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Platyscutellum cf. massai
巨大なPlatyscutellumの尾板だけの標本です。同じ個体か分かりませんが、頭部の一部も残されています。扇子を広げた様な巨大な尾板だけでも迫力があり、推定する全長は15㎝を超えていた可能性があります。この大きさですとドロトプスにも引けを取らない存在感だった筈です。尾部の部分化石が積層している様な産状で、1990年位は市場で少し見掛けましたが、近年は珍しい化石となりました。
Devonian Styginidae,Illaenoidea,Illaenina,Corynexochida TRI-276 Hamar LaghadTrilobites
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Quadrops flexuosa
以前には、Philonyx philonyx(RICHTER&RICHTER1952)と呼ばれていましたが、現在ではQuadrops flexuosaと呼ばれています。モロッコのデボン紀の代表的な棘棘三葉虫で、その中でも異彩を放っており、4つに分れた謎の吻、平安装束の冠のような大きなヘラ状の棘(この種類は、それ程大きくないので、新種かもしれません)、肋や尾板から曲線を描いた棘、縦に3列の体節の棘など数えきれないほどの特徴的な棘で武装しています。左後の側葉部は、生前に欠損したのか一部棘が残されていません。従来から見かけるモロッコの代表的な棘々種でしたが、近年は原石が枯渇していて、現代の技術で剖出した標本は本当に貴重です。
Devonian Acastidae,Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-139 -Trilobites
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Comura bultyncki
モロッコのデボン紀を代表するド派手な棘々種です。こんなに棘が生えていると生活するにも不便だった気がします。中央列の棘列は、硬いのになだらかに後方に靡いているのは、前進する時に水の抵抗を抑えるためだったのでしょうか。この種をクリーニングするには、技術も時間もかなりの労力を要すると思います。
Devonian Acastidae,Acastoidea,Phacopina,Phacopida TRI-74 -Trilobites
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Platyscutellum cf. massai
モロッコでもScutellumの仲間は、種類は多く魅力的な尾板をしているのですが、どの種類も数は少なく近年は更に貴重になってしまいました。Platyscutellumという種類は、丸みを帯びた尾板が特徴で、Scutellumの中でも産出量が特に少ないことで知られます。産状は、基本的には部分化石であり、完全体は幻とされていました。この種類、イミテーション(贋物)が数多く出回っており、オークションやミネラルショーでも良く見かけます。コレクターには、Platyscutellum=贋物のイメージが定着してしまい、常に疑いの目を向けられてしまう種類なのですが、裏を返せばそれだけ魅力的な形態をしていて、完全体が貴重な種類でもあるのです。
Devonian Styginidae,Illaenoidea,Illaenina,Corynexochida TRI-276-2 -Trilobites
