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Bathynotus kueichouensis
Bathynotusという種類は、Wikipediaにも独立したページがある名の知れた属(三葉虫の世界では)ですが、近年は滅多に市場に出なくなった為か入手が難しい種類となりました。Redlichiida(レドリキア目)に属しているとされていますが、Corynexochida(コリネクソス目)やPtychopariida(プチコパリア目)の初期のタイプに似ていて、どのグループとも共通する中間的な姿をしていて、再び未分類とされてしまいました。産出は中国産に事実上限られ、本種も貴州省から種名が付けられています。カンブリア紀の重要な産地として知られるKaili累層(凱里生物群)で産出する事でも知られています。 中国名/貴州寛背虫
Cambrian Bathynotidae,Redlichioidea,Redlichiida TRI-507 Kaili(凱里)Trilobites
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Odontopleura ovata
この標本はNegativeだけの標本なのですが、細かい棘の位置など体表面の保存状態が極めて鮮明です。Negativeだけの標本は、一般的には価値が低いとされ比較的安価に入手できますが、小さな標本は肉眼で観察するより、ルーペや写真で観察して始めて細かい棘の状態が分りますので、十分に価値があると感じる例です。チェコからは、様々な種類のOdontopleuroidea(超科)の仲間が産出しますが、いずれも1cm程度の小型の種類ばかりで明確な違いが分りません。自在頬が欠損していたり不完全な状態の標本が多く、種の同定が難しい標本が多く感じます。体表の細かい陥没は棘の名残で、実際には繊毛のような細い棘が無数に生えていたのではと推測します。
Middle Silurian Odontopleuridae,Odontopleuroidea,Lichida TRI-428 LitenTrilobites
