records 2500円?Dr K2
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Phew “New Decade”
もう皆さん、Phewさんと言えば、ご存知でしょう。1978-1980年に伝説のパンクバンドAunt Sallyのヴォーカリストとして活動し、大阪Vanity Recordsに1枚の素晴らしいアルバムを残して、以後、ソロとして、彼女は、坂本龍一氏、独逸CANやノイバウテンの元メンバー、Conny Plank、大友良英氏や山本精一氏等とのコラボ作品、最近では英国のThe RaincoatsのAna da Silvaのとコラボ作品も出しています。また、ソロ以外にもパンクバンドMOSTやBig Picture, Radium Girlsなどのバンドでも八面六臂な活動しています。Phewさんは、近年、アナログシンセとリズムボックス及びヴォーカルだけで唯一無二のサウンドを作り続けており、また声だけで作成された”Voice Hardcore”と言ったコアな作品も出しています。それらの音楽は、シンプルですが、とてもユニークな作風です。単純ながら変幻自在な電子音と古びたリズムボックス音は、彼女の声質や歌詞などと共に、聴く人に強烈な印象を与えてくれます。今回も使用楽器は基本的には同様なのですが、曲の印象は全く異なるように感じられます。エコー/ディレイのかかった声とデッドな声の対比、シンプルながらも更に深化した電子音、必然を感じさせるリズムボックスやフィールド録音された音、ギター音の効果的使用等々、そこ此処に何かしらの変化を見せ、更に深い世界に我々を連れて行ってくれる感覚を覚えます。彼女の作品を聴いたことのない方は是非とも触れて欲しい音楽です。それはアヴァンギャルドとか実験的とは違う次元の音楽、例えるなら「未完と必然」の音楽だからです。しかもタイトルは「新しい10年」ですよ! 因みに、本作品では、Phew (Voice, Synth, G, Rhythm Box, Recording)の他に、ゲストとしてSeiichi Yamamoto (G [B3]), Hiroyuki Nagashima (Synth, Perc [A3], Mixing)も参加しています。 曲順 A1 “Snow And Pollen” A2 “Days Nights” A3 “Into The Stream” B1 “Feedback Tuning” B2 “Flashforward” B3 “Doing Nothing” A2 “Days Nights” https://youtu.be/Iw2o1K0Wn2U?si=eC0wHABUlZ-YSuzo [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k5yWg5IrBDS7PTVCk-_u04yNQc4-A260Y&si=uf-aZj_c5Tl3jtu7 [BandcampのURLも貼っておきます] https://phewjapan.bandcamp.com/album/new-decade #Phew #NewDecade #MuteRecords #SoloAlbum #Experimental #Electronic #AnalogSynthesizer #Synthesizers #Voice #RhythmBox #HiromiMoritani #AuntSally
Experimental / Electronic Mute Records 3630円Dr K2
