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Geile Tiere “s/t”
以前に、Geile Tiere Berlinとして紹介しましたLuciano Castelli (ルチアーノ・キャステリ)とSaloméことWolfgang Ludwig Cihlarz (ヴォルフガング・ルートヴッヒ・チーラルツ)から成る「パンク」デュオGeile Tiere (ガイレ・ティーレ)の唯一のアルバムを、今回はご紹介します。先ず、ジャケ写のインパクトが凄いですね。前回、彼等のバイオグラフィーは書きましたが、2人ともアート畑出身ですので、こう言うグラフィックの効果も狙っているのでしょう。彼等の詳細については、前回のバイオグラフィーをご参照下さい。 それで、内容の方ですが、先ずは、ダルなリズムマシンとGに、変調Voやら正体不明のノイズやら時々パンキッシュなVoが乗るダラダラしたA1で始まり、唐突にリズムマシンにストリートアートのように塗りたくられた音や声が面白いA2へと続き, 銅鑼の音共に始まる、軽快なマシンビートにジャズ・オルガンのリフやら不協和音やらと自在なVoが飛び交うA3はニューウェーブと言うよりノーウェーブ的です。雄叫びのようなシンセとマシンリズムに変調Voと生Voが絡み合うA4では、BやGが段々存在感を増していきます。ダブ処理されたリズムマシンに合わせて、能天気な歌と自在なGとオルガンらしき演奏から成るA5で、Bが辛うじて曲を保っています。 B面は、ドンカマのリズムに乗って、Gやオルガンと共に、早回しのVoや仰々しいVoを呪文のように繰り返すB1で始まり、唐突にバンド形態(生Drs, B, G, Kbd)の演奏に、キャッチーなVoとノーウェーブなオルガンが乗るB2, 再びマーチのマシンリズムと地響きのようなBと壮大なKbdに合わせて、シアトリカルなVoでの寸劇を繰り広げるB3, スローで土俗的リズムマシンに生Drsのロータム、更にこちょこちょしたシンセに乗せ、引き攣ったようなVoを延々と繰り返すB4, 結構、ロッケンロー的マシンビートとシーケンス及びGに、語り(?ラジオ音?)や早回しVo等を乗せたノリの良いB5, テープ音からいきなり太く荒々しいBとオルガンとDrsの演奏をバックにパンキッシュなVoが鮮烈なライブ音源B6で、本アルバムを締めています。 この作品では、Geile Tiereのアート・パンクな側面が前面に出ており、また殆どがLucianoとSaloméの2人だけで録音されたと思われる曲が多く、敢えてダルな雰囲気したり、様々なスタジオ・テクニックを駆使して、割とミニマルかつノーウェーブに仕上げたりと聴き応えも充分になっています。特にB6のライブ音源は貴重だと思います。最初は、少し把握し辛い印象もありましたが、聴く程に味のあるアルバムだと思います!ニューウェーブ好きよりもノーウェーブ的要素をNDWで消化した内容なので、そこら辺に興味のあるリスナーさんにはお勧めです!面白いですよー! A1 “Rosa / Hellblau” (5:50) A2 “Ich Bin Ein Huhn” (1:58) A3 “Place Des Alpes” (5:15) A4 “Liebst Du Mich?” (5:10) A5 “Supergeil” (5:06) B1 “Plastic” (3:53) B2 “Ausbildung” (3:04) B3 “Interview” (3:47) B4 “Kein Gefühl” (5:34) B5 “Just In Case” (3:33) B6 “Love You (Live)” (2:47) A1 “Rosa / Hellblau” (5:50) https://youtu.be/Wgbb1bI0MnA?si=Ex68AsHlRO4Utb4W A3 “Place Des Alpes” (5:15) https://youtu.be/hD14VWBKr18?si=0USVHDuvYaBzZUhh A4 “Liebst Du Mich?” (5:10) https://youtu.be/BQpHhfyo5o0?si=KZK4x_RnxtKa_ABf B1 “Plastic” (3:53) https://youtu.be/a7FKYpxP8r0?si=VKP_wFV6TF8LBonI B2 “Ausbildung” (3:04) https://youtu.be/cTUzz1s7m6Q?si=Qp4EJwUKUiDosuS5 B6 “Love You (Live)” (2:47) https://youtu.be/28mtlrxguMs?si=B_4ym-x1g2F5V_KZ #GeileTiere #self-titled #GeeBeeDee #FirsAndLastAlbum #Berlin #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #Minimal #ArtPunk #NoWave #LucianoCastelli #WolfgangLudwigCihlarz #Salomé
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental GeeBeeDee €55.00Dr K2
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Zeitgeist “s/t”
これもいつもの如く、何も知らないで、ちょっとだけ視聴して購入したブツです。なので、少し調べてみました。Zeitgeist(ツァイトガイスト;「時代精神」の意)は、1980年末に、Marianne Langfeldt (Vo; マリアンネ・ラングフェルト), Matthias Hanselmann (G, Vo; マチアス・ハンゼルマン), Matthias Witting (Kbd; マチアス・ヴィッティンク), George Kranz (Drs, Choir; ゲオルゲ・クランツ), Axel Kottmann (B, Choir; アクセル・コットマン)によって、ベルリンで結成されていますが、その前身として、Axel Kottmann以外のメンバーは、Firma 33と言うフュージョン系ロック・バンドを1970年代後半にやっていました。最初のデモ音源を作成後、Biber Recordsと契約し、シュトゥットガルトのZuckerfabrik録音スタジオで、本作品でもあるファースト・アルバムを録音しています。セルフ・タイトルのデビュー・アルバム、は1981年5月にリリースされています。音楽誌の評判はよく、Tip Magazine誌では「息を呑むほど野心的なロックソングが彼らの切り札であり、歌詞にはウィットと皮肉が溢れている」と、またHiFi-Stereophonie誌でも「音楽的には、彼らは独のロックバンドの中でもトップクラスだ」と評されており、バンドは、3度の独国内ツアーを行っています。1982年に、Zeitgeistは、またまたセルフ・タイトルのセカンド・アルバムをリリースしていますが、レコードのリリースに合わせて、他のNDWバンドよりも積極的に、多くのフェスティバル出演を含む独とスイスを巡る 30 日間のツアーを敢行しています。マインツでの野外コンサート後、ある国際音楽誌は「Zeitgeistの音楽はエネルギーだ。しかし、それは単なる消費ではなく、関与を求めるエネルギーだ。緊張感があり、力強く、リズミカルで、脈打つ。心と頭に響く。活力万歳。それはステージ上のバンドのテーマでもある。動き、相互作用、そして観客への語りかけ。」と評しています。1983年になると、Zeitgeistは数々のコンサートを通じて、優れたライブバンドとしての評判を強めていきます。サード・アルバム”Gib mir Zeit!“では、新たな方向性としてブラス系楽器も使っていますが、バンドとしてはこのアルバムで終わっているようです。一方、ドラマーのGeorge Kranzは、Zeitgeistに参加する前から、後のソロリリース”Trommeltanz”の基礎を築いていました。それは、1978年に”Blain de din”と言う曲でのドラムソロから始まり、Tangerine DreamのChristoph Frankeが、1981年にこの曲に気づき、スタジオでこの曲の制作を続けようとFrankeからの申し出で、最終的には、バンドメンバーのMatthias WittingがKbdを担当したバージョンが、1983 年の夏に、George Kranzのソロシングル”Trommeltanz”として初めてリリースされます。マキシシングルに対する最初の反応は、ベネルクス3国から、その後、米国からも寄せられました。このマキシアルバムは、その年の冬に、国際向け用のタイトル曲”Din Daa Daa”として再リリースされています。このレコードはビルボードのダンスチャートにランクインし、ヒットリストで1位を獲得しています。その為、George Kranzは東海岸でいくつかのコンサートを行っており、その中にはNYCのFunkhouseやGarageと言った有名なハコでのコンサートも含まれています。 以上が、Zeitgeistのバイオグラフィーになりますが、George Kranzはその後も活動していたようですね。 それで、内容の方ですが、先ず、軟らかいシンセのニューエイジ的インスト小曲A1で始まり、アップテンポで見事にシンセ多用の軽めのニューウェーブなA2に雪崩れ込みます。ロリなVoもさることながら、曲構成も結構凝ってます。続いて、ミドルテンポで、やや重苦し気で、哀愁のGや切実なVoも聴取できるA3となりますが、間奏のピアノの連打が良いスパイスです。連続して、Bとピアノによるバネのあるリズムに、コーラスとVo、それにファズGが絡むA4へと続きますが、間奏のエレピのソロが癖になりそうです。生ピと太いシンセBから仰々しく始まるA5でも”Hiroshima”と言う歌詞が出てきますし、この重々しさはそう言うことか!と納得させられます。 B面は、少しフュージョン臭さもあるアップテンポなニューウェーブな曲で、巻き舌Voが歌っていたと思っていたら、子供の合唱なんかも使われていて、中々凝った曲B1で始まり、軍靴の音だけから成るB2を挟んで、またまた深いシンセと柔らかいBからダイナミックに始まり、声を張り上げて歌うB3へと続いていきます。この曲なんかは如何にも元フュージョン・バンドっぽいアレンジです。ホンキータンクなピアノを中心としたユーモラスなツービートのB4, スラップ奏法のBも活躍しまくりですが、それ程ファンク色は強くないB5ではサビで弾けます。最後は、ダンサブルなビートに、ニューウェーブ風のシンセが被り、男女のVoの掛け合いが楽しいB6で、本アルバムを締めています。 度々、フュージョン!フュージョン!と言っていますが、曲そのものの構成や展開等は非常に凝っており、またそれを演奏するテクも充分にあり、聴いていて、安心できます。また曲の展開を色んな視点から聴くことができるのも一興です。まぁ、正直、彼等は、カッコ良いツボを良く知っていますよ! それが独逸語で歌われるので、尚更、面白いです!まぁ、好き嫌いは別として、偶には、フュージョン(また言ってる!)からのニューウェーブも面白いんじゃないかな?! 時代的はそう言う時代だったので、、、。そこでふと思い出したのが、四人囃子の”Neo-N”ですね(まぁそこまでのテクではありませんが)。皆さんはどう感じますか? A1 “Vorhang Eins” (0:40) A2 “Frankensteins Kinder” (3:58) A3 “Spinnste! Spinnste?” (5:05) A4 “All-Tag” (4:36) A5 “Keine Gefahr” (5:30) B1 “Der Film Beginnt” (3:33) B2 “Vorhang Zwei” (0:30) B3 “Dornwittchen” (6:32) B4 “Max” (2:02) B5 “Sticker” (4:14) B6 “Hep! Hep! Happy End” (4:14) A2 “Frankensteins Kinder” (3:58) https://youtu.be/1cEurnBR2rk?si=PyETJPbBZmNa7xF6 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLggvVsXDCFg_TTBzf1d_OXSUPoldqNYoQ&si=jDRbieY08ZnoxRSS #Zeitgeist #self-titled #BiberRecords #FirstAlbum #Berlin #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #Firma33 #FusionBand #Trollemeltanz #DinDaaDaa #ChristophFricken #MarianneLangfeldt #MatthiasHanselmann #MatthiasWitting #GeorgeKranz #AxelKottmann
Industrial / Neue Deutsche Welle (German New Wave) Biber Records €8.18Dr K2
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Die Crackers “B R D igung“
このバンドも全然知らないで、ちょっとだけYouTubeで視聴して、購入しました。それで、ちょっと調べてみました。Die Crackers (ディー・クラッカーズ)は、1979年に、Lothar ‘Loti’ Pohl (Vo), Peter Richter (G), Stephan Ohnhaus (G), Johannes ‘Hansi’ Malolepszy (B), Jürgen Wilmer (Drs)によって結成されたパワーポップ/ニューウェーブ・バンドです。なので、時期的にもちょっと早く、また所謂「NDWバンド」ではないようです。最初のコンサートは、Wiesbaden(フランクフルトの近郊の街)のWartburgで行っています。彼等は、解散する1987年までに4枚のアルバムと多数のシングルをAhornから、大手のTaldecを介してリリースしています。当初より、Rodgau MonotonesとFlatsch!とHob Goblinと共に、その地域では知らない者はいない位、有名で、彼等は、その出自からHessen Power(ヘッセン・パワー)と称されていました(多分、日本で言う処の「めんたいロック」とかと同じような言葉だと思います)。1982年にリリースしたシングル”Phonhaus”と”Pornokino”で成功を収め、更に、1983年に出したシングル”Klassenfahrt Zum Titisee (カッセンファールト・ツム・ティティゼー「ティティゼーへの修学旅行」の意)”が最高傑作と言われています。その中で、彼等は、Turnschuhgeneration(テュルンシューゲネラチォーン「スニーカー・ぜネレーション」の意)と言う言葉を提唱し、それは、その時のDuden辞典にも載っています。それで、彼等は解散しますが、1989年に、異なるメンバーで再結成していますが、1998年からはオリジナル・メンバーになっています。2003年には、オフェンバッハ市庁舎で行われたRodgau Monotonesの結成25周年記念コンサートに出演し、8000人のオーディエンスの前で演奏しています。やまた、2007年と2008年の選挙運動の時には、ヘッセン州社会民主党の為に、劇”Die Zeit ist reif“ (「時は熟した」の意)を書いて上演しており、2008年12月5日/6日のコンサートを収録した2枚組ライブCD”Die Crackers Live”を2009年5月にリリースしています。その後、 2012年9月29日、バンドはWiesbadenでの最後のコンサートを行なっています。2018年12月に発表された通り、結成40周年を記念して、2019年に3回のコンサートで復活しています。 2020年、Die Crackersは、Johannes ‘Hansi’ Malolepszy (B), Stephan Ohnhaus (G)に、Peter RichterとUrban Berzと組んでいたRolf Bussalb (G)とThomas Rath (Drs)とも加わり、再結成していますが、コロナ禍で充分にコンサートは出来なかったようです。2023年には、Die Crackersは、Lothar PohlとSheela Berigaiが監督したミュージカル”Schinderhannes (シンデレラハンネス)”のツアーに出ていますが、この時は、Mörfelden-Walldorfer出身のミュージシャンRalf Baitinger (Kbd, Accordion, Vo, 合唱のアレンジ)も加わっています。またドラムは、Thomas Rathの代わりにMichael Großmann(ミヒャエル・グロスマン)が担当しています。2023年10月24日、VoでフロントマンのLother Pohlが71歳で他界したいます。彼の追悼式では、残されたメンバーがアコースティック編成で、”Klassenfahrt zum Titisee”のインストゥルメンタル・バージョンを最後のライブで演奏し、Ralf BaitingerのVoで"Blackbird"/"Kamikaze"を演奏しています。また、同年には、オリジナル・メンバーのJürgen Weimer (Drs)も他界しています。 以上がDie Crackersのバイオグラフィーとなりますが、本作品は彼等のファースト・アルバムに当たります。なので、メンバーは、Lothar ‘Loti’ Pohl (Vo), Peter Richter (G), Stephan Ohnhaus (G), Johannes ‘Hansi’ Malolepszy (B), Jürgen Wilmer (Drs)の5人で、プロデュースは、Frank Dostalが行なっています。それで、本作品の内容は、一言で言えば、「UKのパワーポップを独逸語で歌っている」と言えば、良いでしようか?いきなり、A1から全力疾走しますが、意外にも独逸語歌詞が上手く乗っています。難を言えば、独逸語歌詞以外に独らしさが余り感じられないところでしょうか?しかしながら、非常に上手く米英のパワーポップを消化しており、甘酸っぱい曲調や疾走感が感じられて、寧ろ好感が持てます。アコギのアルペジオから始まる、しっとりしたブルース曲のA4を挟んで、再びノリノリなロッケンローなA5へ。そして、レゲエを上手く取り入れた、ちょっとユーモラスなA6、そしてA面最後のA7は、Tom Robinson Bandを彷彿とさせる力強い曲となっています。ギターソロなんかも、本当に上手いです! B1も不穏なイントロからいきなり全力疾走するポップンロールな曲で始まり、力強くタイトなビートのB2(途中で米国国歌のフレーズも出てきます)、コーラスワークやギターソロも冴えるB3、そして再び、しっとりと歌い上げるスローなB4を挟んで、しっとりしたジャズなイントロからの全力疾走するB5、小気味良いB6、そして、カリプソ風の軽やかなB7でアルバムを締めています。先述のように、Die Crackersは、NDWバンドと言うよりも、独逸語で歌うパワーポップなバンドであり、Tom Robinson BandやRezillos或いはBuzzcocks辺りが好きな方はきっと気にいると思います。各メンバーのテクもちゃんとあるので、全力疾走していても、演奏自体はブレずにタイトです。なので、今回は、NDWファンだけではなく(/ではなく)、パワーポップ・ファンにお勧めします!カッコ良いですよー! A1 “Phonhaus” (2:36) A2 “Müsli-Fieber” (2:38) A3 “Pornokino” (3:01) A4 “Nehmt Den Jungs Die Mäuse Ab” (3:56) A5 “Crackers-Show Im Frankfurter Zoo” (2:06) A6 “Hätt' Ich Einen Hammer” (3:35) A7 “Müller!!!” (2:37) B1 “Herr Kardinal, Ham Sie Schon Mal?” (2:56) B2 “Ich Glaub, Ich Geh Jetzt” (3:36) B3 “Laß Mich Mal Ran” (3:48) B4 “Laß Mich In Ruh” (2:42) B5 “Wah-Wah-Fred” (4:30) B6 “Superstar” (1:10) B7 “Ulla” (2:19) A3 “Pornokino” (3:01) https://youtu.be/bW60ptYMml8?si=Fsd3h4qNiDrh2elj [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lYfvblG0y9fLtFusjYsG5jMpGfT1R6pFY&si=48JwJhtQPYDqnKjB #DieCrackers #BRDigung #Ahorn #Taldec #FirstAlbum #PowerPop #NewWave #Wiesbaden #HessenPower #Turnschuhgeneration #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Lothar‘Loti’Pohl #PeterRichter #StephanOhnhaus #Johannes‘Hansi’Malolepszy #JürgenWilmer #Producer #FrankDostal
Power Pop / Neue Deutsche Welle (German New Wave) Ahorn / Taldec €3.00Dr K2
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Mythen In Tüten “Die Neue Kollektion”
これは、何処かで見たジャケだが、ついでに買っておくかと思って購入したレコードなんですが、後で、小柳カヲル氏著書「クラウトロック大全」を見たらちゃんと載ってました(流石です!)! Mythen In Tüten (ミューテン・イン・テューテン)はハノーファーのバンドで、メンバーは、Emilio Winschetti (Vo;エミリオ・ヴィンシェッティ), Ingo Erlhoff (Sax; インゴ・エルホフ), Lutz Worat (Kbd;ルッツ・ヴォラット), Rüdiger Klose (Drs; リュディガー・クローゼ)によって1979年に結成され、後にFelix Helge Wolter (B; フェリックス・ヘルゲ・ヴァルター)も加入します。No Fun Recordsから本作品であるファースト・アルバムは、Foyer des Arts, Die Zimmermänner, Saal 2と同様に、ニューウェイヴ、ポップ、シュラーガー(日本で言う所の歌謡曲?)の要素をミックスしており、彼等は「メタヒット」という用語を使って活動しました。その為か、Mythen In Tüten は「商業 NDW 」の先駆者の 1 つとなっています。彼等は、1981年に、デビューシングル“Lady Di“をNo Fun Recordsから出しますが、これはジャケ写からダイアナ妃のことを歌っています。一方で、このシングルは、ジャーナリストで、No Fun Recordsの共同運営者であるHollow Skai氏に捧げられています。Hollow Skai氏は、大学で独逸語と哲学を学び、パンクに関する論文を出版し、後に、ハノーバー市の雑誌Schädelspalter (シェデルスパルター)の編集長を務めることになる人物です。このシングルの直ぐ後に、本作品であるファースト・アルバムが同年8月21日にリリースされ、その中には、DAFの名曲をパロった曲も収録されています。因みに、このアルバムは、Mythen In TütenとThomas Rugelがプロデュースしています。その後、1981年にリリースしたセカンド・シングル” Liebe Im Funkhaus”がヒットします。そして、1983年にセカンド・アルバム”Jedes Mal ist anders”が、No Fun Recordsよりリリースされていますが、ここでは、ファースト・アルバムのNDW的なヒットと殆ど関係の無い、より実験的な音楽が収録されており、しかも、Boots-Vertrieb社が破産申請した為、僅か数週間でプレスした数枚のレコードがバーゲンセールで投げ売りされてしまったこともあり、音楽誌等に取り上げられることもなく、現在では、コレクターの間で高値で取引される「失われたアルバム」となっています。このアルバムのリリース後、バンドは解散しています。Ingo Erlhoffは、ミュンヘンで、プロのミュージシャンとなり、Veterinary Street Jazz BandとサルサのビッグバンドWawancóで活躍しています。Rüdiger Kloseは、Exit Out, The Cocoon, Kastrierte Philosophen(Matthias ArfmannとKatrin Achingerによって結成されたインディーズ・バンドで結構有名らしい), Dakotaと言ったバンドに遍歴・参加しています。Emilio Winschettiは、1984年に、Rüdiger KloseとMintと言うバンドを結成し、後に、Mint Addictsと改名しますが、Winschetti自身は、WDRのラジオ番組Graffiti やラジオ・ブレーメンのEmilios RohmixのDJとなり、また、Tom Redeckerとのコラボ番組The Perc Meets the Hidden Gentlemanで有名になり、2005年12月には、新バンドBPWW (Beate Bartel, Martin Peter, Thomas Wydler, Emilio Winschetti)でストックホルムでコンサートを行っていますが、ギターのMartin Peterが急逝した為、このメンバーでのライブは最後になっています。また、一方、Lutz Woratは、フリーのジャーナリストとして働き、1999年に、コンセプトとコミュニケーションを専門とする広告代理店signo · Kontorを設立しています。また、ファースト・アルバムに参加したFelix Helge Wolterは、後に独のダブ・シーンでThe Visionとして有名になり、レゲエとエレクトロの間を結ぶレーベルMoonray Recordsを運営しています。また、1980年代のNDW華やか也し頃には、Der Moderne Manで、ライブ・アルバム辺りからセカンド・アルバム等でドラムを担当していたりもします。 以上が、Mythen In Tütenのバイオグラフィーとなりますが、解散後もメンバーが其々活動していることも特徴ですね。本作品では、Emilio Winschetti (Vo), Ingo Erlhoff (Sax), Lutz Worat (Kbd), Rüdiger Klose (Drs), Felix Helge Wolter (B)と言うラインナップで、ゲストに、Conny Brait (Choir; A2), Maike Klatte (Choir; A2), Tiny Trash (チェス盤; A5), Angelika Maiworm (Vo; A6), Christine Heise (Accordion; B1)も参加しています。それで、本アルバムの内容ですが、Saxがフィーチャーされているからか、パンクレーベルのイメージのあるNo Fun Recordsとはちょっと違う感じのムーディーなロックが全体的に感じられます。ただ、NDWらしいユーモアのセンスはたっぷりありますね。確かに、A面出だしのA1はキーボードの効いたニューウェーブっぽくてカッコ良いのですが、A2ではスラップ奏法なBと少女コーラスが特徴的な曲、そしてA3では言葉遊びもあるふざけたような童謡調に、A4ではムード・ミュージックへ、そしてA5ではスペーシーな小気味良い曲に、A6でのAngelika嬢の舌足らずのVoとマリンバが効いたノリの良い曲となり、A7では、似非インド音楽のようなちょっと滑稽な曲調になってしまいます。一転、B1は何となくシャレ乙な雰囲気の曲で、B2では、DAFの”Der Mussolini”をパロって、「トルティッーニ(パスタの一種)で踊れ!」と激しく歌っており、結構、笑えます。その後のB3やB5は、(オルガンと言うより)エレクトーンが効いた、デパートで掛かっているような曲、B4はTrioっぽいドラムですが、やはり皮肉っているように聴こえます。B6も曲も歌詞もユーモアたっぷりですが、B7では唐突にフリーで激しいビートレスなセッション的な曲になります。そして、最後のB8は生ピアノをバックにしっとりしたジャズ風な曲で締めています。多分、Emilio Winschettiのヴォーカル・スタイルや言葉遊びとかキーボードのエレクトーン的な音色とかジャジーなSaxとかが相まって、Mythen In Tütenの本作品はユーモラスな雰囲気を醸し出しいるのだと思います。これは、この時代にしか生まれ得なかった音楽ですね!隠れた名盤(迷盤)です!!NDWの面白さを知りたければ、是非とも聴いて欲しい1枚ですね! A1 “Die Neue Kollektion” (2:02) A2 “Hochkant” (4:39) A3 “Südstadt-Spatz” (2:17) A4 “Fotoapparat” (2:39) A5 “Schöne Schuhe” (3:17) A6 “Mäzen” (3:11) A7 “Sansibar” (2:17) B1 “Herbst” (3:43) B2 “Tortellini” (3:10) B3 “Geruchssinn” (1:50) B4 “12 Finger” (2:08) B5 “Doppelgänger” (2:46) B6 “Digital” (1:11) B7 “Zeitsprung” (3:05) B8 “Ich Glaub' Dir Alles” (1:49) B2 “Tortellini” (3:10) https://youtu.be/lByudOb2OQs?si=RNxIHt21zCiJPQ2e [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLsw_aEcdbuyg79KBM3dcy4SKhVbOxILk4&si=IigZa377C2kMEz0l #MythenInTüten #DieNeueKollektion #NoFunRecords #FirstAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #Schlager #Humor #MoodSong #Pops #DAF #DerMussolini #Parody #RüdigerKlose #LutzWorat #IngoErlhoff #EmilioWinschetti #FelixHelgeWolter #Guests #ConnyBrait #MaikeKlatte #TinyTrash #AngelikaMaiworm #ChristineHeise #Co-Producer #ThomasRugel
Neue Deutsche Welle (German New Wave) No Fun Records €8.00Dr K2
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Lustige Mutanten “UnPop”
さてさて、以前に紹介したFunTastiKlonsのExo NeutrinoことAndreas Rößner(アンドレアス・レスナー)が、敬愛するThe Wirtschaftswunder/Silettes 61のTom Dokoupil (トム・ドクピル)の協力を得て、作成したのが、このLustige Mutanten (ルスティーゲ・ムータンテン;「面白ミュータント」の意)の”Unpop”で、翌年にはカセット作品として続編がリリースされているとのこと(私は未聴)。どうも、Rößnerは、自らを「こと座から来た異星人」とのコンセプトとして活動しているらしく、そんな風変わりなところも、Tom Dokoupilに親和性があるのではないかとおもわれます(大体、裏ジャケの「酷い(勿論、褒め言葉!)」コラージュを見れば、音を聴かずとも内容は分かると思います。元々は、ZickZackが1980年に出したThe WirtschaftswunderとDie RadiererとSiluetes 61の3枚組7インチ(1枚はソノシート) “Limburger Pest”をベースにしてラーン地方のLimdburg市で誕生した集団がLimdburger Pest (リムドブルガー・ペスト)で、1980年初頭に、そこから派生したのが、このLustige Mutantenなのです。因みに、Limdburger Pestはパンデミックの時に、限定CD”The Voice Of Pandemy 2022-20??”を出しているのが、唯一の作品であるらしく、また、Lustige Mutantenの方も、本作品のリリースされた翌年に、カセット作品として、変名ユニットだらけの偽コンピ”Gute Fetzen”がExo NeutrinoレーベルWir Wollen Nur Dein Bestes Bänder (ヴィア・ヴォーレン・ヌル・ダイン・ベステス・ベンダー)よりリリースされただけでした。しかしながら、2021年に、我らがSuezan Studioが、漸く 2021年になって、Lustige Mutantenの総決算とも言える“UnPop Deluxe“を、追加音源やらDVD(これは“Artist Edition“のみ)も付けた再発しています。これで、漸くLustige Mutantenも報われたのではないでしようか? ちょっと話しが逸れてしまいましたが、本作品は、7インチEPながらも、ジャケは通常のLPサイズと言う特異な装丁で、かつ全部で13曲入りと言う常軌を致した内容となっています。また、初版100枚はクリア盤です。内容も、Tom Dokoupilのふざけたような曲調とAndreas Rößnerの得体の知れない音楽性が上手くミックスされたものですが、とにかくありとあらゆる楽器や声を使った数十秒〜2分台の曲の意味不明さが堪らないですね!特にB面とかの曲は、初期The Residentsにも通じる捻くれたユーモアと実験的ポップネスが見事に融合しており、聴き処満載です。とにかく、自由!シニカルなユーモア!実験的ポップス!と言う3拍子揃った名盤だと思います(因みに私の盤のインナーにはExo Neutrinoのサインが手書きで書いてありますが、これは本物なのでしょうか?)。Silettes 61や初期Die Radiererが好きな方にはお勧めします!必聴! A1 “Vorspann” (0:16) A2 “La Vie” (1:26) A3 “Ein Guter Freund” (0:19) A4 “Spiel Ums Leben” (2:53) A5 “Abschied” (0:25) A6 “Worte 1” (0:31) A7 “Pfui!” (1:23) B1 “Worte 2” (0:31) B2 “Dicke Teenager” (2:07) B3 “Ein Bißchen” (1:25) B4 “Auch” (1:13) B5 “Mißgeburten” (2:58) B6 “Kurios & Lustig” (0:11) https://youtu.be/cL4Bbw7TRTg?si=pr4WB3NnvoxVrrKu #LustigeMutanten #Unpop #Pop-O-Rekords #7-inchEP #12-inchSleeve #LimitedEdition #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #AvantPop #LimburgerPest #GuteFetzen #UnpopDeluxe #SuezanStudio #FunTastiKlons #ExoNeutrino #AndreasRößner #TheWirtschaftswunder #Sulettes61 #DieRadierer #TomDokoupil
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop Pop-O-Rekords €30.00Dr K2
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Vorgruppe “Im Herzen Von Nielsen 2”
Vorgruppe (フォルグルッペ;「オープニング・アクト」の意)は、1979年春に、独西部の工業都市Herne (ヘルネ)で結成されたニューウェーブ・バンドで、彼等の正式なライブ・デビューは、1980年2月15日のJugendkunstschule Wanne-Eickelでのギグだそうです。同年に、シングル”Erste Auslese”をMonogamから、カセット作品”Herne”を自主制作でリリースした後に、本作品であるファースト・アルバムをNielsen 2 Schallplatten (ニールセン・ツヴァイ・シャールプラッテン:多分、それは彼等自身のレーベル)からリリースしています。この頃のメンバーは、Detlef Ritz (Vo), Bernd Schäumer (Synth), Volker Stigge (G), Matthias Brauckmann (B), Waldemar Hayduk (Drs)で、曲作りには、Wolfgang Hemprichも関わっていたようです。また、A7とB3にはIngo Marmulla (Sax)が、B5にはEckhard Lander (Perc)がゲスト参加しています。因みに、Bernd Schäumerは、Disque Omoと言うバンドもやっており、1981年に7インチEP”Wer Mitten Im Keben Steht”を出しています。翌年1982年にセカンド・アルバム”Menschenkinder”をリリースしますが、この頃には、Vorgruppeのメンバーは、Volker Stigge, Matthias Brauckmann, Waldemar Haydukのトリオになっていたようです。その後、1986年に、サード・アルバム”Golden Cities”をリリースした後に解散しているようですが、最近、また再結成するとの噂もあります。それで、ファースト・アルバムでもある本作品では、安っぽいシンセを効かせたニューウェーブ・サウンドに溢れています。勿論、歌詞は独逸語で、曲は比較的ミニマルっぽいと言うかシンプルな構成になっています。A2なんかはDD.Recordsの鎌田忠さんのようなカシオトーンを主に使った曲になっています。A3は、シングルとはヴァージョンが違うとのことですが、憂いを帯びた3拍子のリズムとメロディが哀愁を感じさせますね。A2やA5, A6, B2なんかのインスト曲も如何にもニューウェーブな曲ですし、A7の似非アラビア音楽風なメロディなんかも胡散臭くて素敵です。A4やB6はシンセを使ったちょい実験的な曲です。B3やB4なんかは、ややファンキーなベースラインが特徴的ですね。割とインスト曲も混えていて、それでもなおかつ、「安っぽい(80年代的な)」ニューウェーブ色で統一されてますね。そんなVorgruppeに是非「オープニング・アクト」にしてもらいたいものです! A1 “Du & Du” A2 “Is Mir Egal” A3 “Menschenkinder” A4 “..?” A5 “Nielsen 2” A6 “Nach Einbruch” A7 “Mein Gott” B1 “Gewissensspiel” B2 “Nachts Da Wird Die Katze Grau” B3 “Mich Hat Geträumt Oder Nachts Um Zwei Ist Die Welt Noch In Ordnung “ B4 “Liebe Oder Hass” B5 “Tanzgerase In Ekstase B6 “V.E.B.A.” A1 “Du & Du” https://youtu.be/ZZ4AZKmx4nU?si=OFAafjVI2gm6jTGK A2 “Is Mir Egal” https://youtu.be/K67S-dIDysg?si=ty-yVDJ9xG180SKy A3 “Menschenkinder” https://youtu.be/2_MhYerhl-M?si=Ac0knRutByFAdXAL A5 “Nielsen 2” https://youtu.be/bCF1zhH-vK8?si=BDGzpk3iOVmvlVKr A6 “Nach Einbruch” https://youtu.be/vrXrf06Nfh4?si=pwtWxnwuM2u6Rgb0 A7 “Mein Gott” https://youtu.be/VP6AEt7nMrA?si=iXeGKh7E37K9ghin B2 “Nachts Da Wird Die Katze Grau” https://youtu.be/ZhrQFKTtS0I?si=aW_jVHykecp4Z-B_ B3 “Mich Hat Geträumt Oder Nachts Um Zwei Ist Die Welt Noch In Ordnung” https://youtu.be/ZhrQFKTtS0I?si=B4FKJidhiITyCnJI B4 “Liebe Oder Hass” https://youtu.be/E17me4CryOE?si=TWnPkkf6c9PXE0Ls B5 “Tanzgerase In Ekstase” https://youtu.be/_Gkg64-netg?si=MR57LvQrGacuifmw #Vorgruppe #ImHerzenVonNielsen2 #Nielsen2Schallplatten #FirstAlbum #Herne #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #Synthesizers #ExperimentalSongs #DetlefRitz #BerndSchäumer #VolkerStigge #MatthiasBrauckmann #WaldemarHayduk #Guests #IngoMarmulla #EckhardLander #Composition #WolfgangHemprich
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Nielsen 2 Schallplatten €28.00Dr K2
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Der Moderne Man “Verstimmt (Live)“
久々に入手しました!そうです。Der Moderne Man (デァ・モダーネ・マン)の12インチ・ミニアルバムにしてセカンド・アルバム”Verstimmt「フェルシュティムト」(調子っ外れ)”を今回は、ご紹介しましょう。どうも、所属レーベルNo Fun Recordsが行ったNo Fun Tour Jubel 81で独国内を回った時のライブトラックを厳選して収めたアルバムのようです。Der Moderne Manのバイオグラフィーについては、以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。それで、本アルバムへの参加メンバーは、MattusことMartin Simons (Vo, Synth), E.K.T.ことEckart Kurtz (G), Jens GことJens Gallmeyer (B), Fé WolterことFelix Wolter(Drs)で、Tonio ScorpoことThomas Schnura (Sax)もゲスト参加しています。Der Moderne Manは、この頃は人気もあった頃なので、会場の熱気も充分に伝わってきます。それでは、本作品の各曲をご紹介していきたいと思います。 ★A1 “Das Tier” (4:02)(1981年6月20日のハノーファーのRotation)は、ジャングルなDrsに、ややフリーキーなSaxが特徴のポストパンクな曲ですが、Voはパンキッシュでライブ感があります。サビはスピード感がマシマシです! ★A2 “Farblich Gesehen” (3:05)(1981年6月9日のフランクフルトのBatschkapp)は、細かいBラインのアップテンポな曲で、如何にも初期Der Moderne Man的で、間奏のディレイを掛けたGも良いアクセントになっいますし、最後のVoの叫び声も良いです。 ★A3 “13” (3:39)(1981年6月6日のアルブシュタットのZollern-Alb-Halle)は、スカっぽい切れ味鋭いGのリズムの曲ですが、サビではアップテンポのパンクソングになります。間奏では、シンセのリフやダブ的ミックスもなされており、ライブトラックとしては凝っています。 ★B1 “Sinnloz” (2:12)(1981年6月7日のシュトゥットガルトのMausefalle)は、硬い独逸語歌詞ながら、哀愁たっぷりの曲調なのが、興味深いです。間奏のシンセも良いアクセントです。 ★B2 “Licht Und Dunkelheit” (3:42)(ブレーメンのAladin :1981年6月11日)は、ドタドタしたDrsで始まりますが、割としっとりと落ち着いた曲で、NDW流バラードでしょうか?Gが良今雰囲気なのですが、ひょろひょろしたSaxソロも良いアクセントです。 ★B3 “Mitternacht” (1:33)(1981年6月20日のハノーファーのRotation)は、結構、心に沁みるようなコード進行で、サビのコーラスやSE的シンセが新鮮な小曲です。 ★B4 “Der Unbekannte” (2:04)(1981年6月5日のミュンヘンのAlabama-Halle)は、アンコールでしょうか?シュプレヒコールの後に、あの名曲が始まります。細かいBラインが特徴の曲で、投げやり気味なVoがまたイカしてます。 独逸国内ツアーでの演奏からセレクトされただけあって、録音状態も良いですし、セレクトされた曲も初期Der Moderne Manらしいパンキッシュな名曲揃いで、聴き応え充分です。この時期のNDWバンドのカセットでのライブ音源はあるにはあるのですが、今となってはかなり高価ですし、また場合によっては、YouTubeにもアップされていたりもするので、本作品のようにレコードとしてライブ音源が聴けるバンド音源は少なく、貴重な体験が出来ます。特に、Der Moderne Manの人気のあったバンドの音源となれば、やはり体験したいですね!そんな意味でも是非是非、本作品は実際に聴いて欲しい一枚です! A1 “Das Tier” (4:02) https://youtu.be/yUvyn3_y0p4?si=5A9zrhdrEvIvBan_ A2 “Farblich Gesehen” (3:05) https://youtu.be/H58LdTQgZVY?si=kdPmJENBwkxpZ5eF A3 “13” (3:39) https://youtu.be/KIyKqouPw_k?si=wv0Zpk-tmkXdUe9x B1 “Sinnloz” (2:12) https://youtu.be/S1vuXf11K_k?si=iGQCUvy-44EAQ70y B2 “Licht Und Dunkelheit” (3:42) https://youtu.be/topGpAD4Tgc?si=uhYK92PUH5c1pFcF B3 “Mitternacht” (1:33) https://youtu.be/C6ATvFjDlQk?si=kmmTrG7nF2E-kpOq B4 “Der Unbekannte” (2:04) https://youtu.be/ajl6Nk9Gfsg?si=6L_C-uRq5VXaQPI3 #DerModerneMan #Verstimmt(Live) #NoFunRecords #Mini-Album #LiveAlbum #SecondAlbum #1981年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NoFunTourJubel81 #Mattus #MartinSimons #E.K.T. #EckartKurtz #JensG #JensGallmeyer #FéWolter #FelixWolter #Guest #TonioScorpo #ThomasSchnura
Neue Deutsche Welle / German New Wave No Fun Records 1200円Dr K2
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The Tanzdiele “Folgt Den Führern!”
このバンドほ、バックボーンは全然知らずに、ちょっと視聴だけして、海外通販のついでに購入しました。なので、ちょっと調べてみました。 バンド名はThe Tanzdiele (ザ・タンツディーレ)で、メンバーは、Piet Klocke (Vo, Flute, G, Drs, Kbd, Synth, Glockenspiel; ピート・クロッケ), Norbert Woike (Kbd, Synth, Sequencer; ノルベルト・ヴォイケ), Achim Grebien (Drs; アヒム・グレビーン)から成り、今回は、ゲストとしてHarry (Electricity)が参加していると書いてありますが、どうもこれはNorbert Wolkeのことのようです。彼等は、The Tanzdieleとしては、本作品である”Folgt Den Führern! (フォルクト・デン・フューレルン;「リーダーに続け!」の意)“ともう1枚のシングルしか出していません。なので、アルバムとしては本作品が唯一です。それで、元々は、The Tanzdieleは、ミュージシャン/キャバレー・アーティスト/ 作家/俳優をやっていたPiet Klocke(ピート・クロッケ)が始めたバンドで、彼は、高校卒業後、ボン大学で最初、心理学と教育学を学び、その後、独逸語と哲学を学んでいましたが、大学を中退。その後、蘭アムステルダムに移り、そこで、色んなファンクやソウル・バンドのギタリストとして2年間演奏しています。再び、独エッセンへ戻ってきて、1980年〜1982年までPiet Klockeはエッセン市立劇場で俳優として働いています。そうして、彼は前衛音楽劇場Kamikaze Orkester(カミカゼ・オルケスター)を始めます。1980年になると、彼はNDWバンドGesundes Volksempfinden (ゲズンデス・フォルクゼムフィンデン)とEBM (Electronic Body Music)バンド The Tanzdieleを始め、前者は6人組でセルフ・タイトルのアルバムを1981年に出して終わっており、この時はパンクとジャズとNDWが混ざった音楽をやっていたようです(今後、紹介予定)。後者は、前述の3人から成り、DAFのようなダンサブルな音楽を演奏したとのこと。当時は、Einstrüzende NeubaudenやDie Kruppsとも対バンしており、1981年に本作品”Folgt Den Führern!“をリリースしています。その後、バンド名をDie Tanzdieleと独逸語風(ややこしい!)に改名し、翌年、ライブ・アルバム”Live”をリリースしていますが、ここではスラップ奏法のBが弾きまくっており、もう別バンドのようです。その後、1983年には、有名な音楽TV番組Rockpalastで、Piet Klocke & Die Sklaven Der Liebe(ピート・クロッケ・ウント・ディー・スクラフェン・デァ・リーベ)として出演しており、その時期にリリースしたセカンド・ソロ・アルバムは”Sklaven Der Liebe (愛の奴隷)”と題されています。その後、Piet Klockeは、ソロ音楽活動を開始し、2006年のアルバム”Luder”で、リリースは止まっています。と調べましたが、ここまでです(すまん!)。 と言う訳で、The Tanzdiele名義での唯一の作品”Folgt Den Führern!”の各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Musik, Musik, Musik” (2:30)は、不思議なシーケンスとミニマルなDrsの簡素なバックに、正気の無い呪文のようなVoが乗る曲で、所々でピコったシンセやGがSE的に挿入されます。また、歌詞の語呂がやたら良いです。 ★A2 “Strandgut” (4:00)は、Drsと叫び声一発のイントロから、ノリの良いビートとシーケンスにシンセのリフがバックを務め、そこに元気一杯なVo/コーラスが乗る曲ですが、所々で挿入されるくすぐったいシンセ音が効いてます。 ★A3 “Hatz For The Schatz” (3:00)では、ビープ音のようなB-SynthにパンキッシュなDrsとGのリフが乗りますが、サビでは、一旦落ち着いて、キュートなシンセのリフと奥でノイジーなGも聴取できます。 ★A4 “Candy” (3:00)も、太いB-Synthによるシーケンスとノリの良いDrsに合わせて、ハミング〜気怠げな独/英混合歌詞のVoとキュートでイタズラっぽいシンセが乗る曲で、時にサーフっぽいGがちょっと入ります。 ★A5 “Die Lachenden Idioten” (3:07)は、精密機械のようなB-Synthのミニマル・シーケンスに合わせて、鉄琴と語るようなVoと打撃のようなDrsから成る曲で、サビではシンセのリフも挿入され、最後はDrsとシンセ以外がフェイドアウトしていきます。 ★B1 “Folgt Den Führern!” (2:42)は、始まりはDAFっぽいですが、力強いDrsにシーケンス(B-Synthとシンセ)と単元止めのVoが乗る曲ですが、VoはちょっとだけGabiっぽい部分もあります。 ★B2 “Die Kleinen Falschen Dinger” (2:15)は、ノリの良いDrsと捻れたようなシーケンスにVoが乗る曲ですが、上物シンセや時々Gも挿入されてきます。後半のシンセの永遠連打が特徴的です。 ★B3 “Wehe! Wehe! Wehe!” (4:24)も、強靭なDrsのビートに、シーケンスにピコったシンセと語呂合わせのような言葉遊び的Voから成る曲で、間奏の上物シンセの音色も良いですが、段々と混沌の中へと埋没していきます。 ★B4 “Kinder Von Stufe 10” (3:13)は、モコモコしたB-SynthのシーケンスとDrsの絡みに、控えめなGのメロディと単元止めのようなVoが乗る曲で、後半にはGは激しくなり、シンセのシグナル音も聴こえてきます。 ★B5 “Kleine Schlange” (1:30)は、マシンガンのようなB-SynthのシーケンスとアップテンポなDrsに、早口の独逸語Voとキッチュなシンセが色付けする曲で、曲調は「テクノポップmeets パンク」です。 ★B6 “Frage & Handbrot” (2:23)は、重いビートにザクザクしたGと重目のB-Synthが絡む曲で、Voも段々と声を荒げていきます。リズムに何ともバネがあるのが特徴です。 全体を通して聴いた感想は、DAFとかEBMとかと言うよりも、寧ろ、前述の「テクノポップ meets パンク」な印象が強くて、それ程、汗とか筋肉とかは感じませんでした。なので、強いて言うならば、初期P-Model(ファースト〜セカンド・アルバム)をミニマルにして、少しだけパンク要素を減らした感じと言えば良いでしょうか? 勿論、オルガンも使っていませんし、初期P-Modelに特徴的な「ピコンッ」って言うシンセの音色がある訳ではないのですが、何故かあの時代のテクノ・ポップの雰囲気を感じてしまいます。それと、機材とかの関係(Bがおらず、シーケンサーを使っていたこと等)@で、曲はミニマルなBラインが多く、その為、単調に感じるかも知れませんが、それでもアレンジが上手く、ちゃんとメリハリが付いているのも大したものです。そう言う意味で、当時のエレ・ポップ系NDWとは何か違うシンセの使い方(暴発したような電子音のイメージ)をしていると思います。個人的には初期P-Modelは好きなので、このアルバムもお気に入りです!そこら辺の空気感が好きな方にはお勧めします(決して、Dieの方は買わないように!)!! B5 “Kleine Schlange” (1:30) https://youtu.be/E4woyYCDT4E?si=ZW6RQPP4QURbA7UH [partially album] https://youtube.com/playlist?list=PLLvdvodyj3fJV2UcG6EdF2LJ7ziFd90tM&si=f1UNEJ4TPAqa0x14 #TheTanzdiele #FolgtDenFührern! #GeeBeeDee #First&LastAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ElectroPop #Synthesizers #Sequencer #Minimal #TechnoPopMeetsPunk #PietKlocke #NorbertWoike #AchimGrebien #Guest #Harry
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Electro Pop GeeBeeDee €11.99Dr K2
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Zero Zero “s/t”
前回、ご紹介しましたミュンヘンのNDWバンドZero Zeroのファースト・アルバムを入手しましたので、今回は、そのセルフ・タイトルのファースト・アルバムをご紹介します。なお、Zero Zeroのバイオグラフィーについては、前回の記述をご参考にして下さい。今回の参加メンバーは、Gerald Klepka (Vo, G, Synth), Jens Poenitsch (Vo, B, Synth), Peter Würden (Drs), Mike Patzelt (Sax)の4人ですが、この時期は、多分、KlepkaとPoenitschの2人プラスWürdenが基本でPatzeltはヘルプで参加だと思います (裏ジャケには3人の演奏写真が載っていますが、インサートには2人しか載っていません)。また、B5はセカンド・アルバムにも収録されています。それでは、Zero Zeroのファースト・アルバムの各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Inneneinrichtung” (3:05)は、ミドルテンポの地味目で不気味な雰囲気の曲ですが、サビになってSaxが入ってくると一気に盛り上がります。ドラムマシンも使っているのかな?コーラスもバッチリです。 ★A2 “Dein Tier” (1:34)は、鋭いカッティングのGに導かれたアップテンポのパンクっぽい曲ですが、シルブルながらもサビの変拍子風の譜割がカッコ良いです。終わり方もグー! ★A3 “Kleenex” (2:09)も、アップテンポのパンキッシュな曲と思いきや、Voパートが独特のストップ&ゴーになっている面白い曲です。Saxも入っているのかな?インスト部分はBもGもカッコ良いです。 ★A4 “Accident” (3:20)では、最初、ジワジワ刻むBとGに合わせてVoとアクセント的シンセが乗りますが、その内に、Drs?ドラムマシン?と共に狂ったようなシンセ・ソロも加わってきます。 ★A5 “Comix” (1:40)は、Gのカッティングも素晴らしいパンク・ソングで、あっと言う間に終わりますが、隠し味にシンセなんかも使っている所に痺れます。 ★A6 “Strichjungs” (2:45)では、大人し目のイントロの後に、Saxも交えたパンク風の曲が始まり、何処か男性版X-Ray Spexを感じます。 ★A7 “G.A.U.” (2:37)は、ドカドカしたジャングルビートを叩き出すDrsとGのカッティングとSaxが特徴的はつんのめるようなアップテンポのパンキッシュな曲で、その性急感が堪りません! ★B1 “Tu Es Jetzt” (2:07)は、怪し気なBから、やはりつんのめるアップテンポのビートと吹きまくるSaxが特徴的な曲で、Gのカッティングも凄いです。 ★B2 “Zwei Gedanken” (2:23)では、軽やかなシンセのリズムとBに乗って、Voが始まり、そしてDrsも始まりますが、やがてテンポアップしてきます。最後のVoの掛け合いもグー! ★B3 “King Kong Souvenir” (2:59)は、ゴリゴリのBから始まるアップテンポのパンキッシュな曲で、舌を噛みそうな勢いのVo、そして後半のSaxソロやシンセのアクセント、Voの掛け合いもイカしてます! ★B4 “Telefon-Ich Komme Schon” (2:48)も、鋭いGのカッティングとSaxが特徴の性急な曲で、Voの語呂も良いです。間奏のBとGの絡みも最高です! ★B5 “Freizeituniform” (3:26)は、スパニッシュ風のカッティングのGに重いBとスネアに、どこ吹く風〜怒ってるような表情豊かなVoから成る曲で、間奏から入るSaxも泣かせます。セカンド収録曲とは異なる大胆なアレンジです。 ★B6 “Onkel Aus Siberia” (1:30)は、正しくアップテンポのパンク・ソングなんですが、サビでのシンセが他の同時代のパンクとの差異化に成功しています。 先に、セカンド・アルバムを聴いて、ご紹介していたので、Zero Zeroのファースト・アルバムである本作品を聴いた時の率直な感想は、「かなり切羽詰まったようなパンク・ソングで、セカンドのキラキラなニューウェーブとは全然違うなぁ」と言うものです。しかしながら、これらの曲調(パンクロック)が彼等の原点であったことを知ることが出来て、個人的には、何だか嬉しくなってしまいました。また、単にパンク・サウンドで始終することなく、Saxを大々的入れたり、アップテンポのビートの中にもGのカッティングやBのリフに工夫したりしている所も得点が高いです。そんなZero Zeroも私は大好きです! B4 “Telefon-Ich Komme Schon” (2:48) https://youtu.be/w545dSoDmVc?si=b1Zvq7ld5wTmhqj8 [full album + others] https://youtube.com/playlist?list=PLdoVq9K_Oy-Pf7GkNdV59gdIRrQbas2Zu&si=QTbKCZQU4ZQ6wpc4 #ZeroZero #self-titled #NullRecords #FirstAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #München #Punk #NewWave #Sax #Synthesizers #GeraldKlepka #JensPoenitsch #PeterWürden #Guest #MikePatzelt
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Punk Null Records €19.99Dr K2
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Geisterfahrer “Fest Der Vielen Sinne“
独NDWの中にあって、元祖Dark Wave/Goth RockであったGeisterfahrer(ガイスターファーラー)のセカンド・アルバム”Fest Der Vielen Sinne (フェスト・デァ・フィーレン・ジンネ;「五感の祭典」の意)”を、今回はご紹介します。Geisterfahrerについては、今までにご紹介してきましたので、彼等のバイオグラフィーは、そちらを方をご参照下さい。本作品も、メジャー系のレーベルで、Phonogram傘下のKonkurrenz Schallplatten からのリリースで、参加メンバは、Michael Ruff (Vo, G), Matthias Schuster (G, Kbd, Vo), Jürgen Weiss (Drs, B)で、バンドの長い歴史の中でも最小限の編成で、かつ生Drsも入って、よりロック色も強かった時期の作品です。また、この頃に、作詞兼Voを担当していたMichael Ruffのゴシック趣味も全開で、英国のJoy DivisionやBauhausに匹敵するとも言われていたそうで、その中でも、A6“Himmel Auf Erden”はヒットになりました。また、クレジットには入っていませんが、小柳カヲル氏の「クラウトロック大全」によると、当時、欧州放浪中のRed CrayolaのMayo Thompsonが参加しているらしいです。それでは、そんなGeisterfahrerのセカンド・アルバムの各曲をご紹介していきたいと思います(因みに、Matthias Schusterは、インタビューで、彼とJürgen Weissはこの作品の発表には、当時、反対していたらしいのですが、レーベル・マネージャーのTommy Richterの意見によってリリースされたと語っています)。 ★A1 “Fest” (3:33)は、タム多用のファンクっぽいリズムの曲で、確かに英国ポストパンクとの共通点がありますが、歌詞が独逸語である点が相違点でしょうか? ★A2 “Nacht Der Löwen” (2:26)も、ハイハットを刻みが16ビートで、如何にも1980年代初期のリズムから成る曲と言う感じですが、今聴くと寧ろ懐かしいです。また、SE的シンセもグー! ★A3 “Mein Kind” (3:35)は、フェイザーを掛けたBとシンセのリフとジャキジャキのGに、深目のエコーを掛けたVoが映える曲で、中々ダークな雰囲気ムンムンです。WeissのDrsのドライブ感も凄いです。 ★A4 “Angriff” (4:00)は、リズムマシンとファットで重いBに、鋭いカッティングのGが冴える曲で、出だしはP.I.L.かとも思いました。投げやりなVoもグレイト! ★A5 “Zeit Der Chancen” (2:03)では、リリカルなピアノも冴える曲で、Bライン等は割とミニマルなのですが、ダブ的なDrsやGのリフ等、中々聴かせてくれます。 ★A6 “Himmel Auf Erden” (1:57)は、ドカドカしたDrsからのサビの直線的なBラインとノリの良いDrsがキャッチーな曲です。Gのカッティングやコーラスもバッチリで、曲が短いこともNDW的です。 ★B1 “Madish Ahb'el” (4:27)も、シンコペーションを活かしたリズムに、裏で入る合いの手も効果的な曲で、エフェクトを掛けたBやぶっきら棒なVoも初期のポストパンク的で懐かしく感じます。この曲のGはMayo Thompsonかな? ★B2 “Schnee Blind” (3:30)は、ぐちゃぐちゃな合奏から、切迫感のある演奏で始まる曲で、Voはかなりパンキッシュですが、シンセや深目のエコーを掛けたコーラスで異化作用に成功しています。 ★B3 “Blumen” (2:33)も、シンコペーションを活かしたリズム隊が冴える曲で、特にBの音色もカッコ良いです。朗々としたVoや伸びやかなGにも痺れます。 ★B4 “Leiser Tod” (2:27)は、イカしたBラインから始まる曲で、伸びやかなGも投げやり気味のVoもバッチリです! ★B5 “Möchte Bei Dir Sein” (2:28)は、リズムマシンに、怪しげなメロディが乗るダークでミニマルな曲で、正気の無いVoが何ともゴスっぽいですが、聴き方によっては、日本の「数え歌」のようでもあります。 ★B6 “Die Stimme Der Erde” (4:13)は、存在感の強い重いBと四つ打ちっぽいDrsのキックに、押し殺したようなVoが映える曲で、サビでは爆発します。また、ダブ的ミックスもされています。 全体の印象としては、1980年初期の英国ポストパンクとの類似点があり、その部分像として、Joy DivisionやBauhausっぽさを感じ、そこら辺をゴス・ロックとかダーク・ウェーブとかと拡大解釈されていたのではないでしょうか? なので、やはり、この頃のGeisterfahrer は、独における「ポストパンク」として評価するのが正解なのかもしれませんね。しかしながら、当時(1981年)、独逸には、このようなバンドはいなかったようなので、そう言う意味で、彼等の先見性は流石だと思いました!独逸語の歌詞の意味が不明なので、Michael Ruffの描く世界がどの位ダークなのかは良く分かりませんが、彼の歌い方によっては、ある程度想像は可能です。また、Jürgen Weissの正式加入により、グッとロック・バンドっぽくなっている点も高得点ではないでしょうか!もし、Bauhausとか初期英国ポストパンクに興味のある方にはお勧めします(しかしながら、Michael Ruffによるジャケは、もうちょっと何とかならなかったのかなぁと思います)。 A3 “Mein Kind” (3:35) https://youtu.be/bpKCIxI6VtI?si=Msq3epTBf3b30nt5 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLvhtFJLy0g8u_AQeRN0xBuQ4V2c_M-HAi&si=E0ci1NVCbbCew05c #Geisterfahrer #FestDerVielenSinne #KonkurrenzSchallplatten #Phonogram #SecondAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PostPunk #DarkWave #GothRock #MatthiasSchuster #MichaelRuff #JürgenWeiss #SecretGuest #MayoThompson
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Post Punk Konkurrenz Schallplatten / Phonogram €19.95Dr K2
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Z’ev “Production And Decay Of Spacial Relations”
漸く、入手しました!Z’evのファースト・アルバムです。実は、私はこのアルバムの存在については良く知りませんでした。と言うよりも、このアルバムの存在について気に留めたことがありませんでした。ある時に、ヤフオクで出品されているのを見て、調べた時に、漸く、これがZ’evのファース・アルバムだと認識し、Z’evファンとしては、やはり手元に持っておくべきだろうと競り落としました。と言うのが、入手経緯です。 Z’evのバイオグラフィーについては、前回、書きましたので、そちらの方をご参考にして下さい。本作品に関しては、蘭ロッテルダムのBacklashスタジオで、たった2日間(1981年5月12-13日)で、録音・ミックスが為されたZ’ev名義の最初のアルバムとなります(因みに、曲名は、如何にも、最初期にはSound PoetryをやっていたZ’evらしい付け方だと思います)。それでは各曲についてご紹介していきましょう。 ◼️May 12 1981 ★A1 “Vuur Uur 1e” (4:30)は、結構大きなメタル・スクラップを自在に叩く/操った音から成る曲で、リバーブが効いていて、素晴らしい残響音が感じられます。 ★A2 “Op Zoom 1e” (3:43)は、一定のパタンを形成する正体不明のJunk Percの合奏から成る曲で、以降のZ’evのメタパー奏者のイメージとは少々異なる感じがします。 ★A3 “Op Zoom 2e” (3:59)は、メタパーの連打に太鼓のアクセントから成る曲で、「長崎くんち」のような喧騒さを体現しています。このパートは寧ろ後期のZ’evを予感させる曲だと思います。 ★A4 “Vuur Uur 2e” (4:48)は、やはり、深いリバーブの中での巨大なメタル・スクラップを用いた演奏から成る曲で、リバーブ音に埋もれるような音像が堪らないです。 ◼️May 13 1981 ★B1 “Zuid/Zuid Oost” (4:12)は、一転、プリミティブな土俗的リズムを奏でるJunk Percの合奏から成る曲ですが、微妙なズレやパンの振りに、音響的意味合いを持たせているようです。 ★B2 “Vers Licht” (4:47)は、またまた、オイル缶とかを鎖で繋げて、引き摺り回したり、振り回したりするパフォーマンスのサウンドを多重録音したと思われる曲で、初期のZ’evの「生」パフォーマンスを想起します。 ★B3 “Ook Uit” (7:43)は、アンプ・ノイズのような不安定ながら繰り返す持続音的ノイズ(どうもトレモロを使っているらしい)を中心に、メタルらしき音(コンタクトマイクで拾っている?)やその他のノイズ音を塗した曲ですが、逆回転なんかも使っていそうで、そこら辺も曖昧になってきます。 ファースト・アルバムの時点で、Z’evは、単なるメタル・パーカッショニストではなく、その他の色んなアイデアを既に持っており、それを一部、具現化したのが、本作品ではないでしょうか? 先ず、本作品を聴いてみると、メタパーの演奏とかの前に、ミックスの「妙」がビンビンに感じられますし、またテープ操作等も使っているようです。彼は、ノイズ・リスナーからも多大な支持を得ていますが、この頃の彼の中では、打楽器(メタル・スクラップやJunk Perc)等を用いたパフォーマンスの言う行為が「詩作」であったのではなかったのかと、本作品を聴くとそのように想像してしまいます。音自体の面白さも去ることながら、その音の向こう側を感じ取ると、彼が単に卓越したパーカッショニストではないように思えるのです。たった2日で全てを終えた短時間作業ではありましたが、録音すると言う作業に、他のミュージシャンとは異なる「何か」を感じざるを得ません。そんなプリミティブな香りのするZ’evのファースト・アルバムは、その後の彼の活動の道標となっていると思われますので、是非Z’evファンの方は体験してみて下さい! https://youtu.be/I4gDyJRLmZg?si=WIaVTTUi3WHxxbIP #Z’ev #ProductionAndDecayOfSpacialRelations #BackstreetBacklashRecords #FirstAlbum #DutchIndependentLabel #Experimental #Acoustic #ScrapedMetals #JunkPercussions #Primitive #MetalJunks #Rotterdam #BacklashStudio #TwoDaysRecording&Mix #SoundPoetry
Experimental / Acoustic Backstreet Backlash Records 4800円Dr K2
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DNA “A Taste Of DNA”
名盤”No New York”の中で、唯一シンセを使っていたバンド、そして唯一日本人が在籍していたバンド、それがDNAです。その後、シンセ奏者のRobin Crutchfueldは脱退し、代わりにベーシストのTim Wrightが加入します。多分、このコンピ・アルバムで、初めてDNAと言うバンドを知った人が多いのではないでしょうか? その後も、メンバーのArto LinsayやIkue Mori、それにRobin Crutchfieldの活躍は続いています。今回は、DNAの第二期とも言えるTim Wright加入後に、初めてリリースされた12インチEP “A Taste of DNA”をご紹介します。当時、私はレコ屋でこれを見かけたのですが、シンセ奏者がいなくなって、ベースが入って、普通のロック・トリオみたいになったメンバー構成を見たので、その時は買いませんでした。まぁ、また縁あって、今回購入した次第です。 では、先ず最初に、彼等のバイオグラフィーを書いておきます。DNAは、元々は、Arto Lindsay, Robin Crutchfield, Gordon Stevenson (その後、Teenage Jesus & The JerksのBとなる)及びMirielle Cervenka (LAのパンクバンドXのVoのExene Cervenkaの妹)の4人で、1977年に結成されており、そのバンド名は、同じNo WaveバンドMarsの曲名から取られたそうです。Ork Recordsの首謀者Terry Orkが、彼らをライブハウスMax’s Kansas Cityにブッキングしたのが、DNAの最初のライブです。しかし、この後、StevensonとCervenkaは脱退し、残った2人は、日本人で英語も余り出来ず、楽器の演奏経験も無かったIkue MoriをDrsとして引き入れます(因みに、Linsay自身も11本だけ弦を張った12弦ギターにまったくチューニングせずに演奏しています)。このラインナップで、Tier 3, CBGB, Max’s Kansas City等に出演し、1枚の7インチ・シングル”You & You”を録音しています。この最初の1年で、確固たるNo Waveバンドとなり、それでBrian Enoの目に留まり、先述のコンピに参加することになります。その録音後、直ぐにCrutchfieldは脱退し、彼は新バンドDark Dayを結成します。そこで、元Pere UbuのベーシストTim Wright (彼だけがちゃんと楽器を弾けました)が加入し、DNAは「通常のロック」トリオな編成となり、サウンドも劇的に変化します。音的には、更にシンプルでカクカクしたものとなり、Wright のBラインは、Lindsayの引っ掻くよう無調Gをサポートするために、時には威嚇的に演奏したりして、更にMoriの不規則なリズムも特徴となっていきます。その結果、曲構成はよりタイトで短く抽象的になって、「俳句」に例えられることもあったそうです。このラインナップは、1979年〜1982年で、カルト的人気を博しましたが、ロック・ファンと言うよりもアート関係者に受けていたようです。そうして、本作品でもあるDNAのEP(これをミニアルバムと言う人もいる) ”A Taste Of DNA”が、Kip HanrahanのレーベルAmerican Clavéで録音され、1981年には、英国Rough Tradeからもリリースされています。しかしながら、DNAの3人は、1982年にはバンドを解散することを決めており、ファイル・ライブは、CBGBでの3夜連続で、しかも完売!最後のアンコール曲は、Led Zeppelinの”While Lotta Love”のカバーでしたが、その後、John ZornのレーベルAvantからリリースされたCD”Last Live At CBGB”には収録されていません。その後、2004年には、DNAの音源を集めまくったセルフ・コンピCD“DNA On DNA”がNo More Recordsからリリースされています。各人のその後の活動については、またの機会にご紹介します。ただ、Wrightは、2013年8月4日に、癌の為、61歳の若さで他界したいます。 それでは、第二期DNAによる初の12インチEP “A Taste Of DNA”の各曲について紹介していきたいと思います。この時のメンバーは、先述の通り、Arto Linsay (G, Vo), Ikue Mori (Drs), Tim Wright (B)で、NYCのVanguard Studioでの正式なスタジオ録音となっています。 ★A1 “New Fast” (1:13)は、地獄から立ち上がるようなBに結構タイトなDrsと呻くようなVo及び痙攣するGから成る曲で、テンポは一定ではありません。このような短い曲で、一定のテンポを保たないのは、革新的ですね。 ★A2 “5:30” (1:05)は、3拍子のリズムを刻むBにタム多用のDrsに、引き攣ったGとVoから成る曲で、比較的ノリも良いのですが、Linsayがそれに反発しているようです。 ★A3 “Blonde Red Head” (1:55)は、コード弾きするBとやはりタムとキックから成るDrsに、針金のようなGと全てを拒絶するかのようなVoから成る曲で、ノリは良いのですが、まぁLinsayがぶち壊しています。 ★B1 “32121” (0:53)は、独特のフレーズのBとそれを追いかけるDrsとGに、Voと言うか喚き声が挿入される曲で、やはりビート感は皆無です。 ★B2 “New New” (2:49)は、Gの引き攣ったフレーズから始まり、やがてBとDrsが直線的なフレーズで主導権を握る曲で、それを繰り返すのですが、もうGとVoが破壊的過ぎます。 ★B3 “Lying On The Sofa Of Life” (1:53)は、ヘビーなBとDrsのキックをバックに、喚くVoから成るスローな曲で、所々でBは弦を弾いてリズムをキープしています。この曲ではGはそれ程目立ちません。 僅か10分足らずの作品ですが、コンピ・アルバム”No New York”の頃のミニマルな印象とは異なり、WrightのBがかなり曲の軸を為しており、また、適度に崩すMoriのDrsもコンピの時よりも、録音が良いのか?テクが数段上がっているのもポイント高いです。それに対して、LinsayのGとVoは、コンピの時よりも、破壊的/アナーキックに成っており、これらの要素が全て統合された本作品は、DNAの魅力を最大限に封じ込めているのかもしれませんね! アッと言う間に終わってしまいますが、傑作だと思います! (後、直接関係無いですが、私と石橋英子さんとF. Kosakai氏で、DNAにあやかってRNAと言うバンドをやっていました。1枚”A Taste Of RNA”と言うCDも出していますので、良かったら聴いてみて下さい) https://youtu.be/CeA4uaYBCUg?si=3DCihqWOk7fdlQGy [オマケ: RNA 1st CD “A Taste Of…. RNA”] https://youtu.be/v33SjGGSfVU?si=5V0ds8q5sgb1QyQl #DNA #ATasteOfDNA #AmericanClavé #12-inchMiniLP#NoWave #Avant-Garde #NoNewYork #Bass #ArtoLinsay #Guitar #Vocal #IkueMori #Drums #TimWrite #Bass #PereUbu #Ex-Member #RobinCrutchfield #DarkDay #OriginalMembers #GordonStevenson #MirielleCervenka
No wave American Clavé 4999円Dr K2
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Die Krupps “Wahre Arbeit- Wahrer Lohn”
これまた、久しぶりにDie Kruppsの12インチ・マキシ・シングルですね。意外と、私は持ってなかったので、購入しました。しかも、Die Kruppsがエレクトロニクスを取り込んだ最初期の名作「真の労働・真の報酬」なんです。それで、これはクラブ用なのか、45回転で同曲異録音がA面とB面(こちらは題名が”Lohn/Arbeit”になっています)に入っています。この時のメンバーは、Jürgen Engler (Vo, Stahlofon), Bernward Malaka(B), Ralf Dörfer (Synth), Ralph Albertini (Perc)となっており、Male時代からの盟友Bernward Malakaや、後にDie Kruppsの頭脳ともなり、更にPropagandaも結成することになるRalf Dörferも加わっています。この時期は、前作”Stahlwerksynfonie”のスローで単調なリズムにフリーキーな上物やStahlofon/メタパーが乗ると言う大名作から、1982年にリリースされたアルバム”Volle Kraft Voraus!”のドラムマシンとシーケンサーを中心にしたシンセ・ポップとも言える曲調の間に出された、一種の「混迷期」のシングルなので、彼等自身にも音楽性の迷走があったかもしれません。しかし、結果的には、この時期の代表曲を生み出したと言えるでしょう。と言うことも踏まえて、各曲を紹介していきましょう(Die Kruppsのバイオグラフィーについては以前の投稿或いはLabの「私的Neue Deutsche Welle」をご参照下さい)。 ★A “Wahre Arbeit - Wahrer Lohn” (5:31)は、シンプルな2コードのシーケンスとドラムマシンのような生Drsの反復に、EnglerのVoとStahlofon (Engler自作のメタパー)が大々的フィーチャーされた曲で、他のセルフ・コンピレーションでも、こちらのヴァージョンが収録されています。この時期の代表曲ですね。 ★B “Lohn / Arbeit” (11:30)は、A面と同じシーケンスを用いながらも、生DrsとMalakaのベースも大々的にフィーチャーされており、途中、Drs&Stahlofonソロになったり、ダブ処理されたStahlofonだったりと、「反復」と「崩し」がせめぎ合う長尺のヴァージョンとなっています。特にDrs音の録音仕方やアレンジに特徴があります。 正直、B面のヴァージョンには恐れ入りました!勿論、A面のヴァージョンも名曲なのですが、B面はかなり思い切った実験性に挑んでいて、単にこの曲/Die KruppsをEBMの開祖とするのではなく、「人力EBM」或いはEnglerは肉体性をマシンに打ち込む「実験性」をB面に封じ込めたのではないかとも思え、 正しく「トランス・ミュージック」です。 しかしながら、A面でのEnglerのパーカッションのテクは相当上手いですので、それだけでも聴く価値があると思います! A “Wahre Arbeit - Wahrer Lohn” (5:31) https://youtu.be/6hF7NQ7YKqg?si=PziSWjGytvu70SiS B “Lohn / Arbeit” (11:30) https://youtu.be/nD_IFZ7hBwU?si=PePZZxqF_bieT4HE #DieKrupps #WahreArbeit-WahrerLohn #Lohn/Arbeit #ZickZack #First12-inchMaxi-Single #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Electro #EBM #Stahlofon #MetalPercussions #Sequencer #Dub #Drums #Trance #JürgenEngler #BerwardMalaka #RalfDörfer #RalphAlbertini
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Electro Body Music Zick Zack 不明Dr K2
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V. A. “Fix Planet!”
以前に一回紹介した国際コンピレーション・アルバムですが、誤って削除してしまったので、再度、ご紹介します。元々は、独レーベルATA TAKが、1981年にリリースしたこのコンピレーションで、当時としては、画期的なアルバムでした。皆さんもこれで、1980年初頭の各国の地下音楽世界を知った方も多いのではないでしょうか? 当時は、まだネットも無く、基本的に郵便で送ったら受け取ったりしていました。そんな中で、これだけのメンツを集めたものは無かったのではないでしょう? と言う訳で、参加者について簡単に紹介していきます。ただ、本来なら、Der Planの7インチシングルも付いていたハズですが、私の購入した商品には付いていませんでした。 ★A1 Sister M. は日本のバンドで、ここに収められている曲は、全て逆回転となっていますが、何となくダークな/ゴスな雰囲気は伝わってきますが、ちょっとあざといですね。 ★A2 Esplendor Geometricoは、今ではスペインの至宝とも言われるバンドで、この時のメンバーは、Arturo Lanz, Gabriel Riaza, Juan Carlos Sastreで、まだ最初期の曲で、影響を受けたDevoやKraftwerkに類似した、ちょっと風変わりな3拍子のキッチュなテクノ・ポップな曲を提供しており、この頃は、まだ、Synth-Bのリフがあったのね。「モスクワ凍結」とのVoを反復しています。 ★A3 この曲は、エクアドルを訪れたEberhardt Steinkruegerが、そこの部族の音楽をそのまま録音した曲とのこと。正に民族音楽そのもの! ★A4 Bruchotin Automatic Band / Siluetes 61は独逸のTom Dokoupilがやっているようです。林檎を齧る音から始まり、簡素なシンセとドラムや物音パーカッションや鳴り物から成る曲で、その音楽はDokoupilそのもの。 ★A5 Fra Lippo Lippiは、ノルウェーのバンドで、Rune Kristoffersen (B, G, Kbd)とMorten Sjøberg (Drs, Kbd)から成るシンセ・ポップ・デュオです。ドラムマシンに合わせて、伸びやかなシンセやギターを奏でていますが、曲調はややダークです。 ★A6 Vágtá Zó Hallot Kémekは、ハンガリーのシャーマン・パンク・バンドで、グループ名は「Galloping Coroners(疾走する検視官)」と言う意味です。ダルダルなベースや掠れたドラムに、ぶち切れるような歪んだVoから成る「勢い」だけの曲です。 ★A7 Rahaはイランのグループらしく、アコーディオンと古びたピアノの弾き語りで、その内アコギも加わり、しっとりとした感じが、素朴な響きの曲です。 ★B1 Man Ray Bandは、米国のグループで、メンバーは、Philip Culp, Mark Mothersbaugh, Jed Gould, Charles RamirezことChester Lazloとのことですが、実は、DevoのMark Mothersbaughのソロかもしれません。変調したリズムマシン(後で生Drsも加わる)と変調Voに、カッコ良いシンセBとGが絡む曲で、間奏ではSaxも。やっぱりDevoとは違いますね。 ★B2 Peter X, Kolja Yは、当時のソ連(今のロシア)のデュオ(?)らしいです。渋いギターの弾き語りをエアー録音した曲です。雰囲気は東欧的な曲調ですね。 ★B3 Kid Montanaは、1981年から活動しているベルギーのJean-Marc Ledermanのソロ・プロジェクトでしたが、やがてLes Disques du Crepusculeからも作品をリリースするグループとなります。心臓の鼓動のようなリズムに、上物のシンセと掠れたようなVoと言う簡素でやや不明瞭な曲ですが、段々とノリも良くなり、低音シンセも出てきます。 ★B4 Eva Johanna Reichstag & Die Formは、仏のデュオで、Die FormはPhilippe Fichotのソロ・ユニットでしたが、後に、Reichstagも加わり、デュオとなります。重厚なシンセの後に、男女のVoの掛け合いが、焦ったリズムマシンの上で行われる曲で、とても後のDie Formのゴスな曲調とは異なります。 ★B5 Semoeは、ポーランドのグループ(?)らしいですが、メンバー等は不明です。ミニマルな速めのピアノの連打(MIDIかな?)に、単元切りの語りのようなVoが乗る曲で、中毒性があります。 ★B6 Surplus Stockは、英国のニューウェーブ・バンドで、メンバーはRobert Giddens, Phil Renshaw, Robert Clarke,Josef Schenkから成ります。ホワイトノイズによるリズムにシーケンスとVoから成るミニマムな曲で、知らない間にGも入ってきます。 ★B7 M.B.は、本名Maurizio Bianchiのイタリアの宅録ノイズ・アーティストで、一旦、音楽から退きますが、また復活して、今、現役で活動しています。断片化されたピアノのループを元にして、色んなループを重ねていく曲となっていきます。余り電子音は聞こえてこないです。 ★B8 Jad Fairは、米国のHalf Japaneseのメンバーで、ここでは1/2 Japanとして参加しています。ドラムとピアノとVoから成る、Fairらしいはちゃめちゃな曲です。 ★B9 Alexao Sevsekは、オーストリアのアーティストですが、その正体は、NDWで活躍しているXao Seffchequeのことです。加工した歌声と同様に加工したギター(?)の弾き語りですが、如何にも一癖あるSeffchequeらしい曲と思います それぞれ、工夫して意外なセレクトもされており、面白いアルバムだと思います。この時期、国際コンピレーションは良くあった企画ですが、こんなにハチャメチャなのは中々無かったものと思われ、ATA TAKの企画力とコネクションの広さを思い知りますよね? まぁ、独逸のフィルターを通したとも言えますが、それでもこのヴァラエティの広さには驚くでしょう!なので、国際コンピレーションを考えている方は、参考にしても良いかも?! (オマケの7インチは付いていなかったので、レビューは無しです) A1 Sister M.(日) “S.M.” A2 Esplendor Geometrico (西) “Moscu Esta Helado / Moscow Is Frozen” A3 Unknown Artist (厄) “Fiesta De Virgin Del Carmen, Atacames” A4 Bruchotin Automatic Band / Siluetes 61 (独) “Adam's Apple / Vsichni Praznj” A5 Fra Lippo Lippi (諾) “Fabric Wardrobe” A6 Vágtá Zó Hallot Kémek (洪)“Untitled” A7 Raha (伊蘭)“Marebebus” B1 Man Ray Band (米) “I Feel So Bad” B2 Peter X, Kolja Y (露)“Выше, Выше ! / Higher, Higher !” B3 Kid Montana (白)“Amour D'Electrons” B4 Eva Johanna Reichstag & Die Form (仏)“Valium” B5 Semoe (波) “I Think” B6 Surplus Stock (英) “Let's Kill Each Other” B7 M.B. (伊)“Milan Bruits” B8 Jad Fair (1/2日)“Fish Can Talk” B9 Alexao Sevsek (墺) ”Das Edelweiß” ◼️Der Plan 7-inch Single C Der Plan “Einfachheit, Brot, Klarheit, Liebe, Tod” D Der Plan “Untitled” [incompletely full album (曲順は異なる。ボートラ含む)] https://youtube.com/playlist?list=PLsQEhHuQnR5MfDH1NVr8O_rYNBS1ctifC&si=mnw6sfTFFdfdRlDH 上記のリストのA3 Unknown Artist (厄) “Fiesta De Virgin Del Carmen, Atacames”は、この曲です。 https://youtu.be/FjmMDGvtjuU?si=zjQZxqkoVZeJcSWS 上記のリストのA3 Unknown Artist (厄) “Fiesta De Virgin Del Carmen, Atacames”は、A4 Bruchotin Automatic Band / Siluetes 61 (独) “Adam's Apple / Vsichni Praznj”です。 #VariousArtists #FixPlanet! #AtaTak #InternationalCompilationAlbum #Experimental #Electro #SynthPop #Avant-Pop #SisterM. #EsplendorGeometrico #Equador #BruchotinAutomatiBand/Siluetes61 #FraLippoLippi #VágtáZóHallotKémek #Raha #ManRayBand #PeterXKoljaY #KidMontana #EvaJohannaReichstag&DieForm #Semoe #SurplusStock #M.B. #JadFair #AlexaoSevsek
New Wave / Experimental Pop / Electro ATA TAK 不明Dr K2
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Scala 3 “Gefühl Und Härte“
これは見逃してましたねぇ。Berlinのエレクトロ・ポップ/ニューウェーブ・バンドScala 3 (スカラ・ドライ)のファースト・アルバム”Gefühl Und Härte (ゲフュール・ウント・ヘルテ: 直訳すると「感触と硬さ」)を、今回は紹介します。先ずは、彼等のバイオグラフィーからご紹介しますね。 1979 年の夏に、Scala 3 が設立されたとき、Fred Thurley (フレッド・サーリー)とHans Paix (ハンス・パイ)ことHans Schumann (ハンス・シューマン) はすでに 4 年間一緒に演奏していました。Pierre Lengauer(ピエール・レンガウアー)の加入によりバンドはトリオとして完成し、彼等は、最初から独自のプロフィールを確立したいと考えていました。それで、Thurleyの言に寄ると、 「最初のコンサートはとても興奮しました。初めてステージに立った時、クラブは完全に満員でした。学校の生徒全員がそこにいたのです。1980年には、ベルリンの最も有名な音楽会場、Quartier Latin (カルチェ・ラタン)やWhite Russiaと一緒に出演したKant-Kino及びFriedenauer Music Hall(フリーデナウアー音楽ホール)で何度も演奏しています。 1980年11 月には、Scala 3 は、Freien Volksbühne(フライエ・フォルクスビューネ)で 6 日間にわたって開催された「インターロック・フェスティバル 1980」の 2 日目にはIdealとも共演しています。 1980年初頭に、ファースト・シングル”Schizo-Kid City”/ “Quellen der Wut (クエレン・デア・ヴート)”を自身のレーベルからリリースします。その理由は、彼等がレコード業界からのオファーに懐疑的であったので、妥協したく無かったからだとのことです。そうして、彼等は、本作品でもあるファースト・アルバム”Gefühl und Härte”を、あのKlaus SchulzeのスタジオIC Studioで、Schulzeのプロデュースで作製します。例のシングル曲は、”Schizo-Kids”と改名して収録されています。このアルバムでは、タイトル通り、「パンクバンドのようだが、ハードロックを演奏する」と言うコンセプトで作製されています。英国Magazineがやっているように、パンクとRoxy Musicを融合しようとの試みでした。その後、元NeonbabiesとToni Kambiz (G)と Monika Buske (Sax, Kbd)が加入して、独と蘭のツアーを敢行しています。3月末に、Scala 3は、ベルリンのクラブQuartier Latinで開催されたRocknacht Berlinに出演しています。しかしながら、1981年末に、KambizとBuskeが脱退し、更にLengauerも脱退してしまいます。残った2人は、デュオとして、セカンド・アルバム”Scala”も作製に取り掛かります。この作品は、後にAlphavilleのプロデューサーとなるColin Pearsonがプロデュースしています。その時には、長年の友人であったRobin Terry (B)に協力してもらい、無事、リリースされます。このアルバムは、通常のLPに12インチのマキシ・シングルが付いた変則2枚組となっています。しかし、リリース後、Paixがバンドから離脱し、Ruhe Nach Vornで働いています(休養期間に入っています?)。またTerryもフリーのベーシストとして働き出し、バンドとしてのScala 3は分解してしまいます。Thurleyは、Scala 3としての活動を一旦停止し、1982年末から、Olaf Kobold (Drs)とCarsten Schmitzとで、新曲作りとリハーサルを1年間やっていましたが、どうも上手く行かず、Scala 3としてのサード・アルバム作製には至りませんでした。その後、Thurleyは、フラワーパワー・バンドRubbermind Revengeとして活動しています。このバンドには、Olaf Kobold (Drs), Mattis Manzel (B; 元Miko-Band), Suzi Wong (Vo), Ralf Droge (Trombone, 元Flucht Nach Vorn)が参加しており、1988年に、アルバム”Hippies Are More Fun Than People”を出しています。その後、Thurleyは、ベルリンで数年間、言語聴覚士として働いています。 以上がScala 3の略歴となります。結構、波瀾万丈でしたね。なお、本作品”Gefühl Und Härte“は、後に、5枚組コンピレーションCDボックスセット”NDW Classics 2 (Original Album Series)”に1枚のCDとして丸っと収録されていますので、そちらの方がお得かもしれませんね。それで、先述のように、この作品の時のメンバーは、Fred Thurley (Lead-Vo, G, Piano), Pierre Lengauer (B, Vo), Hans Paix (Drs, Vo)のトリオで、Klaus Schulzeは、B4以外をプロデュースしており、内容的には両面とも5曲ずつです。それでは、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Metropolitana” (2:08)は、弾力のあるリズムがちょっと意外な曲で、この時期の独バンドに無いタイプですね。パブロックっぽいのかな? ★A2 “Schizo-Kids” (4:05)は、Gの鋭いカッティングとリズム隊がニューウェーブっぽい曲で、独語歌詞もバッチリで、キャッチーですね。コーラス部分の低音が不気味!でも曲は「陽キャ」ですよ。 ★A3 “Ghetto Intern” (2:25)は、意外にもシンセで始まり、クラヴィーアの音色も美しいスローテンポな曲です。これはKlaus Schulzeのプロデュース力なのかな? ★A4 “Travestie” (3:45)は、分厚い音の壁ながらも、疾走感のある曲で、中々カッコ良いです。曲の構成もしっかり組み立てられており、Gソロの後、シンセのSE音が出てくるのも良い。 ★A5 “ZX” (4:30)も、オルガンとGのリフが上手く絡み合った構成のしっかりした曲で、スピード感もあり、途中の爽快な疾走感から、後半の盛り上がりもグッド!でも”ZX”って何? ★B1 “Only You / Freundschaft” (2:55)は、何だか「青春パンク」のような曲で、私には懐かしいメロディで、パンク映画のサントラ”That Summer”を思い出しました。 ★B2 “Ich Glaub', Ich Träume” (2:45)は、メタリックな鋭いGと、変調(?)Voが特徴のパワーポップな曲で、中々、演奏も上手いです。そしてブレイクもカッコ良く決まってます。 ★B3 “Sog Der Resignation” (5:35)は、スローでゆったりした中をGが伸び伸びと弾きまくる冒頭から、段々とビート感も出てくる曲で、途中でシンセやピアノも挿入され、構成もしっかりしています。終わり方も良い! ★B4 “Quellen Der Wut” (4:17)は、LFOなシンセで始まり、オルガンが効果的な曲で、Voも色っぽく歌っています。途中からGが主導権を握って、よりパワーポップ色が強くなります。 ★B5 “Vergessen” (3:30)は、切迫感のある曲調と耳元で囁くようなVoが特徴ですが、そのようなVoは最初だけで、全体的には良質なパワーポップです。 全体を通しての個人的な感想は、米西海岸辺りのパワーポップと似たようなロック(例えばThe Jars等)"で、独語歌詞以外には、それ程、NDW的な「不格好(良い意味です)」なところは余り感じませんでした。確かに、グラム・ロックとパンクを混ぜ合わせたような断片も感じますが、やはり根はパワーポップだと思います。また、ハードロックでも無いです。これはメジャーのコード進行を多用しているからとも言えましょう。解散したのは、ちょっと惜しいバンドの一つですね。なので、皆さんも「陽キャ」のScala 3、聴いてみて下さい! A1 “Metropolitana” (2:08) https://youtu.be/jnn5sgBo_o4?si=Et8D417lJ3IoyPFf A2 “Schizo-Kids” (4:05) https://youtu.be/5Td98WU8rQc?si=f8Va-Q5iNGhELcYT A3 “Ghetto Intern” (2:25) https://youtu.be/1fkvMeG6eSQ?si=PWz09e6_aqaH2Wn4 A4 “Travestie” (3:45) https://youtu.be/vgXVf7HHxx4?si=xs8yLuyy57DdsVeO B2 “Ich Glaub', Ich Träume” (2:45) https://youtu.be/jXQdY8oValQ?si=0uSiUzrRTeIH-ZDc B3 “Sog Der Resignation” (5:35) https://youtu.be/QSmbhppEOTo?si=TvWDMToycYIwnpSF B4 “Quellen Der Wut” (4:17) https://youtu.be/xelcX5EUw_Q?si=q1zmWPisz40jQTMM B5 “Vergessen” (3:30) https://youtu.be/5Td98WU8rQc?si=f8Va-Q5iNGhELcYT [オマケ: A4, A2, B1; Live in Berlin, 1981] https://youtu.be/bR_hgyYkKaw?si=RLRK1NtehO7yjpLl #Scala3 #GefühlUndHärte #Telefunken #1981年 #FirstAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PowerPop #PopPunk #Piano #Organ #MajorCode #FredThurley #PierreLengauer #HansPaix #Produce #KlausSchulze
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