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PENTAX Super-Takumar F3.5/28mm 初期型
PENTAX Super-Takumar F3.5/28mm 初期型 外観は一見同じレンズにしか見えないのですが、このレンズには最初期型・初期型・前期型と大きく分けることが出来ます。注意しないと見落としてしまう曲者ですね。 ただ、同じ名前を与えられていても、後期型とは外観が大きく異なってくるので分かり易いのですが・・・。 今回のレンズは初期型となります。 それでは、曲者の「最初期型・初期型・前期型」の見分け方についてですが、初期型と前期型は、銘板で判別が出来ます。 Super-Takumarの前に製造番号が有るレンズは最初期型・初期型。 Asahi Opt.の前に製造番号が有るレンズが前期型ですので判別はしやすいと思います。他にも細かい点で違いが有りますが、この銘板で判別する方法が一番確かです。 厄介なのは、初期型で最初に登場した最初期型はF22まで絞り込めたのですが、後にF16までに変更されたようで、この絞値の違いで最初期型と初期型が区別できます。これが正しい見分け方かどうかは当時の旭光学さんに聞くしかないとは思いますがどうでしょうかね・・・個人的にはおそらくコスト面の理由からの変更ではないかと思っております。 コレクション上は「最初期型・初期型・前期型」の違いは大切ですが、実用上は大きな違いにはならいかもしれません。 最初期型・初期型・前期型はデザイン的には、58mmのフィルター径を持つおおぶりで、絞り輪のデザインが円筒形をしたこのレンズ、最新のデジタル一眼レフカメラにアダプターを介して取り付けるとバランスが良く大変カッコいいと感じます。 多重コーテングは施されていない(マルチコーテングもあったとかという話もある様ですが)にも拘わらず写りはそれなりに良くオールドレンズらしいややソフトな写りは魅力で、後に出てくる7群7枚構成のシャープな描写の後期型とは好みの分かれるところかもしれません。 当館でも、すでに最初期型と前期型と後期型は出品していますので、Super-Takumar F3.5/28mmのラインナップは一応そろったと思います。 【製品概要】 メーカー : ペンタックス 発売時期 : 初期型-1963年頃?~(最初期型-1962年~) レンズ構成 : 6群7枚 焦点距離 : 28mm 最短撮影距離 : 0.4m 開放値 : F3.5 最少絞り値 : F16 絞り羽根枚数 : 5枚 フィルター径 : 58mm マウント : M42スクリュウーマウント サイズ : 61.5X47mm(最大径×長さ) 重量 : 約260g 参考動画: https://www.youtube.com/watch?v=9YYL33_n2sUhttps https://www.youtube.com/watch?v=7OGHXFQg6eE
カメラ M42スクリューマウント PENTAXta-ke
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PENTAX Super-Takumar F3.5/135mm 初期型
PENTAX Super-Takumar F3.5/135mm 初期型 ペンタックスのM42マウント望遠単焦点レンズ、スーパータクマー135mm F3.5です。 Super-Takumar 135mm F3.5には大きく分けて、初期型と前期型、そして中古市場に圧倒的数で存在する後期型の3種類あります。 銘板の製造番号の入る位置によって、初期型・前期型(銘板のSuperのすぐ前に製造番号がある)と後期型(製造番号がレンズ名の後ろにある)を見分けることが出来ます。初期型と前期型の見分け方は、絞りリングのギザギザが全周一定のタイプ(初期型)と凸凹のある絞りリングのタイプ(前期型)で見分けることが出来ます。 そしてレンズ構成は、初期型・前期型は4群5枚ですが後期型は4群4枚へと変更されています。 という事で今回のレンズは初期型という事になります。 PENTAXSuper-Takumar F3.5/135mm望遠レンズはとにかくコンパクト!大変扱いやすく風景撮影だけではなく背景をぼかしたポートレート撮影には最適のユーティリティレンズだと思います。 ペンタックスレンズと言えども、これ以上の焦点距離になるとやはり大きなサイズとなってきますので、標準レンズや広角レンズプラスワンとして手元にあると便利、大いに撮影を楽しめる一本となります。 ペンタックスのオールドレンズを楽しむのであれば比較的安価で手に入れる事の出来るPENTAXSuper-Takumar F3.5/135mmは用意しておきたい所ですね。 【製品概要】 発売時期 :1971年頃 レンズタイプ:単焦点 レンズ構成 :4群5枚 最小絞り値 :f22 開放絞り値 :f3.5 フォーカス :マニュアルフォーカス 画角 :18° 焦点距離 :135mm 最短撮影距離 :1.5m 絞り羽枚数 : 6枚 マウント :M42マウント フィルター径 :49mm 寸法 :最大径×長さ 60mm×88mm 重量 :338g 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=irR7G81oV9Y https://www.youtube.com/watch?v=KmF9yatAuzg
カメラ M42スクリューマウント PENTAXta-ke
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PENTAX Super-Takumar F2.8/105mm 最初期型
PENTAX Super-Takumar F2.8/105mm 最初期型 「Super-Takumar F2.8/105mm」もペンタックスオールドレンズのご多分に漏れず、色んなバージョンが存在しているようですが、今回のレンズは一番最初に登場した「最初期型」と言われているモデルです。 外観的にはどのバージョンも似ていて見分けずらいのですが、はっきりと見分けることが出来るポイントとして、赤外指標の有無の様です。最初期型には、この赤外指標がないと言う事でとても珍しいレンズです。 スーパータクマーの初期型は、6桁の製造番号が与えられていたのですが、PENTAX SPの大ヒットによりそれに伴う交換レンズの需要が伸びた為、6桁では番号不足となりすぐに7桁の製造番号となったわけですが、変更に合わせて若干の仕様変更もあったようです。 今回のレンズは、6桁の製造番号に、赤外指標なしという事で最初期型のSuper-Takumar F2.8/105mm確定ですね。 F2.8/105mmという望遠レンズは、個人的にはとても使い勝手の良いレンズだと感じています。特ににポートレート撮影には最適のレンズと言えるのではないでしょうか。 人物にカメラを意識させない様な距離から狙える程よい望遠の焦点距離に加え、比較的明るめの開放値2.8の実力は撮影条件の幅を大いに広げてくれ撮影者の意図を盛り込むうえでも効果が高いと言えます。 また望遠効果を活かしたボケ味を表現できる点でも評価が高いレンズと言えます。 さらに、もう一点付け加えれば、とても軽量コンパクトである事です。これはPENTAXオールドレンズ全体に言える事ですが、実際に撮影を行えば機材、特に交換レンズの重量が軽いことはありがたい事だとお判りいただけると思います。 軽量コンパクトであることは大いに評価できるポイントですね。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=oM1jVxmtz2w&t=136s
カメラ M42スクリューマウント PENTAXta-ke
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PENTAX Auto-Takumar F3.5/35mm
PENTAX Auto-Takumar F3.5/35mm このレンズは、1959年に「ASAHI PENTAX K」と「ASAHI PENTAX S2」用にリリースされた様です。半自動絞り機構が搭載されていて、レリーズ時に自動で絞り込んでくれるが、絞りを開ける作業は自分で行う仕組みになっていました。 4群5枚構成で、テッサー型凸の前方に遠く離して大曲率のメニスカス凹1枚を置く配置になっていたのですが、この簡素なレンズ構成は、Kマウント化された「SMC PENTAX F3.5/35mm」となるまで用いられた優秀な物でした。 一般的に、オールドレンズ達は、手間ひまを掛けて基本的にはより良い光状態を探しながら、そのレンズの長所を生かす写し方を楽しむレンズだと思います。現代のカメラは、カメラ任せでほぼオートマチックに良い写真を撮れてしまいますが、最新のカメラやレンズでは味わえない写真の面白さというか醍醐味がオールドレンズの持つ大きな魅力だと感じます。 何より、現代の最新のデジタル一眼と組み合わせて使うと、当時のフイルムカメラでは引き出せなかったオールドレンズの隠れた実力が引き出されなお一層オールドレンズを楽しみつくすことが出来るようになりました。 そうは言っても、この時代の古いレンズは、コーティング技術が貧弱で、逆光には弱くコントラストも落ちやすい傾向が強く、いくら最新のデジタル技術をもってしてもカバーできない事もあります。と言う事で、レンズフードなどを使い光源対策をする事は大切で、見違えるような結果得ることが出来る場合が多いのでフードは必需品と言えます。 【絞りの作動に関する一口メモ】 絞り作動には大きく分けて、プリセット・自動・半自動が有ります。 [プリセット] 使う絞り値をまず決め、絞りの開け閉めは自分で行う。(レリーズと連動しない) [自動] 使う絞り値をセットするれば、レリーズ時にカメラが自動で絞り込んでくれる。(レリーズが完了すると絞りは開放に自動で戻る) [半自動] レリーズ時に自動で絞り込んでくれるが、絞りを開ける作業は自分で行う。 今回のレンズの場合、絞りを開ける(開放にする)時には、絞りリングの上にあるレバーを押し込みます。そうすると、カチッと音がして絞りが開放状態にセットされます。 絞りは、羽根の力を利用して絞り込まれるのですが、この「レバー」を押し込むことが羽根に力を蓄えることも兼ねています。そして、下の写真の後玉の下側のピンが押し込まれること(カメラが押し込む)で、所定された絞りまで絞り込む構造となっております。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=PNOiukWnD7w https://www.youtube.com/watch?v=5fMA-YkxipI https://www.youtube.com/watch?v=mmujJtuw6wI 【概要】 発売開始時期 : 1959年~ レンズ構成 : 4群5枚 画角 : 63度 最短撮影距離 : 0.45m 開放絞値 : F3.5 最小絞値 : F22 絞り形式 : 半自動(開放セットは手動・絞り込みは自動) フィルター径 : 46mm 大きさ : 53mm(最大径)x33mm(全長) 重さ : 135g
カメラ M42スクリューマウント PENTAXta-ke
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PENTAX smc PENTAX-M F3.5/28mm
PENTAX smc PENTAX-M F3.5/28mm ペンタックスのF3.5/28mm広角レンズは、Super-Takumarシリーズで初めて登場しました。 このレンズの系譜は、SMC TAKUMARシリーズ、SMC PENTAXシリーズへと続き、今回のsmc PENTAX-Mシリーズとなるのですが、今回のMシリーズで最後となったようです。 F3.5という明るさの28mm単焦点広角レンズの需要が減ってしまったと言う事なんでしょうね。オールドレンズ好きから見ると残念な事ではあるのですが、時代の欲求にはあがらえないと言う事なんでしょう。 Mシリーズの28mm広角レンズには、F2.0・F2.8・F3.5と3バージョン有ったようですが、このF3.5は廉価バージョンという位置づけだったようです。 勿論、F値が明るい方が、ボケ味などを有効に使え、撮影上の幅も増えることは間違いのない事で、明るいレンズの方が価値が高くなるわけですが、このF3.5、実際に使う場面では、開放から締まった写りで、全絞り値で非情にシャープな写真が撮れる中々のレンズだと思います。 また、発色のバランスも大変良く、このMシリーズでペンタックスの十八番である軽量コンパクト性が戻ってきた点も大いに評価できるポイントではないでしょうか。 ペンタックスのオールドレンズは何と言っても、M42スクリュウーマウント規格のレンズが人気で、中古レンズ市場でもKマウントタイプのSMC PENTAXやsmc PENTAX-Mと言ったシリーズは人気が低く需要も少ない様な気がします。 ただ人気があるなしに拘わらずレンズアダプターを介して、現代のデジタル一眼レフカメラに着装して撮影をすると驚くほどの写真を映し出してくれ、人気以上の実力者たちであることが良く解ります。 コストパフォーマンスで考えればKマウントシリーズのレンズ群もねらい目であると思います。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=gewXbeQpvts https://www.youtube.com/watch?v=PZ2883CaO_k https://www.youtube.com/watch?v=RCk3RpbdLtA https://www.youtube.com/watch?v=ZYOEfPzmk8o 【製品概要】 発売開始 1977年 レンズ構成 6群6枚 焦点距離 28mm 開放絞値 F3.5 最少絞値 F22 絞り羽根 5枚 最短撮影距離 0.3m フィルター径 49mm 全長 36mm 重さ 180g
カメラ Kマウント PENTAXta-ke
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PENTAX smc PENTAX-M F1.4/50mm
PENTAX smc PENTAX-M F1.4/50mm この、smc PENTAX-M F1.4/50mmというレンズの系譜は、初代Super-Takumar F1.4/50mmに始まります。 1964年に販売が開始された初代のレンズは、有名な6群8枚のレンズ構成というものでしたが、一年後に6群7枚構成へと再設計されています。初代は3枚貼り合わせという複雑な手法を用いていたのですが、2枚貼り合わせへと製造工程の簡略化を図り、同時にトリウムレンズ(アトムレンズ)を採用しました。この新シリーズは性能がとても良かったことから、ペンタックス社内で標準レンズの基準となり、今回紹介する1977年発売のMレンズまで基本的に同じ設計が続くことになりました。 1971年に登場したSuper-Multi-Coated TAKUMARシリーズは、それまで単層だったレンズコーティングが多層コーティングに変更され、PENTAX ESで採用されたTTL開放測光システムに対応したレンズとなりました。 翌年には鏡筒の設計変更を行い、絞り羽根も6枚から8枚に変更、ヘリコイドリングの形状も変更されてSMC TAKUMARシリーズとなりました。 そして、ついに1975年、ペンタックスはねじ込み式のM42スクリュウーマウントに別れを告げ、バヨネット式のKマウントに変更されました。 このとき登場したのが前回紹介したSMC PENTAX F1./50mmです。光学系はSMC TAKUMARと同じでした。 そして今回のレンズとなる1977年発売のsmc PENTAX-M 50mm F1.4に繋がっているのです。このレンズを一言でいうと、コンパクト化を図るため鏡筒設計を見直しています。フィルター径も前シリーズが52mmであったものが、49mmとなっています。 このレンズのやわらかなボケ味は、ペンタックの標準レンズの系譜とも言える大変魅力的なものですが、絞り込んでやるとメリハリのあるしっかりとした描写力に加え、マルチコーティングレンズのおかげともいえる艶やかなカラー再現力は、ペンタックスレンズの優秀さを裏切ることなく引き継いでいるようです。 余談にはなりますが、ペンタックスレンズを面白いと思うのは、何時もの事なのですが短期間で同じようなレンズを設計変更して発売する事ですね。そこの所はメーカーとしての何らかの理由は有るのでしょうが、外部の消費者には分からない部分も多く購入のタイミングを計りにくいと思いますね。一方、コレクターにとっては、面白い所でもあるのではないでしょうか。 ただ、このsmc PENTAX-M F1.4/50mmというレンズはそんなペンタックスレンズの中にあって7年ほどに及ぶ長寿命のレンズであったという点でも興味深いレンズです。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=QQmXlYwLHr8 https://www.youtube.com/watch?v=k3Cyzi7UnoU https://www.youtube.com/watch?v=prnCVxeNs3I https://www.youtube.com/watch?v=-rlDO5Qj6cU 【製品概要】 販売開始年 1977年 レンズ構成 6群7枚 (前3群3枚 後3群4枚) 変形ダブルガウスタイプ 焦点距離 50mm 開放F値 F1.4 最少絞値 F22 絞り羽根枚数 8枚 最短撮影距離 45㎝ フィルター径 49mm 重量 238g
カメラ Kマウント PENTAXta-ke
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PENTAX SMC PENTAX F1.4/50mm
PENTAX SMC PENTAX F1.4/50mm 今回のペンタックスオールドレンズは、今まで紹介してきたレンズと大きく異なるポイントが有ります。 それは、マウントのシステムが変わった点です。 今までは、長きにわたってM42スクリュウーマウントを採用してきたペンタックスでしたが、このレンズから、バヨネット式Kマウントと言うタイプに変更となったのです。 M42スクリュウーマウンは、汎用性に優れユニバーサルマウントとしては優れていたのですが、カメラの目覚ましい技術革新の波についていくことが出来ず、電子化が進む新しい技術を導入するには適さないものと成ってしまい、またレンズ交換時にもスピーディーさに欠ける点も致命的であった為、マウント規格を変更する事は急務となっていたのです。 因みに、このKマウント現在も電子接点などを加えながら現役バリバリのマウント規格として使われ続けてています。 其れではこの、SMC PENNTAX F1.4/50mmというレンズはどの様なレンズでしょうか。 F1.4とはかなり明るい、高級レンズのスペックですね。 レンズ自体は、このレンズの前身、SMC TAKUMAR F1.4/50mmを引き継いでおり素性は良いレンズであることは間違いありません。 ただこのレンズ、製造期間が大変短く、約一年間だけ製造されていただけの様です。理由は不明ですが、一年後に、smc PENTAX M F1.4/50mmと言うほとんど同じスペックのレンズにとって代わられるのですが、答えはここにある様です。 それはサイズです!SMC PENTAXF1.4/50mmは大きすぎたようです。フィルター径もφ52mmと大きめ、この後発売になるsmc PENTAX Mシリーズはφ49mmに戻されています ペンタクスのレンズの特徴は軽量・コンパクトにあるのですがそのコンセプトから見ると確かに大ぶりのレンズであると思います。ただ、個人的な好みからいうと、ずっしりとした高級感のあるレンズだと思っています。また、現代のデジタル一眼にアダプターを介してセットするととてもバランスが良くカッコいいと思うのですが、いかがでしょうか? 写りはオールドレンズらしいボケ味は健在で、クラシカルな部分もありつつマルチコーティング技術が進化し、現代のレンズに通じていくような綺麗な発色のレンズに仕上がっています。 オールドレンズの中古市場の中にあって、F1.4という明るい高級レンズでありながらかなりお買い得な価格で流通していることから考えても大変コストパフォーマンスに優れたお勧めのレンズだと思っています。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=6bdHhhIGZJg https://www.youtube.com/shorts/r6vJhyEoQU8 https://www.youtube.com/watch?v=RUwODEzAePM https://www.youtube.com/watch?v=_Q_q4PZWNvw 【製品概要】 発売開始 1975年 焦点距離 50mm 最短撮影距離 45㎝ 開放絞値 F1.4 最大絞込地 F22 絞り羽根枚数 8枚 フォーカス MF フィルター径 52mm
カメラ Kマウント PENTAXta-ke
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PENTAX Super-Takumar F1.4/50mm 8枚玉 前期型
PENTAX Super-Takumar F1.4/50mm 8枚玉 前期型 PENTAX Super-Takumar F1.4/50mmは、1964年に発売された大ヒットカメラ、一眼レフの傑作機Asahi PENTAX SP用のフラッグシップ標準レンズです。 このレンズは旭光学としては初めてのF1.4クラスのレンズでしたが、当時はF1.4レンズは各社のフラッグシップレンズだったのですが、52mmや55mm、58mmといったものが多く、国内で50mm F1.4に一番乗りしたニコンの“Nikkor-S Auto 50mm F1.4”に続いて発売されたのが“Super- Takumar 50mm F1.4”でした。 この“Super- Takumar 50mm F1.4”の初期は6群8枚構成という大変珍しいレンズでした。一般的にレンズ枚数は増えれば増えるほど修正できる収差も増える為、高性能になる傾向があると言われています。しかし、その反面、生産コストが上がってしまうため技術革新に合わせて枚数を減らすケースが殆どで、ペンタックスでもごく短い期間のうちに再設計されて7枚玉に変更されています。 この結果、Super- Takumar 50mm F1.4には、前期型と言われるタイプと後期型と言われるタイプが存在する事となりました。そしてさらに複雑なポイントとして、前期型のも二つのタイプが存在しているようです。(銘板で見分けることが出来るようですがここでは詳しく触れません) 今回のレンズは、8枚玉の前期型になりますが、このレンズは生産数が少ない(1年ほどしか販売されなかった)ことから大変な人気レンズで中古レンズ市場でも貴重品として高値で取引されているようです。 後期型の7枚玉の“Super- Takumar 50mm F1.4”も人気が高いレンズですが、後期型に比べ3~4倍くらいの価格になる事が多いようです。 後期型は有名なトリウムレンズ(アトムレンズ)を採用し解像度の高い大変優秀な高性能レンズなのですが、トリウムレンズが極極僅かな放射線を出す事や、経年変化でレンズの黄変が起こってしまう事などの欠点が有るのですが、前期型にはそのような問題が起こらない事も人気の一つではないでしょうか。 ただ、あくまで個人的な感想ですが、カラーバランスや解像度などは撮り比べてみたところ後期型の方により魅力を感じるのですが、この辺りは個人個人の好みの違いだと思います。 後期型のレンズの黄変については、レンズに紫外線照射をする事によって黄変の除去をする事が出来るので致命的な欠点という事にはならない点と、最近のデジタル一眼レフカメラに装着してオールドレンズ撮影を楽しむのであれば、カメラのオートホワイトバランス機能により黄変レンズでも問題なく撮影をすることが可能だと思うので、中古レンズの価格差程レンズの実力には差は生まれ無いのではないでしょうか。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=DA3OhNHI0sE https://www.youtube.com/watch?v=bTj9rIyqp40 https://www.youtube.com/watch?v=NhTzYaLqyR8 https://www.youtube.com/watch?v=xGBeQ5C4ktg https://www.youtube.com/watch?v=PPfn6CJxAjw 【製品概要】 販売開始 1964年 焦点距離 50mm 最短撮影距離 45㎝ 開放絞値 F1.4 最大絞込地 F16 絞り羽根枚数 6枚 最短撮影距離 45㎝ フォーカス MF フィルター径 49mm 重量 245g
カメラ M42スクリューマウント PENTAXta-ke
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PENTAX Super-Multi-Coatrd TAKUMAR F3.5/24mm
PENTAX Super-Multi-Coatrd TAKUMAR F3.5/24mm 発売当時のレンズとしては、24mmはかなりの広角域のレンズだったと思います。 このスーパーマルチコートタクマー24mmF3.5は、68年に発売されていたスーパータクマー24mmF3.5の後継モデルで、逆光やゴースト対策も兼ねたマルチコーティングが施されて登場しました。 さらに、PENTAX SPFやESⅡの開放測光にも対応しているレンズとなっています。 このころまでのペンタックスのオールドレンズは、鏡胴に現代では当たり前のエンジニアリングプラスチック部品と言ったものを一切使かっておらず、経年劣化の影響はほぼ受ません。結果として、数十年経った今でも、その性能が失われる事なく保たれています。 この事が、昨今のオールドレンズブームを支える大きな要因と成っているのではないかと思います。そして 、適切にメインテナンスを行う事で、これからも長くレンズ寿命を保つことが出来るでしょう。 プラスチック製ではない金属製の鏡胴がもたらす重厚な手触りの満足感は、満足感以上に確かな性能を保つ大きな要因と成っているのですね。 そして、このS-M-C TAKUMAR 24mmF3.5はフィルター径が58mmと大柄で迫力のある筐体、レンズアダプターを介して最近のデジタル一眼に取り付けてもバランスが良く見応えあるレンズと成っています。 レンズの特性は、高コントラストで細かな描写をする実力ですが、オールドレンズの常として、周辺の光量は若干落ちますが、他のレンズに比べても落ちは少ない方で、絞り込んでの撮影ではかっちりと描写しますが、開放側に近ずくと他のタクマーレンズに共通の温かみが有りながらも抜けの良い描写は流石ペンタックスと言う所です。 参考動画: https://www.youtube.com/watch?v=nNZ6sfhwM70 https://www.youtube.com/watch?v=JpMv5IWBonY 【概要】 発売 1971年 レンズタイプ 単焦点 マウントタイプ M42マウント 開放値 F3.5 フォーカス MF レンズ構成 8群9枚 絞り羽枚数 5枚 焦点距離 24mm 最短撮影距離 0.25m フィルター径 58mm 重量 243.4g
カメラ M42スクリューマウント PENTAXta-ke
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PENTAX Super-Multi-Coated TAKUMAR F1.8/55mm
PENTAX Super-Multi-Coated TAKUMAR F1.8/55mm マルチコーティングにより、逆光やゴースト対策が施され一段と使い易く解像度も強化された高性能標準レンズで尚且つ、コストパフォーマンスに優れた「Super-Multi--Coated TAKUMARE F1.8/55mm」レンズです。 ただ、ペンタックスオールドレンズの代名詞的な玉ボケや、虹色フレアと言った特徴は完全になくなったわけではないようで、オールドレンズならではの撮影を楽しむことが出来ます。 このレンズは、露出オートを実現するために開放測光対応鏡胴を採用しています。 ペンタックスで開放測光を実現したカメラは「ES」ですが、この「Super-Multi--Coated TAKUMARE F1.8/55mm」レンズはESが発売される前にすでに、SPのセットレンズとして販売が開始されていたようです。SPは開放測光に対応していなかったので宝の持ち腐れともいえるちぐはぐな販売戦略ですね。 希少価値の高いSuper-Takumar F1.8/55mmの初期型や前期型と言った人気レンズは中古市場でも比較的高価で、手に入れる敷居は高いのですが、Super-Multi--Coated TAKUMARE F1.8/55mmは、初期型や前期型を凌駕するような優れたレンズであるにも拘らず半額程度で手に入れることを考えると極めてコストパフォーマンスの高いレンズだと思います。 このレンズは有名なアトムレンズを採用しています。このアトムレンズは高い解像度を誇る優れものですが、欠点として、経年変化としてレンズの黄変を起こす事です。 このレンズの黄変は、紫外線照射によって黄変除去が可能ですのであまり気にする必要は無いでしょう。 実力本位で選ぶなら、Super-Multi--Coated TAKUMARE F1.8/55mmは間違いなく持っておきたいレンズだと言えます。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=-xACqDErTTg 【製品概要】 メーカー : 旭光学 lens構成: 5群6枚 最短焦点距離 : 0.45m 開放絞り値 : F1.8 最少絞り値 : F16 絞り羽根枚数 : 6枚 フィルター径 : 49mm
カメラ M42スクリューマウント PENTAXta-ke
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PENTAX Super-Takumar F3.5/28mm 最初期型
PENTAX Super-Takumar F3.5/28mm 最初期型 以前に出品したレンズに、これと瓜二つのレンズが有りました。 「PENTAX Super-Takumar F3.5/28mm 前期型」というレンズです。普通に見比べてもこの二つのレンズを見分けることは難しいでしょう。 一番分かり易いポイントは一つ、絞り環の最小絞り値の刻印にあります。 初期型は、最小絞り値が、F22なのですが、前期型は、最少絞り値がF16となります。 ここが最も明確に見分けられるポイントとなっています。 少し分かりずらいのですが、レンズ銘板にも違いが有ります。先ずフォントが違います。それと表記の配置が異なっています。Super-Takumarの前に製品番号が有るのが初期型、Asahi Opt. Co.の前に製品番号が有る方は前期型となっています。 さらに複雑な点が有ります。初期型にもF16の最小絞り値のレンズが存在しているようです。ペンタックスに良くある話なのですがなんともややこしい! という事でF22まである一番古いタイプを最初期型と分類しておきます。 これ等の点を見れば見分けがつくという事ですが、やっぱり見分けづらいですね。 当時のレンズメーカーは、短いスパンで製品のアップデートを行っていたようで、このレンズに限らず同じ名前のレンズでありながら多くのバージョンが存在すると言う事が度々見受けられます、ユーザー泣かせと言うか、コレクターにとっては厄介な事ですね。 尤も、こうゆう状況自体がコレクターを引き付けているのかもしれませんが・・・。 特に、ペンタックスのオールドレンズには、こういったカオス状態のバージョンがあふれているように感じます。 ちなみに、この「Super-Takumar F3.5/28mm」レンズには、この初期型、前期型を含め1962年~1966年という短い販売期間の間に実際には4パターン以上のバリエーション(マイナーチェンジ)があるそうです。 このレンズのよもやま話で長くなってしまいましたが、最後に、撮影画像について触れておきます 。開放値がF3.5と決して明るいレンズという訳では無いので、ボケ味はあまり期待していなかったのですが、思っていた以上のボケ味描写でちょっと意外な結果でした。ピントの合っている合焦部分も含めて柔らかい作画と言える写りでオールドレンズらしい絵作りとなっています。 ただ絞り込んでの撮影でも、メリハリの効いた切れの良い写りではなく、ソフトトーンの写りですね。人物写真などのポートレート撮影には良いレンズかも知れません。 現代の切れの良いレンズとは違い、いかにもオールドレンズと言った写真を楽しめるレンズだと思います。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=RYhax9QzNNk https://www.youtube.com/watch?v=wXBcERqzQ8M https://www.youtube.com/watch?v=MMPOMvG1r0M 【製品概要】 メーカー : ペンタックス 発売時期 : 1962年~ レンズ構成 : 6群7枚 焦点距離 : 28mm 最短撮影距離 : 0.4m 開放値 : F3.5 最少絞り値 : F22 絞り羽根枚数 : 5枚 フィルター径 : 58mm マウント : M42スクリュウーマウント サイズ : 61.5X47mm(最大径×長さ) 重量 : 260g
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PENTAX SMC TAKUMAR F1.8/55mm
PENTAX SMC TAKUMAR F1.8/55mm 以前に、「SMC TAKUMAR F1.4/50mm」というレンズをご紹介いたしましたが、その弟分と言えるのがこのレンズです。開放値をF1.4からF1.8へとダウングレードされている訳ですが、やはりこの0.4の明るさの差は大きいようで開放値でのボケ感には違いが出るようです。 絞り込んでいけばそこまで差がある様には感じませんので、価格差を考えるとこの、「SMC TAKUMAR F1.8/55mm」を選択するのも悪くは無いのではと思いますが。 Aoto Takumareから、Super-Takumar、Super-Multi—Coated TAKUMARE,そしてSMC TAKUMARへとM42スクリュウーマウントのペンタックス標準レンズは続いていくのですが、個人的には新しくなっていくほど解像力にしても、ゴーストやケアレ対策なども進化を続け改善されてきたのは間違いはなく、レンズの総合的な優秀さにおいてはSMCシリーズが最強ではないかと思います。 しかし人気というものはそれほど単純ではない様で、希少価値や、新しいレンズの抱える問題点などの影響で大きく変わってしまうものの様です。 特に、Super-Takumarの後期型から採用が始まった、極めて優秀なアトムレンズを使ったレンズ群は、ごくごく微弱な放射性物資値が含まれていたり、その影響でレンズが黄変すると言ったことから、必要以上に敬遠されている状況ですね。 (SMCタクマー F1.8/55mmの最終バージョンにはアトムレンズが使われなかったようですが・・・) 逆に考えれば、上記のような問題を気にしなければ、とてもリーズナブルに購入できるハイコストパフォーマンスなレンズではないかと思います。 毎日肌身離さず持っていたりしなければ安全上全く問題になりませんし、黄変レンズも紫外線照射で改善できるので、“空気をも写す”と例えられるアトムレンズの描写力を満喫できるのですから。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=vWofZJxgaJg https://www.youtube.com/watch?v=Lu4wV_G9Cz0 https://www.youtube.com/watch?v=qD2on8ks8Gk 【製品概要】 製造国 : 日本 販売開始時期 : 1971年~ 撮影距離 : 45cm〜無限 開放絞り値 : F1.8 最小絞り値 : F16 絞り羽 : 8枚 マウント : M42マウント フィルター径 : 49Φ サイズ : (約)4.4cm×5.7cm フィルター径 49Φ 備考 トリウム含レンズ(アトムレンズ)の関係でレンズが黄変しやすい
カメラ M42スクリューマウント PENTAXta-ke
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PENTAX Super-Takumar F3.5/35mm Type 1
PENTAX Super-Takumar F3.5/35mm Type 1 この、ペンタックスのオールドレンズ「Super-Takumar F35/35mm」レンズはコンパクト軽量で人気の広角レンズなのですが、チョット厄介なレンズでして、同じ名前のレンズであるにも拘らず5種類のレンズが存在すると言うカオスなレンズです。 簡単に説明しますと、先ず、前期型と後期型が在します。 後期型は一種類のですが、前期型には四種類が有るのです。ここでは、それぞれ、Type1・Type2・Type3・Type4に分類されています。 ここではこのタイプを詳しくお調べになられている、『つんつんブログ』の説明を引用させて頂きます。 オールドレンズについて大変造詣が深くとても勉強になりますので、興味のある方は一度訪れてみてください。 ※つんつんブログ http://tsun2.way-nifty.com/blog/ 下記に説明文を原文のまま転載しております。 タイプ1 絞りリング:円筒型、最小絞り F22 表示文字:フツラ書体 スナップマーク:なし ft表示の並び:20 10 、m表示の並び:7 3 銘板表示:Super-Takumar 1:3.5/35 Asahi Opt.Co., Lens made in Japan (製造番号) タイプ2 絞りリング:円筒型、最小絞り F22 表示文字:フツラ書体 スナップマーク:あり ft表示の並び:30 15 10 、m表示の並び:10 5 3 銘板表示:Super-Takumar 1:3.5/35 Asahi Opt.Co., Lens made in Japan (製造番号) タイプ3 絞りリング:ローレーット型、最小絞り F16 表示文字:フツラ書体 スナップマーク:あり ft表示の並び:30 15 10 、m表示の並び:10 5 3 銘板表示:Super-Takumar 1:3.5/35 Asahi Opt.Co., Lens made in Japan (製造番号) タイプ4 絞りリング:ローレーット型、最小絞り F16 表示文字:ヘルベチカ書体 スナップマーク:あり ft表示の並び:30 15 10 、m表示の並び:10 5 3 銘板表示:Super-Takumar 1:3.5/35 (製造番号) Asahi Opt.Co. Lens made in Japan 以上大変分かり易く説明頂いております。 この4タイプのレンズは、外見上ほとんど同じで、上記の『つんつんブログ』様の説明が無ければ見分けることはととても難しいと思います。 私もこちらのブログで初めて理解が出来ましたのでとても感謝しております。 私もこのブログを参考に「Super-Takumar F35/35mm」を集めたのですが、私の場合、Type1がなかなか手に入れることが出来ずに苦労しました。 先日やっと手に入りミューゼオ展示が出来る事になりました。 これで、ペンタックスのオールドレンズ35mmシリーズは、オートタクマーから、スーパータクマーの5種類、そして、スーパーマルチタクマーまですべてをコンプリートすることが出来ました。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=NhTzYaLqyR8&t=310s
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PENTAX Auto-Takumare F1.8/55mm Ⅳ型
PENTAX Auto-Takumare F1.8/55mm Ⅳ型 この「Auto-Takumare F1.8/55mm」というレンズは、実にバリエーションの多いレンズです。 Ⅰ期型(1960年~)に始まり、Ⅱ期型A、Ⅱ期型B、Ⅲ期型、Ⅳ期型、Ⅴ期型、Ⅵ期型と、僅かな期間に構造などの改変を繰り返しています。 正確な理由は分かりませんが、組み合わされるカメラ本体「PENTAX S3」の開発ペースと関連が有るのかもしれないと言う事の様です。 Ⅳ期型・Ⅴ期型・Ⅵ期型の「Auto-Takumar F1.8/55mm」は、レンズ上の構造は殆ど変更はなく、絞り環の表記に中間絞りの「・」が刻まれていたり、被写界深度指標が「1.8」と「11」が刻印された煩雑なものだったりとか、機能というより外観上の変更程度でした。 さらにおもしろい事は、Ⅴ期型・Ⅵ期型が、「PENTAX S3」が発売された時のセットレンズ「Siper-Takumar F1.8/55mm 初期型」と実は全く同じレンズで、レンズの銘板のみを変えた完全同一レンズであったと言う事です。 一眼レフカメラの「PENTAX S3」と「PENTAX S3」が、一時期併売されていたことから が、 この「Auto-Takumar F1.8/55mm Ⅴ期型、Ⅵ期型」と「Siper-Takumar F1.8/55mm 初期型」も併売されていたのかもしれません。 Auto Takumare F1.8に限らず、PENTAXのオールドレンズにはこういった極めて複雑なラインナップが多々ありオールドレンズファンにとってはレンズ選択に頭を悩ませることが多いですね。 ま、尤もそれ自体もオールドレンズの楽しみと言えなくもないのですが。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=OnWQ1zI9N1s https://www.youtube.com/watch?v=UPUUATqtWww&t=720s 【製品概要】 発売時期 : 1961年頃 レンズ構成: 5群6枚 フォーカス : マニュアル 焦点距離 : 55mm 最短焦点距離 : 45cm 開放値 : f1.8 最小絞値 : f16 絞羽根枚数 : 6枚
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PENTAX Super-Multi-Coated TAKUMAR F2.5/135mm 後期型
PENTAX Super-Multi-Coated TAKUMAR F2.5/135mm 後期型 外観からは全く見分けがつかない、Super-Multi-Coatedタクマー135mmF2.5レンズの前期型と後期型。 レンズの銘板の表記は全く同じ、外見もほぼ同じ、紛らわしいことこの上ないのですが、何故この様な戦略をとったのか、知っている方がいらっしゃったら是非お教え願いたいと思います。 前期型と後期型の2種類の写りの感じはどちらも似ていて、少し柔らかめで線の細い、しっかりとした描写になります。かなり細かな部分まで描写して、開放側ではボケ味もきれいで、Super-Multi-Coatedタクマー135mmF2.5は、デジジタル一眼レフ・カメラにおあつらえ向きのレンズではないでしょうか。前期型と後期型、どちらも似た描写をしてくれますので、携行性等も考慮して好みに合わせて使い分ければ良いのではないでしょうか。 とは言っても、外見は瓜二つ描写も似ている前期型と後期型ですが、中身を覗いてみると全く違うレンズであることが分かります。 先ず、前期型 PENTAX Super-Multi-Coated TKUMARE F2.5/135mmのレンズ構成はエルノスター型4群5枚となっています。 エルノスター(Ernostar )はルートヴィッヒ・ベルテレが1923年エルネマン在籍時A.クルーグハルト(A.Klughardt )とともに発明したレンズで、名称は"エルネマンの星"の意。当初設計されたのはエルノスター10cmF2とエルノスター12.5cmF1.8である。これらのレンズは当時世界最高速(写真レンズにおける"高速"とは、低照度の撮影条件下で高速シャッターが切れる、すなわちF値の小さな明るいレンズであることを意味する)であり、エルネマンのカメラエルマノックスに装着されて夜間の手持ち撮影を可能にした。1925年には映画撮影機用のエルノスターF1.0、写真機用に画角40度を持つエルノスターF2.9が設計され、1929年には写真機用に画角40度を持つエルノスターF1.6が設計された。後にゾナーの原型となりました。 エルノスター型レンズは中望遠レンズに適した特性を持っており、現在でも中望遠レンズの設計のお手本として普及している。 そして、今回紹介する「後期型」では6群6枚に設計変更しテレフォト型となっています。 テレフォトタイプは、現代の望遠レンズの主流と言えます。 望遠レンズで問題となるのは広角レンズとは逆にフィルムからレンズまでの距離が長くなるために、レンズの全長も長くなり、またピント合わせの際の繰り出し量も膨大なものとなり撮影に支障をきたすことになります。 そこで広角レンズのレトロフォーカスとは逆の発想で、主光学系の後ろに凹レンズを配して実焦点距離よりもレンズの全長を縮めたのが「テレフォトタイプ」(望遠型)とと言われるものです。 このほかに、対称型レンズ構成の「長焦点型」、これとはまったく別の反射鏡を使った「反射望遠型(ミラーレンズ、レフレックスレンズ、カタジオプトリックタイプ)」と言ったタイプが有ります。 このように、外見は瓜二つ、中身は全くの別人!面白いですね。 ペンタックスのオールドレンズには、この様に思わずニヤッとしてしまうレンズたちが結構あって、こういった様々なバージョンが私の様なオールドレンズファンにとっては堪らない魅力となっているような気がします。 【製品概要】 販売開始 : 1973年~ レンズ構成 : 6群6枚 テレフォト型 レンズコーティング : 7層マルチコーティング マウント : M42スクリューマウント 焦点距離 : 135mm 最短撮影距離 : 1.5m 開放F値 : f2.5 最小絞値 : f22 絞り羽根枚数 : 8枚 フィルター径 : 58mm 重量 : 約472g 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=Gztz-P0fWR0 https://www.youtube.com/watch?v=ITpvyC3fGiM https://www.youtube.com/watch?v=jS0_p_aZVSE
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