株式会社ベストフィールド 江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎 DVD-BOX2

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平成28年(2016年)に株式会社ベストフィールドより発売された『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎 DVD-BOX2』です。
『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎 DVD-BOX2』には第14話から第26話までを収録。原作の有名どころが多く収録されていた『DVD-BOX1』に比べると、ジュヴナイルの怪人二十面相モノやマイナー作品が多い本巻の収録作品はやや“小粒感”が否めませんが、そんな空気を吹き飛ばすのが第25話「白昼夢 殺人金魚」と第26話「白昼夢 殺人狂想曲」の最終2話です。その異色作ぶりから本放送時は通常のレギュラー枠での放映が見送られ、数か月後の単発放映となったとの逸話を持つこの2話、一応は乱歩のショートショート「白昼夢」を原作とする作品ですが、ほとんど脚本を担当した大原清秀のオリジナル作品ともいっていい内容で、特にブレイク前の斎藤晴彦(バラバラマンを演じる9年前!)が狂気の殺人鬼を演じた「白昼夢 殺人金魚」は日本のテレビドラマ史上に残る怪作。このエピソードの中で斎藤演じる早乙女は街中の易者に扮し、相談者たちの悩みを聞いては常軌を逸した殺人を重ねてゆきます。糖尿病を患い、甘い物を我慢しているサラリーマンの男を大量の菓子類しかない部屋に監禁して殺害した挙句、その死体をキャンディ―で一杯の棺桶に入れて遺族のもとに届けたり、公団住宅の抽選にずっと落選し続けている家族を入居させる為に団地の水道に毒を混入し、8500人(!)もの住民を大量虐殺したり、横恋慕していたファッションモデルの婚約に絶望した男(演:安藤三男!)の復讐の願いの為に、男を殺害、その生首をファッションモデルの披露宴のウエディングケーキの中に仕込んだり...。とにかく異様なテンションで犯罪を繰り返し、明智を挑発し、追い込んでゆく早乙女というキャラクターが凄い。その圧倒的な存在感は、さながら早過ぎた『ダークナイト』のジョーカー、といった感すらあります。

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