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Einstürzende Neubauten “Greatest Hits”
またまた、Einstürzende Neubautenです。しかし、今回は”Greatest Hits”と言うベスト盤と言うかセルフ・コンピレーション・アルバムです。まぁジャケ写からして、如何にもE.Neubautenらしい、インパクト大なものだと思います。それで、今回のベスト盤は、丁度、F.M. EinheitやMarc Chung在籍時期と、彼等の脱退後のJochen ArbeitとRudolf Moser在籍時期の両方を跨いでいますが、どちらかと言うと後者の方により重点をおいているようです。それで、参加メンバーはと言うと、Blixa Bargeld (A1-D4), Alexander Hacke (A1-D4), N. U. Unruh (A1-D4)の他、F.M. Einheit (A3, A4, D2), Marc Chung (A3, A4, D2), Jochen Arbeit (A1, A2, B1-D1, D3, D4), Rudolf Moser (A1, A2, B1-D1, D3, D4)で、ゲストに、Jan Tilman Schade (Violincello, 指揮者[String and Trombone Ensemble], アレンジ), Berkcan Ertan (Double-B), Daniel Casimir (Trombone), Rob Gutowski (Trombone), Bruno Schmidt (Viola)も参加しています。また、プロデュースは、バンド自身とBoris Wilsdorf (A2, A4, B1-C1, C3, D1, D3, D4), Gareth Jones (A4), Jon Caffery (A1, A3, A4, C2, D2)がそれぞれ行っています。 また、曲目は、古い順に、A4はアルバム“Haus Der Lüge” (1989年作)から、A3, D2はアルバム“Tabula Rasa” (1992年)から、A1はアルバム“Ende Neu” (1996年)から、B1, B2, B4, C2, C3はアルバム“Silence Is Sexy” (2000年作)から、C1, D4はアルバム“Perpetuum Mobile” (2004年作)から、A2, B3, D1はアルバム“Alles Wieder Offen”(2007年作)から、D3はアルバム“Lament”(2014年作)からコンパイルされています。 と言う訳で、ミレニアムを跨いだ新旧の作品が取り上げられている本作品の内容をご紹介していきましょう(とは言っても、既にご紹介している曲もありますが)。 LP1のA面は、珍しく英語の歌詞で、ゆったりとした曲にピアノの単音弾きにストリングスがバッチリ合っている名曲A1で始まり、次もアップテンポで、メタパーのスネアに、またまた英語/独逸語の歌詞がマッチしているA2(ちょっと前に紹介しています), 重めのスプリングPercとBとの絡みにBlixaの切羽詰まったVoがかなり緊迫感を醸し出しているA3, そうして録音し直して、かなりメタパー色の強くなり、ドラマチックになったA4では、ストリングスがポイントです。 LP1のB面は、ミレニアムの作品から、ピロートークのように呟くBlixaのVoが頭に残るシンプルですが、ザイロフォンやストリングスが良い味を出しているB1で始まり、静かなる「炎」を感じされる、ドラマチックな展開をみせる長尺のB2, これまた、ストリングスとPercとBと言うシンプルながらも段々と盛り上がるB3(この曲もちょっと前に紹介しました), この頃のBlixaは英詞が多かったのかな?と思わせますが、ガラスのPercとストリングスがポイントのB4で、LP1を締めています。 LP2のC面は、シンプルな音をバックに、Blixaが優しく歌うC1で始まりますが、盛り上がる所はちゃんと盛り上がります。次には、割とリズミカルなバックに呪文のような、そして微かな呟きのようなBlixaのVoが乗るインダストリアルなC2, 更に静(語り)と動(サビ)の対比がクッキリとした、更にインダストリアルな名曲C3へと続きます。サビの前のめりのVoが最高です! LP2のD面は、馬の足音のようなリズムが心地良いD1(この曲もちょっと前に紹介済み)で始まり、これまた呪文のようなコーラスとVoが絶妙なD2, 不穏なエレピの調べに語るようなVoが秀逸なD3では、バックの音が簡素にも関わらず、表情豊かで、突然盛り上がります。これも英詞ですね。そして、雫のようなエレピとBをバックに、しっとりとそして呟くように、またハキハキと歌ったりと表現力豊かなVoが冴えるD4で締めています。 もう、近年のE. Neubautenの魅力がダイジェスト的にたっぷりと楽しめます。初期の破壊的な音響ではなく、寧ろ、Blixaの独語歌詞に重点を置いた、シンプルながらも、ストリングス等で上手く盛り上がていく手法はミレニアム頃から確立していたことがよく分かる内容となっています。また、初期メンバーによる演奏と後期メンバーによる演奏の違いや曲そのものの違いも分かり、その点も興味深いと思います!なので、E. Neubautenの近年の魅力を手っ取り早く知りたければ、本作品は良いサンプル・アイテムとなるでしょう!!聴いて、損は無いアルバムでさよ!! ◼️LP1 A1 “The Garden” (5:13) A2 “Let's Do It A Da Da” (5:32) A3 “Die Interimsliebenden” (5:01) A4 “Haus Der Lüge (New Mix / Rec)” (4:00) B1 “Sabrina” (4:40) B2 “Sonnenbarke” (7:00) B3 “Susej” (4:46) B4 “Total Eclipse Of The Sun” (3:52) ◼️LP2 C1 “Dead Friends (Around The Corner)” (4:50) C2 “Die Befindlichkeit Des Landes” (6:02) C3 “Redukt” (10:13) D1 “Nagorny Karabach” (4:25) D2 “Salamandrina” (3:00) D3 “How Did I Die?” (7:31) D4 “Ein Leichtes Leises Säuseln” (4:32) C2 “Die Befindlichkeit Des Landes” (6:02) https://youtu.be/i3dzy-y1xI8?si=IYd5oTG4DRvUmH9i [partially full album] https://youtube.com/playlist?list=PLVjZYT4jcq_WKsFxGN8LdhYkdStO2sqaa&si=_eWOTxTHbTX4cjcu #EinstürzendeNeubauten #GreatestHits #Potomak #Cloud-fundingSystem #SelfCompilation #ベスト盤#Industrial #Intelligence #MetalPercussions #HausDerLüge #TabulaRasa #EndeNeu #SilenceIsSexy #PerpetuumMobile #AllesWiederOffen #Lament #BlixaBargeld #AlexanderHacke #N.U.Unruh #F.M.Einheit #MarcChung #JochenArbeit #RudolfMoser #Guests #JanTilmanSchade #BerkcanErtan #DanielCasimir #RobGutowski #BrunoSchmidt #Co-Producers #BorisWilsdorf #GarethJones #JonCaffery
Industrial / Neue Deutsche Welle (German New Wave) Potomak ¥5060Dr K2
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A. K. Klosowski “Plays The Kassetteninstrument”
A. K. Klosowski、本名Arnd Kai Klosowskiのソロ作品としては、2003年のCDR “Echoplex”に続いて2作目となるのが、本作品”Plays The Kassetteninstrument“となります。と言ってもピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、以前に紹介した、1985年リリースのPyrolatorことKurt Dahlkeとのコラボ作”Home-Taping Is Killing Music”の方が有名かもしれませんね。カセットウォークマンを多量に繋げた超アナログなサンプラー紛いの楽器を使い、異形のエレ・ポップを奏でていた彼のソロは、正に、その超アナログなサンプラー(の原型; ここではサンプリングと呼称しておきます)だけで作り上げたアルバムです。また、ここに収録されている曲は、1982年〜1984年に録音されたもので、先のコラボ・アルバムより前に録音されたものです。彼のバイオグラフィーは、以前に書きましたので、ここでは省略させて頂きますが、とにかく、個性的で、面白い音楽が詰まっています。 そして、内容ですが、先ずA面は、ダビーなDR-55のリズムに合わせて、Lo-Fiな歌声や断片的な楽曲演奏のサンプリングが乗るA1, 複雑なイントロから、またまたDR-55のリズムと電子音のサンプリングが組み合わさったA2, 何らかのリズムパタンと引き攣ったギターらしき音とナレーションのサンプリングが乗るA3, 再び忙しないDR-55ののシンプルなリズムに声を中心に組合さるA4では、ダンサブルですらあります。ゆったりしたクラシック音楽と声のサンプリングの反復から成るA5, 教会の鐘からDR-55のリズムに合わせたサンプリングがマッチしているA6, ひたすら機械のように反復するバックトの音にオペラのサンプリングが乗るA7でA面を締めています。 B面は、アフリカン・ドラムやアフリカン・ミュージックのサンプリングから成るB1から始まり、DR-55のリズムに軽快な声や物音や既製音楽のサンプリングを乗せたB2, サンプリングによるゆったりした似非オペラなB3, 具体音の断片の反復による小曲B4, DR-55のリズムに様々な声のサンプリングを組合せた音の万華鏡のようなB5, 既製音楽の断片の反復にサンプリングされた声やクラシックの演奏を乗せているB6で締めています。 どの曲も一聴して、Klosowskiの音楽だと分かる独自の音楽を展開しています。当たり前ですが、使っている「楽器」があの超アナログな自作カセット・サンプラー(の原型)なので、そもそもの出発点からして、既製の音楽とは異なる訳です。Lo-Fi極まりない音質で、しかもガタガタと全然スムーズな感じはないのですが、故に、音の選び方や配置或いは構成も絶妙で、かつユーモアも忘れていない点もポイントが高いです!なので、このソロ作品では余計にKlosowskyの個性が際立っています!彼の真髄、ここにあり!と言う感じすらしますので、Pyrolatorとの共作”Home-Taping Is Killing Music”で、興味を持った方は、是非ともこちらも聴いてみて下さい!!面白いですよー! こんな素晴らしい作品を出してくれて、有難う!Gagarin Records!!!! A1 “Gelb Trompete” (3:09) A2 “Grün Streicher” (2:11) A3 “R H” (2:13) A4 “Newsticker” (3:00) A5 “Loop #1” (1:32) A6 “Deutscher Zoo” (1:08) A7 “Rot Glocken” (3:03) B1 “Wake Up, Wake Up” (3:20) B2 “Long Toe” (2:55) B3 “Lamento” (4:35) B4 “Loop #3” (0:28) B5 “Disco” (2:38) B6 “XXX” (3:17) A1 “Gelb Trompete” https://youtu.be/x6lig0EFETw?si=VPYn38EFj9qvUSFH A2 “Grün Streicher” https://youtu.be/pTwmIPIlWVI?si=R7RzAlahYT0U0tNH A4 “Newsticker” https://youtu.be/yagmS11Rh24?si=E_NUVfuPpvSSsrut B5 “Disco” https://youtu.be/QWWXHbywDmw?si=g5JbBNb4LoLuafFT [BandcampのURLを貼っておきます] https://gagarinrecords.bandcamp.com/album/a-k-klosowski-plays-the-kassetteninstrument #A.K.Klosowski #PlaysTheKassetteninstrument #GagarinRecords #SecondSoloAlbum #AnalogSampler #CassetteWalkman #自作楽器 #ExperimentalPop #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #1982年-1984年#ArndKaiKlosowski
Experimental Pop / Neue Deutsche Welle / German New Wave Gagarin Records €16.99Dr K2
