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Stapeleyella inconstans
身体の倍以上もある長い頬棘を持つTrinucleidaeの一種、Stapeleyellaの標本です。一番の特徴と言えるこの長い頬棘は殆どの標本で外れてしまっており、それがこの三葉虫の地味なイメージに繋がっています。しかし、このように先端まで綺麗に保存されているととても美しい姿をしていることが分かります。 完全な私のイメージですが、古典的産地であるイギリス産にぴったりな格調高い雰囲気がある標本です。 #三葉虫 #trilobite #化石
Lower Ordovician #108 UK Hope Shales, Hope Member, Shelve Formationxiu_trilobite
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Piltonia kuehnei
ベルギーからの石炭紀三葉虫です。比較的大型化する種ですが、この個体は小ぶりです。保存状態もそこそこですが、特徴的な全身の顆粒が外殻とともに残っています。 写真の完全体だけでなく、同一種の部分化石があちこちに散らばっており、群れて生息していたことが分かります。石炭紀の三葉虫はこの標本に限らずマルチプレートが多く、群生がこの時代の三葉虫の重要な生存戦略のひとつだったことが推測されます。 #三葉虫 #Trilobite #化石
Lower Carboniferous #91 Belgium Tournai Formationxiu_trilobite
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Proetida sp.
奇妙な固有種を産出するJorfからの標本です。こちらは地味ながら見たことのない出立ちのプロエタスで、細長い楕円形の体型は石炭紀以降のフィリップシア系の三葉虫を彷彿とさせます。一方で尾板は小さく、石炭紀とは異なる特徴を持つデボン紀の三葉虫であることが分かります。 5枚目の写真のように複眼が観察できるものの、同時期のモロッコ産Proetidaに比べると薄く膜を張ったようにボヤッとしており、これは単に保存状態や産状によるものなのか、あるいは複眼が退化しているのかもしれません。 #三葉虫 #Trilobite #化石
Middle Devonian #103 Morocco -xiu_trilobite
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Ptychoparia striata
特徴の無い三葉虫とされるプティコパリアですが、頭鞍の前部が吻のように大きく発達しており特徴は明確です。外殻の質感や姿勢も良いなかなか良い標本だと思います。 左側の側葉部が大きく抉られたようになっていますが、購入元によると喰われ痕ではないかとのことです。ただ治癒した形跡は一切なく、本当に喰われた部分だとすれば致命傷だったはずです。 #三葉虫 #trilobite #化石
Middle Cambrian #57 Czech Republic Jince Formationxiu_trilobite
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Ceraurus pleurexanthemus
ニューヨークのWalcott-Rust Quarry産が有名な本種ですが、カナダ・ケベック州でも採取されており、同種でも化石としての質感が異なります。少し丸まった姿勢ですが、それを含めてとても可愛いらしく、正方形の母岩の真ん中という配置のバランスも良いので、気に入っている標本です。 #三葉虫 #trilobite #化石
Upper Ordovician #36 Canada Neuville Formationxiu_trilobite
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Calymene niagarensis
ロチェスター頁岩の代表的三葉虫のひとつです。比較的多産する種であることから、あまり注目はされていない感がありますが、深煎りのコーヒー豆のような質感で、数あるカリメネの中でもトップクラスに格好良いと個人的に思っています。この標本は真っ直ぐに伸びた大きめの個体です。 #三葉虫 #Trilobite #化石
Middle Silurian #24 US Rochester Shalexiu_trilobite
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Geesops schlotheimi
古くから産地として知られたGeesのジーソプスです。Geesで産出する三葉虫の90%程がこの種とされていますが、1980年代には産地保護のため採取が禁止されたため貴重な標本となっています。 ジーソプスの記載年は1825年とちょうど今年(2025年)で200年となります。地層時代名であるアイフェル期(デボン紀中期)はこの地方名が由来であり、古生物学史における重要産地となります。モロコプスにもよく似たこのジーソプスを始め、当時の地理的な位置関係からモロッコ産の三葉虫に近い種が採取されています。 少し割れは目立ちますが、体長も約5cmとこの産地としては大きめで、保存状態も申し分ない良質な標本です。 #三葉虫 #Trilobite #化石
Middle Devonian #104 Germany Ahrdorf Formationxiu_trilobite
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Kettneraspis aracana
レオナスピスとしても出回っていますが、尾部の中央4本の棘のうち、中央の2本が短いケトネラスピスの特徴を持ちます。 Catavi Formationはアンデス山脈に露出したシルル紀末期からデボン紀始めの地層のようですが、購入元や他の標本に倣ってシルル紀としました。 ボリビア産としては珍しいシルル紀の標本でしたが、最近まとまって標本が採取されるようになったのか比較的入手しやすい種となっており、これからボリビアの代表種となっていくのか個人的に注目しています。 #三葉虫 #Trilobite #化石
Lower Silurian #68 Bolivia Catavi Formationxiu_trilobite
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Ceraurus plattinensis
カナダ・オンタリオ州のボブケイジョン層からのCeraurus plattinensisの標本です。この種は他のセラウルスに比較して頬棘の幅が広いのが特徴ですが、この個体はその特徴がそれほど強くは出ておりません。 現在ボブケイジョン層では化石の採取が許可された採石場がかなり限られているようですが、腕足類など様々な生物の残骸が残ったなかなか鑑賞性の高い標本が採取されます。 この個体は尾板の右側の棘はクルッと丸まったように変形しています。脱皮の失敗によるものでしょうか。 #三葉虫 #trilobite #化石
Upper Ordovician #74 Canada Bobcaygeon Formationxiu_trilobite
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Changaspis elongata
できれば希少性とか価格などを抜きにして、純粋に心惹かれた三葉虫を集めたいと思っているのですが、この種はまさにそういう存在です。非常に美しい肋棘を持っています。 中国語名は張氏虫でChangaspisという種名もここから来ていると思われます。扁平でとてと小さな尾板を持つカンブリア紀らしい姿をした三葉虫です。 #三葉虫 #trilobite #化石
Lower Cambrian #93 China Balang formationxiu_trilobite
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Elrathia kingi
このエルラシア・キンギという種は博物館のミュージアムショップなどでも販売されている三葉虫の代表的存在です。ある意味で名前の通り「三葉虫の王様」と言えるかもしれません。 ただ実態としては、Wheeler Shaleの一部でしか産出しておらず、他の種が棲息できないような低酸素環境に適応することで限定的な地域で独占的地位を獲得した種で、産出数が多いのも低酸素環境だからこそ化石としても残りやすかったためとされています。 このニッチな生存戦略を考えれば、カンブリア紀の海において現代における化石流通量ほど圧倒的な存在感があった訳ではなかったと思われます。 この標本はいわゆるRed bedからの赤みを帯びた標本で、通常の黒やグレーの標本に比べると希少価値があります。 #三葉虫 #Trilobite #化石
Middle Cambrian #55 US Wheeler Shalexiu_trilobite
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Asaphus platyurus
10cm近くある大きなアサフスです。判別の難しいロシア産アサフスにあって、この種は長い頬棘が特徴的で容易に見分けがつきます。 Vipovisy Quarryは15年程前から採掘が始まった石灰石の採石場で、St. Petersburgの主要採取地のひとつとなっています。 色合いも保存状態も素晴らしいロシア産三葉虫ですが、全体的に高価格な上、昨今の政治的情勢もありなかなかコレクションを増やしずらい状況になってしまいました。 #三葉虫 #trilobite #化石
Lower Ordovician #10 Russia Asery levelxiu_trilobite
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Bollandia globiceps kleini
購入元からの情報では産地はベルギー・エノー州・ヴォーと記載あり、この地域にあるLemay採石場の標本と思われます。 Tournai Formationの標本は、自然な露出ではなく、重機を使用して行われた大規模な露天掘りによって採取可能になっています。鉱山の休業日などに特別な許可を得て化石の採集活動が行われていたようです。 ベルギーの石炭紀三葉虫は陶磁器のような質感がとてもきれいで好みなのですが、なかなか状態の良い標本は入手できていません。この標本の左側葉部のように白い外殻が剥がれているのは典型的な状態です。 #三葉虫 #trilobite #化石
Lower Carboniferous #76 Belgium Tournai Formationxiu_trilobite
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Archegonus nehdenensis
ドイツから石炭紀の三葉虫、アルケゴヌスの標本です。頬棘の長いタイプとなります。 腕足類の化石との共産プレートで雰囲気が良い標本です。裏面にもやはりアルケゴヌスと見られる個体の頭部が見られますが、完全体であれば3cmは越えたであろう大きめの個体です。他の石炭紀の三葉虫同様に群れて暮らしていたことが想像されます。 #三葉虫 #trilobite #化石
Lower Carboniferous #84 Germany Aprathxiu_trilobite
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Jenkinsonia varga
くびれのある特徴的な形をした可愛らしい小型種で、成体でも1cmになりません。こうして写真を撮ると三葉虫なのは明らかですが、肉眼では石に小さな汚れが付いているくらいにしか見えません。 小さすぎるためか、このように丁寧なプレパレーションが施されたものは珍しいです。本種の中ではなかなか高品質な標本と思います。 3枚目の写真は細部が分かりやすいように水に濡らして撮影しています。 #三葉虫 #Trilobite #化石
Middle Cambrian #37 US Wheeler shalexiu_trilobite
