松竹株式会社事業部 松竹映画 危険な女たち パンフレット

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●編集・発行/松竹株式会社事業部

昭和60年(1985年)に公開された映画『危険な女たち』のパンフレットです。
『危険な女たち』は、昭和21年(1946年)に発表されたアガサ・クリスティ(早川書房ではアガサ・クリスティーと表記)の長編小説「ホロー荘の殺人」を、舞台を日本に置き換えた翻案ミステリー映画です。監督は『砂の器』『八つ墓村』など、松竹で数々のミステリー&サスペンス映画を手掛けた名匠・野村芳太郎。同監督にとっては昭和54年(1979年)公開の『配達されない三通の手紙』(原作はエラリー・クイーンの「災厄の町」)に続く海外ミステリーの翻案作品になりますが、出来は...、微妙でしたかね。実は野村監督は『配達されない三通の手紙』の前にもクリスティ作品の映画化を狙っていて、それが権利関係で難しいということで、結果的に『配達されない三通の手紙』の製作となったという経緯があり、6年経って念願のクリスティ作品の映画化となった訳ですが、映画としての重厚さ、女優同士の演技合戦、様々な面で『配達されない三通の手紙』を下回っていたと思います。何かと残念な映画ではありますが、探偵小説・ミステリー映画好きとしては、原作のエルキュール・ポワロに相当する推理作家“枇杷坂周平”を石坂浩二が演じているのが興味深いですね。石坂浩二といえばご存知、市川崑監督の金田一シリーズで“金田一耕助”を演じた俳優でありますが、同時期に野村監督は渥美清を“金田一耕助”に起用した『八つ墓村』を監督しており、横溝ブームの時は交わることが無かった両者が、年月を経て相まみえているのが何とも感慨深いです。映画終盤、真犯人が毒を飲んでしまうシーンで、石坂演じる枇杷阪に「しまった!」といわせる市川版『犬神家の一族』へのオマージュとも取れるシーンには思わずニヤリとしてしまいます。

#危険な女たち #野村芳太郎 #アガサ・クリスティ #アガサ・クリスティー #松竹 #ミステリー #パンフレット

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    2025/05/31 - 編集済み

    寺尾聰が殺さる人でしたよね
    んで、犯人はアノ人(内緒)

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    • B6cf967ebcafa336fe0b5e970ad6d9c2

      dape_man

      2025/06/01

      アノ人はさすがの存在感でしたが、それ以外の女優陣がTVサイズで、野村芳太郎の映画にしてはやや弱かったかなぁ~と。個人的には、汚い婆さん役のイメージが強い(失礼!)北林谷栄がハイソな病院長夫人を演じているのが面白かったですね。

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      BACKDRAFT

      2025/06/01

      横溝正史映画の岸恵子さんと一緒で、キャストを見ただけで「犯人、この人で決まりじゃん!」ってくらいの存在感(笑)

      北林谷栄さん、庶民的な中にも上品さがあると思うので、「大誘拐」の刀自役は当たりだったと思ってます
      最近はこういう女優さんいないんじゃないかなぁ

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    • B6cf967ebcafa336fe0b5e970ad6d9c2

      dape_man

      2025/06/03

      『大誘拐』は若い頃からお婆さん役を演じてきた北林さんの集大成みたいな映画でしたね。日本アカデミー賞なんてろくなもんじゃないと思っていましたけど、あの映画で北林さんを最優秀主演女優賞に選んだのは納得でした。

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    woodstein

    2025/06/03 - 編集済み

     公開当時、映画評論家のおすぎが、「キャスティングを見ただけで、犯人が分かった」旨を語っていたのが記憶に残っています。

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    • B6cf967ebcafa336fe0b5e970ad6d9c2

      dape_man

      2025/06/03

      まぁ、ミステリー映画には「大物女優○人の法則」がありますからねぇ。それにしてもおすぎは無粋ですね。

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      woodstein

      2025/06/03

       この作品の4,5年前に公開された『クリスタル殺人事件』のときも同じようなことを言っていました。当時はマスコミによく出演していたので話を聴く機会も多かったのですが、確かに無粋な発言が多かったかな。

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    • B6cf967ebcafa336fe0b5e970ad6d9c2

      dape_man

      2025/06/05

      そういえば『クリスタル殺人事件』も真犯人はあの大物でしたね。他にも『めまい』のキム・ノヴァクとか、この数年後にエイズで死んでしまうロック・ハドソンとか、“ジェシカおばさん”を演じる前のアンジェラ・ランズベリーとか、顔ぶれを見ているだけでも楽しい映画でした。

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