オーロラin田上山トパーズ/黄玉
滋賀県田上地方は石好きにとって聖地のひとつ。
水晶や長石をはじめとした鉱物を胚胎する当地は日本三大ペグマタイトとして知られ,古くから多くのマニアたちの羨望を集めてきました。
中でも琵琶湖の南部にそびえる湖南アルプスの「田上山」は伝説級の産地。
明治期から高品質のトパーズを産出し,その宝石級のクオリティから多くの結晶が海外に輸出されたという(勿体ない)エピソードは有名です。
田上山には私も一度だけ登った経験があり,かの有名な中沢晶洞の中を観察した思い出があります。
こちらのトパーズはなんとその田上山で採取されたという酒黄色の巨晶。
大きい,美しい,そして何より結晶形が整っている!
私が田上山に登ったときは目当てのトパーズが採れなかったのでこれはまさに念願の一石であります。
実はこのトパーズ,ただ美しいだけでなく面白いギミックが隠されていました。
それはなんと蛍光性。
短波の紫外線を照射すると,結晶内部に黄緑色の靄が浮かび上がるのです。
結晶の全体像はあくまでも透明であるためその正体を肉眼視することはできませんでしたが,これは何らかの蛍光物質を包有しているということなのでしょう。
まさか田上山産で,しかもインクルージョン蛍光を有する標本に出会えるとは思いませんでした。
ミネラルショーでニチカさんからの購入品です。
宝石
鉱物標本
8
Al₂SiO₄(OH,F)₂
テッツァライト