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Nord “1st” in box “日本のノイズ音楽”
Nord(ノール)❗️もう一つの東京ノイズ・ミュージックのオリジネーター。実は、このNordのファースト・アルバムは、既にオリジナル盤を紹介してあるのですが、今回、改めて、リマスタリングされて、クリア盤と言うことで、再度、ご紹介します。オリジナルは、1981年にLPでリリースされていますが、その後、2017年に、未発表ライブ音源を付けて、2枚組CDとして、リマスタリングされて、日本のArt Into Lifeより一度、リイシューされています。そして、今回、オーストリアのKontakt Audioより、ArtefAKTs From The Early Japanese Experimental Noise Music Scene「日本のノイズ音楽」の第4弾として、再度、リマスタリングされて、リイシューされました。メンバーは、片山智と及川洋の2人で、彼等のバイオグラフィーは、前回の項目をご参照下さい。 内容としでは、リマスタリングが良いのか、音の分離が良く、各音が良く聞こえます。A面は、やばり、法螺貝のような音から始まり、ラジオ音とそのバックのシンセによる電子音、更に後から加わるDR-55のリズムボックスから成るA1は素晴らしいです。続く、硬質なギターと、これまた硬質な電子音が淡々としたリズムボックスの上でぶつかり合うソリッドなA2, 同じパターンのリズムボックスから始まり、硬質かつ歪んだGとホワイトノイズを中心としたシンセとが徐々に捻れきれていく強靭なナンバーA3も聴き処満載です。 B面は、かなりインダストリアルな雰囲気の音塊(=テープ音)から、ギターのフリーフォームでソリッドな演奏とシンセによる工業神秘主義的演奏が絡み合う長尺の曲で占められており、そのカオスっぷりが、正に「ノイズ」の産声であると確信出来ます。恐らく、片山さんの好きな裸のラリーズの演奏を想起させるようでもあります。 先述したように、リマスタリングが良いのか、以前のような、得体の知れない恐怖感よりも、純粋に音楽としての魅力を感受できた気がして、また新たな発見がありました!! これは、単に自分の聴き方やオーディオ機器の変化だけではなく、マスタリングの凄さと元の音の強靭さかあってこそだと思います。これが1981年に日本で既にLPに刻まれていたこと自体が凄いことだと思いますので、騙されたと思って、一度は、「日本のノイズの産声」を体験してみて下さい!!! A1 “Labyrinthe” (15:41) A2 “Entract” (3:01) A3 “Caricature” (9:04) B “Utopie” (26:23) [以下のYouTubeはoriginal LP] A1 “Labyrinthe” (15:41) https://youtu.be/kGegAb2BIes?si=3I3dbVDvQPm-M2-O A2 “Entract” (3:01) https://youtu.be/Y8llCBDdWhg?si=s8_SLpSQXoC8fvSz A3 “Caricature” (9:04) https://youtu.be/SgSYNQWOSp0?si=PNkqi_2vBX01G59k B “Utopie” (26:23) https://youtu.be/X5NGjQB7qZQ?si=TEOTmm0iZgoYWTj9 [BandcampのURLも貼っておきます] https://kontaktaudio.bandcamp.com/album/nord #Nord #1st #self-titled #KontaktAudio #2024年 #Reissue #Remastering #LimitedEditions #99部 #PinakothekaRecords #1981年 #2CD #Reissue #ArtIntoLife #2017年 #Noise #Originator #吉祥寺Minor #Psychedelic #Improvisation #Electronics #Radio #Synthesizers #Guitar #一発録り #ArtefAKTsFromTheEarlyJapaneseExperimentalNoiseMusicScene #日本のノイズ音楽 #SatoshiKatayama #片山智 #HiroshiOikawa #及川洋
Noise / Psychedelic Kontakt Audio (Pinakotheca Records) 不明Dr K2
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Merzbow”Yantra Material Action” in box “日本のノイズ音楽”
元々、MerzbowのファーストLP”Merz”として、リリース予定で、ライナーはFred Frithが担当することになっていた音源が、このアルバム”Yantra Material Action”です。これは後に、カセット作品として、自身のレーベルMerzbow Lowest Music & Artsからリリースされており、その後も、ZSF Produktより1984年に、米国Anomalous Recordsより1993年に、更には1999年には豪Extreme Recordsより”Merzbox”の一部としてCDで、2018年には、Slowdown RecordsよりもCDで再発されています。そんなMerzbowの幻のファースト・アルバムが、今回、新たにオーストリアのKontakt Audioが始めたArtefAKTs From The Early Japanese Experimental Noise Music Scene(日本のノイズ音楽)の第一弾としてリリースされました。特に、このボックスセットでは、クリア盤となっており、しかもTシャツ付きです。また、この頃のMerzbowは、秋田昌美氏と水谷聖氏のデュオ形態の時期であり、轟音ハーシュではなく、アッセンブラージュ的ミュージック・コンクレートをやっていた時期の音源ですので、大変貴重な音源と言えると言えます。この時の編成は、秋田昌美(Tapes, Junks, Noise, Perc, Radio, G)と水谷聖 (Tapes, Synth, Vln, G, Kbd)とクレジットされており、予め1981年1月に家で2人が即興的に演奏した音源を録音したテープをJunction Music Worksスタジオや自宅で、リングモデュレーターを掛けて変調したり、加工したりして組合せると言った手法を使っていたと思われます。詳細については、Slowdown Recordsからの再発CDとかのライナーを参照して下さい。 それで、内容ですが、A面は、回転速度を弄ったテープで始まり、身の回りの金物を使った打撃音とラジオノイズと思われる持続電子音と弦楽器思われる音等を多重録音したプリミティブな実験音楽A1, 多層化されたプリペアードGの即興にディレイを掛けたり、他の物音系ノイズを加工して、加えたりしたミュージック・コンクレートなA2, アコギとDrsを中心とした即興演奏とヒョロヒョロした電子持続音から成るA3, ラジオの加工音や正体不明な物音の加工音、電子音、テープ音に、GやVlnと思われる演奏音源が渾然一体となったA4で締められています。 B面は、Vlnの不協和音とオルガンの演奏にバスドラのキックから成るB1, 何か(多分、発泡スチロール)の摩擦音と短波ラジオのチューニング音と正体不明のノイズが分厚く重なり合うB2, オルガンと深いリバーブの掛かったGの即興演奏に、更にシンセらしき電子音や金物Percやテープ音等の音(=ノイズ)を録音テープの切り貼りで繋いでいるようなB3, テープ音とシンセによる電子音とがトルネードの様に絡まり合い、Gのフィードバック音らしき音も加わり、結構カオティックになっていくB4で締められています。 確かに、当時のFred Frithが共振するのも分かる音楽です。これを「ノイズ」と呼ぶしかないのはよく分かりますが、細分化すること/カテゴライズすることは困難ですね。明らかに既存の音楽からの「逸脱」であり、通常、即興演奏した音源を更に加工するなんてことは殆ど行われていなかったのではないでしょうか(まぁ、Frank Zappaの“Uncle Meat”はありますが)? 結果、「ノイズ」としか言いようのない音楽が生み出された訳です。そう言う意味では画期的な作品であったと思います。これが、1981年にLPとして出ていたら、また違ったのかも知れません!また、A4やB2, B3とかには後のMerzbowの方向性を予感させますね。とにかく、「ノイズ・ミュージック」の産声が本作品には詰まっています!! 全ノイズ・ファン必聴!! A1 “Untitled” (11:24) A2 “Untitled” (2:51) A3 “Untitled” (1:47) A4 “Untitled” (4:35) B1 “Untitled” (1:05) B2 “Untitled” (8:40) B3 “Untitled” (7:24) B4 “Untitled” (4:38) [original cassette] https://youtu.be/cNDzKVTQ8ZU?si=f_PbNQMA4NZ5zfpJ [BandcampのURLを貼っておきます] https://kontaktaudio.bandcamp.com/album/yantra-material-action #Merzbow #YantraMaterialAction #KontaktAudio #2025年 #Reissue #Remastering #LimitedEditions #99部 #MerzbowLowestMusic&Arts #1981年 #Merz #ZSFProdukt #Cassette #1984年 #AnomalousRecords #1993年 #Merzbox #CD #ExtremeRecords #1999年 #SlowdownRecords #2018年#ArtefAKTsFromTheEarlyJapaneseExperimentalNoiseMusicScene #日本のノイズ音楽 #Experimental #Noise #MusiqueConcrete #Tapes #Guitar #Keyboards #Synthesizers #Junks #Noises #Violin #Percussions #MasamiAkita #KiyoshiMuzutani
Noise / Experimental / Musique Concrete Kontakt Audio (Merzbow Lowest Music & Arts) 不明Dr K2
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RotzKotz “Lebensfroh + Farbenfroh”
久しぶりに出会いました。独パンクの源流でありながら、ニューウェーブな音へとチェンジしたバンドRotzKotz (ロッツコッツ)のセカンド・アルバム”Lebensfroh + Farbenfroh (レーベンスフロー+ファルベンフロー; 「陽気でカラフル」の意)”が、今回、独の優良レーベルTapete Recordsから再発され、それを日本のSuezan Studioが少数ながらディストリビュートしてくれていましたので、早速、購入した次第です(小柳さん、いつもお世話になっています。どうも有難うございます)。先ず、今回、参加しているメンバーは、Ernst-August Wehmer (Vo, Synth, Choir, Kling Klong, Rhythmbox), Horst Illing (G, Vo, Choir), Gregor Ludewig (Piano, Choir), Axel Wicke (B, Choir), Markus Joseph (Drs, Choir, Rhythmbox)で、エンジニアは Thomas Rigelが行っています。今回の再発に当たって、彼等のインタビューが載っていますので、一部、要約して掲載していきます。先ず、インタビューのタイトル/結論が凄いです。そこには「トラッシュ・ガレージ・ビートとちょっとしたアヴァンギャルド、それにKurt Schwittersスタイルの歌詞で、このアルバム”Lebensfroh + Farbenfroh”は出来ている!」とあります。そして、彼等は元々は独語歌詞で歌っていたのをメンバーにくそダサいと言われ、それで、ファーストの時は英詞で歌って、UKで録音し、タイトルも”Much Funny (ただし、オリジナル・タイトルは”Vorsicht! Paranoia”です)”としたのですが、今回は独逸語の歌詞で歌うことにしたと。また、サウンドについても、コラージュっぽいのは、当時、メンバーのErnst-August Wehmerがハノーファー芸術学校で学んだダダイストKurt Schwittersの”DiedelDum, DiedelDie”からヒントを得ていたからとも。曲作りも、ピアノかギターかシンセを中心としてリハで作り上げたらしいです。それで、彼等は、Neu!とかLa Düsseldorfとかは全く聴いておらず、寧ろ、米国のRamones, Velvet Underground, Stoogesなんかが好みだったとか(これには、Ernestの姉妹がWolfgang Küsterと結婚したことで、Manfred Schützを介して、BOOTSレコード店で、好きな音楽を掛けまくれたことによる)。ただ、ある日、スタジオに置き忘れてあったKraftwerkのアルバムのテープを爆音で聴いて、椅子からすっ転げ落ちて「ギターでこれが出来ねーかなぁ」とビックリしたそうです。後、良くある大手レコード会社の確執については、真相は、最初はケルンのEMIの為に3〜4曲は既に録音していたのですが、「コマーシャルにやりたくない!」と言う気持ちもあって、迷いに迷って、結局、今回はインディー・レーベルのNo Fun Recordsからリリースすることにしたとしています。またバンド名(RotzKotz「鼻水嘔吐」の意)が如何にもパンク・バンドっぽいことについても、「俺達はパンクじゃない!」と断言しています。多分、インタビューに答えているのは、Horst Illingだと思いますが、クレジットが無いので、Ernst-August Wehmerも含まれているかもしれません。と言う訳で、トラッシュ・ガレージ・ビートとちょっとしたアヴァンギャルド、それにKurt Schwittersスタイルの歌詞で出来ている”Lebensfroh + Farbenfroh”の各曲を紹介していきましよう。 ★A1 “Computamensch” (2:58)は、コソコソ話しのイントロに続いて、ややパンクっぽいリズムと早口Vo、更にシンセのフレージングに、所々でSE的シンセが入ったりして、一味違う曲です。 ★A2 “Was Ich Nicht Weiß” (3:01)は、ちょっと変わったリズムパタンにピアノと言う編成に、切迫感のあるVoが乗る曲で、サビでのちょいスパニッシュ風Gも良いアクセントです。 ★A3 “Deutsche Land...” (4:04)は、ややスローテンポなリズムボックスとDrsにダルなBとシンセで始まりますが、Gのジャラ〜ンからテンポアップして、パンキッシュなビート&シンセのリフによるバックにVoが乗ってきます。コーラスもグー!当時のNDWに取って「独逸」のアイデンティティが如何に重要だかが分かります。 ★A4 “Tante EMI” (4:25)は、シンセ・パンクと言うかニューウェーブな曲ですが、サビでのVoとコーラスの絡みがイカしてます。最後に行くにつけ、具体音のコラージュが挿入されてきます。彼等の名曲です! ★A5 “Müslibrei” (1:52)では、細かいGの刻みからギター・ニューウェーブ風の曲に雪崩れ込みます。曲の短さもパンクらしいですし、間奏に「雑踏音」の挿入もダダ的です。 ★A6 “Schlanke Finger” (2:47)は、メトロノーム風リムショットとシンセのリズムのイントロの後、囁くVoが乗り、BやGがアクセント的に挿入される曲で、それでもサビは何となく爽やかな印象です。 ★A7 “Farbenfroh / Lebensfroh” (4:51)は、メロディアスなアコーディオン風Kbdを中心としたバックの演奏に、思いっ切り歌っているVoが印象的な曲で、途中からピアノを交えたダブ的ミックスも施され、曲展開も良いです。 ★B1 “Es Kehrt Die Zeit” (3:58)は、ちょっとコミカルさもあるシンセを使ったニューウェーブ的な曲ですが、当時のこのような音楽の同時性は全世界的なものでした。それでも、Voにはパンクの影がチラ見されます。 ★B2 “Zeitsignale” (2:49)は、ピアノも使ったアッパーなテンポの曲で、VoもGもパンキッシュです。こう言う所が、彼等の魅力ですね。 ★B3 “0,-“ (2:52)も、煽りのリズムからアップテンポになる曲で、後者はパンクが出自だと感じさせます。しかし、ピアノも途中で出てきたりして、曲展開が結構凝っています。 ★B4 “Schatten Der Vergangenheit” (4:10)は、リリカルでしっとりしたピアノの独奏にVoが乗り、我慢できずにDrsやBが雪崩れ込んできて、結構、ドラマティックな曲に仕上がっています。間奏のGもシンプルで良い感じで、最後のコーラスに感涙します! ★B5 “Äuglein Zu” (2:24)は、リズムボックスとCasioのリフと単音ピアノから成る不気味な雰囲気の曲で、正気のないVoも含めて、まるでThe Residentsのようです。 ★B6 “Kein Problem” (3:58)では、木琴のイントロから、いきなりモロパンクなアップテンポで性急な曲に雪崩れ込んでいきます。間奏の気に触るような音色のシンセもご愛嬌です。 ★B7 “Problem” (3:02)は、スカっぽいノリのダンサブルなリズムのご機嫌な曲で、割と他の曲と違って、ハピネスを感じさせてくれます。ニューウェーブ的なノリではあります。また、間奏はバンジョー(?)とGのソロかな。 ファースト・アルバムを今回、聴き直したのですが、ファーストが全くUKパンクアルバムだとすると、このセカンドはニューウェーブ的でかつアイデア満載のアルバムになっています。特に、ピアノやシンセが入っていることが大きいでしょう。それでも、所々に、パンク的要素が伺える点は高評価ですね (そこら辺は裏ジャケやインナースリーブの写真で想像出来ますね)。特に、A7やB3では、曲が短くでも曲展開が凝っていますし、アルバム全体として聴いていても、モロパンクな曲からピアノを中心としたリリカルな曲或いはB5のような不気味な雰囲気の曲とヴァラエティに富んでいて、アルバム全部としても楽しめます(逆に言うと、それだけ、メンバーの音楽性に違いがあったので、結局、解散に向かってしまったとも言えるのですが、、)。なので、パンクから参加したRotzKotzを体験したい方には楽しめるアルバムだと思いますので、是非聴いてみて下さい!! https://youtu.be/butRSDOxJYI?si=fFGnONNi8HzVQU_n [full album except A3] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mWmp91MxrKeXLOtUGzlhvKhWERA4dsxAQ&si=2goDWMGJlcoto5PV #RotzKotz #Lebensfroh+Farbenfroh #SecondAlbum #TapeteRecords #2024年 #Reissue #NoFunRecords #1981年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #GermanPunk #NewWave #Piano #Synthesizers #Rhythmbox #Ernst-AugustWehmer #HorstIlling #GregorLudewig #AxelWicke #MarkusJoseph
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / New Wave / Punk Tapete Records (No Fun Records) ¥3990Dr K2
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Sprung Aus Den Wolken “1981 West Berlin”
Kiddy Citny率いる謎の音楽集団、それがSprung Aus Den Wolken (以下SADWと表記)です。本作品は、同じジャケの12インチEPに、同時期(1981年)にリリースされていたカセット作品からの音源を加えたセルフ・コンピレーション・アルバムとなっています。SADWについてのバイオグラフィーは、既に書いてありますので、そちらをご参照下さい。A面には、Zick Zackから出た同ジャケの12インチEPが丸っと収録されており、B面には、1981年にDas Cassetten Combinatから出たカセット作品”Sprung Aus Den Wolken”から2曲、1981年に自主制作のカセット作品”Que Pas / Pas Attendre”から4曲が収録されています。しかもまだ、Discogsにも載っていません。ただし、YouTube Musicにはアップされていました。今までに紹介した曲もありますが、今回は新たに紹介し直したいと思います。1981年の時のメンバーは、Kitty Citny, Alexander Hacke, Renault Schubertであったようです。それでは、各曲を紹介して行きましょう。 ★A1 “Dub & Die” (4:12)は、チープなリズムマシンと呪文のように”Dub, Die”と呟き続けるVoに、生Drsが挿入されてきて、更にPercやSE音が鋭角的に挿入される曲です。淡々としたところがまたSADWっぽいです。 ★A2 “Komm Her Sing Mit” (1:54)は、突っかかるようなDrsに、GやBが無理くり合わせて、タイトルを繰り返すVoには、ディレイが掛けられています。ただし、コード進行はミニマルです。 ★A3 “Jeder Tag” (2:15)は、土俗的DrsにGとVoから成る曲で、Drsの勢いだけは凄いです。歌詞も殆どタイトルの反復から成りますが、僅かに電子音も聴こえてきます。 ★A4 “Soso” (2:30)は、SADW流のジャズなのかな? しかしながらカシオトーンの使用や酔っぱらったようなDrsとBとVoの勢いで乗り切ってます。 ★A5 “Gegen Den Strom” (3:38)では、主にキックだけのDrsとディレイの効いた鋭くフリーキーなGに、呪文のような囁き声のVoが挿入されます。また、電子音も時に聴取されます。 ★A6 “Nichts Im Sinn” (4:28)は、単調なキック(これはリズムマシンか?)に存在感のあるBとカシオトーン/Gから成る曲で、囁き声Voによって洗脳されそうです。ちょっとダブ的要素もあります。 ★A7 “Leidenschaftlich” (1:48)では、シンセで遊んでいるようなイントロから、疾走感のあるDrsと弱々しいGに、元気なVoが加わる曲です。Drsの勢いだけ凄いです! ★A8 “Bevor Sie Dich Töten” (1:10)は、何だかメロディアスなGとプリミティブなVoから成りますが、出来たものは「無調ハワイアン」とも言うべき曲です。 ★A9 “Schwing” (0:37)も、ノリ的にはジャズなんですが、ただDrsだけがそれ風に演奏しているだけです。 ★B1 “ Lust-Last-Liebe” (3:18)は、ロータムとGに、変調Voが乗る曲で、反復しながら、段々盛り上がっていきますが、最後にバックでオルガンが流れています。 ★B2 “Schür Die Glut” (3:45)は、ディレイを掛けたGを中心に、DrsやPercが加わり、更にそこに語るようなVoが乗ってきます。呪詛ですね。 ★B3 “Que Pas I” (3:41)は、アコギの弾き語りで、反復していますが、何とも言えない郷愁を感じます。またリード・アコギやアコーディオンも泣かせてくれます。また、途中のオルガン(?) もグー! ★B4 “Que Pas II” (2:36)は、爆発音のような打楽器にBが被り、更に色々な音(メタパー?)も加わり、そこにVoが乗るスタイルはB3とは全く異なり、インダストリアルです! ★B5 “Pas Attendre I” (4:37)も、単調なDrsと弦楽器が続いた後、アコギとVoが入ってきますが、これまた感傷的なメロディで泣けます!最後はカオスになります! ★B6 “Pas Attendre II” (1:48)も、B5の別ヴァージョンで、アコギの弾き語りから始まり、やがて単調なDrsも入ってきて、やがてフェイドアウトしていきます。 SADWって作品によって、かなりの振り幅があると思うのですが、それでも「反復する」ことに、彼等(と言うか、Kiddy City)が拘っているのが良く分かる作品だと思います。先述のように、同じ時期に別々にリリースされた作品をコンパイルしたもの、かつSADW自体がメンバーも流動的であることを考えると、この作品には一見、統一性が無いようにも思えるのですが、Kiddy Citnyの音楽性が「反復」にあることも、逆に炙り出されているようにも思えます。そう言う耳で、このアルバムを聴き直すのも、SADWの魅力の再発見に繋がると思いますよ(それにしても、B3-B6は名曲ですね)!! A6 “Nichts Im Sinn” (4:28) https://youtu.be/QLk8h3BR21I?si=Jyd8jfmW3F0Zi7L6 https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n1y0wgROvcB5anEPSdBjlw3ZED6jR9ovk&si=zwYVLhSQrXyHqfo8 #SprungAusDenWolken #1981-WestGermany #BureauB #Reissue #BonusTracks #2024年 #ZickZack #DasCassettenCombinat #1981年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop #Tribal #KiddyCitny #AlexanderHacke #RenaultSchubert
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop Bureau B (Zick Zack / Das Cassetten Cimbinat) 3990円Dr K2
